方言⇒標準語

四国東南部の方言 順引き辞典(方言⇒標準語)


[略称]土=土佐弁 新=新土佐弁 甲=甲浦弁 野=野根弁 宍=宍喰弁 山=山分言葉
     海=海部弁 阿=阿波弁 佐=佐喜浜 大=大阪弁 ゾイカイ弁 和=和歌山弁
    岬陽=室戸岬~甲浦地域 幡多郡 高知県中西部 徳島県 幼児語=幼児に使う
    等々、いずれも東洋町で使われるが、発生源や流入先などを推定したもの
    同=同義 逆=逆義 例=用例 接頭語・接尾語=始め終わりに付ける

 注・※印は東洋町独特か「高知県方言辞典」に記載のないもの

あ行  か行  さ行  た行  な行  は行  ま行  や行  ら行  わ行

     あ

※あー・あア=あんなこと、あんなふう(例・あーはせざった)
※あーせェこーせェ=ああしろこうしろ
※あーとー=ありがとう(幼児語)
 あーん=口をあけること(幼児語)
 あい=ハイ(返事)
 あい=私
※あい=鮎(魚名)
 あい・あいさ=合い間、仕事と仕事の間、隙間
 あいがわり=入れかわり立ちかわり[和にもある]
 あいこ=引き分け、勝負なし
 あいさ・あいさ=時折り[山・和にも]
※あいじょー・あんじょー=具合よく(アイジョーは海)
※あいそ・あいそなし=愛想、もてなし・お構いもせず(挨拶応対語)
 あいた=明日(同・あひた・あひさ)
 あいた=ああ痛い(例あいたいの!)
※あいた・あいちゃ・あいとは=あいつは[宍]
 あいだがら=親戚、人間関係
※あいだごそ=薮の中(例・あいだごそを抜ける)
※あいだのはま=陸地と島との間の浜[甲]
 あいと=あいつ(同・あいた、あと)
 あいのきもの=合わせ着、間着
※あいのま=畳のサイズ:182×91㎝、田舎間(江戸間)と本間(京間)の中間
     (田舎間=176×88㎝、柱も含め180×90㎝、江戸間とも言う)
     (本間=190×95㎝、京間とも言う)
※あいはらみ=相孕み、同一家の人と家畜が緒に妊娠する。[山]
 あいまち=あやまち・ケガ・不祥事
 あいみ・あんみ=歩み(幼児語)
 あえてくーばー=あり余るほど
 あえられる=わやにされる・からかわれる
 あおき=くろがねもち(樹木名)
※あおこ=小型のゴマサバ(魚名)[甲]
※あおじ=ツムブリ(魚名)[甲]
 あおしゃ・あおびしゃ=未熟の果実
 あおず=未熟の果実
 あおずく=打ち身で内出血した状態
 あおた=ブダイ(魚名)[甲]
 あおぬく・あおのく・あんぬく・あんのく=仰向く[和にも]
 あおび=あわび(貝の名)[野・甲・海・和]
※あおべろ=あおべら(魚名)
※あおもん=青魚(青い魚種)
※あおやまだい=特大のマダイ(魚名)[甲]
 あか=船に溜まる水
 あかー・あかア=あなたは(同・あこは)[野~海]
※あかいしもち=ネンブツダイ(魚名)[甲]
 あかこ=イトミミズ(淡水魚の餌にする)[和にも]
 あかし=明かり、松明
※あかはな=大型のカンパチ(魚名)[甲]
※あかびた=アカアマダイ(魚名)[甲・県西部]
※あかふん=赤い六尺ふんどし(子供が水泳に着用、サメ除けになると言われた)
※あかへいじ=キントキダイ(魚名)[県東部](高知県では通称メバルと言う)
※あかべんけい=アカテガニ(蟹の名)用水路から庭先にまで棲む
※あかもぶれ=垢だらけ
 あかもん=赤魚(赤い魚種)
 あがりがまち=座敷の上がり口などの小さな縁(かまち)
 あがりたて・あがりと・あがりはな=玄関
 あがる=①終了する・②結実が止まる・成熟する
 あかん=だめ、いけない
 あき=米麦の収穫期・収穫の農作業
 あぎ=あご(同・あぎと、あぎっと、甲浦では「あげと」とも言う)
 あぎる=成熟期を過ぎる・収穫期を過ぎる
 あくさい=悪い結果が予想されること(海は陰口や悪口にも使う)
 あげ=~の後
※あげた=子供の鬼ごっこや隠れん坊遊びで「降参した」で次回戦に入ること
※あげと=あご[甲](アゲトが落ちるばァんまいねェ)
 あげな=あんな・あのような
※あけのひ=翌々日
 あけぶ=あけび(植物名)(同・わけぶ)
※あげる=嘔吐する
 あこ=あなた・おまえ[野~海]
 あこ=あそこ[野~海](同・あっこ、あしこ)
 あこな=あそこの
※あこーなる=赤くなる、明るくなる、夜が明ける
※あさいち・あさいき=朝早く(あさいきは海)
 あさぎ=浅木・低い雑木
※あさぐもりはげがなく=朝に曇っておれば昼下がりに猛暑となる夏の季節ことば[甲]
※あさってむく=関係ない方角(例・顔はアサッテ向いちゅー)
 あさっぱち・あさっぱら=早朝
※あさぶら=草履の一種・裏打ち草履、ゴム草履など
 あさもち=午前中の定置網あげ(逆・ばんもち)
 あし=私
※あしいれ=試験的な暫定結婚
※あしがはいる=船脚が下がる、大漁で船の喫水が下がる[宍]
   高知県中西部は「あしをいれる」と言う
※あしがはやい=食べ物が早くダメになること
※あしく・あちく=私の家[宍]
※あしこ=あそこ[甲~阿](同・あこ・あっこ)
※あじもしゃしゃらもない=そっけない、味がない
 あしゃー=私は
※あじゃくる=からかう[佐]
 あじゃける=からかう、ふざける
 あしらう=身体をいたわる、養生する、適当に応対する
 あじろ=漁場
 あずる=てこずる
※あぜかき・あぜよせ=苗代の周囲を整える
※あせにうく=汗に浮く、汗びっしょりになる
 あせもん=あせも
 あたー・あとは=あいつは
 あたエ・あたい=私(女言葉)(海部では「おた・おたい」)
 あたがる=与えられる、分配される
※あたごンさん=愛宕神社[甲・宍]
 あだたん=入りきらない、身のたけ以上
 あだつ=該当する、身のたけにあう、可能
※あたま=美容院・整髪(例・あたまへ行く)
※あたまわり=人頭割で分配
 あたる=田畑を借りる・小作
 あち・あちい・あちゃー=私・私は[宍]
 あちく=私の家[宍]
 あちこち・あちゃこちゃ=あべこべ[和にも]
 あつけ=暑気あたり[和にも]
 あっこ=あそこ
 あったいさん=神様(幼児語)
※あったわえー=ありましたよ[野](同・あったわよ、あっとーさー)
※あったわよー=ありましたよ[甲](同・あったわえ、あっとーさー)
※あっとーさー=ありましたよ[野](同・あったわよ、あったわえー)
 あっちゃ=あちら
 あっちゃこっちゃ=あちらこちら
 あっちゃこっちゃ・ありゃこりゃ=あべこべ(あちらがこちら)
※あっつろ=あったでしょう、あるでしょう[和にも]
 あっぱい=かわいい(幼児語)(例・あっぱいべべ=可愛い着物)
※あっぷい=かわいい(幼児語)[甲]
※あっぽう=あほう(幼児語)[和にも]
 あっぽろけ=あきれかえる
 あて・あてー・あてエ・あてい=私
※あて=薪割りのアテ(木製の土台)、酒のアテ(肴)、航海のアテ(目印)
 あてく・あてンく=私の家
 あてこすり=皮肉、風刺
※あてーいや=あらイヤだわ・私イヤだわ(女言葉)(男言葉・おらーいや・おんでいや)
※あてもん=子供の買うくじ付きまたはくじ引きの商品
 あてる=水田や池などに水を引き入れる、田畑を貸す
 あと=あいつ(同・あいと)(男言葉)
 あとさし=一つの布団に2人が反対側から足を入れて寝ること
 あどえる=あわてる
 あとおい=母親が出掛けるとき幼児があとを追って泣くこと
 あとげつ=前月
※あとにしり=あとすざり[佐]
 あともことも=あいつもこいつも(男言葉)
 あない・あなげ=あんなに(同・あなげな=あのような、あなげに=あのように)
 あなご・あなごと・あなんこ・あなんご=穴(ゴにアクセント)
 あに・あにー・あにやん・あんにゃん=兄さん、年上の男
 あばばい=まぶしい
 あびき・あぶき=異常な波立ち・大船の通った周囲に広がる余波
 あひさ・あひた=明日
 あぶつく=あわてる、波立つ
 あぶらこ=高知県内ではメダカだが、野根ではメスのギンヤンマ
 あぶらめん=ギンヤンマのメス(羽が油の色合い)
※あほいき=考えなし、無鉄砲
 あほーぐち=馬鹿話
 あほだら・あほたれ=馬鹿者(同・あほーだら、あほったれ、あほんだら)
※あま=ゴキブリ(東洋町では「ゴキブリ」とは言わずゴゼまたはアマと言った)
※あま=害虫のアリマキ[甲]
※あま=水に潜る、海女、潜水夫
 あまいた・あまえた=甘えん坊
 あまぐろ=雨水でできるカビの斑点シミ
 あます=処分する、捨てる、吐き出す
※あまてこ=うかつもの、あわてもの[甲]
 あまのり=冬場の磯の岩海苔、または岩海苔を加工したもの
 あまのりかき=岩海苔を採って製品化する仕事(当地では農家の冬場の仕事)
 あまる=落雷[甲~徳島県]
※あまんじゃく=あまのじゃく、何事も反対する人[宍]
※あめいも=ふかし芋を切って干したもの[甲]
 あめがぶらさがる=今にも雨が降りそうな状態
 あめご=アマゴ(魚名)
 あやかしー=ばかばかしい、卑猥な
 あゆみ=船と陸の間にわたす歩み板、工事現場や建築現場にも使う
 あら=おおざっぱ(例・あらに田を起こす、あらに算用してみる)
 あら=魚料理後の頭や臓物や骨
 あらいあけ・あらいがけ・あらいやけ=料理後の皿洗いや後始末
※あらいじゃ・あらアの=あるよ(強調語)[甲・宍]
※あらいで=あるよ(強調語)
※あらいな・あらいなア=あるよ、あるだろう[甲・宍]
※あらいばり=伸子張り、洗濯物を乾す道具あるいはその方法(張り板か伸子張り)
※あらおこし=耕土を荒く起こす(最初の耕運作業)
 あらき=差・間隔(例・あらきをとられる=差をつけられる)
 あらきとられる・あらけとられる=差をつけられる
 あらく=差がつく・間隔が広がる
 あらくたい=荒っぽい
※あらけ・あらけとられる=差、間隔・差をつけられる[甲]
 あらける・あらける=広げる、片付ける、整理する
 あらざらし=あらさがし、欠点を探す
※あらせ=炭窯の正面扉の底辺部分の穴(炭焼き用語)
 あらぼん=新盆、この一年間に死んだ人の盆
※あられん=あってはならない、あるはずがない
 ありあい=ありあわせ
 ありつく=住み着く
 ありゃこりゃ・あっちゃこっちゃ=あべこべ(あちらがこちら)
※あるかいな=あるものか[海]
※あるで・あるでよ=ありますよ[阿](徳島県はアルデナイデ)
※あれなり=あのまま、そのまま
※あればー=あの程度、あれくらい
※あろた・あろて=洗った・洗って
※あわい・あわや=家と家との間の狭い空間、細い露地[野・甲・海]
※あわしてなやみよる=釣った魚を取り込むのに苦労している[宍]
 あわてこさい・あわてざい=あわて者
 あん=あの
 あんか=気楽、ぼんやり(例・アンカに構える、アンカ無事と思うな)
 あんき・あんけ=気楽、気安い
※あんじょう=要領よく、思いどおり[甲・徳島県・大](海はアイジョウも使う)
 あんぜる=心配する
※あンだけ=あれだけ、あれほど(例・アンダケ言うたに)[和歌山もン変化が多い]
※あんつけ=ぼたもち、おはぎ[甲](甲浦ではぼたもちと言う人が多い)
※あんなン=あんなもの、あんなこと[和歌山もン変化が多い]
※あんにゃん=兄さん、年上の男の人
 あんぬけ・あんのけ・あんのけた=仰向け
※あんのん・あんのんけ=ありますか[阿]
 あんぼ=庵守り、庵主、堂守り、堂主
 あんみ=歩み(幼児語)
※あんろく=海草ワカメの一種。学名はミミナ。東洋町周辺でミミナと呼ぶのは学名アン      トクメ。ミミナとアンロクが逆使用となっている。

      い
※い=神様(例くまのい=熊野神社)[甲・阿](同・イグシ・ユグス・イゲ)
 ~い=~へ(例・まいいいた=お向かいの家へ行った)
 いー・いイ・いん=はい、応諾の言葉[和にも]
 いー=結い、相互協力、労働交換
 いイ=えー、本当か、(念を押す言葉)(野・甲・海)
※いーかげん・えいかげん=いいかげん(例・ここらでイーカゲンにやめちょけ)
※いーぱい・いーっぱい=いっぱい
※いーやい=言い争い、口論[和にも]
※いーよる・いよる=言っている
 いーん・いイん=いいえ、反対や拒絶の言葉
 いいさがす=言いふらす
※いいたくる=言いたい放題に言う、言いふらす
※いいだしっぺ=言い出した者
※いいよる=言っている
※いえせん・いえへん=言ってない
 いお・いよ=魚(イウォとも発音する)
※いかき=ザル、吊りかぎ、飯かご[和にも]
※いがく=湯がく
 いかげん・えかげん=いいかげん(例・アトの言うことはイカゲンなもの)
※いかざった・いかんかった=①行かなかった、②だめだった、③人が死ぬこと
 いかなー=いけない、ダメだ
※いがみ・えがみ=ぶだい(魚名)
 いがむ=ゆがむ
 いがる=大声で怒鳴る
 いかん=①行かない、②いけない(禁止)
※いかんちゃ=いけない(土や新では「チヤ」だが東洋町では「チャ」)
 いがる=どなる、大声を出す
※~いき=調子にのって(例・あほイキに走る)
※いきあい=辻や出鼻などにひそむ魔性の災厄
※いきあいに会う=いきあいにとりつかれる
※いきけにならん=行くことができない、行くようにならない
※いきしな・いきしだ=いきがけ(逆・いにしな・帰りしな)
 いきしもどり=行き帰り
 いぎす=海草のテングサ、草木の密生した状態
※いきずむ=息を詰めて下腹に力を入れる(出産、放屁、放糞)
※いきつき=行き当たり
 いきつむ・いきづむ=生活や事業がいき詰まる、生活が困窮きわまる
※いきぬける=行ったきり帰らない
※いきむ=息を止めて腹に力を入れる、息張る
 いきる・いきりもん=張り切る、意気ごむ、自慢する・いきる人
 いくか・いっか=いけない、いかない、ダメだ
    例・いくかえー、いくかだー、いくかまー、いくかのー
      いっかえー、いっかだー、いっかまー、いっかのー
※いくし・いぐし=田の神[阿](野根では「ユグス」高知県全般では「イゲ」)
         田圃の中などに数坪の低い盛り土で、野根では地目が墓地、
         海南町吉野でイクシサンを発掘したら鎌倉時代の古鏡が出てきた
※いくび=いくみ(生見=地名)(子音MがBに変わる)
 いくり=すもも(果物アンズの一種)
※いげ=湯気[和にも]
 いけいけ=無計画に推進する、考えなしに実行する
 いける=埋める、水の中に入れる
 いご・いごつ・いごっそ・いごっそう=頑固者、偏屈者(海ではイゴムシ、エゴッソ)
 いごく=動く[和にも]
 いこす=火をおこす[和にも]
 いこる=①炭火が盛んになる、②興奮して男性器が勃起する
 いさば船=出買い船、廻船
※いさましー・いさましゅー=元気に、健康に(例・いさましーしよったかえ)
 いざる=座る
※いざりよる=座ったまま寄ってくる、にじり寄る
※いじかましい=気味が悪い、気味悪いほど大きい、気味悪いほど多い
※いじくそわるい=意地が悪い
※いじくろい・じじくろい=老化現象で黒っぽい(皮膚や壁面など)
※いしとり=葬式後の仮の墓石[野]
 いしゃごろし=よく効く薬草(きらんそう・医者いらずとも言う)
 いじょう=それ以降、それ以後
※いそいお・いそいよ=磯にすむ魚の総称
※いそえび=いせえび[甲]
※いそかご=磯釣り用の魚籠
 いそしい=いそいそしい、こまめに動きまわる人
 いそもん=磯で採れる魚や貝類
 いた=①した、②行った、③居た(例・どいた=どうした)
 いだ=川魚ウグイ(魚名)
 いたいた=痛い目、痛い傷や腫れ物(幼児語)
 いたずり=イタドリ=山菜として利用する、虎杖(植物名)
※いただき・いただきさん=頭に商品を載せて魚などを行商する人[徳島県]
※いたつき=かまぼこ[甲]
※1がさした2がさした~8(蜂)が刺した=幼児をあやす遊び
 いち・いちこ=長男、大切な子供
※いちぜんめし=一膳飯、葬式の食事で茶碗1杯だけ食べる。平素は一膳飯を忌む
※いちびる=ふざける、いじめる、からかう
 いちま=人形、市松人形(例・イチマがような可愛い子)[和にも]
※いちりとらーらーらっきょくてしーしーしんがらもちゃきゃっきゃっきゃべつでホイ
    =子供の遊び歌
※いちんち=一日
 いっか・いっけ・いちげ=親類一統、一族
※いっか・いくか=いけない、いかない(同・いっかだー・いっけだー・いっけまー)
 いつかん=住み着かない、ありつかない
 いっきょる=行きよる、行っている[甲・宍・海](例・どこいいっきょんでー)
※いっきょんのんか・いっきょんのんかい=行っているのか[甲・宍・海]
※いっきょんのんぞい・いっきょんぞ=行っているのだ、行っているのか[甲・宍・海]
 いつく=住み着く、ありつく
 いっけ=一族、親戚、[和にも]
 いっこ・いっこくた=いっしょ
※いっこつ=たちどころに始末がつく(例・あいつにかかったらイッコツよ)
※いっこも=少しも[甲~徳島県・和にも]
 いっさんに=いっせいに・いっしょに
※いっしこまっしこ=あれこれ戸惑いぐずぐする[佐]
 いっしょくた=なにもかもいっしょにする[和にも]
 いつぞ・いつぞや=いつか(未来)、いつだったか(過去)
 いっそのかー=いっそのこと
※いったいこったい・いったいぜんたい=いったい(疑問語)
※いったんまいまい=ミズスマシ(水生昆虫)[海]野根では「マイマイ」
 いっち=一番[佐]
※いっちゃん=一番
※いっちゃんまいまい=神祭の巫女の舞[甲]
 いっちょーら・いっちょーらい=おろしたて、最新の衣服
 いっちょら・いっちょらい=おろしたて、最新の衣服
※いっちょら・いっちょる=行っている(徳島県ではイットラ、イットル)
※~いっちょる・~いる=熱中している・熱中する
 いつっちゃー=いつも、いっこうに
※いっぱいよけついぢゃる=御褒美として酒宴の時に一杯余分に酒をついでやる
 いっつもかっつも・いつもかつも=いつでも
※いっとー・いっとーえー=行ってしまった[野]
※いつろ・いっつろー=居ただろう、行っただろう
 いて=行って(例・いてくる、いてこい)[和にも]
※いてこい・いてこいだー=行ってこい(挨拶言葉)[甲・宍・海]
 ~いで・~いでか=~しないでどうする[和にも]
 いてしもうた=死んでしまった、役立たなくなった(人間、動植物、機械など)、
 ~いでも=~しなくても[和にも]
 いでる=茹でる、煮る(例・イデブシ=茹で節、煮節)
 いど=尻、肛門(例・ボニに川で泳いだらエンコーにイドを抜かれる)
※いどがえ=井戸替え、イドザラエとも言う、井戸の中に入ってきれいにする作業。
      年に1回夏場の井戸浚え、井戸の釣瓶縄も轆轤を使って新しく麻で編む。
      浅い井戸は釣瓶を使わず綱や竹竿で水を汲んだ、釣瓶や綱が井戸の中に
      落ちたときは麻縄の先に四本子の錨がついたカギで釣り上げた
※いどがえおとこ=井戸の中に入ってフンドシ姿でイドガエ作業をする男性
※いとこはとこ=従兄弟に近い縁戚
 いとこはん=従兄弟より一回り外縁
※いとこみょーと=いとこ同士の夫婦(親戚を増やさないための縁組)
 いととり=二人向かいあって一方が両手に糸束を広げ一方がそれを糸巻きに巻き取る
※いととりじょこう=糸取り女工(繭から絹糸をとる女工)
 いな=ボラの小さなもの(魚名)
※いなあたま=後頭部が偏平な頭
※いなかま=畳のサイズ:176×88㎝(柱も含め180×90㎝)江戸間とも言う
     (あいの間:182×91㎝、京間=本間:190×95㎝)
 いながら=そのまま、いきなり
 いなさ=東~南東の風
 いなす=離婚する[和にも]
※いなだ=ブリの小さいもの(モジャコ→ワカナ→ツバス→イナダ→ハマチ→メジロ→ブリ)
※いなりくた・いなりくたり=いながら、そのまま
※いなんか・いねへん=帰ろう・帰らない
※いにがけ・いにしな=帰りがけ(逆・いきしな)
 いにくさる=帰ることを悪しざまに言う言葉
※いにしな・いにがけ=帰りがけ(逆・いきしな)
※いぬ=帰る(同・いによる、いんにょる、いのりよる)
※いぬのいきやい=仲の悪い夫婦のこと[甲]

※いぬもどしさるもどし=犬や猿を通さない峻険(野根と佐喜浜間の淀ケ磯にある地名)
            同様な地名に真砂瀬と船津の間に「牛返し馬返し」がある
 いね=帰れ
※いねよー=帰れ、さようなら[野]
※いのこむし=白く小さな綿虫
 いのす・いのす=柚子の酢、柚子ミカンの果実を絞った酢[山]
※いのす=女の偏屈者、頑固者[甲]
※いのる=帰る[野]高知県は「イヌル」が主体
 いび=指[甲・海]
 いびる=からかう、いじめる
※いぼーじり=カマキリ(昆虫名)[野]
 いぼじり=カマキリ(昆虫名)東洋町では使われない・詳細はカマキリの項を参照
※いぼる=ちゃがまる、へたりこむ
 いまさっき=今しがた、ほんの少し前
 いまゆーしに=今言ったとおりに[甲・高知県中西部も]
 いまりゃー=今は、今では
※いみがかり・ゆみがかり=忌みがかり、喪中のため祭事に出ない
※いも=軽蔑語(例・あいつはイモじゃ、イモ侍)
 いもつぼ=甘薯を保管する穴蔵(座敷の下を掘り赤土で周囲を固める)
※いもぶりかご=芋などを入れる目の荒い竹籠、ふりかご
※いやア=言いますか(例・あの人は何といやァ)
※いやがえ・いややわれ=いやだ[海]
※いやがよ=いやだよ[宍]
 いやし=食い意地のはった人、食べ物を欲しがる人[和にも]
※いやしなべ=魚主体の煮物で鍋の中味をすっかり食べ尽くすこと[野]
 いやしり・いやじり=連作の障害(農業用語)
※いやっちゃ・いやっちゃもー=いやだ、いやだもう(驚嘆~拒絶)
 いやべ・いやべー=いやだよ(拒絶・子供言葉)、
※いやや・いややわれ・いやがえ=いやだ[海]
※いよいよ・いよいよ=まったく、よくよく
※いよんのに=言っているのに
 いらう=触る、もてあそぶ、不必要に扱う[海・阿・和]
※いらち=いられ、短気[和にも]
 いらばかす=見せびらかす
 いられ=せっかち、あわてもの
※いらんこと=余計なこと、余計な世話
 いり・いりこ・いりじゃこ=煮干し、だしジャコ
※いりあい・いりやい=お互いの贈与(祝い金や香典など)をやりとりなしにする
 いりじる=煮干しのあとの汁
※いりやま=①狩猟に山へ入る、②山小屋に泊まりがけで山仕事や炭焼きをする
※~いる~・いっちょる=熱中している・熱中する
 いるり・ゆるり=囲炉裏
※いれおどり=盆踊り、慰霊踊り、野根浦地区では所定の踊り場でなく新盆の家などが
       戸別に自費で踊り子を招いて踊ってもらうことを入れ踊りと言う。
 いれこ=2重3重に重ね入れる(海では一つおきにも使う)
※いれみ=贈り物や貰い物を入れてきた器に心ばかりのお返しを入れて返す
※いれめ=加増米(同・口米、俵付)、余分に入れ足すこと
※いれもん=容器、物を入れるうつわ
※いろき=色気違い、変質者
※いろばな=色花、墓に飾る菊などの花もの(墓には枝葉ものを飾るのが一般的)
 いろまく(いろまいた)=恐ろしさに顔色を失う(失った)
※いろったい=色あい
※いわえる=結わえる、結びつける
 いわごっとー=岩、岩盤
※いわせん・いわへん=言わない、言ってない
 いわたり=新築祝い、落成式
※いわんずく=言わないまま
 いん・いー・いイ=はい、応諾の言葉
 いんきょ=①隠居、②分家
 いんぐりもんぐり・いんぐりちゃんぐり=まごまごする身振り、不揃い
 いんげ・いんげの=いいえ、否定語
※いんけつ=どん尻、最後尾
※いんじゃん=じゃんけん[大]
※いんだ・いんでくる=帰った、帰ってきます、帰る
※いんどー・いんどオ・いんどーえー=帰った[野]、帰ったよ[野]
 いんにゃ=いいや(否定語)
※いンにょる=帰っている[甲・宍]
 いんのくそ=犬の糞
 いんま=今、ほんの今

     う
※うい=山間部の川沿いの小さな平野、またはそこの集落(元は和歌山方言、地名として    宇井・宇・上・井などに変化して、高知県徳島県の山間部にも多数ある)
※ういなり=一番なり、最初に結実したもの
※ういろ=餅米に寒天を混ぜた羊羹ふうのもの[和にも]
※うゥ=鵜(鳥名)
※うえしり=田畑の作物を植える部分、植えてある部分
※うかっぽ・うとっぽ=軽率、バカ、うっかり者[野・甲]
 うけ=魚釣り道具の浮き
※うける=神札などをいただく、かかりもん(割り勘)を出す場合が多い
 うげる・うげかやる=喜ぶ、歓迎する
 うごろ・うごろもち=モグラ(動物名)(海はウグラやウグロ)
 うさる・うさる=①無くなる、消滅する、②植物が枯れ絶え失せる
※うしがいしうまがいし=牛と馬がぶっつかった形の岩。真砂瀬と船津の間、僧津谷橋の            下にあり、昔から土佐と阿波の国境(現在は県境の地名)
※うしがえしうまがえし=牛や馬を通さない峻険(真砂瀬と船津の間の県境)
            牛ガ石馬ガ石とも言い昔から土佐と阿波の国境
            同様な地名に淀ケ磯「犬もどし猿もどし」がある
※うしのかいだし=牛の養い出し、肉牛を子牛から育てて親牛にして売る畜産業
 うしばく・うっしばく=しばく、たたく
 うしわか=女郎グモ[佐・昔は岬陽地区で広く使われた]
※うしんが・うまんが=牛鍬、馬鍬(牛馬に引かせて田畑を耕す道具)
※うす=①臼、②鶏の砂肝
※うすかー・うすかわ=皮の薄いミカンの品種名
※うすべったい=薄くて平ら、うすべたい
 うそこほんこ=嘘と本当、偽と本物、模擬勝負と本勝負
 うそのかー=うそ、うそっぱち
 うだく=抱く、抱きかかえる
 うたせ=次から次へと釣れる、たくさん捕れる、大漁(漁業用語)
※うたてい=うるさい、面倒くさい[海]
 うち=私(女性言葉・「ウチ」は徳島県や大阪のアクセント)、私の家、家の中
 うちく・うちんく=私の家
※うちこ=山車(だし~だんじり)に乗って鳴り物をたたく男の子(祭り用語)
※うちごもり=打ち身[宍]
 うちむらさき=ザボン(蜜柑)
 うちら=内側、内部(ラは側の意味)[和にも]
 うちわ・うちま=家族内、関係者の内だけ
 うッ~=強調の接頭語(例・うっかぶす、うっかぶせる、うっかぶる、うっこかす、
     うっさく、うっしばく、うっしゃくる、うっそえる、うったたく、うっとばす、
     うっとぼけ、うっとろけ、うっぱしる)
 うつ=①畑を耕す、②むしろを編む、③四国札所を参拝する
※うつぐさい=不潔な臭さがする
 うっさける=裂ける、(ウッは強調の接頭語)
※うつす=入れ替える、ぶちまける(甲の例・田ァへ下肥をうつしこったーした)
 うっしゃくる=急に引っ張る、強く引っ張る
 うっそえる・うん逃げる=逃げるの強調語(ウッは強調の接頭語)
 うったたき・うったたぎ=やり放題の者
 うったつけ=打ち付けのまま(簡素な建築仕事の用語)[甲・山]
※うっとしー=うっとうしい、面倒臭い、気が重苦しい
 うっぱい=外見、みかけ上
 うつぶく・うつぶけ=うつむけ、下向き(逆・仰向け、アンノケ)
 うっぽる・うっぽったーす=放るの強調語、放り捨てる(ウッは強調の接頭語)
 うつり・うつる=感覚・理解する、気が付く
 うてあい=人付き合いが悪い
 うでたち=敏腕
 うと・うど・うとっぽ=穴、洞穴、うろ
 うどうどうどうど=多数の人達がぶつぶつ言う
※うとっぽ・うかっぽ=軽率、バカ、うっかり者[野](海ではウットヌケ)
※うどぼれる=水びたしでふやける
 うどまかす・うどます・うどまったーす=なぐる、やっつける、恐れ入らせる
 うどみかやる=騒ぐ(カヤルは強調の意味)
 うどむ=騒ぐ、息詰んでうめく、恐れ入る
 うどれぐさい=高温多湿で臭くなる
 うないどし=同じ年齢
 うね=畑の畝、山の尾根
 うばし=ウナギを挟む漁具
※うま=棺桶を乗せて廻い場へ運ぶもの、(現在は霊柩車)[野・葬式用語]
 うま・うまうま=ご飯、食べ物(幼児語)
 うまあい=好みや気性が会う、良いコンビ[和にも]
 うまえる=うすめる(例・熱い湯を冷水で調節する。濃い味をうすめる)
※うまない・うもーない=美味しくない[和にも]
※うまなった・うまーなった=上手になった[東・海・阿]
 うまなや・うまだや=馬小屋
※うまのつの=①馬の角(大漁のお守り)、②存在しない神秘なもの
※うまひき=馬を使って荷物を運ぶ職業、主として林産物輸送が多い
 うまめ=うばめがし(樹木・備長炭の原料)
 うめのちりがん=梅花咲く頃に来る寒波(岬陽・足摺)
※うもーない・うまない=美味しくない
※うもなった・うもーなった=上手になった
 うもれる=蒸れる、蒸れて発酵する
 ~うら・~ら=~側(例・西ウラの家、向こうラの山)
 うら・うれ=枝先(例・身軽い子はウラのてんこつまで登る)
 うらき=製品化したあとの残った枝葉
 うらごしらえ=苗代を作る前に田の内外を整備すること
 うらつけ=宴会後または宴会の翌日にもう一度宴会すること
※うらて=裏手(野根八幡宮祭で奉納されていた泥棒2人の寸劇)[野・神祭用語]
 うるか=雄鮎などの精巣で作る塩辛
 うるこ=魚のウロコ
 うるさい=①面倒臭い、②苦しい、貧しい
 うれ・うら=草や木の先端部分
※うろ=目の前が暗くなる、頭の中が空白になる
※うろがくる=うろたえて訳がわからなくなる、目の前が暗くなる
 うわか・うわかー=表面、表側
※うわかさ=上回る(例・AさんはBさんのウワカサをいく)
 うわしお=海の表面の流れ(逆・ソコシオ)
 うわつち=耕土、田畑の地表の耕作部分、耕作権
※うわて・しもて=在所からみて京都に近い方をウワテ=カミ、遠い方をシモテ=シモ
※うわっぱ・うわっぱり=上着、屋内で履く履物
※うわる・うわっちょる=生えている
 うん・うんこ=大便(幼児語でもある)
※うんごろ・うんごろもち=もぐら
 うんすけ=うんと、たくさん
 うんだともつえたともゆわん=何もしゃべらない
※うんだます=だます[甲]ウンは強調の接頭語
 うんなし・うんなじ・おんなし・おんなじ=同じ
 うんにげる=逃げる、ウンは強調の接頭語
 うんにゃ=いいえ、いいや(否定)
 うんもー=牛(幼児語)

     え
 ~え・~えー=~か(疑問)、~よ(肯定)、疑問または肯定の接尾語
 ~え・~えー=~さんよ、(人称や姓名呼称などのあとにつける呼びかけ言葉)
 えー=柄(柄杓のエー)、餌(鶏のエー~エイ~エド)
 えエ=なに?、なんだって!
 えー・えエ・えい=良い、きれい
 えーあんばい=都合よい、うまい具合
 えーかげん・えいかげん=いい加減、あやふや[和にも]
※えーからしー・えいからしー=良かれと思って
※えーしー・えェしー=良い育ちの人、金持ちの人[和にも]
※えーっしぇいな=嫌な時の接頭語、しょうがない
 えーせん・えエせん・よーせん=できない
※えーへん・よーへん=できない(子音SがHに変化)[和や大にも]
 えい・えエ・えー=良い、きれい
 えい・えー=エイ(魚名)
 えいあんばい=いい塩梅、いい具合、いい調子
※えいし・えいしー・ええし=良家の人、旦那衆
 ええ=クモの糸、蜘蛛の巣[佐]他地区はエ
 ええ~=よい~、または否定の接頭語(例・ええかげん、ええせん、ええやんばい)
 えかげ・えかげん=いいかげん、あやふや[和にも]
※えがみ・いがみ=磯魚のブダイ(魚名)
 えがむ=歪む、曲がる
 えぎらい=選り嫌う(仕事や食物、動物にも食べない草木がある)
 えぐり=獲繰り、漁獲物を入れる袋で腹に巻くひも着きのもの
 えげ=あご(例・甲浦ではエゲイツカエルと言う)
 えご=小川、溝、かわにな(淡水貝の名・川ニナ貝)
 えご=鍬や斧などの柄をつける穴(例・えごがだすい=柄がゆるい)
 えしらん=知らない、よう知らん[山]
 えずい=汚くて気分が悪い、嘔吐しそうになる
※えずく・えづく=むかつく、吐き気をもよおす、嘔吐する[和にも]
 えせな=変な、馬鹿な、つまらぬ
※えそらもそら=あれやこれや
 えづく・えずく=むかつく、吐き気をもよおす、嘔吐する
 えつくった=得意になる
 えっころ=よほど
※えっと・えっとー=たいそう、久しい(例・エットー長い、エットぶり)[徳島県]
※えっとぶり=久しぶり
 えて=得手、都合
※えてかってつんぼ=良い事だけ聞こえ、悪いことは聞こえないふりをする。
 えてきち=得意、都合[和にも]
※えてきらう・てーをきらう=人により思いどおりにならない(逆・えてきらわん)
※えてきらわん=だれがやっても良い結果になる(逆・えてきらう・てーをきらう)
※えてやり=ええ格好しい[甲]
 えど・えで=餌(例・鳥のエド、釣りのエド)
※えどぎも=江戸肝、肝っ玉が太い、度胸が良い
※えどずし=江戸前ふうの寿司[甲]
※えどま=畳のサイズ:176×88㎝(柱も含め180×90㎝)、田舎間とも言う
    (あいの間:182×91㎝、京間=本間:190×95㎝)
 えどる=なぞる、書写する[和にも]
※えなが=漁師の使う柄の長い柄杓[宍・海]
※えば=①シマアジやカンパチの稚魚、②ひいらぎ(魚名)、③かいわり[佐・魚名]
※えびかご=釣り餌にする川エビやフナムシを入れる籠(釣道具)
 えびたま・えびたも=川えびなどをすくうタモアミ(ごく細い網糸で作る)
 えびら=竹で編んだ乾燥用または養蚕用の四角い籠(四周を細板で補強してある)
 えぶ=荷札
 えぶり=苗代かき作業の最後に平らにならすためのT字型の農具
 えべす・えべす=えびす、恵比須・戎・夷・蛭子(神様の名前)[和にも]
 えべっさん=エビス神様
※えほーだな=恵方棚、正月ったんとも言う
 えらい=偉い、辛い、大変な、たいそうな、[和にも]
 えらいて=身分の高い人、偉い人、強い人(逆・またいて)
※えらもん=偉い人、強気な人、暴れ者
 えりかみ=首筋
※えれれん=鮎釣りの餌入れ[野](えれ=えで=餌)
 えんこー=カッパ(高知県東部ではシバテンと言わない)
※えんざ=①座るとき使う円形の敷物、②複数の人達が輪になって座ること
 えんぺつ=鉛筆

     お
※おー・おオ・おーよ・おーぞね=いけない、あぶない(幼児語)
 おーうお・おーいよ・おいお=ブリやマグロなど、東洋町では使われない
 おーきに・おーけに=ありがとう、感謝の言葉
 おーけな・おーけな=大きな
 おーごと=大変なこと
 おーしお=干満差の大きい大潮どきの干潮、津波、高潮
※おーしお=大型のカンパチ(魚名)[室戸市]
 おーせ=ください
※おーど=祭りの大太鼓、大鼓
※おーとこらいや=山車や木馬を引くときのかけごえ[甲]
 おーなか=神社の中枢組織で総代や責任役員で構成される(野・神祭用語)
 おーにし=強い西風
 おーの・おーのー・おーのよー=疲れた時、つらい時、痛い時などの接頭語
※おーぶぐ=トラフグ(魚名)[甲]
※おーやまやき=小正月早朝のどんど焼き、左義長のヤマを焼く行事[甲]
 おーやり=おおまか、ずさんな経営
 おーら=波の大きなうねり
 おい=追加
※おい=日よけ雨よけなどで覆う、または覆うもの、葬式の棺桶やウマを覆うもの
 おい・おいもんよ=多い・多いものよ(たくさん有るよ)
 おいお=ぶり(魚)[徳島県~和]
 おいぐ=泳ぐ[甲]
※おいくべ=乾燥焚きの終盤に焚き足すこと(炭焼き用語)
 おいこ・おいご=①スケオビ、ねんねこ、幼児を背負うタスキ帯(夏は単独使用、冬は         綿入れのネンネコ半纏を重ねる)②薪などを束ね背負って運ぶ道具
※おいごめいご=甥姪
 おいさがし=なげやり、放り散らかし
※おいた・おいたい=おお痛い
※おいた=仕事を終えた
※おいたくる・おいたくる=追いかけまわす
※おいちゃちゃくる・おいちゃちゃくる=追いかけまわす
※おいちゃーる=置いてある
※おいちょく=置いておく
※おいちょって=置いといて
 おいとー=いとこ
※おいなき=猟犬が獲物を追いながら鳴くこと[宍]
※おいなわ=牛を操る手綱(鼻にはハナゴを通す)
 おいやい=鬼ごっこ
 おいやま=狩猟(獣類を山で狩猟すること)
 おえる=男性器が勃起する[和にも]
※おおきょい・おっきょい=大きい
 おおけな・おっけな=大きな
※おオと踊り・ほオと踊り=大斗の者が踊る野根八幡宮の奉納行事[野の神祭用語]
※おオどかな=のっそりした、おおまかな[甲]
※おが=害虫のカメムシ
 おが=幅広い板曳きノコギリ
 おかー=母親
※おかい・おかいさん=お粥[和にも]
 おかいす=女陰[新]
※おかえっちょりますか=帰省していますか、甲浦では帰省人への優しい挨拶言葉
 おがくず=おがノコギリで曳いた時の木屑、製材の木屑粉
 おがくそ=おがくず
※おかこ=主婦の座を継ぐ者(葬式行列の膳を持つ役目の女性)
 おかしげな=変な、醜い顔、不格好
 おかちゃん・おかやん=母親、お母さん
※おかぼ=陸稲
※おがみ=炭窯の焚き口の窓(炭焼き用語)
※おかんかね=仕事を終わりませんか
※おき=仕事を終わりなさい
 おき=炭火
 おき=①海の沖合、②田畑の南面、南側
 おき・おきー=起きろ
※おき・おきよ=置け・仕事を終われ・終わりなさいよ(別れの挨拶)
※おきによー・おっきによー=ありがとうさん(感謝)[野]
※おきばか=オキアジ(魚名)[甲]
 おきばこ=沖へ行くときの釣道具などを入れる箱
 おきゃく=宴会[新・阿](東洋町ではヨバレと言う)
※おぎれ・おぎれい=おおざっぱ、無欲
 おく=①天秤棒、②奥の間(部屋)
 おく・おいた=置く・仕事が終わる・終わった[和にも]
 おくー・おっくー=お薬(幼児語)
※おくごち=奥河内[甲浦の地区集落名]
 おくど=くど、かまど(神聖な場所としてオクドサンとも言う)
※おくらかす・おくらす=遅らせる(県下では脅かすの意味)
 おくり=野辺送り、葬送、そーれん送り
※おけらしー=長持ちすること特に食べ物のことで使われる言葉[甲]
 おこーこ・こーこ・おこんこ=沢庵漬け
※おこし=女性の腰巻き
※おこす=耕土を耕起する(例・水田作業=起こす→たたく→かく+あぜかき~あぜぬり)
 おこす=よこす(例・手紙をオコス、使者をオコス)[和にも]
※おこらえる=怒られる(当地では子音Rが省かれる例が多い)
 おごろ・おごろもち・おんごろもち=もぐら(動物名)[和にも]
 おこり=怒りっぽい人
 おさまえる=捕まえる
 おさめぐさ=田植えして最後の草取り
 おじー・おぢー=祖父、おじいさん
 おしきり・おしぎり・はみきり・はみぎり=ワラなどを切る道具
※おじくそ・おじくそたれ=怖がりの人、小心者
 おしこみ=押し入れ[和にも]
※おしこったーす=押し込めてしまう(~ッタースは東洋町~海部郡で使われる強調語)
※おじさんのきんたま=シャノヒゲの実(植物名)竜の玉[甲]
 おじた・おじる=恐れ入った、あきれた、怖がる、恐れ入る、あきれる
 おしぬき=押し抜き寿司を作るときの型枠、押し抜き寿司、こけら寿司[和にも]
      徳島県ではさまざまな単型で中味に具を入れる
 おしまい=終わりましたか(夕方の挨拶語)
 おじゃん=おしまい、終了
※おじゅっさん=お寺の住職
※おじょーか=御城下(高知城下か徳島城下を指す)
 おじる=怖がる、恐れ入る、あきれる
※おじん=怖じない
※おじん=おじいさん
 おすえる=教える[野]
※おずや=おじや、雑炊[甲]
 おせ=大人、成人、ものごとをわきまえた人
※おせったい=四国遍路を茶や菓子軽食などで接待すること、遍路に施しをすること
※おせる・おせーる=教える[和にも]
 おそそ=女陰[和にも]
 おそべおそべ=おそるおそる
※おた・おたー・おたい・おたえ・おたし・おて=私[海・阿]
※おたいか=金持ち、名家
※おだいっさん=弘法大師
※おたく・おたしく=私の家[海・阿]
※おたな=恵方棚(天井から恵方向きに吊るし歳神を祭る)
※おたび=神輿の渡御、行幸(おたびしょ=神輿の休み場所)
 おだれ=軒下、ひさし[和にも]
 おちゃ・ちゃー=おやつ、小休止、一服する
※おちゃくる・おちょくる=茶化す、からかう[和にも]
※おちょんこ=女陰(逆・おちんこ=男根)
※おちんこ=男根(逆・おちょんこ=女陰)
※おっき=起きる、立ち上がる(幼)
※おっきゃがりこぼし=起き上がり小法師、ダルマ(おもちゃの一種)
※おっきい・おっきょい=大きい
※おっきに・おっきによー=ありがとう(感謝)[野]
 おつくり=刺し身
 おっけい・おっけな=大きい、大きな
※おつけ・おつゆ=汁物、みそ汁、お吸い物
 おっこな・おっこーな=たいそうな、おおげさな、臆病な(ボッコナとも言う)
 おつごも=おおつごもり、大晦日
※おっしゃいへっしゃい=超満員の状態(海ではオッシャイコッシャイとも言う)
※おっしぇる=教える[甲・海]
※おっさん・おっちゃん=おじさん・おじちゃん
※おっせる=教える[甲・海]
 おっちん=座る(幼児語)
※おっつけ=間もなく[和にも]
※おっていや!・おんでいや!・おらーいや!=俺いやー(驚嘆語)
 おっとろしゃー!・おっとろましゃの!=驚いた![野・佐](驚嘆語)
※おっとろましい=恐ろしい(驚嘆語)
 おっぱ=幼児を背負う、おんぶする[和にも]
※おつむてんてん=幼児の手をとり頭をたたく仕草の時の言葉(幼児遊び)
※おつゆ・おつけ=汁物、みそ汁、お吸い物
 おと=便り、うわさ、情報
※おとー=父親
※おとー!=おっと!(驚嘆語)
※おどーぐ=①神祭の練り子行列の持ち物、②性器
※おとーり=お通り、遍路の門付けに「何も施せないから」という意味で言う言葉
 おとい=恐ろしい(幼児語)
※おといた=落とした
※おとがわ=松材の厚い板(水に強く千年腐らない)
 おとご・おとんぼ=末っ子
※おとこおなご・おなごおとこ=前者は男のような女、後者はその逆
 おとこし=男衆、男の奉公人(女はオナゴシ)
 おとす=家畜を屠殺する
※おとちゃん・おとやん=お父さん
※おとつい=一昨日[和にも]
 おとどい=兄弟
 おとどし=一昨年
 おとどしー=久しぶり
 おとましい=恐ろしい、あきれるほど
※おとまっしゃ・おとましやの=恐ろしや、あきれるほどだ[野]
 おとめ=贈り物のお返し。重箱の場合は空にした重箱にマッチ棒数本入れる
 おとめろーそく=仏前などに立てる小さなろうそく[甲]
 おとりがけ=鮎漁の友掛け、囮り鮎を使う(本来は「掛け」であり「釣り」ではない)
 おどりこ=幼児の頭頂でぺこんぺこん動いている部分[甲](ヒヨメキ)
 おどれ・おんどれ=お前、貴様[甲]
 おどろく=①目覚める、②驚く
 おとろしい=恐ろしい、あきれるほどの[和にも]
 おとんぼ=末っ子[和にも]
 おなぎ=うなぎ(魚名)[甲~海]
 おなご=女
※おなごされ・おなごっされ=女のくせに(女性への蔑称)
 おなごし=女衆、女の奉公人[和にも]
 おなん=お母さん
※おのいたいよ・おーのいたいの=おお痛いよ
※おの~けー・おーの~けー=おお~だよ、海部のサーダーケー弁がルーツか[野]
※おのおとちゃんえおかちゃんえ=つまづいた時の言葉、おっとどっこい
※おのよー=疲れる前や疲れたときの接頭語
 おのればえ=自然に生えた植物
 おば・おばち・おばった=しっぽ、尻尾
※おばぐちな・おんばぐちな=とかげ[野・甲]
※おばちゃんうって=買い物の時の子供の挨拶語[野]
 おばん・おばちゃん・おばはん・おばやん=おばさん
 おばん・おばやん=おばあさん(おばさんとおばあさんはアクセントが違う)
 おひさん・おひーさん=太陽、お日様[和にも]
※おびおや=帯祝いのとき帯を巻く役目の人
 おひら=蓋付きの平たい椀(宴席に使う食器)
※おぶー=水(幼)
 おふま=神仏に供える米、または墓参の時ささげ豆や茄子をサイの目に刻んだものを
     生の米粒に混ぜて供える
 おふまぶくろ=墓参の時オフマを入れる袋
 おぶれる=溺れる、丈が長すぎる着物を着ている
※おまー・おまア・おまイ=お前、お前は
 おまはん=お前さん[徳島県~大阪]
※おまやー・おまやア=お前は
 おまん・おまさん・おまいさん=お前さん、あなた
 おまんく・おまく=お前の家
 おまんこ・おめこ=女陰
 おみきすず=お神酒を入れる徳利[和にも]
 おめこ・おまんこ=女陰
※おもかじ=右折(航海用語)(逆・左折=トリカジ)
 おもっしょい=面白い[岬陽地区~海部郡]
 おもて=おもて座敷
※おもとんじゃ=思っているのだ、思っているのか[甲・宍]
 おもや=隠居や分家に対する本家、蔵や納屋などが付随する主家
※おやくっさん=お薬師さん、薬師神社、日和佐の薬王寺ほか
※おやけない=おとなげない(他地区はオヨケナイ)
※おやっさん=親父、親方
※おやのかおをはいだような=親の顔とそっくり
※おらーいや!・おらアいや!・おんでいや!=俺いやー(驚嘆語)牟岐ではオータイヤ
※おらーぎゃー=おらーいやの変形[甲]
※おらえる=支える、持ちこたえる
※おらがおんしがのなか=気安い間柄
※おららー・おららア=俺たち
 おらんく・おらく=俺の家
 おりゅーし=おりふし
 おりよ!・おりょー!・おりよー!=疑問や感嘆の接頭語
※おるかれ!=おるもんか[宍・海]「~かワレ」の変化
※おるさきがない=居場所がない、込み合って座る場所がない
※おろかでない・おろかやない=簡単ではない、楽なことではない[海・阿]
 おろっ!・おりょー!・おりょっ!=あれ!、あれ?、おやまあ[甲・宍]
 おわえ・おわえやい=鬼ごっこ
 おわえる=追いかける[和にも]
※おわりこぐち=終了間際
※おんきがちょーめんそばきりそば うすぎのだいし せいすけぼさつ=
    =民話「清助地蔵」の唱える念仏(きが、ちょーめん、そば等は、林産品や原料)
 おんごく=山奥、山奥の里
 おん・おんた・おんつ=オス、雄(逆・メン、メンタ、メンツ)
 おんさん・おんちゃん=おじさん・おじちゃん
 おんし=お前、君[和にも]
※おんしゃ・おんしゃー=おまえは[和にも]
 おんた・おんつ・おん=オス、雄(逆・メン、メンタ、メンツ)
 おんだ・おんだー=俺たち
※おんで!=俺は!(驚嘆語)(例・おんでいや=おらーいや=私いやっちゃ)
※おんでいや!・おらーいや!・おっていや!=俺いやー(驚嘆語)
※おんどれ=お前
※おんなし・おんなしー・おんなじ・うんなし・うんなじ=同じ
※おんなせっく=女節句は本来3月だが7月祇園祭りのあとで行う[宍]
※おんななか=祭の女性組織、野根中町と南町の女中組織は御旅所で三番叟を奉納する
 おんなん・おっさん・おんやん=おじさん
※おんばひがさ=子供を大切に可愛がって育てる
 おんぶ・おんぼ=背負う(幼児語)
 おんびき=蛙
※おんぶし=魚を4枚におろしたときの背の部分(腹の部分はメンブシ)
 おんぼ・おんぼー=葬式の棺桶を土葬する役、火葬場の火葬人[和にも]
 おんぼろさんぼろ=ぼろぼろ、ぼろぼろの着物
※おんまつ=黒松(メンマツは赤松)[和にも]
 おんら・おんらー=俺たち

           か
  が・がア・がー・がん=①物、所有物(例・おらのが=俺の物)
※が?・があ?=~するか?、~ですか?(例・来るガ来んガどうするガ)[土]
※かー=接尾語(例・てんごのかー、うそのかー、べこのかー、ねんごのかー)
  かー=川
  かー=蚊(昆虫名)
※かーいらしー・かいらし・かいらしー=可愛らしい
  かーくるしい・かわくろしい=食べ足らない、食後の物足りない状態[宍・海]
  かーさん=お母さん
  かーら・かアら=①河原、②瓦
※かーらん・かァらん=変わらない、代わらない、替わらない
※かーる・かァる=変わる、代わる、替わる
※かーるにかーらん=変わるらしい(逆・かーらんにかーらん)
  かアら・かアら=河原・瓦・屋根瓦(瓦はカにアクセント)
  かい=平素の栄養摂取、食事(例・かいがえい、かいがわりい)
※かい・かい=アマノリを岩から掻き取る皿状の道具[野]ササラとも言う
  かい・かいイ=痒い(かゆい)
  ~かい?=~ですか?(疑問語)[甲・宍=ゾイカイ弁]
  がい・がいな・がいに=強引・強引な・強引に、荒っぽい[和にも]
※かいかい=痒いできもの、虫さされや湿疹やジンマシンなど[山]
※かいくりかいくりにゃんこのめ=猫が顔を洗う動作で幼児を遊ばせる時の言葉
  かいさま・かいさま=裏むけ、さかさま(例・タチイオのカイサマズシ)
※かいさまずし=酢じめしたタチウオの身を皮側を下にくっつけた押しずし[野・甲]
  がいす・がえす=ガイな者、荒っぽい人、偏屈な人(特に女性に使う)[甲]
※かいだし=養い出し、子牛から育てて親牛にして肉牛として売る畜産業[野]
  がいもん=腕白な子供[佐・幡多郡も]
※かいらしー・かえらしー・かいらしない=可愛らしい[和にも]・可愛げがない
※かいりょうのこ=数刃ごとに深い目の刃が入るノコギリ
※かうち=河内(河内地区、昔は川内)[昔は甲浦ではカワチと言わなかった]
※~かえ?=~ですか?
  ~がえ・~がよ=~だよ、~でしょう(肯定と疑問の両方に使う)
※かえかえ・かえこと=交換[和にも]
※がえな=がいな、荒っぽい[甲]
※かえらしー・かいらしー=可愛らしい
※かえり=イワシ類の稚魚
※かえりしな・いにしな=かえりがけ
  かえる=船底や風呂桶の水を汲み出す、入れかえる
※かおをはいぢょる=親の顔にそっくりなこと
  かか・かかん=母親、年配の妻(伝説かじやかかは鍛冶屋の老母のこと)
※かがと=かかと(踵)
※ががね=ガシラ、カサゴ(魚名)
※かかぼけ=新婚ぼけで仕事がおろそかになる
※かかりもん=寺社の供物金や地域での割り勘など
※かく=耕土をならす苗代作り(例・水田作業=起こす→たたく→かく+あぜかき~あぜぬり)
※がく=学識、知識
  かきつく=すがりつく(例・揺れるきにジョーブにかきついちょれ)
※かきぼー=神輿を担ぐため付け足した丸太ん棒(野・神祭用語)一般には二人で担ぐ棒
  かきまぜ=五目めし、五目ずし
※かきみしる=かきむしる[和にも]
※かけづり=鮎漁の友掛け、友釣り、囮り鮎を使う釣り方
※かこう=たくわえる
  かごむ=屈む
※かさ=かさぶた、瘡蓋
  かざ=匂い(例・かざかむ、かざむ、かざる、かざかんでみる)[和にも]
※がさがさする=落ち着かない様子、静かでない[和にも]
※がさつく=落ち着きがなくガサガサする[和にも]
  かざむ=臭いを嗅ぐ
  かざる=香る、匂いがする
※~かし=~しか(例・こればーかし持っちょらん)
  かしき=炊事、炊事する人、山小屋や飯場や船内での男の炊事役
  かじける=寒さで手足がかじかむ[和にも]
  かしこい=賢い、悪賢い、ずる賢い
※かじし=加地子、小作料、借地料
※がしら=かさご科の魚メバル(魚名)
  かしわ=①鶏の肉、②サルトリイバラ(植物名)この葉でカシワモチを作る、
          ③アカメガシワ(植物名)この葉を皿代わりに盆墓のお備えを入れる
  かしん・かーしん=お菓子[和にも]
  かずらいし・かづらいし=石段や家敷地の周囲に配置する横長の敷き石
※かぜのたま=野根川沿いに発生する突風またはつむじ風(台風時や低気圧時)
※かた=体裁、格好、決着、担保
※かた・かたわく=こけら寿司や押し抜き寿司を作るための型枠
  かたぐ=①担ぐ、②略奪婚、嫁かたぎ
※かたくち=カタクチイワシの稚魚(魚名)[甲]
※かたけ=敵[甲]
  ~かたけ=~なんか(軽蔑の接尾語)(例・お前かたけに負けるか)
※かたげる=かつぐ、肩に乗せる[和にも]
※かたし=片方
  かたし=ツバキの実(植物名)海ではカタイシ
  かたしあぶら=椿の実から作る油、椿油
  かたちん=片足で跳ぶ
  かたちんば=左右が不揃い[和にも]
  かたつぶり・まいまい・でんでんむし=カタツムリ(陸の貝名)
  かたつら=片側、片面
※がたな・かだろ=カッパ(深い渕にすむ伝説の生き物)[甲]
  かたにならん=ものにならない、並みに達しない
※かたぶく=傾く(子音MがBに変わる例)
※かたやり=うわべの格好をつける人
※かだら=からだ(ダとラの入れ替わり、例・原田をハダラ)[和にも]
※がたろ=蛙
  かたんま=肩車
※かちあう・こちあう=道で行き合う、日程が重複する
※かちかちする=よく噛む(幼児語)
  かちばる=飯や土などが固くなる、人が緊張して固くなる
※かつえる・かつれる=飢える、生活に困窮する[和にも]
  かっか・かっこ=下駄(幼児語)
※かつぎ=葬式のとき身内の女性が顔に白布をかむる
※かっこい=賢い(幼児語)
※がっしゃま・がっしゃまえ=強気、強気な人、はしかい人[甲]
  かった=借りた、(買ったは「こオた」という)[和にも]
※かったい=癩病
  かったし=かたっぱし、次から次へ
※かっちゃう=かち合う
  かっつけ=きっちりとくっつく
※かっと・かっつォ=鰹(魚名)(例・かっとのたたき、すまがっと)
※かつんぼ=蚊トンボ(昆虫名)[甲]他地区はブヨの事
※かつんぼのなくよーなこえ=蚊トンボの鳴くような小さい声[甲]
  かど=庭、庭先、家、玄関先、家を自他に区別(例・かどがちがう)
  かどいで=出発、門出、花嫁が実家を出発すること
※かどすり=年末や神祭の前に家(特に玄関まわり)を水洗いすること[野]
※~かどを通っちょらん=味付けが不足(例・砂糖屋のカドを通っちょらん)
※~かな?=~ですか?(疑問語)[佐=ゾナカナ弁]
※~がな=~ですがね[佐=ゾナカナ弁]
  かな=かんな(大工道具)
※かなだー=金沢(北米のカナダ国ではない)(土~海の海岸線ザをダと発音の例)
※かなだらい・かなだらえ・からだらえ=洗面器
  かなつき=やす、魚介類を突く漁具(小さいものは子供の海川遊びの遊具)
  かなば=かんな屑、細長く薄い木屑
  かなばし=千歯こき、米麦などの脱穀に使う道具
※かなりはちぶ=いい加減のところ(例かなりはちぶにしちょけ)
  がなる=怒鳴る
※かにくい・がねくい=ごまうなぎ、普通のウナギより太短くごま斑がある
                    (海部の母川の天然記念物オオウナギが有名)
  ~かね?・~かね?=~ですか?(疑問語)[土=ゾネカネ弁]
  がね=幼児の頭部にできるかさぶた
  がね・がに=蟹
※がねかみ・がねくい・ごまうなぎ=頭部の大きい鰻(普通のウナギより太く短い)
  がねくさ=食用にする細長い海草[海・阿]
※~がね=~ですね(例・そーやがね、冬はひやいがね)
※~かのー?・~かのーし?=~ですか?
  かぶし・かぶす=魚釣りの播き餌
  かぶった・かぶっと=木の株[和にも]
  かぶら=擬餌鉤(釣り道具)
  かべ=①かび、黴[和にも]、②壁
※かべかき=荒壁の下地として竹を縦横に組んだもの
※かべぬり=舞台横で浪花節語りが歌うのに合わせて即興的に芸をすること、歌に合わ
            せて即興的に踊ること、左官の壁塗りの仕草に似ている
※かぼちゃ=ナンキン(野菜名)「ボフラ」とは言わない
※かま=釜、炭窯、鎌、二股の鎌状の炭焼き道具
  かまえる=準備する
  かまがきれる=仕事がよくできる、的確に判断できる
  かまぎ=かます、叺=ワラで編んだ袋
  かまきり=カマキリ(昆虫名)東洋町ではカマキリ主体だが徳島県では多様である
            (特集編を参照)
※かまくべ=炭窯に火を入れる炭焼き最初の工程
※かまだ・かまた・がまた=稲刈り時に刈った雑草類[野・室]
  かまだや・かまなや・かまや=かまど、竈、炊事場
※かまだし=炭焼きで釜から炭を出す作業(炭焼き用語)
※かまだしぐち・こがま=炭窯の正面扉の下部で独立して開閉できる窯出し口
  かまち=座敷の上がり口などの小さな縁(あがりがまち)
  かまなー・かまん・かんまん=かまわない、承諾する
  かまなや・かまだや・かまや=かまど、竈、炊事場
※かまへん・かめへん・かまやせん・かまやへん=かまわない[阿・大・和]
  かまん・かまわん=かまわない、承諾する
  かみつみ・かみつみき=バリカン(頭髪を刈る道具)
※かみ=東、京都に近い方をカミ、遠い方をシモ、
  かみきりむし=甲虫カミキリムシまたはバッタ類ウマオイムシ
  かみげ=東の風
※かむまい・かんまい=かまうまい、心配あるまい[甲]
  かもか=怖い化け物、噛むぞーと出てくる化け物
  ~かや?=~ですか?[土]
  ~がや=~のだ
  かやく=寿司の具(カヤクメシは普通の飯に具を混ぜたもの=五目飯)[和にも]
※かやくめし=普通の飯に具を混ぜたもの=五目飯[和にも]
  かやし=裏返し
  かやす=①孵化させる、子を生み育てる、②裏返す、③倒す[①~③和にも]
  かやる=①孵化する、生まれる、②倒れる、③帰る[①~③和にも]
  ~かよ?=~ですか?[新=ゼヨカヨ弁]
※かよい=通帳(貯金通帳)、通勤
  から=①体格、②~のせいで、③責任、原因
※がら=クロビシカマス(魚名)佐喜浜定置網でよく獲れる深海性魚[佐]
※からい=塩辛い(当地方ではショッパイとは言わない)
※からかみ=ふすま、襖
※からげ・からげる=着物の裾をたくし上げる[和にも]
  からけし・けすみ=消し炭
  からし=①トウガラシ、②いぼにし(磯の岩場にいる巻き貝の名)
※からす・からすのくちばし=むらさきいがい(食用貝の名)磯の岩間にいる
※からすかーかー甲浦の使いとんびとーとー殿様の使い=野根の手鞠唄
  からつ・からつもん=唐津焼、陶器の総称(当地では瀬戸物と言わない)
  ~からに=~の・くせに
  からびる=乾燥する
  かりあけ=雑草刈り
※かりなぎ=山林の下刈り
  かるゥ=背負う
※かるめ=葬式の時に棺桶を家から運び出す役目
※~かれ!=~ものかワレ!(否定強調の末尾後)[宍・海]
  かわがひっつく=川が干上がる
※かわたけ=川筋、川筋の集落
  がん=物、所有物(おらのがん=俺の物)[甲]
※かんから・かんかん=缶
  かんき=①癇、②根性
※がんぎし=石段[佐]
  かんこーり・かんこオり=厳寒期に張る氷[和にも]
※かんこぶね=舟板3枚で作った一人乗りの速い手漕ぎ船、阿波に多い小型漁船
  かんざめ・かんざまし=お燗して温めた酒が冷めたもの
※かんじ・かんち=だめになること(例・めかんじ、かんじ飯)
  かんしょやみ・かんしょーやみ=神経質、ひどい神経質の人[和にも]
  かんす=鉄瓶、茶釜[和にも]
  かんたろ・かんたろみみず=青色の大きいミミズ、シーボルトミミズ
※かんち=炊きかけで芯の残る飯[海]土はブチ・ブチメシと言う
※かんちゃ=寒茶、冬至茶、寒い時期に収穫した茶葉で野根川筋特産
  かんづつ=酒を燗して小出しする銚子、小さい徳利
  かんてき=七輪、炭をおこす台所用具
※かんぬウら=甲浦をこのように発音する者もいる[甲]
  かんば=薩摩芋を薄く切って干したもの
※かんばもち=かんばで作った餅
  かんぴん=カンヅツに同じ
  かんぶくろ=紙袋
※かんまん・かんまんでエ?=かまわぬ、承諾・かまいませんか?、承諾するか?[阿]
※=※がんも=合点
※かんもと=宴会のとき酒を燗する役目
  かんりゃく=倹約、節約、質素にする

            き
※きー・きイ=気持、気性、気分、黄色
※きー・きイ=来い、来なさい、着なさい
※きーつけて・きーつけよ=気をつけて(別れの挨拶の一種)
※きイ=木、樹木(「イ」にアクセント)
  ~き・~きに・~きん=~だから
※きあがり=終盤に渋みが取れて甘柿に変わる品種[和にも]
※きえせん・きえへん=来ない
※きが=やにの回った杉の古株や根っこ[野は・海は松の古株のこと]
        海陽町では戦時中に松の根株(きが)より精製した油分を自動車燃料とした
※きがたき=杉の古株や根っこを炊いて杉精油を作る作業、またはその職業[野・海]
  きがはしかい=短気で怒りっぽい、気が荒い
※きくさる=来る事をあしざまに言う言葉(~くさる、~しくさる)
※きこく=カラタチ(植物名)トゲが多く生け垣に植えた
  きさんじな=さばさばした
  きじ・きじねこ=縦縞模様の猫
※きしかけ=石垣、家の周囲の石垣
  ぎしづめ=ぎっしり詰め込んだ状態
※きしな=来掛け、来るついでに
※きしゅーがうく=天気の良い日に紀州が沖合に浮いて見える[野]
  きしる=リンパ液、ウミ汁
※きしんどい=気苦労する、気疲れする
  きず=柚子100%の酢(生酢・絞ったとき10%の塩を加える場合もある)
  きすご=キス(魚名)[和にも]
※きずもたくれ・きずもつれ=きずだらけ
  きた=北風(キタゴチは北東の風)
※きたうら=北側(~ラや~ウラは~側の意味)
  きたなか=半反(150坪)以内の田畑の面積(例・この田は5反きたなか)
  ぎだん=几帳面
  きち・きちまい・きちまえ=吉米、うるち(粳)米(ほかに太米、糯米)
※きちがえ=気違い(狂気)(例・酒はキチガエミズ)
  きちきち・ぎちぎち=きっちり一杯、満杯、隙間がない[和にも]
  きちょる=来ておる
※きつき=大きな流木の下などの鰯の群れ[宍]
  きつきつ・ぎつぎつ=隙間がない、余裕のない暮らしぶり
  ぎっしり・ぎっちり=いつも、しつこく、間断なく、隙間なく
※ぎっちょ・ぎっちょー=左きき、ヒダリギッチョの略
  きっちり・きっちら=①狂いがない、ぴったり、②いつも、間断なく
※きてみー=来てみなさい
※きておーせ・きとーせ・きとオせ=来てください
※きてん・きてんさー・きてんだー・きてんまー=来なさい(強く言う時はテにアクセント)
※きとーせ・きとオせ=来てください[山]
※きな=来るな
※きなごーに=気長く
  ~きに・~きん=~だから
  きにょー・きんにょー=昨日
※きねどり・きなどり=餅つきのとき臼の中の餅を動かす役目
※きのーおとつい=一昨日のこと(昨日と一昨日の両日のことではない)
※きのーのばん=一昨夜
  きのぼり・きのぼり結び=たて結び、葬式のときの紐の結び方
※きのめおこし=早春の暖かい雨(木の芽起こし)
※きびしょ=醤油さし、醤油を小出しして使う容器(他の地区は急須や銚子のこと)
※きまもり=果樹の実を一つだけ残したもの(他の地区はキモリという)
※きむし・きイのむし=木材に入り込んで食害する虫の類
  きめつける=厳しく怒りつける、叱責する
  きもん=着物
※ぎゃーらしイ=いやらしい[甲]
※きやすけ=気安め
  きよう=気負う、気が急く、積極的
※ぎょー=嘔吐(例・ギョーが出た)
※きょーがら=のみのくち(魚名)
  ぎょーさんな=おおげさな、派手な、たくさんの
  きょーそな=おおげさな、派手な(海ではキョーソノカワナ)
  きょーび=近ごろ[和にも]
※きよーびんぼーじげだから=器用貧乏地下宝
              器用貧乏は物知りであり土地になくてはならない重宝な人
※きょーま=畳のサイズ:190×95㎝、本間とも言う
          (江戸間:176×88㎝、柱も含め180×90㎝、田舎間とも言う)
          (あいの間:182×91㎝、京間と江戸間の中間)
※きよい=~をしたついで、~をした勢い
※きょときょと=キョロキョロ、そわそわ、落ち着かないふう
※きよらえー・きよーらえー=こちらへ向かっているよ(「えー」は野根)
※きよらん・きょーらん=こちらへ向かっていない
※きよる・きよーる・きょおおる=こちらへ向かっている(野)
※きり=タカセガイまたはベニカサガイ(貝の名)ツム、ツベタカとも言う
  ぎり=リール(釣り道具)
  きりす=キリギリス(昆虫名)
※きりだめ=四角い容器[佐]
※きりちゃちゃくる・きりちゃちゃくられる=切りまくる・切りまくられる
  ぎりはり=義理を果たす、付き合い
  きりもん=着物[海・阿・幡多郡も]
※きれーな・きれな=きれいな(奇麗に=きれーに)[甲・宍・海]
※きれもん=刃物[和にも]
  きれる=酒乱、酒に酔って暴れる
※きれる=使い果たす
※きんこのまじない・きんころまじない=幼児の打ちこぶを直すまじない言葉[岬陽]
※きんたま=睾丸(陰嚢はフグリ)
  きんにょー・きにょー・きんのー=昨日[和にも]
  きんびちこ=ぼらの稚魚(出世魚・きんびちこ→いな→ぼら→とど)
  きんま=木ン馬、山道で使う運搬道具(子供も小さな木馬や柴馬を作って遊んだ)
※きんまあそび=子供の遊具「木馬=きんま」山の斜面や山道に「きんまみち」を整備し              すべらせ遊ぶ、左右にブレーキをつけて曲がりも止まりもできる。木馬の
              代わりに柴を尻に敷く柴馬=しばんまもある(冬場の子供の遊び)
  きんまみち=木馬を通すため平坦にならしたり枕木(バンギ)を置いて杭(アタリ)で              固定して整備した山道

            く
  く=家、所(例・兄貴クへ行く、そこを曲がったクで待っちょれ)
  ~く・~んく=家、宅(例・うちく、うちんく、おらく、おまんく)
※くー=九
  くーじん=信心深い、神がかりや易などに頼りやすい[海ではクンジンナ]
※くーたらしーない=食べたような気がしない、満腹でない
  くいで=手弁当の働き
※くいでのこーろく=手弁当のただ働き[宍]
  ぐいめ=ぐいみ、グミ(果樹名)[甲]
※くウ=苦、食う
  くえ・くえる=崩壊、崩れる、洪水で土地が流失する、火をくべる
  くえ=潰れる、崩壊する、崩壊地
※くえん=生活できない
※くぎうち=棺桶の蓋を釘で打って閉めてしまうこと(野・葬式用語)
※ぐぐ・ぐーぐー・ぐんぐ=ゴンズイ(魚名)背びれに毒がある小魚でナマズに似る
  くくむ=口の中に水を含む(飲み込まない)[和にも]
※くくり=ヒモや針金を輪にして仕掛けるワナ、わさ
  ~くさいた・~くさいて=~くさした(やりかけた)~くさして(やりかけて)
  ~くさし・~くさす=やりかけ・やりかける、未完成、未完了(例・言いくさし)
  くさす=けなす、からかう、悪口を言う、文句を言う
※くさらし=魚を腐らせて作った肥料
  ~くさる=動作をあしざまに言う言葉(例・いにくさる、しくさる)
※~くされ=命令をあしざまに言う言葉(例・いにくされ、しくされ)
  くじゅー=くくりつけて背負う
※くじらじゃく=1尺の1.25倍≒37.879㎝
  くじる・くじくる=根掘り葉掘り文句を言う、くどくど文句を言う
  くすばい・くつばい=くすぐったい[高知県~海](阿はコソバイ・コスバイ)
  くすばす・くすばかす=くすぐる
※くすぶったい=①くすぐったい、②煙ったい
※くすぶる=出世できず野に伏す、落ちぶれた暮らし
  くすぶる・くする=煙や煤が出て不完全燃焼する
※くすべる・ふすべる=枯葉や小枝で火をたきつける、煙らせる
  くする=夢中になる、煙る
  くそ~=強調語(例・くそ忙しい、くそじんま、くそ重たい、くそ馬鹿)
※くそかき=手の平の天紋地紋が離れた手相(逆・とかき=天紋と地紋が直列)
※くそかす・くそみそ=ぼろかすになじること
※くそがに・くそがね=紫色の弁慶蟹[野・甲]
※くそがにのよこばいじゃ=横ばい状態で進展しない[室戸]
  くそごーがにえる=いら立ち腹がたつ(クソは強調の接頭語)
※くそたれ・くそったれ=ののしる言葉
  くそてんごー・くそてんごのかー=余計なこと
※くそみそ=ぼろかすになじること
※ぐぞがえる=魚や虫が群生する[甲]
※ぐぞぐぞ=次から次へ、たくさん(例・ぐぞぐぞ出てくる、ぐぞぐぞしよる)
  くそむしのすいたよーにせえ=好きなようにせよ、どうでもせー
※くそもたくれ・くそもつれ=糞だらけ
  くだく=壊す、解体する、金を両替する
※ぐたぐた・くだくだ・ぐだぐだ=くどくど、くだくだしく
※くだる=西へ向かう、西下する、京都から遠ざかる方向(逆・東上する)
※くだりしお=西向けに流れる潮流(逆・あがりしお、のぼりしお)
※くだりぶね=京阪神から下ってくる船[野]
※くち=就職口、生活
※くちあけ=物事の開始、釣りや漁などの解禁日
※くちをきく=就職や縁組や交渉を仲立ちする、世話をする
※くちだき=最初に炭窯内の原木を燃やさず乾燥させるだけに焚く工程(炭焼き用語)
  くちな・くちなー・ぐちな=蛇、くちなわ[和にも]
※ぐちなし=くちなし(植物名・果実は黄色染料)
※くちにおぼえる=食味を堪能する(食感または量的に)
※くちにおぼえん=食味が十分堪能できない(食感または量的に)
※くちび=フエフキダイ(魚名)[甲]
  くちべろ・くちべら=くちびる
  くちへんじ=口先だけの返事、口ごたえ、反論
※くちまい=口米(年貢や加地子を納米するとき余分に入れる加増米)、口籾、俵付、入れ目
  くちまつ=口の達者な女
  ぐちめ=マムシ、ハミ、蛇
※くちゃくちゃ=ひどく変形してしまう
  くちゅくちゅ・くつくつ=腋の下(幼児語)
  くっしゃみ、くっしゃめ=くしゃみ
※ぐっすけ・ぐっすり・ぐっすら=たくさん(例・ぐっすけ入れちょいちゃる)
※くっつら=たくさん[海]
  くで=くで紐、打紐、組紐
  くど=かまど(おくど)
  ぐどーじぐさ=つる性植物のモミジカラスウリ(毒草)
              (キカラスウリやシナカラスウリの根は天花粉(テンカフ)になる)
  くどき・くどく=盆踊りや芝居の歌または歌うこと歌う人
※くな・くな=来るな
  くなんせ=下さい[野・幡多郡も]
  くびんま=かたぐるま
※くべる=燃やす、薪を燃やし足す[和にも]
※くぼ・くぼがい=磯の貝ヨメノサラ(ツタノハガイ科の貝)学名クボガイは当地では
                  バイの一種、バイは黒い巻き貝類の総称
  くまびき・くまんびき=シイラ(魚名)、とうやく、ねこまたぎとも言う
※くまのいさん=熊野神社[甲]
※くみざーち・くみざアち=組皿鉢(食材を自然風景に見立てて盛り合わす皿鉢料理)
  ぐも・ぐものいー=蜘蛛、蜘蛛の糸
  くもつ=小作料、田畑の借料(現金または収穫物で払う)
※くやみ=おくやみの挨拶「〇〇さんがよーなかったってね」「さびしゅーなったね」
  くら=果物の房、草や穀物野菜の株、株立ち
※くらー=来る、来るだろう
  くらす・くらっしゃげる・くらったーす=くらわす、やりつける
  くらみあい・くらみやい=夕暮れどき、暗がり
  くり=下さい[佐・幡多郡も]愛媛県から渡来した言葉と思われる
※くりいし=石垣に使う石
  ぐりぐり=リンパ腺が腫れた状態
※くるくるま=肩車[野](室戸はクルクルウマ・クルクルンマ)
※くるむ=包む、片付ける
  くるめる=片付ける、収納する
※ぐるり=周囲(例・グルリの目が光っちょる)
  くれ=木材、板や柱にする前段階の一定寸法に揃えた木材
※ぐれ=めじな(磯魚の名)
※くれっと=くれませんか[野農]
※くれてん=下さい
※くれてんさー・くれてんだー=下さい[野]
※くれまいかのー=下さいませんかネ[甲・宍]
※くれんせ=下さい[野]
  くろ・ぐろ=積み重ねたもの(例・いしぐろ、わらぐろ)
※くろいしもち=クロホシイシモチ(魚名)[甲]
  ぐろをかる=田の周囲の草刈りをする
※くろがます=ヤマトガマス(魚名)[甲]
※くろくわ・くろっか=土方、荒地を田畑に開墾する職業(黒鍬)
※くろと=玄人、本職(ウを省略する阿波ふう吃音の例)[甲]
  くろまい=玄米
※くろみ=海岸線に残した樹木(魚つき保護林)
※くろめ=クマノコガイ(貝名)、磯の黒い巻貝類を総称してバイとも言う
※くろもつ=大型のムツ(魚名)[甲・室戸・高岡郡]
  くろんぼ=麦の黒穂病
※ぐわい=具合(健康、病状、天気、都合など)
※くわぎれ=鍬で切ってしまったイモ類
※くわしこむ・くわしこったーす=食わす(針を飲ませる魚釣り用語)の強調語
※くわる・こわる=筋肉がこわばる、筋肉疲労
※ぐんかんちんぼつはれつ=じゃんけんのグーチョキパー
※くんく=ことひき(魚名)[甲]
※ぐんぐ=ぐぐ、ゴンズイ(魚名)背びれに毒がある小魚でナマズに似る[甲]
※くんな=来るな
※くんろーなる=暗くなる

            け
※~け?、~けー?=ですか?[海~阿=デーケー弁]
※~げ、~げ?=~だろう?[海](例・あるやろゲ)
※~けー・~けエ=~だ(強調)、おの痛いよけー(ああ痛いの強調)[野]
※けー=毛、毛髪
  けエ=気配
※けエせった・けエへった・けエへなんだ=来なかった[野・和にも]
※けーへん=来ない[宍・海]
  けがえ=毛が生え変わる(成長過程、季節現象)
  げじ・げじげじ=散髪が不揃い、とら刈り、半煮えのサツマイモ
※けしごぶ=消しゴム(文房具)(子音MがBに変わる例)
※けしずみ・けすみ[野]・けずみ・からけし・すみかぶら=消し炭
※けしつぼ=火消し壷(火のついた炭を密閉して消火し消し炭を作る)
※けしんどい=しんどいの強調語
  げすいた=五右衛門風呂の底板[和にも]
※けずりか=削り節[甲]
※けそかしい=ちょこまかする(海ではケゾカシ・ケソカシ)
※けそけそ=粗略にする、冷遇する
※下駄の種類=サシゲタ、コッポリ(コップリ)、ジキゲタ、ノメリ、キリゲタ、
              ショセイゲタ、ホオバ(野根よもやま集より)タゲタは水田で履く
  けたくそわりー・けったいくそわりー=けたくそが悪い、いまいましい
  けたくる・けりたくる=蹴る、荒っぽく蹴る
※げたをあずける=まかせる
  けちる=出し惜しむ、けちけちする
  けっこうじん=好人物
※げっちょーび=月曜日(甲・海・阿)
  げっつウ・げっとオ・げと=最後尾、最下位(同・しりげっとー、びりげっとー)
  けつまげる・けつまずく=つまづく、けつまづく
※けつをわる=失敗して途中でやめる
※けとばかす=蹴りとばす
  ~けに=~するわけに(例・いにけにならん)
  ~けに・~きに・~けん=~だから
  げに・げにまっこと=本当に[新]新土佐弁は東洋町ではほとんど使われない
  けぶり・けぶる・けぶたい=煙り・煙る・煙たい(子音MがBに変わる例)[和にも]
  けむしゃ・ひげむしゃ=毛深い、毛だらけ
※げや=ヒサシの部分、下屋(標準語)
  けん=大根の線切り、サシミのツマや酢和えなどにする
  げん=縁起(例・ゲンなおし、ゲンをかつぐ)
  けんけん・けんけんとび=片足跳び
※けんけんぱー=片足跳びの子供の遊び(ケンは片足パーは両足、片足→片足→両足)
※げんげ=レンゲ(植物名)
※けんじゃく=木材を計測する定規
  けんじょーがおこる=背筋上部が凝る、肩の下部が凝る
※げんぞうなし=一匹も釣れない、獲物がない[宍]
  けんたい・おけんたい=無礼講、遠慮なし[和にも]
  けんつ・けんと=尖っている、尖った先端
  ~けんど・~けんど=~けれど
※げんのー=大きな木づち
  けんびき・けんべき=肩甲骨の下部あたり

            こ
※こ=~君、男子の名前の接尾語(例・康博ならヤスコ)
※こ~=少し~だ(例・コいやしい、コにくたらしい)
※こー=子供(コーは「こう、この、甲」コオは「粉」)
※ごー=五(ごーは「業、号」ごオは「郷、集落」)
  こーい・こいイ=濃い
  ごーがにえる・ごオがにえる=イライラする
  こーこ・こんこ=沢庵漬
※ごーをする=籾ずりの歩留まりが良い(逆・ごーをすらん)
※こーじ=うすかわ蜜柑、柑子
  こーしゃ=たくみ、器用、やり手
※こーじんまつ=荒神(竈の神様)に備える松の枝[和にも]
※ごーすたん・ごすたん=後進(航海用語)(逆・前進はゴーヘー)
  こーた・こオた=買った(借りたことは「かった」と言う)[和にも]
※こーち・こオち=心地、気分[甲]
  こーとな=地味な[高知県・海]
※こーとり・ことり=子供をさらっていく人、人さらい(幼児語)
  ごーな=①カワニナ(淡水の巻き貝の名)、②やどかり(巻貝の名)
※こーにい・こにい=次男以下の者、(ニーサンは男の人の総称で年齢をとわない)
※こーねえ・こねえ=次女以下の者、(ネーサンは女の人の総称で年齢をとわない)
※ごーへー・ごーへい=前進(航海用語)(逆・後進はゴースタン)
  こーべる=体裁を飾る、不似合いなほどめかしこむ
※こーらい=このかた(例・何年こーらい)
※ごーろ=野根別役の小字名、ゴーロやゴロクは昔の林産物集積加工地に由来する地名
※こーろー=いしがきだい(磯魚名)模様によりシマゴーローとホシコーローがある
※こーろく=自費自弁(俸禄の対語か?)
  ごあさって・ごやさって=四日後(アヒタ→アサッテ→シアサッテ→ゴアサッテ、和にも)
  こあみ=小網、えび網
※こいあげとんよ・こいやけとんよ=よわっているよ、困っているよ[宍]
  こいイ=濃い
  こいこい=犬(幼児語)
  こいさ=今夜、今宵[新?]
  こいやしー・こいやらしい=意地きたなく欲深い(軽蔑語)
※こいた=ひった(例・へーこいた、うそーこいた)
※こえたご=下肥を入れて運ぶ桶
  こえたんぼ=肥満した人
※こえつぼ=下肥を溜める穴ぐら
※こえまつ・こいまつ=松やにの回った松、松明や盆の迎え火送り火に使う
  こオと=地味(例・ほのキモンはこオトや)
※こおーなる=怖くなる
  こかす=転ばす、倒す[和にも]
※こがま・かまだしぐち=炭窯の正面扉下部の独立して開閉する窯出し口(炭焼き用語)
  こかる・こかれる=転ぶ、倒れる、寝転がる[和にも]
  ごきげん?・ごきげんさん=ごきげんですか?(挨拶語)
※こきしば=炭俵の蓋にする小枝から葉を取り除く作業(炭焼き用語)
  こきたくる・こきまーる・こきまわる・こきまわす=折檻する、たたきまわる
※こきまーったーす・こきまわったーす=折檻する(強調語)
  こぎまーる=山道のない薮の中を無理して進み続ける
※こぎたない=汚い(軽蔑語)
※こきわ=中型のキハダマグロ(魚名)[甲~室戸]
  こく=折檻する
  こく=ひる(例・へーこく、うそーこく)
  こぐ=山道のない薮の中を無理して進む
  こぐち=端、間際(例・終わりコグチに来た)[和にも]
  ごくどー・ごくどーされ=なまけ者
※ごけ=苔
  こげな・こげに=こんな、こんなに
※ごけなわ=延縄漁、延縄漁は危険で死人が出れば妻は後家になるのが由来[宍]
  こけにげる=あわてて逃げる、こけながら逃げる(コケは強調語)
※こけら=木っ端(大工仕事の木屑)、柿(薄い板片・屋根を葺く=こけら葺き)
  こけら・こけらずし=押し抜きずしの一種(室戸市や東洋町の郷土料理)
  (和歌山では「葉蘭を仕切りに使って重ねて重石を載せて作る押し鮓」とある)
  ここ=うんこ、大便(幼児語)
※こごめ=くだけ米、ふるい目下の二番口
※こごめつつじ=ウンゼンツツジ(植物名)コメツツジよりさらに葉も花も小さい
  こごる=寒さで凝結する
  こころ=ほんの少し(例・ココロ右へ寄せてくれ)
※こざ=炭窯から炭を出す道具(五角型とコの字状とがある)(炭焼き用語)
※ごさいじんじゃ=白浜の五社神社[宍]
※こさえる・こっさえる・こっしゃえる=こしらえる、作る
  こさげる=削り取る、気安い間柄の所から遠慮なしに拝借する
※ごさんちく・ごさんじく=くれ竹、ホテイチク(筍を食べる竹の種名)
  ~ごし・~ごと=~ごと、~もいっしょに
  こしがかるい=気軽に行動する
  こしき=米やもち米などを蒸す段重ねの道具
※こしき=炭窯の内部で原木を炭化させる部位(炭焼き用語)
※ごしごし=芯まで煮えていない状態
※こしなご=大型のカタクチイワシ(魚名)[甲]
※こしびき・ひとりびき=人力で引いて畑を耕す農具(同型の牛鍬馬鍬もある)
  こしゃんと・こちゃんと=きちんと、徹底的に、(新はコジャント)
※ごじる=大豆をひいた汁
  ごじれ・ごじくれ=こじれたもの、生育不良
  こすい・こすこい・こっすい=ずるい
※こすしー・こすった=ずる賢い人
※こせ=大型のシマアジ(魚名)[甲]
  ごぜ・ごぜむし=①ゴキブリ、②磯の岩場にいるフナムシ
  こせる=①痩せて肉付きがなくなる、②子供が年齢以上にませる、生意気になる
※こぜにをためる=コツコツと少しづつ着実に金をためる
※ごぜん=ご飯[和にも]
  ごそ=薮(例・やぶごそ、あいだごそ)
  こそばす・こそばかす=くすぐる
※こたー・こたア・ことは・こいとは=こいつは
  ごたい=五体、体
  こたう・こたえる=苦難苦渋する
※こだま=小さめのタモアミ(漁具)
※こたうか=たまるか
  こたやかす=やっつける、とっちめる
※こたわん=たまらない、耐えられない
※こち=東の風(例・キタゴチ=北西の風)
  こちあう・かちあう=道で行き合う、日程が重複する
  ごつい・ごっつい=骨太い、大きい、たいそう(強調語)
※こっから・こっから=ここから
※こっこ=ニワトリ(幼児語)
※こっさえる・こっしゃえる・こさえる=こしらえる、作る
※こっしゃえ・こっしゃえる=拵え・こしらえる(阿波弁の影響を感じる)
※こっすい=ずるい(コスイの強調語)
※ごっすん=五寸[野・海]
※~こったーす=強調語(例・ほりこったーす、やりこったーす)[甲]
※こったら=このような
  こっちゃ=こちら(例・あっちゃこっちゃ、こっちゃい来い)[和にも]
※~こっちゃ=~という事だ
  ごっちゃ=混ざる
※こっちゅー=こすしー、ずるい人
※ごっつい・ごっつう=大きい、強い・大きく、強く
※ごっつォー・ごっそ=ごちそう(サンを付けて「御馳走様」感謝の挨拶)
※ごっとー・ごっつぉー=ごちそう(例・ごっとーさん)
  こっとい=①牡牛、牡の子牛、②男の子
※こっとい=カマスサワラ(魚名)[佐]
  こっとり・こっぽり・ごっぽり=全部、すっかり、(コットリは突然の意味もある)
  こっとり死んだ・こっとりいった=あっさりと死んだ
※こっとりやられた=まんまとやられた
※こつばき=ビシャコ、カミシバ、ヒサカキ(植物名)
  こつむ=とりあえず集め積む[室・野]
※こつる=①鳥が嘴でつっつく、②大工が材木を粗削りする
  こつれ・こつれる=中古品、使い古してへこみ傷やこすれ傷などが目立つもの
※こでつけさでつけ=あれこれくっつけて、こじつけて
※ごてる・ごねる=難癖をつける、文句を言って承知しない
  こと=こいつ(例・どともことも、ことらーは)
  ごと・ごとまつ・ごとんびき=ガマ蛙
※ことーた・ことオた=こたえた、やられた、疲れた
※ことーつろ・ことオつろ=こたえただろう、疲れただろう
  ごとごと=ゆっくり、少しづつ
※ことに=本当に
  ごとまつ・ごとんびき=蛙、がまがえる(蛙)
※ことり・こーとり=子供をさらっていく人、人さらい
  ことわり=謝罪、内訳
  こな・こなくそ=この、こんちくしょう
  こないな・こないに=こんな・このように[甲~阿~和]
※こないこないに=これこれこのように[甲~阿~和]
※こなほー=この阿呆[甲]
  こにい=次男以下の者、(ニーサンは男の人の総称で年齢をとわない)
  こねえ=次女以下の者、(ネーサンは女の人の総称で年齢をとわない)
  ごねる・ごてる=難癖をつける、文句を言って承知しない
※こにゃー=来ないか(同・こにゃーさー、こにゃーだー)[野]
※こば=木場、山の作業場や山小屋のある平坦な場所
  こばえ=親木の周囲に生えた小苗、親木から派生した脇芽
  こばてん・こぶてん・こぼてん=曲げた枝の反動で鳥を捕る罠(野はコボテ)
  こばん=竹ヒゴで作った小鳥籠
  こびき・こびき=木挽き、杣人、樵人
  こびんす=①子供、小僧、②河童
※ごぶ=ゴム(子音MがBに変わる例)
※こぶ=コンブ(海草)[和にも]
  こぶらがえり・こべらがえり=こむらがえり、筋肉が引きつる現象[和にも]
  こぶりあわす=混ぜあわす、つっつき合わす
  こべり=小縁、舟べりの上にはった板[高知県・宍]
  こぼて=曲げた枝の反動で鳥を捕る罠(コバテン・コブテン・コボテン)
  ごま=①玩具のこま[和にも]、②車輪
  こまい・こんまい・こんまちこい=小さい、細かい[和にも]
※ごまうなぎ=体表にゴマ模様のあるウナギ(普通のウナギより太短い南方系鰻で、ガネ              カミ・ガネクイ・カニクイとも言う)海部母川オオウナギは天然記念物
  こまし・こませ=菰や俵を編む台、魚釣りの撒き餌
※ごみうつぼ=トラウツボ(魚名)[佐]
※こみきり・はみきり=藁や草などを一握りほどまとめて切り刻む道具
※ごみくた=ゴミ、雑多な塵芥[和にも]
  こみこむ=夢中になる、熱中する
  こみしお=満ち潮、満ちてくる潮(逆・引き潮)
  ごむぞーり・ごむじょーり=ゴム製の草履
※こむつかしー=ちょっと困難、ちょっと難解(逆・こやさしー)
  こむらがえり・こぶらがえり=ふくらはぎの筋肉が引きつる
※こめをかいに行く=人が死ぬという意味[佐](愛媛方言ではお茶を買いに行くという)
                    (例・〇〇さんが米を買いに行った)
※ごめんでー・ごめんでエ=ごめんね、ごめん下さい、失礼します[甲・海・阿]
※ごめんなして=ごめんね、ごめん下さい、失礼します[海・阿]
※こもーなる・こんもーなる=小さくなる
  ごもく・もぶり=ごもくずし(酢めしに多様な具を散り混ぜたすし)
  ごもくめし=ご飯に多様な具を混ぜたもの
  ごやさって・ごあさって=四日後(アヒタ→アサッテ→シヤサッテ→ゴヤサッテ)
※こやね・こやね=ヒサシ、大屋根の下に造った補助的な屋根[和にも]
  こやらい=育児、子育て
※こら・これ・こらえ=相手をこちらに向かせるための掛け声(接頭語)
  こらえじょー=忍耐力[和にも]
※こらえちゃる・こらえちゃれ=許してやる・許してやれ
                              徳島県はチャがタになる(こらえたる・たれ)
  こらえる=①我慢する、②許す(例・痛みをコラエル、罪をコラエちゃれ)[和にも]
  ごり=ハゼ(川魚名)野根ではチチボと言う、ミミナシ(ボウズハゼ)チョーカイ(ア        ユカケ・カジカ)ノボリコ(川尻から遡上するゴリ類の稚魚)なども同類
※ごりごり=①懲りごり、②煮こごり[甲]
※ごりる=懲りる
※これ=声かけの言葉や合いの手の言葉(例・コレ〇〇さんよ、それはなんコレ)
※こればー=これだけ、これほど
  ころ=重いものを転がして動かす道具、転ばし棒、牛馬に引かせ転がして耕す農機具
※ごろ=文句、言いがかり(例・ゴロをまく)
  ころばし=ウナギを捕る仕掛け筒
  こわしイ=詳しい
※こわけ・こわり=詳細、詳しい理由
※こわる・くわる=筋肉がこわばる、筋肉疲労
  ごんきれ=木の切れっ端
※ごんけつ=げんこつ
  こんこ=沢庵づけ[和にも]
※ごんごん=どんどん(例・山奥へゴンゴン進む、豪雨で水がゴンゴン流れる)
※こんじょわる=いじわる[和にも]
  こんせ・きなんせ=来なさい
  こんた=こいつ、お前[和にも]
※ごんた・ごんたくれ=いたずらで手におえない者[宍]
※こんだけ・こんなけ=これだけ、これほど
※こんどら=今度は
※こんなけ・こんだけ=これだけ、これほど
※こんなく・こんなくー=こんな所
※こんなん=このような
※こんぴらずもー=金毘羅神社の奉納相撲(神社名は、金毘羅、琴平、その他多様)
  こんまい・こんまちこい・こまい=小さい
  こんまいにい・こんまいねえ=次男次女以下の兄・姉(長男長女は大きいニイ・ネエ)
  こんまちこい・こんまるこい=いたって小さい(丸いという意味ではない)
※こんもーなる=小さくなる、恐縮する

           さ
※~さ・さー=促す意味の接尾語[野漁・海](例・はよ来いサ、行かんかサー)
※さー・さア=命令の接尾語(例・やってんさー)[野漁や海は、サー・ダー・ケーを多様]
  さー・さア=①竿、②さあ、さて(疑問の接頭語)
  さーち・さアち=皿鉢(料理を盛り付ける大きな皿)
  さーちりょーり=皿鉢料理(さまざまな食材を大きな皿鉢に盛り付ける)
                野根では組皿鉢と言って一定の決まり通りに盛り付け、モノズエに乗せ                一人一皿あて祝いの席に出す。こけらずし主体で刺身も同皿に入る
※ざーる・ずわる・ざーれ・ずわれ=座る・座れ[野]
※さい=おかず、副食
※ざい・ざいしょ=田舎の地域やムラ[和にも]
  ざい=はたき(掃除道具)
※ざい=采配の采、ザイ踊りの采(盆灯籠の紙飾りで作る)
※ざいおどり=ざいを持って踊る盆踊り[野商・野農]
  さいがけ=更新、追加、病気がぶりかえすこと
  さいけ・さのぼり=田植え始め・田植え終わり[海ほか]
※ざいた=床板
※さいて=させて、やらせて(例・あてにもさいてくれ)
  さいと=さいとう、菜刀、菜切り包丁
※さいら・さいれ=①サンマ(魚名)海はサイロとも言う、②サヨリ(魚名)
※さえづり=鯨の舌肉
  さえん・さえんじり=菜園、畑(半農半漁は漁業のかたわら家の裏に畑を作った)
  さおぐ=さわぐ、動悸がする(例・心臓がサオグ)
  さおとつい=一昨日の前日、さきおととい
  さおとどし=一昨々年、さきおとどし
※ざおざおする=一面覆うばかり(例・ざおざおするばー生えちょる)
※~さかい=~だから[甲・阿・和・大]
※さかえ=境、境界
※さかえじゅう=サカイジューとも言う、多くは3ツ組入れ子の重箱、祝事などに贈呈品                を入れていく。和歌山では「サカイジュー=5重ほどの入れ子」とある
              (例・小のジューに餡餅、中に赤飯、大にコケラ)
  さかし・さかつべ=さかさま、逆立ち
  ~さがす=接尾語(例・ちらかしさがす、こつみさがす)
  さかとんぼ=倒立、宙返り(子供の遊び)
  さかもげ=爪の元の皮膚が逆さに剥ける、ささくれる
※さき=①場所(例・居るサキがない)、②先端、③先刻
  さきいき=行く末、将来[和にも]
※さきっちょ・さきっと・さきっぽ=先端
※さぎっちょ=左義長、どんど焼き、正月明けの行事で正月飾りや神札などを集めて焼く
※さきっと・さきっぽ・さきっちょ=先端
  さきやま=狩猟のとき獣を追い出す役目、山仕事、山仕事の頭領
  さきやり・さきて=指導者、先導者、親方
  さくい=折れやすい(逆・ネバイ)
※さくらのり・つのまた=和名カバノリ、磯の海草、食用、先端が桜花のように切れ込む
※さげかご=魚などを入れる浅い竹カゴ
※さげじゅー=携帯できる組重箱、野外食用の手提げ重箱(ユサンバコとも言う)
※さげぜん=招待客が来なかったとき家へ届ける膳や皿鉢(昔の祝宴は一人一皿鉢)
※さけのみ=酒好き
  さげる=下痢する
※さげる=片付ける、お供えものをおろす、手に持つ
  さこ=迫、山の斜面
  さごし=サワラ(魚名)
  ささぎ・ささげ=いんげん豆(野菜名)
※ささにごり=川水が少し濁っている状態
※ささびきゃく=笹の葉が萎れぬ内に全速力で街道を駆けて御用状を届ける送り夫
  ささぼーき=竹の枝部分で作ったホウキ
※ささら=①アマノリをかく道具、カイとも言う、②とげ、木の割り口などのさかもげ
※さし=ものさし(例・サシがね=大工の計測器、けんザシ=材木の計測器)[和にも]
  さし=1対1(例・さしむかい、さしで飲む)
  さしかけ=ひさし、母屋に継ぎ足した片屋根
※さしがね=くの字型の計測器(大工道具)
  さしくる=都合良く交換する、だまし取る
  さしげた=高下駄(歯をさしこむ下駄)
  さす=両端の尖った天秤棒、薪木束や藁束など両端に突き刺して運ぶ
  さする=なでる、なでこする
  さだち=急に降ってくる雨、にわか雨
※ざつ=雑木
  ~ざった・~だった・~らった=~なかった(例・行かざった、見ざった)
  ざっと・ざっとこし=おおまか、簡単(海ではザットコセ)
  さで=①左肩で担ぐこと、ひだりかた、②山の斜面(木材などをすべり落とせる地形)
  さであつめる・さでこむ=そこら辺から掻き集める
※さであみ=鮎すくいのたも網、編み糸が細いテグスのもの
※さでぎ=サデに残した小枝、ボサにならない小枝で自家用燃料に使う
※さでもり・さでもりさん=虫送り行事[野・甲・宍]
  さでる=さらえこむ、かき集める
  さでつけ=こじつける、急いで髪を整える(例・とりつけさでつけ)
  さどい・さどこい=①すばしこい、②機転が利く、③理解力が良くて早い
※さなか=最中
  さなずる=暗がりで手さぐりする[和にも]
  さね=果実、女陰
  さねぼり・さのぼり=田植え終了後の祭り[海]
※さばえ・さばい=うるち米で作った赤飯(田の神様に供える)、田植えの神様
  さばく=鶏や大きな魚を解体料理する
※さびしーなったね=寂しくなったね(死者の遺族に対して使う言葉)
※さぶしー=寂しい、淋しい[甲・和にも]
  さびる=唐箕などを使い風を利用して穀物の実と穀をさびわける
  さぶ・さぶい=鳥肌・寒い
※さまつ=サマツタケ、ニセ松茸、男根
  ざまな・ざまげな=大きな、たいへんな
  さら・さらぴん・まっさら=新品
※さらえ=竹で造った熊手状の掃除道具[和にも]
※さらえ=炭と素灰を分ける道具(炭焼き道具)
  さらばえる=残さず掻き集める
  ざれ=崖崩れ、崩れた小石
※さわ=竿(例・物干しサワ)[野・甲・海・和]
※さわちあらい=宴会の翌日残り物で飲み直す(同・まな板洗い、目くそ落とし)
                宴会のあとでやるのを、あとづけ、ザンなどと言う
  ざん=宴会のあと残り物で飲み直すこと
※さんがつな=からし菜
  ざんざんぶり=雨がザンザン激しく降ること
  ざんざんぼり=雨もりが激しいこと
  さんだわら・さんだーら=米俵の両端の丸いふた、さんぶた
※さんだん=やりくり、計画
  さんにかからん=問題にならない
※さんのじ・さんのじはげ=ニザダイ(魚名)海はサンタとも
※さんばいづけ・さんまいづけ=砂糖、酢、醤油の三種で漬けたもの
※さんぶち=畑などに作った農業用水池[甲]
  さんぶん=山間地、山の集落
  さんぼ・さんぼー=神饌を載せる方形の折敷で台の三方にくり型が空いている
  さんやぶくろ=へんどぶくろ、①四国遍路が首にかけて使う頭陀袋、②葬式のとき遺族                の爪や髪あるいは六文銭を入れて死者の首にかける袋

            し
  し=人、衆(例・わかいし、おなごし)
  じ・じイ=地元(例・ジもの=地元の魚や野菜)
  しー・しイ=人(あのしー、誰々のしー「イ」にアクセント)[野]
              佐喜浜奥地では「誰々のヒト」と言う、中国地方では「シャ」と言う
  しー・しイ・しーしー=おしっこ(幼児語)[和にも]
※しー=カメノテ(磯の岩場に住む節足動物)
  しー・しイ=4
  じー・じイ=字、地面、地元(例・ジーの者、ジものの魚)
  じー・じイ=お爺さん、男の高齢者(女はバー、バア)
※~しーしー・~しイしイ=~しながら
※じ=礁、ハエ、海底から突出して海面に見え隠れする岩塊
※しあい・しやい=準備
  しあげ(みっかなぬかのしあげ)=葬式のあとの法事、三日七日の法事
※しあるく=用もなくぶらぶらする
※しあさって・しやさって=明後日の翌日(その翌日はゴアサッテ)
※しぇ・じぇ(発音)=せ・ぜ[海](例・先生しぇんしぇい、絶対じぇったい)
※~じぇ・~じぇー=~ですよ・~ですか?[海](例・どしたんジェ)
※しぇーせん・しぇエせん・しぇいへん=しない、しません(同・しゃーせん、せーへん)
※しぇーへった・しぇエへなんだ=しなかった
※しお=かんぱち(魚名)小さいのを「しおこ」と言う、別名ねいり
※しおだし=①塩漬けした食物の塩を抜く、②海で泳いだあと川水で塩分を洗い流す
※しかえる=とりかえる
※しきって=①しきりに、②強引に
※しきび=しきみ(墓花にする植物名)
  しぎょい=間隔が狭い、煩雑
※しくさし=やりかけ
※しくさす=やりかけて止める
※じくつき=羽根突き[佐]
※しくのこ=伝説上の山人、森の小人、(同・チクノコ、ツチノコ、シバテン、化かす狸)
※じげ=特定範囲の地域(例・地下役人、地下浪人、地下人が集まる)
※しけくさ=チガヤ(植物名)(節の数と台風襲来の回数が一致すると言われる)
※しける=①湿る、湿気が高い、②天気が荒れる、海が荒れる
※しこ=力(例・シコ入れて仕事せえ、シコが入っちょらん)
  じこじこ=少しづつ、だんだんと
※しごとし=働き者、腕たち
  しこる=熱中する、しつこく続ける(例・やりしこる、負け博打のしこり打ち)
※ししいぬ=イノシシ猟の犬(シシザキ=土佐犬、紀州犬、秋田犬など)
※じじぐろい・いじぐろい=皮膚や生地が黒ずんでいる
※じじばば=春蘭(同・ヨコリ)
  じじむ・じゅじゅむ=にじむ
※じじむさい=老人くさい
※しじめ=しじみ[甲]
※しずえ=湿地、水浸し、湿った日陰
  した=足元、道路の良し悪し
  しだいおとり=だんだん悪化する、だんだん衰える
※したみせ・みせ=ぶっちょう造りの下側、閉じれば雨戸開けば縁台となる
※~したる・~したろ=~したやる・~してやろう[宍・海]
※したわえー=しましたよ(同・したわさー、したわよ、しとーえー、しとーさー)
※~したん?・~したんな?=~したのか?[野・甲・宍・海]
※しちくり=して下さい[佐]愛媛言葉と思われる
※しちゃって=してやって
※しちゃってんさー・しちゃってんだー=してやりなさいよ[野]
※しちゃってくれちゃってんさー(~だー)=してやってください[野]
※しちゃり=してやりなさい
※~しちゅー・~しちゅウ・~しちょる=~している
  している[標] しちゅー・しちょる・しよる[土~野] しーよる[野] しとる[甲~阿]
※しちょる・ひちょる=している(徳島県では「シトル」)
  しっかり=①たくさん、②確実・堅固
※じっきに=すぐに[和にも]
  しつける=田植えをする、子供に行儀作法などを教育する、動物を訓練する
※しったらかし=しったかぶり
※しったり=たくさん、いつも[海]
  じっぱじっぱ=少しづつ、じわじわ
※しであげ=おしめあげ、神祭の翌日の行事(例・宵宮→本祭→仕出上げ)
            他の所ではシメアゲが一般的
※してもろて=してもらって
※してる=捨てる[海](同・フテル、ヒテル)
  しでる=いじめる、責める
※してん・してみー・してみイ・してみよ=しなさい、してみなさい(命令語)
※してんさー・してんだー=しなさい、してみなさい(命令語)[野・海・阿]
  しと=打ち水、夏場に水を散布する
※しとーえー・しとオえー、しとーさー=しましたよ[野]
※しとーし・しとオし・しどーし=やり続ける
※しとーて・しとオて=したくなって
※~しとる=~している[宍・海・阿]
※~しとれん=~してはおれない[宍・海・阿]
※しな=するな
※~しな=~のついで、~する前(例・いきしな、もどりしな)
※しなぎ=魚を腐らして作った肥料、クサラシとも言う
※しにがね=死に金、無駄な金(逆・生き金)
※しにものぶるい=死にものぐるい、必死[甲]
※しぬくい=やりにくい、扱いにくい[和にも](~ぬくい=~難い)
※しぬる=死ぬ[土・新]
※じのもの・じのもん・じもの=地場産品(四里四方に病なし=地場産品の良さ)
※しのる=死ぬ[野]
  しのべる=片付ける、所定の所に納める
※じねんじょ=自然藷、ヤマイモ(最近は栽培品もある)
  しのべ・しのべのこー=篠竹、矢竹・篠竹のタケノコ
  しば=木の葉、小枝、雑木、墓に供える墓花、焚き付けにする小枝
  しば=芝、草っ原、芝生、耕作地でない平地
※しば~=主でないものの接頭語(例・しばえび、しばぐれ、しばてん)
  しばく・しぶく=ムチや細竹で打つ(同・しばきあげる、しばったーす)
※しばぐれ=小さいグレ、木っ端グレ(磯魚の名)
※しばったーす=しばきあげる
  しばてん=芝天狗、うそつき者
  しばもち=かしわもち(サルトリイバラの葉で包んで蒸した餅)
※じばん=襦袢(着物の種類)
  しばんま=柴を束ねて尻に敷いて斜面をすべって遊ぶ
  しび=キハダマグロ(魚名)マグロの一種
※しびたびより・しびった=寒い曇天~小雨
※しびなわ漁=延縄を数キロ~数十キロ流してマグロ類を釣る漁法
※しひゃくしびょうのやまい=四百四病の病いより貧ほど辛いものはない[野]
  しびる・しびこーる=冷える、冷え凍る、凍てつく
※しびった・しびたびより=寒い曇天~小雨
※しぶ=しぶくさ、わらくず、洗うときにタワシがわりに使う
※じぶ=脱皮したての蟹[佐]
※しぶい・しぶちん=欲ばり[和にも]
※じぶん=時分、ころあい(例・ひるじぶん、もう来るじぶん)
  じぶんあんない=宴会の直前に改めて案内をする(えいジブンになったきに来てくれ)
※じべた=地面[和にも]
※しまいこぐち=終わり近く、終わる間際
※しまいよ=終わりませんか、仕事を一段落しませんか(別れの挨拶)
  しまいよ!・しまいじゃ!=大変!、ただならぬ事になる、大ごとになる[和にも]
※しまう=片付ける、終わる、仕事を一段落する(同・おく)
  しまか=まじめ、堅実質素な生活
※じみち=舗装していない道路
※じみょー=寿命
  しむ=しみる
  しめし=おしめ、赤子の尻にあてる衣
※しも=①当所からみて京都に遠い所、②西向き、③川の下流(逆・カミ)
※しもーた!・しもた!=しまった!(強調はシャッシモータ)
  しもーた・しもオた=終わった、仕事を一段落した(同・おいた)
※じもち=ツチトリモチ(植物名)ツチトリモチから作ったトリモチ
※~しもって・~しーもって=~しながら
※じもの=地場産品(地元でとれた野菜や魚など)
※しもり=酒席などで最後まで居残ること
  しもる=沈む
※~じゃ=たしかに~だ(強調肯定の接尾語)(例・おらいジャ)
※じゃっ!・じゃー!=おやまあ!(驚嘆語)(同・でや、でいや、おんでいや)
  しやーせ・しやアせ=幸せ、幸運
※しゃーせん・しゃアせん・しゃーへん=しない、しません
※しゃーない・しやない=仕方がない
※しやい=用意、準備、(例・よそいきのシヤイ、よばれのシヤイ)
※じゃいけん=ジャンケン[海]
※~じゃか・~じゃいか=~じゃないか(同・ぢゃか、ぢゃいか)
※しゃがれる・ひっしゃがれる=おしつぶされる(ヒッは強調の接頭語)
※しゃかん=左官職人
※しゃかんど=イサキの幼魚(魚名)[甲]
※~じゃきに・~じゃけに・~じゃきん・~じゃけん=~だから(同・~やきに、~やけん)
  しゃぐ・しヤぐ=ひしゃぐ、おしつぶす
  しゃくり=疑似餌でしゃくって釣る漁法
  しゃける・しゃけぶ=叫ぶ
※~ッしゃげる=~する(行為を強調する接尾語)[甲・宍・海]
※~じゃけん・~じゃけんな=~だけれどね(例・そりゃなんジャケンナ)[甲・宍・海]
  じゃこ=①雑魚、小さいイワシやアジで料理のダシに使う、②イワシ類の稚魚
※しゃし=衣服にくっつく草の実[佐]
※~じゃに=~なのに(同・~やに)
  しゃしゃぶ=アキグミ、河原や荒れ地に生える野生グミ・実は食用になる
  しゃしゃらまご=やしゃご、玄孫(例・こ→まご→ひまご→しゃしゃらまご)
  しゃっきん=平然、しっかりしている(例・あればあ酒飲んだにシャッキンじゃ)
※~しゃっくる=接尾語(例・びっくりしゃっくる)
※しゃっしまいじゃ=しまった(「シャッ」は強調の接頭語)[甲]
  しゃっしもーた・しゃんしもーた=しまった[土](シャッやシャンは接頭語)
  しゃっしらん=平気な(例・シャッシラン顔をしちょる)
  しゃっぽ・しゃっぽん=帽子[和にも]
※しやない・しゃーない=仕方がない
  しゃびき=かぶら釣り、擬餌針で魚を釣る
※しゃびれ=産卵を終えた鮎、落ち鮎
  しゃべくり=おしゃべり
※しゃべる=ショベル、スコップのこと
※じゃらこい=たすこい、容易な、ふざけている[宍・海・阿]
  しゃりき=鉄を巻いた大きな車輪の荷車、大きな車力は馬に牽かす
※しゃりこ=社里子、お宮参りの子供、生後1年内外で産土神の氏子となる儀式
※~じゃるもんか=~であるものか(例・ドンコやこいが、んまいもんジャルモンカ)
※~じゃわ・~じょ=~だよ[宍・海・阿]
※じゃん・じゃん鉄砲=ゴムの反動で銛を撃つ魚突き道具、水中鉄砲(磯魚突きの潜り漁師の使う大型から子供用の遊具まで[甲]、野根ではちゃん・ちゃん鉄砲と言う)
  しゃんしゃん=てきぱき、手早く
  しゃんつく=しっかりする、気取る
  しゃんと=①しっかりと、②あいにくと、③ついに
※~じゅー=~でいる(例・死んじゅー生きちゅー)
※じゅーのー=十能、炭火や灰をすくったり移したりする道具
  しゅーびん=①水に飛び込む、②水面に投げた石が水面を跳ねながら進む石投げ遊び
  じゅーやく=十薬、ドクダミ(植物名)薬草になり別名「医者いらず」
※しゅーろ=シュロ(植物名)棕櫚の茎元の繊維質は蓑や縄などの材料になる
  じゅじゅむ=にじむ
※しゅっぴん=人差し指を強く撥ねて相手を打つ
  しゅむ・しむ=しみる
※しよ=塩
  しょー=じつに[新]ショーマッコトという新土佐弁は未だ東洋町に入っていない
※~じょー・~じょオ=ですよ[宍](同・~ぜよ、~ぞよ、~でよ)
※しょーがつさん・しょーがっさん=恵方棚
  将棋の種類=本将棋、詰将棋、金転がし(四国廻り)、あいの、五目並べ、山くずし
※しょーぎ=床几、涼み台(ぶっちょう造りのシタミセをさす事もある)
※じょーぎ=田植えのとき間隔を揃えて植える道具(田植え定規)
※じょーく=よくよく[甲](例・じょーく言い聞かせよ)
※じょーご=バイモチの真ん中に開いた小穴(炭焼き用語)
  しょーことなし=仕方なく
※じょーさん=仰山[海]
※しょーじお=巻だし波、海岸近くの海流が対流して生じる強い引き潮
※じょーず=饒舌、たくみな口ぶり
※しょーたびより=しびたびより、寒い曇天の日[甲]
  しょーたれ・しょーたれる=だらしがない
  しょーたれかき・しょーたれこき=だらしがない人
※じょーでん=上田、収穫の多い良田
※じょーとー=上出来、充分
  じょーに=たくさんに、あまるほどに
※じょーねんじぐさ[野]=ムラサキカタバミ(雑草の名前)すもとりぐさ
※しょーのもん=役立たず、無能
※しょーびん・しょーべん=水泳の飛び込み
※じょーぶい=健康、達者
※じょーぶくろ=封筒
※じょーぶに=たくさんに、あまるほどに[野]
※しょーまっこと=じつに本当に[新]この言葉はまだ本町に達していない
※しょーもない・しょむない=つまらない
※しょーゆウ=醤油
  しょーよく=茂み、植林された所
※しょーらしい・しょオらしい=しおらしい、真面目な働き者、よく働く
  じょーり=草履、ぞうり[和にも]
  しょーりき=力いっぱい、真剣に
  しょーれん=カナテコ、土木作業に使う鉄棒
  じょーれん=平たい土あげ鍬
※じょーれん=櫛目の鍬(砂をすくわず小石や貝だけすくい取る鍬)
  しょいのみ=醤油のモロミ
  しょしゃ=動作、所作
※じょじょ・じょーじょ=草履、履物(幼児語)[和にも]
※しょった・しよった=していた
  しょっぱち・しょっぱな=最初[和にも]
※しょてかい=ぶざまな格好
  しょてっぱち・しょてっぱな=いきなり最初
※しょね=根性、性根
※しょべ・しょんべん=小便
※しょべたご・しょんべんたご=小便桶[和にも]
※しょべたれ・しょんべんたれ=寝小便、ニナ貝
※しよびき・しよもん=魚の塩漬け、干物
※しよふき=シオフキ、アサリ(貝名)
※~しよる・~しょーる=~している
※じょろぐも=女郎蜘蛛(昆虫名)
※~しょん・~しよん=~している、~しているの?[甲・宍]
※しょんがつ=正月[甲](ウをンに変えるゾイカイ弁の代表例)
※~しょんぞい?・~しょんのんぞい?=~しているの?[甲・宍]
  しら=冬季の西南の風
  しらあえ・しらえ=和えものに豆腐をつぶして混ぜたもの
※しらかし=ウラジロガシ(植物名)腎臓結石や胆石の特効薬となる
※しらがぼくと=白髪頭[甲]
※しらざった・しらだった=知らなかった
  しらす=イワシの稚魚(土佐弁ではドロメだが、東洋町はシラスと言う)
        (シラス→カエリ→カチリ→チリメン→チリメンジャコ→ジャコと生長する)
  しらった=白紙、無味
※しらま=白浜(集落名)[甲]
  しらめ=シラミ(虱)[和にも]海ではシャメとも言う
※しらんわれ・しらんわれー=知るものかお前[海・和]
  しりうち=泥道を歩くとき足裏から撥ねあがってて尻のあたりが汚れること
※しりがながい=尻が長い、酒席でなかなか帰らない、おしゃべりして長居する
※しりげっとー=最後尾、最下位(同・げっとー、びりげっとー)
※しりここ・こころ=大きな魚の心臓[甲]一般的にチチコと言う
  しりこぶた・しりこぷた=臀部、尻べた[和にも]
※しりざらえ=最後まで居残る
※しりしほーにやまいなし=四里四方に病なし、新鮮な地場産品を食べておれば健康
※しりつ=手術[甲]
※しりにひがつく=事がさしせまる
※しりをふく=後始末をする~してやる
  しるい・じるい=ぬかるんでいる(シルイは和にも)
※しるかれ・しるかれー=知るもんか[海・和]東洋町では使われない
※しるこ=小豆粉と団子で作る(ゼンザイは小豆粒入りの汁子に餅を入れたもの)
  じるた・じるたんぼ=湿田、泥水たまり
※しるぼた・ぼたじる=びっしょり濡れた状態[甲]
※しるもち=小麦粉団子をだし汁で煮たもの[甲]
  しれ・しれー=彼岸花(海はシーレ)
  しれふ=ふだつき、悪名高い(東洋町付近では女に使う)
  しろ=棕櫚、樹皮の繊維質で棕櫚縄や雨具を作る
  しろかき=水田の苗代つくり
※しろこ=魚の精巣
※しろごはん・しろめし=白米ご飯
  しろしろする=戸惑って何もできない状態
※しろと=素人(逆=くろと・玄人)[甲]
※しろびた=シロアマダイ(魚名)[甲・県中部]
  しわい=しぶとい、強情、執拗、(海は欲張りや姑息の意味もある)
  しわくた=しわくちゃ、しわだらけ[和にも]
  しわけ=本家から分かれる、分家に財産などを割譲する
※しわくちゃまぶれ=しわだらけ[甲]
  しわしわ・じわじわ=少しづつ
  しわなき=子供が泣き続けること
  しわもつれ・しわもたくれ・しわもつくれ・しわもぶれ=しわだらけ
※しわりと・しわりっと=ゆっくりと、そっと
  しわる・じわる=枝がたわむ
  しんが=ソラマメ
※しんがつ=四月[徳島県]
※しんきく・しんぎく=春菊(野菜名)
※しんきゃく=宴会に遅れてきた人[土]
  しんけい・しんけいやみ=神経衰弱、病的なほどの神経質
  しんこ・しんこつ=芯
※じんさい=神祭(神社の祭り行事)野根八幡宮の神祭言葉は前項参照
※しんしばり=伸子張り、伸子針、和服の縫い目をほどいて洗濯する方法、またはその道具            竹ヒゴの両端に小さい針があり布を張りひろげる道具で洗いばりとも言う
※しんだー・しんだア・しんだい=しんどい、疲れた[海]
  しんどい=疲れる、困難
※しんぶりか=蜜柑の内皮、甘皮[甲]
※じんべー=甚兵衛羽織、そでなしの着物
※じんま=老爺、おじいさん(例・じんまもばんばもよう踊る)
  しんまい・しんまえ=初秋の頃とれるクロマグロやソーダガツオの仔
  しんや=分家、新家(逆・本家、主家)

            す
※す=時期を過ぎて大根などに入る筋、子供が山遊びで作る隠れ家
※すー=巣、吸う、簾、簀(竹、ヨシ、カヤ、チガヤなどで編んだ簀)
※すウ=酢
※ずある・ずあれ=座る・座れ[野]
  すーじゃーごぼじゃー=ああだこうだ
※すーすー・すウすウ・すいすい=風が動いて涼しい~冷たい
※すーやのかどを通っちょらん=寿司の酸味が足りない
※すい・すいイ=酸っぱい
※すいがん=水中メガネ
  ずいつく=ずいずいする、良く切れそうな刃物
※すいみっとう=桃(果樹名)
※すいや・すや=①巣(例・鳥のすいや)、②子供の山遊びの隠れ家
※すいり=水に潜る[佐]
※すいろ=水に潜る
※すいろぬける=水に潜る、潜水する(和歌山ではスイリと言う)
※~すえられる=強調語(例・やりすえられる)
  すえる=すえ付ける、定置する
  ~すえる・~すえぬける=強調語(例・やりすえる)
※すか・すかり=はずれ、あてはずれ[和にも]海はスカッチョ・スカッポとも言う
※すがけ=床下、床下の貯蔵庫
  すかすか=水分が抜けてしまった状態
  すかたん=ずっこけ、あてはずれ[和にも]
※ずがに・ずがね=モクズガニ、ツガニ(川蟹の名)
  すかべ・すこべ=音のしないオナラ
※ずき=さといもの茎、ずいき
※すぎてっぽー=杉の実を弾丸代わりにするおもちゃの鉄砲(子供の竹細工)
※~ずく=~しないままに(例・片付けんズク出て行った)
  すぐい=曲がっていない、真っすぐ
※ずくし=熟した柿(ズクシガキ)[和にも]
※すくないわ!=めっそうもない!(否定の強調語)[野]
  ずくばる・ずびすわる=居すわる
  すけ・すけおび=オイゴ、子供を背負うタスキ帯(夏は単独使用、冬は綿入れを重ねる)
※~すけ=個性的な人の接尾語(例・飲みスケ、ねぼスケ)[和にも]
  すける=助ける、補助する、下に敷く
※すけない=少ない[和にも]
※すけべー=好色
  すこべ・すかべ=音のしないオナラ
  すさ=練った赤土に混ぜる切り藁
※すしおけ・はんぎり・はぎり=寿司を作るとき寿司飯をまぜる平たい桶
※すじがつお=ハガツオ(魚名)[甲]
※すじむかい=真正面でなく斜め向かい[和にも]
※すず=珠々、磯網の重りにする穴のあいた素焼きの筒
  すっこむ・すっこめる=引っ込む、引っ込める[和にも]
  すってん・すっとん=すっかり
  ずつない・づつない=苦しい、しんどい(「術ない」が語源か)[和にも]
  すっぺたこっぺた・すっぱったこっぱった=ああだこうだ(海はスッペラコッペラとも)
  すっぽん=すっかり
※すで=しらふ、酒に酔っていない
※すてご=病弱な子供を捨てて拾い親に拾ってもらう健康祈願の風習
  すど・すぼ=藁束、①ワラグロの上にかぶせるもの、②串刺しを刺して吊るすもの
※すにごし=サバの身を焼いてほぐし柚子酢に浸したもの、寿司酢
※~すな・~すんな=~するな[和にも]
  すねくる=すねる
  すばい=炭焼きのとき釜出しした炭を消火するためにかぶせる灰(炭焼き用語)
  すばくる・すわぶる=しゃぶる、汁を吸いながら食べる
  ずびあがる=斜面を這いずって登る、やっと進級する
  ずびこむ=這い込む、無理に入り込む
  ずびすわる=居すわる
  ずび出る=這い出る
  ずぶ=這う、腹ばいになる[新]
  すべくる・すべくりまーる=すべる、すべりまわる
  すぼ=筒、太さが一定の筒、藁束
※ずぼ=メジカ(魚名)[甲]
  すぼっこー・ぼっこー=おおげさ、荒っぽい
  すぼむ=しぼむ
※すま=スマガツオ(魚名)
  すま・すまっこ・すまんご=隅、隅っこ[和にも]
※すまき=床下に掘った藷の貯蔵庫、いもつぼ
※すまのもち・すみのもち=新築の餅投げで最初に四隅から投げる餅
※すみかぶら=炭、消し炭[甲・宍・海](野根はケスミ)
※すみきり・すみきりなた=焼いた備長炭を一定の長さに切り揃える道具(炭焼き用語)
※すみきりだい=炭切りのあて台(炭焼き用語)
※すみごや=炭焼き小屋(生活部屋も含めた小屋全体、生活部屋除外はバンゴヤ)
※すみだす・すみらす=炭俵、炭を出荷保管するためにカヤで編んだ俵
※すみやき=①炭焼き、炭焼き人、②スズメダイ、シマイサギ(魚名)
  すめ=しらふ、酒を飲んでも酔っていない様子[和にも]
  すめし=寿司酢を混ぜた飯、具を混ぜる前やコケラ寿司に仕込む前の飯
※すもとりぐさ=ムラサキカタバミ(雑草の名前)ジョーネンジグサ[野]
  すもとりぐさ=スミレ(雑草の名前)
※すや・すいや=巣、ねぐら(例・鳥のすや)海では若衆宿もスヤと言う
  すら=舟を浜から海または海から浜へ運ぶための枕木(シュラとも言う)
  すら=山の斜面に敷いて木材を落とす枕木(シュラとも言う)
※ずり=砂地に穴を掘るとき周囲の土がずり落ちてくること、あるいはその土のこと
※すりきり=家計逼迫、資金が底をつく(白浜明神家文書・長宗我部盛親書状に出ている
          「資金も底をついたので主従関係を絶つ」という去り状の文言)
  すりつけ=マッチ
  すりぬか=もみがら(籾を玄米にすることを「スル」という)
  ずるーない・ずるウない=楽でない、簡単にいかない
※~するする=~しながら
※ずるむけ=皮膚がむける(例・こけて膝がズルムケになった)
※するめ=スルメイカ(乾燥したらホシスルメとかホイタスルメと言う)
※すれ=魚釣りのとき釣り針が口以外にひっかかること[海]
※~ずろ・~ずろー=~だろう
※すわえ・すもみ=酢和えもの
※すわぶる・すばくる=しゃぶる、汁を吸いながら食べる
※ずわる・ざーる・ずわれ・ざーれ=座る・座れ[野]
※~すん・~すんのんじょ=する・するのだ[宍]
  すんぐに=すぐに
※ずんだ=前にのめった[新]
※~すんな・~すな=~するな[和にも]

            せ
※せ・せー=瀬
※~ぜ・~ぜい=~だ、(海部弁の発音では~ジェ・~ジェイとなる)
  せエ=①背、体長、②せよ、しなさい(命令)
※せエ=磯にいるカメノテ
※せエ=勢い、力、成果(例・セエだひて働け、働いてもセエがない)[和にも]
※せーへん・せイへん・しぇいへん=しない、しません
※せーへった・せエへった・せーへなんだ=しなかった[野]
※せあら=マガツオ(魚名)[甲]
  せいじゃ=するとも(強調語)
  せいた=角材を製材して残った皮つきの板切れ
※せいで=しないで(例・せいでたまるか、せいでどーっしゃー)
※せいまい=仕事や用事を片付ける、整理する[佐]
※ぜーんぶ・じェーんぶ=全部の強調語
※せかす=急がす、競争する
※せからしー=忙しい[海]
  せきとー=石塔、墓標
※せきぶね=藩主の乗る船、祭りでご神体を乗せる船、祭りの曳き船
  せきぼし=川をせき止めて川ざらえする
  せぎる=魚が釣りあげられる時はげしく抵抗する[甲]、普通は引きが強いという
  せくる=嘔吐する
※せぐろ=サバフグ(魚名)[甲・県中西部]
  せこ=応援、助っ人、狩猟の追い出し役、漁労の船子
  せこい=①しんどい、②ずるい、卑怯(②は徳島県で常用されるが東洋町では使わない)
  せごし=小さい魚をぶつ切りにして塩酢で和えたもの(例・鮎のせごし)
※~せざった・~せらった・~せなんだ・せーへった=しなかった
  せせくる=いじくる・ほじくり出す[和にも]
  せせる=ほじくり出す[和にも]
  せたげる=とりあげる、いじめる
※せたろう=持ち出す、背負う(古道具をせたろゥてきた)[和にも]
  せっき=節季、おおみそか
  せつく・せっつく=いじる、手を出す
  せつくろしい=せまくるしい、きゅうくつ
  せっしょー・せっしょーにん=狩猟、猟師[野]
  せっつかっつ=互角、ぎりぎりいっぱい
※~せっといて・~せんといて=①~をしないままで~、②~をしてはいけない
※せとものかご=軽いものを運ぶ浅い竹籠(川へ洗濯物を持ち運ぶ等に使う)
※ぜにいわえ・ぜにゆわえ=長いロープ類を直径7,8寸の輪にして束ねること[野]
  せばい=せまい(子音MがBに変わる例)
※せばくるしー=せまくるしい
  せばち・せまち=①せまい土地、②田畑の小区画
  せび=蝉(子音MがBに変わる例)[和にも]
※せぶく=ずんぐりした背の低いべいごま[甲]
  ぜよ=ですよ[新](同・ぜ、ぜー、ぞ、ぞー、ぞい、ぞね、ぞよ、で、でー、でよ)
        新土佐弁の代表例「ぜよ」が東洋町に入り始めたのは平成になってから
※~せらった・~せざった・~せなんだ=~しなかった
  せりつく=無理やりに寄りつく
  せわ=面倒、厄介、援助
※せわな=ややこしい、めんどうな、やっかいな[和にも]
  せわしない=せわしい
※せん=しない
※~せんか=①~しましょう、②~せよ
※せんき=疝気、筋肉などが急に痛みがはしる病気
※せんぐー=上棟式、棟上げの祝い、新築祝い
※せんぐのもち=新築祝いの餅投げの餅
  せんぐり=入れ替わり立ち替わり、順々に
※~せんげん=昔は沢山の家があったが地震津波で一夜にして流失または海に没したと伝              えられる地名。野根の八島千軒、甲浦の大浦千軒ほか多数あり、全国各地の~千軒が次々と発掘され非農業集落であったことが確認されている
  せんごー=甲羅(例・亀のせんごー)
  ぜんこん=善根、遍路への無料接待(弘法大師を接待する事になるという)
  ぜんこんやど=善根宿、遍路を無料で宿泊させること(遍路は弘法大師と一体)
  ぜんざい=小豆粒入りの汁子に餅を入れたもの(シルコは小豆粉と団子)
※せんじちゅー=太平洋戦争の間、およそ昭和16~20年、
※せんずり=自慰
※せんだく=洗濯(センタクでなくセンダクと言う)[和にも]
  せんち=便所[和にも]
  せんちだいく=大邸宅を建てず便所や納屋などを建てる大工[岬陽地区]
※せんちのどむし=便所などに発生するハナアブの幼虫[甲]
※せんちむし・せんちのむし=便所のウジムシ[和にも]
※~せんづつに=~しないままに
  せんにち・せんにちぞーり=ゴム草履(藁草履より長持ちで千日使える草履)
  せんば=十能(じゅうのう)、炭火をすくう道具
  ぜんばこ=膳箱、箱膳(おもに一箱に一人分の食器セットが入っているもの)
  せんばん=まったく、全然
※せんまいぶき=屋根縁の瓦の重ね葺き、淡路式で甲浦白浜でも少し見られる[甲]
  せんみっつ=うそつき(千に三つしか真実がない)

            そ
  ~ぞ・~ぞい・~ぞよ=~だよ
  ~ぞ?・~ぞい?=~か?
※~ぞこらえ=~ぞの強調語
 「~ぞ=です、ですよ」の地域変化
  ぞ・ぞー・ぞよ[標]ぞい[甲]ぞね[野]ぜよ[新]でよ[海]ど[野漁や海部郡漁師]
※そーいた・そいた・そひさ=そうした(同・ほーした、ほいた、ほひさ、ほひた)
※そーいて・そいて・そひて=そうした(同・ほーして、ほいて、ほひせ、ほひて)
※そーかえ・そーかね[野]・そーけー[海]=そうですか
  ぞー・ぞーくそ=はらわた、こころの中(例・ぞーがにえる、ぞーくそわりー)
  そーけ・そオけ=竹で編んだ籠、食べ物を入れる竹籠、罪人を運ぶ竹籠
  そーけだつ=恐怖でふるえる、毛が立つほど恐ろしい
※そーこー・そちこち=そうしたりこうしたり
  そーしき・そーれん=葬式(葬式の野根言葉は前項参照)
※ぞーすいおけ=雑水桶、水を溜める桶(台所用品)
  そーた・そでなし=ちゃんちゃんこ、袖なしで綿入れの防寒着
  そーづか=無縁墓(宍喰で大津波溺死者をソーヅカに埋めた記録あり)
※そーでん=相伝、世間話[宍]
※そーどー・そーどこ=大騒ぎ、大歓迎
  そーとめ=早乙女
※ぞーねり=カヤ(樹木名)[甲]
※そーひてこーひて=そうしてこうして(同・ほんでこんで、そんでこんで)
  ぞーもむ=心配する、案ぜる
  ぞーよ・ぞオよ=費用、必要経費[和にも]
  そーれん・そオれん=葬式・葬列を組んで行う葬列[和にも]
※そーれんまーり=①棺桶を囲んだ葬列や見送り人たちが左回りに3度回る、②左回り
※~ぞい=~ですよ(甲浦宍喰ゾイカイ弁の代表例)[甲・宍]
※~ぞい?=~ですか?(甲浦宍喰ゾイカイ弁の代表例)[甲・宍]
  そいくる・そえくる・そいくりかやる=仰向けにひっくりかえる
※そいてからに=そうして、そうしてから
※そいてこいて=そうしてこうして
  そえる=走る、走って逃げる
※そえる=すべる[佐]
  ぞオよ・ぞーよ=費用、必要経費
  そがな・そげな・そんげな=そんな、そのような
  そげな・そんげな=そんな、そのような
  そぐウ=適合する、似合う
※そぐり=小枝を束ねた薪木の束、ボサをとったあとの枝の先端[宍・海]
  そぐる=余分なものを取り除く
※~ぞこらえ=「~ぞ」の強調語[野]
  そこしお=深い所の潮流(逆・ウワシオ)
  そこつべ=底の強調語
  そこなく=そこ、そこの場所、そこの家
※そこなへん・そこなあたり=そこの付近
  そこまめ=落花生(豆の名前)
※そこもん=底もの、海底に棲む魚のこと(例・ヒラメ、カレイ、エガミなど)
※そしる=悪口を言う(例・ソシリよったらやって来た)
※そそ=女陰
※そぞかしー=騒々しい、うるさい
  そそくる=あわてる[新]
※そだ=粗朶、小柴、ボサを取った残りの小枝
※そちけー・そちけーこらえ=否定語、否定強調語[野]
※そちこち・そっちこっち=そちらこちら、そうしているうち
  そっちゃ=そちら(例・そっちゃい行け)
  そっぱ=出っ歯、前歯が出ている[和にも]
※そでなし・そオた=ちゃんちゃんこ、袖なしで綿入れの防寒着
  そと=そいつ、その人
  そとめ=早乙女、田植えの女性(集団仕事のため平素よりグループを作っていた)
  ~ぞな=~ですよ[佐喜浜で多用、室、宍にも]
  そないな=そのような[海~大~和にも]
  そないに=そのように、そんなに[海~大阪にも]
※~ぞね=~ですよ(ゾネカネ弁=ヤマコトバの代表例)
※そば、そばのきー=アカメモチ(植物名)
  そばえ=にわか雨[宍・海]
※そばがき=蕎麦粉の団子を使った汁物
※そひてこひて=そうしてこうして(そーひてこーひて、そいてこいて、ほんでこんで)
  ぞぶる=①歩いて川をザブザブと渡る、②理屈を言う、反論する
  そま=杣人、樵人、山で木を切る仕事
※ぞめき=にぎやかに囃す[徳島や和歌山にも]、阿波踊りの別名
  そやし・そやしもち=もち米にうるち米を混ぜて搗いたモチ
  そら=上、山や樹木の頂上、2階、暗記暗唱
※そらず=ソラマメ(豆の種類)[甲・宍・海]
  そろで=手首などが痛む病気、手首の腱鞘炎
  そりくる・そりくりかえる=ひっくりかえる、仰向けにひっくりかえる
  そりゃ=そら(例・ソリャみてみー)
  それ・それよ・それよね=そうだ(同感の意味)
※~それ・~ほれ=接尾語(例・休みなよソレ、いかんけだーホレ)
※それこそ=そんなことこそ(例・それこそしーよい、それこそしまいよ)
※そればー・そればア=それだけ、それしき(例・そればーでえい、そればアはしーよい)
※ぞろすけ・どろすけ=ぞろぞろとたくさん
  そんげな・そげな・そがな=そんな、そのような
  そんじゃーきに・そんじゃーけん=そうだから、それだから
  そんじゃち・そんじゃっちー=そうだけど、そうは言っても
  ぞんぞんする=寒気がする(例・寒さでゾンゾンする、怖さでゾンゾンする)
※そんだけ・そんなけ=それだけ
  そんで=それで、そうして(同・そいて、そーひて、ほんで、ほーこて)
※そんでこんで=そうしてこうして(同・ほんでこんで、そーひてこーひて)
※そんなんか=そんなものか

           た
※~た・~った=~づつ[野](例・ちっとった、ちっとばったー)
※~たー・~たア=~とは
※たア=田んぼ
※だ=ざ(注・東洋町から海部灘沿岸はザ行ダ行ラ行の発音混用が多い)
  だー・だア=①諾・接頭語、②哉・接尾語(例・①だーそーよ、②来いだー)
※だーけー=「だー」を念押しする強調語[野]
※たーす・たアす・たやす=しまうの強調語(例・すてったやす、はりまったーす)
※たーっしょけ・たやひちょけ=放っておけ、すてておけ
※~だアで=~程度で(例・酒の3合5合だアで酔うもんか)[甲]
  たアら=俵
※たアらご=海に棲むナマコ[甲]
※~たアる・~たアん=~してある[宍・海]
  だーるまさんがこーろんだ、わろたらまけよ=子供あやし歌
※だい・だいイ=だるい
※だい・だえ・だん=誰(例・だいなら、だんぞいにゃ[野])
※たいがい=①おおかた・大部分、②いい加減・そのへんで
  だいがら=踏み臼
※だいく=大工(例・ヤダイク=家大工、船大工、宮大工、センチ大工)
※だいこ=大根(野菜の名)(例・子守歌の歌詞「だいこ揃えて船に積む」)
※だいこくさん=イスズミ(魚名)[甲]
※だいさ・だいた・だひた=出した
※だいじがる=大切にする
※だいじもっこ=大切の強調語
※たいしょー=親分、親方、おだてて相手を呼ぶ時に用いる言葉
※だいせ・だいて・だひて=出して
※だいた・だひた=出した
  たいそ・たいそー・たいそい=大変、難儀、面倒くさい、病気が重い
  たいたい=同じ高さ、対々、対等
  たいちゃ・たいちゃー・たいっちゃ=たいそう、ずいぶん
  たいて・たいてエ・たいてい=①たいそう、ずいぶん、②いい加減・そのへんで
※だいな・だいなら=誰なら
※たいふーじり=台風の影響範囲
※だいぶ・だいぶか・だいぶんか=おおかた
※たいゆー・たゆー=神官、太夫
※だいよーしょく=山の幸海の幸(野根よもやま集に記載の代用食を別項で紹介)
※だえ=誰
※だえぞいや・だえぞいにゃ=誰だろう
  たかア!・たかで!=なんとまあ!・なんと!・まるで
※たかいたかい=幼児を高く差し上げて喜ばす
※たかな=タカノハダイ(魚名)[佐]
※たかみ=引き分け、勝負なし、(子供の遊び用語)
※たかみ=勝負から退いて高見見物の者、勝負が相討ちのとき高見の者が総取りする
  たかる=群がる(例・何人タカッテモ勝てない)
  たき・だき・たけ・だけ=山の断崖、絶壁
  たき=丈け、長さ
  だき・だきな=だらしない、物を粗末にする
※たきぐち=炭焼き窯の焚き口(炭焼き用語)
※たきまっこー=昔話の最後の言葉(例・昔まっこーたきまっこー、……さるまっこー)
  たきもん=薪、燃料にする木や柴[和にも]
  たく=炊く、煮る(例・イヨもナアもいっしょくたにタク)[和にも]
  たくばえ=たくわえる、貯金
※たぐら=農耕用の牛馬の背につける農具
※たくる=束ねる、引き寄せる
  ~たくる=行為を繰り返す(強調語)(例・けりたくる、ぬりたくる)
  たけ・だけ・たき・だき=山の断崖、絶壁(甲浦では「タテ」とも言う)
※だけ=きのこ
※たげた=田に入れたワラや堆肥を踏み込む下駄
  たけたけ=延々と、道々
※たけねこ=タケノコ[甲]
  たける=野菜等が収穫時期を過ぎる、とうがたつ(イタヅリがタケてハイタになった)
※たけんま=竹馬(子供の遊具)
  たご=桶、担うように手のついた桶(例・こえたご、うまたご)
※~だこい=~なんて[甲](同・だこし、じゃこい、じゃこし、やこい、やかい、らこい、
            らこし、らかい)[ゾイカイ弁の代表例]
  たこつられる・たこつる=厳しく説教される~する、問責される~する[和にも]
                      (明治時代の軍隊用語に由来する)
  たごる=咳をする、咳きこむ(海ではタグル)
※だし=木材などの搬出(例・林道に近うてダシが良い)
  だしお=巻き出し波、海岸線の対流現象で沖合へ引き込む流れ、ショージオと同じ
  たしない=大事な、数少ない
  だしまえ=負担金、割り勘
※たず=ニワトコ(植物名)通風に効く
※だす・らす=ダツ・オキサヨリ(魚名)、海岸近くの波間で投銛で獲る
  だす・らす=炭俵、茅を編んで円筒形に作った炭俵
  たすい・たすこい・たっすい=ゆるい、弱い、もろい、軽薄
※だすだす=締め方がゆるい、ゆるゆる(例・締め方がだすい、だすだすぢゃいか)
  たたえん=果てがない
※たたき=①土をたたきかためる棒、②掃除用具のハタキ、③土間、上がり口
  たたき=三枚おろしの魚の表面だけを半焼きにしてユズ酢ほか調味料をたたきこみ切り          揃えたもの、単なる「タタキ」は鰹のタタキ、それ以外は鯵のタタキとかウツ          ボのタタキと言う。半焼きにしただけのものは「焼きぎり」という
※たたく=耕土を耕やす(例・水田作業=起こす→たたく→かく+あぜかき~あぜぬり)
  だたくさ=ぞんざい、乱雑
※だだくさ=だらしない[海]
  たたくれる=何度も何度もぶつかりあってその部分がデコボコになった様子[野]
※ただまい・ただまえ=うるち米、吉米(キチマイ)とも言う
  ただもん=①ただの者、常人、②普通、③むやみやたら
  ~たち・~だち=~できたて、~したばかり
  ~たち・~たちち・~たっち・~たって=~しても、~しなくても
  ~だち・~だっち・~だって=~しても、~しなくても
※たちがわりー=性格が悪い、ずる賢い、治療が困難な病気
※たちきる=中断する
  たちょー=田丁、水田地帯、平野
  たちる・たちっちょる=立つ、立っている、座る(いざる)の反対語
※たちれ・たちっちょれ=立て、立っておれ
※たちわき=シイラ(魚名)[甲](他ではナタマメもタチワキという)
※たつ・たっていく=商売や経営がなりたつ
※たつ・たてる=山の斜面が急なこと
  たつくる・たつくりまーる=むやみに走り回る、動き回る
  たっすい・たすい・たすこい=ゆるい、弱い、もろい、軽薄
※~だった・~ざった・~らった=~しなかった、~でなかった
  たっち=立ち上がる(幼児語)(ハイハイ→タッチ→アンミ)
  ~たっち・~たって・~たち=~ても(例・言うタッチいかんチヤ)
  ~だっち・~だって・~だっても=~しなくても(例・せダッチ構わん)
※だっとさん=座頭さん(宍喰の名勝「座頭岩」)[宍]
※たっぱふく=泡を吹く(例・疲れ切ってタッパフク)[甲]
※たっぺつに=存分に[甲](例・昼はタッペツに食うていけ)
※たて=崖[甲]
  たてあげ=七歳の男子の鯉幟の上げじまい(八歳以降は鯉幟を上げない)
※たてくべ=備長炭の原木を立て揃えて焼く方式(炭焼き用語)
  だてこき=おしゃれ、格好つけだがり
※たてこんじょる・たてこんどる=家が密集している
※たてつけ=戸や障子の締め具合
※~たてて=~た・とて[甲・宍・海](例・言うたてて、行ったてて)
※~だてて=~だ・とて[甲・宍・海](例・飲んだてて、急いだてて)
※たてびき・たてびきのこ=木目に沿って引くノコギリ(対・ヨコビキ、ヨコビキノコ)
※たてまえ=新築祝い、棟上げ
※たてまた=縦くべの原木を立て揃える道具(炭焼き用語)
  たてり=物事の道理
  たてる・たつ=山の斜面が急なこと
  たてる=戸や障子を締める、ツメルとも言う
  たてる=群がる(例・大安売りにヒトがたてる、やじ馬がたてる)
※たとむ・たとんだ=たたむ、たたんだ(例・傘をタトム、布団をタトンダ)[和にも]
※たなおち=果樹や果物の収穫が遅れて味が落ちること
  たながえる・たながやる=植物の突然変異、先祖がえり、原種もどり
※たなぎょー=盆行、盆に仏壇で読経し供養する
※たにえび=渓水に棲むエビ、ヤマトヌマエビ
  たにごそ=木が覆いかぶさるような小さな谷
  たのき=タヌキ(動物名)[和にも]
※たのきつき=タヌキに取り憑かれる(同・犬神憑き、キツネ憑き)
  たのしゅむ=楽しむ
※たのまア=頼むわ、お願いします
  だば=山のゆるやかな場所、山仕事のできる平らな場所
※たびえび=ウチワエビ(海老の種類名)
※たべよん=食べている、食べているの?[宍・海]
  たぼこ=たばこ
  たま=柄のついた網、魚をすくう
  たまー・たまア=たまるか
  だまかす・だまくらかす=だます、ごまかす
※だまける・だまけん=だませる、だまされる・だませない、だまされない[宍]
  たまで=まるで、まったく
  たまるか・たまるもんか=堪えられるものか(強調語)
※たまるけ・たまるけまー=たまるか・これがたまるか[宍・海]
※ため=ため池
※たもご=たまご[甲]
  だや=牛馬の小屋(ウマダヤ、ウシダヤ)
  たやく=地域共同で水田や農道や水路の維持管理あるいはその作業のこと
  たやす・たアす・たやったーす=放りだす、~してしまう
※たやひちょけ・たーっしょけ=放っておけ、すてておけ
  たゆー・たいゆー=神官、太夫
※~たら=~とか(例・あータラこータラ言う、何タラ言いよった)
  ~たら?=~し・たか?
※たらえ=タライ、水を溜めて使う浅くて広い道具
  たらすけ=たらふく、たくさん(飲食)
※たらん=飽きがこない、満足しない、足りない
  たらん=頭が悪い、一人前でない
※たらんまえ=不足分(例・足らんまえはワシが払うちゃる)
  たる=飽きる、満足する、足りる
  だる・だるごえ=人肥
※~たる・~たるわ・~たるわい=~て・やる[宍・海・阿]
  だる・だるごえ=人糞肥料、くみ取り便所で自然にできるコエ
※だるい・だい・だいー=けだるい、しんどい
※たるばー=十分な、足るほど
※だるま=メダイ(魚名)[甲]
※たるみ=クロホシフエダイ(魚名)[県東部]
  だるめる=ゆるめる、締め過ぎた帯や紐などを緩める
※~たれ・~たる・~たろ=~て・やれ・~て・やる・~て・やろう[宍・海・阿]
  だれこける=疲れきる
  だれっちゃ=だれも(徳島県はレにアクセント)
  だれっちゃ・だれっちゃー=だれも(高知県はチャにアクセント)
※だれべー=だれそれ(名前をよばず誰それと言う)
  だれまーり=誰でもが(例・だれまーり出来る事やない)
  たれもつー・たれもたくる・たれもつれる=処理に困る、対応しきれない
  だれる・だれかやる・だれこける=疲れる
※~たろ?・~つろ?=だったろー?、~だろう?
※~だろ?=~でしょう?「ろ」にアクセント[海・阿]
  たろねこ=牡の猫(タローンタローンと鳴く猫)、野良猫
※~たん=したもの(例・鮎の焼いタン、言うタンは誰なら)
※~たん=~さん、~ちゃん(名前の末尾につける)
※だんじき=だんじり(神祭の山車)[甲]
※たんすのこえ=箪笥に死蔵する衣類
  たんた=田圃(幼児語)
  だんだんと=ぼつぼつ終わりませんか(さようならの代わりの挨拶)
  だんつける・だんつめる=追いつめる、やっつける、決着をつける
  だんつむ=行き詰まる
※たんとー=短刀、切り出しナイフ(子供の工作用具)
※だんない=かまわない[佐]
  たんねる=①探す、調査する、②質問する[和にも]
  ~たんびに=~ごとに
  たんぼ=①水田、②ぬかるみ、湿地、沼地
  たんぽ=ぬかるみ、湿地、沼地、磯の小さな入り江
  たんまに=たまに

            ち
  ~ち=~しても
※ちー=チーは血、チィは地位、チイは地
※ちーけー・ちーけーこらえ=否定語[野]「そちけー」の略語
※ちえとちんぽはこのよでつかえ=知恵や男根は生きている内に使え
※ちえる・つえる=崩壊する、腫れ物などが漬える
  ちか=近所、近辺
※ぢか=直接、直々に
  ちかまーり・ちかめぐら=近辺、近郷近在
※ちかよく=目先の欲、当座の欲
  ちぎ=計量する道具、主として竿ばかり
※ぢき・じき=すぐ、直接
  ぢく・じく=むくろじ、むくろじの実(果肉は洗濯用、果核は羽根つきの実にする)
  ちくと・ちっくと=ちょっと[新]
  ぢけ=あく、あく汁
  ちし=地代、加地子
  ちじかまる・ちじこまる=縮んで小さくなる、寒さで縮かむ[和にも]
※ちそ=しそ(赤紫蘇は梅を赤く染め漬け、青紫蘇はタタキその他の料理の香辛料)
  ちち=羽織の糸やワラジのヒモを通すところ
  ちちこ=①カツオの心臓(珍味)、②ハゼ(小さな川魚の名)野根ではチチボと言う
※ちちぶ・ちちぼ・ちちんぼ=ハゼ類の総称(川魚)、野根ではチチボと言う
※ちちぼ=ハゼ(川魚名)県内ではゴリ、チチコ、チチブと言う、ミミナシ(ボウズハゼ)
          ノボリコ(川尻から遡上するゴリ類の稚魚)なども同語に含む
  ちちやん=お乳(幼児語)[甲・幡多郡にも]
  ちっくと・ちくと=ちょっと[新]
※ちっこい・ちっこい[阿]・ちまい[新]・ちょんまい・ちんまい・ちんまい[土]=小さい
  ちったー・ちったア=ちょっとは、少しは
  ちっち=川面に石を投げて飛び飛びに飛ばすこと、ショーベンとも言う
  ちっち=ホオジロまたはセキレイ(鳥の名前)小鳥(幼児語)
※ちっちこーこえとーまーれ とまらんちっちはとんでいけー=幼児をあやす遊び
  ちっと・ちっと=ちょっと
※ちっとば・ちっとばー・ちっとこばア=すこしばかり
※ちっとばった・ちっとんたー=少しづつ[野]幡多郡はチートンツ
  ちぬ=黒鯛(磯魚の名)
  ちびくれる=ちびる、摩滅する、すり減る[宍]
  ちびっと=少し[和にも]
  ちびる=①摩滅する、②下痢の大便や小便をもらす[和にも]
※ぢべた・じべた=地面(他の地方はヂベッタ、ジベッタ)
  ちぼ=すり、きんちゃくきり
  ちまい[新]・ちんまい[土]・ちっこい・ちっこい[阿]=小さい
※ちもつれ・ちもどろ=血だらけ
  ちゃ・ちゃー・ちや=ですよ(新土佐弁「チヤ」は本町へあまり達していない)
※ちゃー・ちゃい・ちゃーする=棄てる、打つ(幼児語)[和にも]
  ちゃー・ちゃア=茶、一服、小休止
※ちゃーわー=ちがうわ[野]
  ちゃア・ちゃめし=午後三時のヤツメシ、おやつ
※ちやう・ちゃう=違う
※ちゃがちゃが=がらがら(玩具)[甲]
※ちゃがちゃが=手のひらを開閉する(幼児の遊び)
  ちゃがまる=頓挫する、参ってしまう、へたりこむ
※ちやす=つぶす、崩す、ふくらんだものの中身を抜いてへしゃげる
※ちゃだち=願いが叶うまでお茶を断つ[宍]
  ちゃっ!・ちゃー!=舌打ちする時の言葉!(ちゃっしもーた)
※ぢゃっ?・ぢゃー?=おや?(疑問語)
  ~ちや・~ちゃ・~っちゃ=①~です(接尾語)、②~するな(禁止の接尾語)
※ちゃちゃ=横槍、割り込み(例・ちゃちゃを入れる=割り込み文句言う)[和にも]
※ちゃちゃくられる=①からかわれる、②目茶苦茶にされる
※~ちゃちゃくる=行為を繰り返す強調語(切りちゃちゃくる、踏みちゃちゃくる)
※ちゃちゃぼちゃ=そっちこっち使ってしまう[佐]
※ちゃちゃむちゃ=めちゃめちゃ[海]
  ちゃっくり=ぴったり、いっさい(例・バクチをちゃっくりやめた)
  ちゃっちゃ=冬場の鴬(ホーホケキョでなくチャッチャッと鳴く)
※ちゃびつく・ちゃぶつく=液体が激しく揺れる、たぶつく
  ちゃぶちゃぶ=水、行水(幼児語)
  ちゃめし・ちゃー=午後三時のヤツメシ、おやつ
※~ちゃらー=~してやろう
※~ちゃアらア=~してありますよ
※ちゃらかす=おしゃれする[宍]
※ちゃらつかす・しゃらつかす=見せびらかす[甲]
  ~ちゃる・~ちゃアる=~してやる(阿波弁では「~たる」)
※~ちゃれ・~ちゃァれ=~してやれ(阿波弁では「~たれ」)
※ちやわー=違いますよ
※ちゃん=ゴムの反動で銛を撃つ魚突き道具、銛鉄砲(本業の大型から子供用の遊具まで)
※ちゃん・ちゃんちき=動物の足を挟む仕掛けのワナ、とらばさみ(海はチャンチュー)
※ちゃんと=きちんと、しっかりと
  ちゃんとしもーた=あっしまった、あー抜かっていた
※ちゅー=焼酎
  ~ちゅう=~している(甲浦は「~ちょう・~ちょる」阿波弁は「~とる」)
※~ぢゅー=~でいる(例・死んぢゅー生きちゅー)
※~ちゅーさかい=~というから[徳島県]「ち・ゆう=と・言う」から変化か
※ちゅーする=吐き出す(幼児語)
※~ちゅーんは=~というのは[徳島県]
※ちゅウぶる=中古品
※ちゅっちゅくまんじゅーだれがくた だーれもくわずにわしがくた=幼児をあやす遊び
  ~ちょう・~ちょる・~ちゅう=~している(阿波弁は「~とる」)
※ちょーかい=淡水魚のアユカケ、カジカ[野・甲]
※ちょーがろ=スジアラ、ホウセキハタ、ノミノクチなど(魚名)[佐]
              高知県ではキョーガラ、キョーガロが一般的
  ちょーさ・ちょーさい=①神輿、②神輿を担ぐ掛け声(最重量級の神輿の掛け声、軽い            神輿は「ワッショイ、セイヤ、ソーリャー」など様々な掛け声が使われる)
                 阿波言葉の辞典で「神輿渡御の輿丁の唱える呪言~囃言~掛声」とある
※ちょーかいぼー=ちょーさいぼーに同じ[甲]
  ちょーさいぼー=①愚弄、②わやくちゃ、③かつぐ~かつがれる[和にも]
  ちょーず・ちょーづ=便所
※ちょーちんにつりがね=釣り合いが取れていないこと
※ちょーな=大型のシイラ(魚名)[甲]
  ちょーなはじめ=手斧始め、起工式、仕事を開始すること
※ちょーば=地引き網の漁場の区画、一番良い丁場はオヤチョーバ[野]
※ちょーめん=学名エゴノキの四国方言、木色は白、木質は緻密で、織物の道具や、糸車、              和傘の芯などに使う。
※~ちょいちゃう・~ちょいちゃる=~しておいてやる
※ちょいちょい・ちょくちょく=ときどき
※~ちょいて=~ておいて(阿波弁では「~といて」例・やっちょいて、ほっちょいて)
  ちょく=さかずき、ちょこ:猪口(飲酒の容器)
  ~ちょく・~ちょる=~て・おく・~て・いる(阿波は~トク・~トル)
※ちょげす=ちょこまか者、こっけい者
※ちょける・ちょげる=ちょこまかする、こっけいなことをする、ふざける[和にも]
※ちょこちょこ=①ときどき、②ちょこまか
※ちょこまい・ちょんまい=小さい
※ちょちちょちあばば=幼児の両手を使ってあやす言葉
※ちょちょぎる・ちょちぎる=ずたずたに切る
  ちょっこり=①短時間、②簡単
※~ちょった=~ておいた(阿波弁では「~とった」例・やっちょった、ほっちょった)
※ちょびちょび・ちょぼちょぼ=少しづつ、時々(ちょいちょい)
※ちょぼ=目印の小さい点[和にも]
※ちょぼちょぼ=対等、合致、甲乙つけがたい[和にも]
※ちょぼひげ=ちょびひげ、小さな鼻髭
  ~ちょる・~ちょォる=~ている(阿波弁では「~とる」例・やっとる、ほっとる)
  ~ちょれ・~ちょォれ=~ておれ(阿波弁では「~とれ」例・やっとれ、ほっとれ)
※ちょろ=一本櫓の舟
※ちょろい・ちょろこい=とろい・とろこい[徳島県]
※ちょろまかす=ごまかす
  ちょんがり=浪曲、座敷芸の一つ
  ちょんこ節=ちょんこしてして・し死んだ人は・今に石碑が腰つかう・チョンコチョンコ
  ※野根ではオメコしてして・し死んだ奴はヨーソレソレ・今に石塔が腰つかうヨ・チョイナチョイナ
  ちょんまい・ちんまい・ちっこい=小さい
※ちょんまちこい=小さい
  ちりけ=背中のお灸のツボ(脊椎骨の三~四番目の間)
※ちりめんじゃこ=鰯の幼魚(ちりめん→かちり→かえり      こべら→ひらご      ほたれ)
※ちん=自転車のチェーン
  ちん・ちんちん=親しい
※ちん・おっちん=おすわり(幼児語)
  ちんこ・ちんち・ちんちん・ちんぽ=男根、陰茎
  ちんちこ=着物の丈が短い、チンチクリン
※ちんちん=たいへん仲が良い[和にも](海はチョンチョン)
  ちんちん=お金(幼児語)
  ちんと=きちんと(例・チント座っちょれ)
  ちんな=おかしな、へんな[新]
※ちんぴ=ユズの皮を干したもの[宍喰]
※ちんぴら・ちんぴらりん=シマサルナシ(キウイフルーツの野生種)[野]
※ちんぴろりん=シマサルナシ(キウイフルーツの野生種)[甲]
  ちんぼ・ちんぽ=男根
  ちんまい[土]・ちんまるこい[土]・ちまい[新]・ちっこい[阿]=小さい
※ちんもオなる=小さくなる

            つ
  つい=すぐ、ほんの(例・ツイさっきまで居った)
  ついでのもち=ついでにできること(ついでの餅に粉はいらん)
  つえ=崩壊
  つえる・ちえる=崩壊する、腫れ物などが漬える[和にも]
  つオい=強い、酒の度数が高い
  ~つか?・~つかえ?=~なのか?、~したか?(疑問語)
  ~つが=~ということだが
  つかえ=さしさわり、支障
  つかえる=さしさわる、支障ができる
  つかえる=肩が凝る、腹がむかつく、とどく(例・足がツカエルばあの深さの川)
  つかさい=ください
  つかしこむ=突っ込む、つき当てる
  つかす=行き当たる、支える
  づがに・ずがに=もくずがに
※つかはい・つかはれ=下さい(徳島県)
※づかれる=怒られる、小突かれる[新]
  つかんこと=つかぬこと、みょうなこと
  つき~=(強調語)(例・つき座る、つき返す)
  づきまアす・づきたくる=怒りまくる、小突きまわす[新]
※つきやい=担ぎ手を前後二組に分けて神輿を押し合う余興[野]
※つきやい=①付き合い、②押し合い
※つく=玄米を白米にとう精する、穀物を搗く
※つく=担い棒の両端の突起部分
  づく=怒る、小突く[新]
※~づく・~づつ=~しないで
  つくざる・つくなむ・つくばる・つくまむ=屈み込む、へたばる
  つくなる・つくなりこむ=屈み込む、疲れて座りこむ(海はツクダレコム)
※つくしんぼー=土筆(スギナの胞子嚢)
  つくばる=屈み込む、へたりこむ
※づくばる=駄々をこねる、反論する、居座る
※つぐめ=つぐみ(鳥の名)
  つくり=魚の刺し身[和にも]
※つくり=建物の外観、造作
※つけ=借金、請求書(掛け売り・盆と暮れに一括して支払ってもらう)
※つけもん=漬物、たくあん
  つし=屋根裏、屋根裏部屋
  つじおや=病弱な幼児を捨てて丈夫な人に拾ってもらい「辻親」になってもらう風習
※~つぞ=ということだ(強調語)ということか(疑問・強調語)
※つだる・てだる=連れだつ
※つちのこ・しくのこ=伝説の小人、カッパ、タヌキ
  つちのこ=むしろを編むときの重り
  つっ~=突く、突き(例・つったおす、つっこかったーす)ツッは強調語とも言える
  つづ=粒
  ~づつ=~で、~しないで(例・勉強せんヅツに遊びよる)
※つつ・つつんぼこ=ウナギなどを捕る竹筒
  つついっぱい=最大限、精一杯(海ではツツイチとも言う)
※つっかえぼー=つっかい棒[宍]
※つっかけ・つっかけぞーり=前半分に足を入れる履物
※つっかける=衝突する、突き当てる
  つつく=触る、いじる、建物などを修繕する
※つっこかす=突き倒す
  つっこける=つまづいて倒れる
※つっこみ=総合、全部(ツッコミでなんぼなら=全部で幾らですか)
※~っしゃげる=~する(ヤッツケルやイタメツケルの意味の接尾語)[甲・宍]
※~っしょる=~している(例・泣かッショル)[甲・宍]
※~ったーす・~ったやす=~してしまう(例・こきまッタース=こきまわす参照)
※~つった・~つんた=~づつ[野](例・ひとつった、ちっとった)
  つつっぽ・つつんぼ=筒
  づつない・ずつない=苦しい、しんどい(「術ない」が語源か)
※つっぱしる=全力で走る(ツッは強調の接頭語)
※つっぱりぼー=ツッパリ棒(上下開きの戸を開けた時の支え棒)
※つっぱる=支える、倒れたり下がったりするのを防ぐ
  つづる=虫が食う
  つづれ=虫が食った所に食べかすが綴れ残ったもの
※~っと=~ませんか(例・それをくれット)[野]
  ~っと=~をしないで(例・学校へ行かット遊びよる)[おもに岬陽地区]
※つねぎ=普段着、(逆・晴れ着、よそいき)
※つのまた・さくらのり=食べられる海草(和名カバノリ)
※つば=つわぶき(新芽は山菜・植物名)
  つば・つばき・つばけ=唾液
  つばかる=水に浸る、水や湯の中に入る(例・風呂につばかる)
  つばける=水に浸す、水や湯の中に入れる(例・洗濯物をつばける)
  つばす=ブリの小さいもの(モジャコ→ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ)
※つばべん=ホウセンカ(花の名)[佐]他地区にはツバベニ、ツバベリ、ツバメなど
※つぶし=ひざ、くるぶし
※つぶしがわらう=ひざがわらう
※つぶる=つむる(例・目をつぶる)
※つぶろじ=ちどめぐさ(植物名)
  つべ=尻
  つべかやり・つべかえり・つべがえり=逆立ち
  つべからげ=着物の下部をからげ上げる
  つべくりかえる・つべくりかやる=頭を下にひっくり返る
※つべたか・つむ=ベッコウカサガイ、ギンタカハマガイ(貝の名)キリとも言う
※つべたて=頭を畳にすりつけて拝むとき尻は逆に立っている様子[野]
※つべつる=すねる[佐]
※つぼむ=花がしぼむ
  つまえる・つまえこむ=物を元の場所に戻す、片付ける[和にも]
※つましー=質素
  つむ=摘む、積む、髪を散髪する
  つむ=①込み合う、②塞がる、③乗り物に載せる
※つむ・つべたか=ベッコウカサガイ、タカセガイ(貝の名)キリとも言う
  つめ・づめ=最奥、行き詰め
※つめ=栓、ふた
  つめきりそー・ほろびんそー=マツバボタン(海ではツミキリソー・チミキリソー)
※つめる=戸を閉める(タテルとも言う)[和にも]
  つやす=腫れ物などを潰す、潰して平らにする[和にも]
  ~つら=~していた、~だった
  つらくる・つりくる=吊るす[和にも]
※つりかぎ=炭窯の天井から吊り下げた鎖(長尺の道具を吊って作業する・炭焼き用語)
  つりぞオけ・めしぞオけ=飯を入れて涼しい所へ吊るす竹籠(夏季に用いる)
※つるべなわ=釣瓶につける縄、年一回の井戸替時に釣瓶縄も轆轤で編んで付け替える
※つるてん=はだか[海]
※つるむ=①昆虫などが交尾する、②人と人とが手を組む
※つるみ=交尾したトンボの雌雄
※つるんぼ=ヒガンバナ(花の名)[佐・興津にも]
  つれ=①同系統、同種類、②同伴者、同行者、友人、配偶者
  つれこる・つれこって=連れだつ・つれだって[甲・海・阿]
  つればり=連れ小便
  ~つろ?・~たろ?=だったろー?、~だったろう?[和にも]
※~づろ?・~だろ?=だろー?、~だろう?
※~つわえ=~ということだ、~だったのだ
※~つんた・~つった=~づつ[野漁](例・ひとつんた、ちっとんた)

            て
  て=人、者(例・えらいテ、もらいテ、)
※て=側(例・かみテ、よこテ)
  て・てー・てあい=このたぐい、同類(例・このてが安い、このてーを買うてこい)
※て・てー=手間、人手(例・テーが無い=腕HANDが無いのでなく人手が無い事)
  で=使用量や価値(例・使いでがあった、歩きでがあった)
※~で・~でよ=~ですよ[甲・海・阿](徳島県「でーけー弁」の代表例)
※~で?=~ですか?(疑問語)[甲・海・阿](例・あるでないで)
※て!・てー!・ていや!=おやまあ!(おどろいた時あきれた時の接頭語)[野]
※で!・でー!・でいや!=おやまあ!(おどろいた時あきれた時の接頭語)[野]
                        (同・おんでいや、じゃ、じゃー)
※てーがない=人手がない
  てーがはなれる=子育てで世話がいらなくなった
※てーたたく・てーたたく=合意する、契約する
※てーをきらう=人によりうまく出来ない・うまく育たない
※てーをくう=手間がかかる
  てーをはなれる=親の世話がいらなくなった(子供の成長)
※てーをみる=犯行現場を目撃すること(例・てーを見ちょらんきに犯人とは言えん)
※てエ=手
※てエたたく・てをたたく=合意する、契約する
※てエをみる=犯行現場を目撃すること(例・てーを見ちょらんきに犯人とは言えん)
※てあい・てやい=この類、この面々(例・このてあいがやった)
※てい!=こら!(子供を叱る言葉)
※ていほいする=怠けてぶらぶらする[甲]
※ていや!・でいや!=おやまあ!(おどろいた時あきれた時の接頭語)[野]
※ておけ=取っ手のついた桶
※~てか?・~てかい?=~なのか?、~したか?(疑問語)[甲・海・阿]
※~でか!=~でおくものか!(例・やらいデカ!、買わいデカ!)
  でがいぶね=直接に漁船から魚を買い付ける船、出買い船
  てがう=からかう[和にも]
  てかけ=妾
※てがまアる=手が後ろへ回る、逮捕される
※~てからに・~でからに=~のうえに、~に加えて
  てぎ=荷車などのかじ棒(海はテンギ)
※でき・れき=彼[海]
※~てくれまー=~て・下さいよ[甲・宍]
※~てけ=~と言うのかえ、~をするのかえ[宍・海]
※でける・でけん・でける・でけん=できる、できない[甲・宍・海・阿]
※でけとる・でけとらなんだんや=できている・できていなかったんだ[徳島県]
※てこ・てこない・てぼー=片手がない人、片手が不自由な人(障害者用語)
  でこ=でこ回しの人形、阿波浄瑠璃の人形
  でこまーし=門口に立って寿ぐ人形つかい
  てこまえ=石つき職人
  てこすにあわん・てこにあわん=手におえない
※でざと=出身地、実家
  てしお・てっしょ=小皿
  でしこし=弟子が師匠を越す、あべこべになる
  でしこし=ふくろう(鳥の名)(幼児歌・でしこし泣く子はとってかむぞ)
※でしな=でがけ(逆・いにしな)
※てす=てんす(魚名)
※てすき=手の空いた時、ひまな時
※~ですら・~ですらア=~です(丁寧語)
  てだる=連れ添う、連れだつ
※てっきゅー=魚や餅などを乗せて焼く金網
  てっしこ・でっしこ・てっしら・でっしら=どっさり
  てっしょー=小皿
  てつない・てつなう=手伝い、手伝う
※てっぽーながし=木材の川流しで水量が少ないとき堰留めてからいっきに流す方法
※てっぽーぜき=鉄砲流しのため特に設置した堰(土佐の河川では少ないらしい)
※~てて=~たとて(例・言うたテテいくけ)[甲・宍・海]
※~てで=~ていうことだ!、~ていうことか?[甲・宍・海]
※てて・おてて・てんて=手(幼児語)
※てにやわん=手に負えない(同・てこにあわん、てエにもシコにもあわん)
  てのぐい・てのごい=てぬぐい
※てべんとー=無報酬の仕事、無料の奉仕
  てぶら=何も持たない
※てぼー・てこ・てこない・てんぼー=片手がない人、片手が不自由な人(障害者用語)
  でぼちん=おでこ[和にも]
  てまがい・てまがえ=結い、労働交換
※てましごと=内職
  てみず=餅つきの時に杵どり役が使う水
※~てもろたる・~てもろたんは=~て・もらってやる・~て・もらったのは[徳島県]
※てやい・てあい=この類、この面々(例・このてやいがやった)
  でやく=出役、出夫、共同作業などに出仕すること
※~でよ=ですよ[甲・海・阿]、ですよ[標]ぜよ[新]どっせ[阪神]どすえ[京都]
        (徳島県「でーけー弁」の代表例)
※てらくさ=勉強ぎらい[佐]
※てれこ=あべこべ
※~てわ=~というのは[海]
※てをうつ・てエうつ=合意する、契約する
  てをくー・てをくう=手間がかかる
※てをたたく・てエたたく=合意する、契約する
  ~てん=~てみなさい(例・待っちょっテンだー)
※てんが=手鍬(片手で使う小さい鍬)
  てんかやみ=癲癇病み[和にも]
※てんかふ・てんかく=天花粉、夏に汗の出る部位に散布する粉、化粧にも使用
  てんぐす=てぐす(釣り糸)
※でんぐりがえす・でんぐりがやす=上下または裏表にひっくり返す[和にも]
  でんぐりがえる・でんぐりかやる=上下または裏表にひっくり返る[和にも]
※でんぐりそんぐり=出たり引っ込んだりで不揃い[佐]
  てんくろー=嘘つき、詐欺師
  てんごー・てんごのかー=余計なこと、いたずら、冗談、悪い遊び
  てんこす・てんこつ=てっぺん、頂上
  てんこもり=山盛りいっぱい[和にも]
※~てんさ・~てんさー・~てんだ・~てんだー=~してみなさい
※でんすけ・ばいすけ=石や土を運ぶ竹製のもっこ
※でんちゅー=ちゃんちゃんこ(綿入りで袖無しの着物)[甲・宍・海]
  でんつくでんつく・でんつけでんつけ=次から次へと
  てんて=手(幼児語)
※てんでに=めいめい勝手に[和にも]
  てんでやすーに=気安く(例・てんでやすーに引き受けられん)
  でんでんむし=カタツムリ(当地ではカタツムリと言わない)
※てんぷら=①油で揚げたおかず、②役立たず(例・くっつかないセロテープ)
  てんぼー・てんぽー=無鉄砲
※てんぽさく・てんぽーさく=うすらばか、風来坊[甲]
  てんぽーせん=知能が足らない(天保銭は80匁であり100に足りない)
  てんま=伝馬船、ハシケ、親船に対する子船のこと、親子連れの子供のこと
  てんや=小さな食堂や茶店あるいは雑貨食品店
※てんやもん=食堂からの出前食

            と
  と・とー・とオ=峠
※ど=ぞ(注・東洋町から海部灘沿岸はザ行ダ行ラ行の発音混用が多い)
※ど~=軽蔑の接頭語(例・ドけち、ドぬすっとー、ド百姓)[和にも]
  ~と=~せずに、~ということだ、~の口
  ~と・~っと・~んと=くれませんか(例・私にもくれっと、やっちょいてくれんと)
  とー=系統、一統、親戚、仲間
  とオ=一族一党(例・名留川は王子トー(王子の氏子)と余家トー(余家の氏子)がある)
  とオ=①早く、②すでに(例・とーから帰った、とーに済んだ)
※どーいた・どいた・どひた・どオひた=どうした
  どーいて・どオひて・どいて・どひて=どうして
※どーいたっち・どいたっち・どひたっち=どうしても
※どーがいった=猫背になった(身体の老化現象)
  とーから=早くから
  とーきび・きび=トウモロコシ
  とーけ・とオけ=およそ一斗の桶、一斗を計量する桶[和にも]
※どーこー=どうのこうの
  とーし・とオし=ふるい、網目で大小ふるい分ける道具[和にも]
※どーし=継続する状態(例・走りどーし)
※どーしょー=どうしましょう(同・どーしょーね・どーしょいな・どーしょかしらん)
  とーじん=馬鹿(例・とーじんなことを言う)海では言葉もわからぬ赤子のこと
※とーす=下痢する(例・はらをトーした=下痢した)
  とーす=トーシにかける、ふるい分ける
  ~とーせ・~どーせ=~て・下さい・~で・下さい
※どーぜ=どうですか(同・どーで、どーでよ、どーぜよ、どーぞね)
※どーぞい・どーぜー=どうだ?、どうです[甲・宍]
  どーぞこーぞ=なんとかかんとか(例・ドーゾコーゾ生きちょる)[和にも]
※どーで?・どーでよ?=どうですか?[甲・徳島県]
※どーどー=馬に対する止まれの号令(牛はホンホンの号令)
※とーとっとっと・とーいといとい=鶏を呼び寄せる言葉
※どーな?・どーなら?・どーならや?=どうですか?
※どーならい=どうにもならない[甲]
※どーならん・どもならん=どうにもならない[野]
※どーなりこーなり=なんとかかんとか(例・ドーナリコーナリ生きちょる)[和にも]
  どーなる・どーなりゃー=どうにもならない
  とーに=とっくに、早くに[和にも]
※どーねじ・どーねり=タブノキ(樹木名)
  どーのこーの=どうにかこうにか
※とーばー=ちょっとだけ[野]
※とーばった・とばった=ちょっとづつ[野]
※どーひさ・どオひた=どうした
※どーひたっち・どひたっち=どうしても
  どーひて・どいて・どひて=どうして
※とーやおくり=祭の若衆組から当家組に送る儀式[野]昔は35歳が若衆の定年だった
  とーやく=魚名、十百も群れる魚(同・くまびき、しいら、ねこまた、ねこまたぎ)
  どーやろこーやろ・どやろこやろ=なんとかかんとか
※どーらくな=いいかげんな[海]ドーラクは方々で使われる言葉
  とーり=通り、種類
  とオる=通る、通用する、合格する
※どーろぶち・みちぶち=道路沿い
※とオみ=遠くから見守る(例・赤ちゃんをトーミしよって、釜の火をトーミする)
※とい=遠い(例・といとっから来た=遠い所から来た)
※どいさって・どひさって=どうしても[野]
  どいた・どオいた・どひた・どーひた・どーひさ・どいたっちゃ=どうした?
※~といた=~ておいた(例・やっといた、ほっといた)[海・阿]
※どいたっち・どーいたっち・どひたっち・どーひたっち=どうしても
  どいて・どひて・どオいて・どオひて=どうして
※~といて=~ておいて(例・やっといて、ほっといて)[海・阿]
※といとっから=遠い所から[甲・海・阿]
※とうじんぶくろ=南京袋、麻袋[宍]
  とうやく・とうひゃく=シイラ(魚名)、くまびき、ねこまたぎとも言う
  とえる=叫ぶ、泣き叫ぶ、遠くから大声で言う[甲・海・阿]
  とおけ・とオけ=一斗桶、一斗を計る桶(馴らし棒をトカキと言う)
  とかき=升目を計るとき表面を平らにする棒(八十八歳の事を言う地区もある)
  とかき=手の平の天紋地紋が直列の手相(逆・くそかき=天紋と地紋が分離)
※どかべん=土方の弁当
※どかろ=どこやら(例・どかろい行きよった)
  とぎ・よとぎ=話し相手・お通夜
  どくけし=はぶ草、ドクダミ(いずれも薬草)
  とくまえる・とくまいる=捕まえる(海もトクマエルと言う)
  どくれ=ぐれる、どくれ者(例・どくれる、どくれもん)
※とぐわ=唐鍬(片方がハバセバで片方がツルハシとなっている鍬)[徳島県はトンガ]
※とこあげ=お産のあと産室から出て普通の育児生活にもどること
※どこい=どこへ
※とこせーおんど=海部地方の盆踊り(トコセーエエハリナヨイヨイの掛声が入る)
※とこせいえいのおどり=海部地方の盆踊り(野根浜でも踊られる)
※どこぞ=どこか[和にも]
  どこっちゃー=どこへも、どこにも(阿波はドコッチャー、ドコジャ)
  どこまーり=どこも、どこでも
  とこまえる・とこまいる=捕まえる(海はトクマエルとも言う)
※とさかにくる=アタマにくる、腹がたつ
※どさげる・どしゃげる=雨が土砂降りになる
※とさどーろー=初盆と二年目に使う灯籠(盆踊り会場に飾るため競って豪華になった)
  としいき・としばい=年長者
  としぞー=1~3月生まれ(数え年7歳で小学校に入る)
※どした・どしたんぞい・どしたんな=どうした?[甲・宍]
※どしたもんぞいな=どうしたものかなあ[甲・宍]
  としばい=年長者、高齢者[和にも]
  としび=生まれ年の干支と同じ干支の日
※どずく・どーずく・どつく=なぐる、打つ、怒鳴って怒る
※とせい=世渡り、日常の仕事
  とせいやま=地域の共有林、共有山
  とそんじょ・とそんど=軽率、不注意、間抜け
  どだい・どだいこだい=まるで
※どたま=頭
  どちこち=差がない、どちらもこちらも
※とちな=オトコエシ(植物名)食用や薬用にする
  どちみち=どちらにしても、結局は[和にも]
※どちらえか・どちらいか=どういたしまして・こちらこそ(挨拶語)
※どっから=どこから
※どっきゃら・どっきゃろ=どこか、どこやら、どこだろう
※どつく・どずく=なぐる、打つ、怒鳴って怒る[和にも]
※どっこいそっこい・どっこいどっこい=差がない、どちらもこちらも[海]
  どっしこ・どっしら=どっさり[佐・山]
※どっしょー=どうしましょう[野・海](同・どっしょいにゃ・どっしょかしらん)
  とっしょり=年寄り

※~とった・~とって・~とる=~していた・~して・~している[徳島県]
                            (高知県ではチョッタ・チョッテ・チョルとなる)
※~どった・~どって・~どる=~でおった・~でおって・~でいる[徳島県]
                            (高知県ではヂョッタ・ヂョッテ・ヂョルとなる)
※どっち・どっちゃ=どちら[和にも]
※とっちゃア・とっつも=ひとつも(例・とっちゃア残っちょらん)
  とっと=はるか遠い、ずっと昔、
  とっと=鳥(幼児語)
※とっとった=とっていた(例・機嫌をトットッタ)[徳島県]
  とっぱく=①うそ、ほら吹き、②とっぱくあじ(魚名)
※とっぱくれ=うそ[宍](海はトッパクロ)
  とっぱな・とばな=突端、海に突き出た岬(「ハナ」は岬の古語)[和にも]
※どてっぱら=腹、どてっとした腹
  とと・ととさん・ととやん=お父さん
※とど=滝、轟(特に神聖化された滝をトドサンと言う)
  どと=どいつ(例・どともことも=どいつもこいつも)
※どどこり=どんより沈殿したもの、沈殿物[甲]
※どともことも=どいつもこいつも
※ととる=どもる[甲]
  どない=どんなに(例・どないもこないも)[徳島県~大阪・和にも]
  どないか・どないぞ・どないに=なんとか、どうにか[徳島県~大阪・和にも]
※となり=お隣さんを呼ぶ言葉
  ~とに=~の上に、~に加えて(例・言わんトニ、知らんトニ)
  とのくち=戸口、入り口、直前
  どば=木場、木材の中間集積場
※~とばかす=~とばす(例・笑いとばかす)
※とばし=山間、谷川、斜面などをワイヤーロープで木材を空中運搬する
※とばった・とーばった=ちょっとづつ[野]
  とばとばする=落ち着かない様子
※とばな・とっぱな=突端、海に突き出た岬(「ハナ」は岬の古語)
※どはんな=どうしたんだ[野]
※どひた・どひたん・どーひた・どーいた・どいた=どうした
  とびつ=米びつ
※とびやがる=びっくりする
  どひん=土瓶[和にも]
※どびんご=生まれたての雛
  どぶ=どぶろく、どぶ酒(酒)
※とぶらい・とぶらう=弔い、弔う
  どべ=びり、最下位、ウナギやドジョウなどのぬめり、花札ばくち、頭部
※どべむし=ハナアブの幼虫(便壷に発生する)
  どべる・どべる=泥でぬかるむ
※とぼ=とんぼ(トンボをおびき寄せる言葉「トボコーヨ」)
※どぼくろ・どもくろ・どもん=ドンコ(魚名)[甲]
  とぼしあげ=3周忌後のお盆のあと灯籠をおさめる法事、2度目のお盆を済ますこと
          (盆灯籠は初盆と翌年トボシアゲの盆に飾ったのち廃棄する。昔はトボシアゲ            の盆灯籠の紙飾りでザイ踊りのザイを作ったという)
  とま・とまこ=いたち(動物名)
  どまくれる=まごつく、うろたえる
※とみかん=唐蜜柑(小さいミカンの一種、食用にする古い品種)[野]
※どむならん=どうにもならない[海]
  とめ=ご進物の返礼として入れてきた容器などにつけて返す粗品
※ども=どうにも(例・どもならん、どもこもできん)
※ども=肥え太ったジョロウグモ[佐]
※ともかく・ともまる=艫(船尾)による和船(トモカク)洋船(トモマル)の区分
  どやす=怒鳴る、なぐる[和にも]
※どやっしゃげる・どやったーす=ドヤスの強調語(海はドヤカスとも言う)
※どやって・どーやって=どのようにして
※とやとや=適当、いいかげん、とやとや[佐]
  どやらこやら・どやろこやろ=どうにかこうにか[和にも]
  とめくさ=田植え後に数回やる草取りの最後の草取り
※とよい=遠い
  とらまえる=つかまえる
※~とらん=~て・いない[徳島県]
※とりあう=相手にする
※とりあげる=お産を助けて出産させる(産婆~助産婦の仕事)
※とりかじ=左折(航海用語)(逆・右折=オモカジ)
※とりかじまわり=ツムブリ(魚名)[甲]
※とりこみ=家庭内の急用(例・親が死んでトリコミ中、トリコンぢょる)
※とりつき=きっかけ、とりかかり
  とりつけさでつけ=あれこれ理由をつける
※とりまた=先が二股になった炭焼き道具(炭焼き用語)
  とりめ=収穫高、収入高、取り分
※とりやま=魚群の上空の海鳥の群れ[宍]
  ~とる・~どる=~ている(例・やっとる、ほっとる)[海・阿]
※~とろ・~どろ=~ているだろう(例・走っトロ、休んドロ)[海・阿]
  とろ=トロッコ(例・トロ道はトロッコ線路を敷いた道筋)
  とろい・とろくさい・とろこい=愚鈍、鈍い[和にも]
  どろおとし・どろかき=田植え作業が済み地区ぐるみで行楽に出掛けること
  とろく・とろくそ=たくさん、十分、やたら
  どろすけ・ぞろすけ=ぞろぞろと沢山
※とろとろ=うとうと、眠りかける
※とろとろ=うろうろ、まごまご
※どろぼー=干したゆず皮を煮たおかず
※とろばこ=魚を入れる浅い木箱(近年は発泡スチロールの箱が主体)
※どろめ=生のままのイワシの稚魚、湯通しすればシラスになる
※~とん・~どん=~て・いる・~で・いる(肯定と疑問の両方に使われる)[徳島県]
  どん・どんな=鈍な、鈍感、動きが鈍い
※とんが=唐鍬、トグワ(片方がハバセバで片方がツルハシとなっている鍬)[徳島県]
※どんがら=図体、体格[野・甲・海]
※とんがらし=トウガラシ(香辛料)
※とんがる=尖る
  どんぐ=道具[甲・海・幡多郡も]
  どんくさい=にぶい、とろくさい[四国~関西]
※どんけつ・どんじり=最後尾、ビリ(「ドン」は強調の接頭語)[和にも]
※どんごろす=麻で編んだ袋、南京袋
  どんざ=綿入り半纏、どてら(漁師ことば)
  とんする=落ちる、こける(幼児語)
※どんずまり・どんづまり・どんづめ=行止まり、行詰まり(「ドン」は強調の接頭語)
※どんだけ・どえだけ=どれだけ[和にも]
※とんつ=凹凸、不揃い、差異(例・トンツがあって揃うちょらん)
  とんつく・とんついちょる=とびぬけている
  とんと=良家のお坊ちゃん
  どんど・どんど焼き=左義長、小正月頃に正月飾りや神仏のものを集めて燃やす行事
※どんどこ=舟の表面に出ている梁[海]
※~とんな・~どんな=~て・いるか?[徳島県]高知県では「~チョンナ」になる
  どんな=にぶい、のろい
※どんぴしゃ・どんぴしゃり=ぴしゃりの強調語、ぴたり合う
※とんぼく=てっぺん、頂上[佐](海はトントコ)
※とんぼちょー=セセリチョウ(トンボを捕るときオトリに使う小さな蝶々)
  どんま=胴馬、背中へ飛び乗る子供の遊び
※とんまえ・とんまえやい=捕らえる、鬼ごっこ遊び[海]
※とんまえる=捕まえる[宍・海]高知県では「トコマエル」

           な
  な・なー・なーえー・なア=呼びかけの言葉
※~なー=①否定・行くかナー、②義務・行かナーならん、③指令・早く行かナー
※なーこれ・なんこれ=呼びかけの言葉[甲・宍・海]
  なーべーなーべーそーこぬけーそーこがぬけたらかえりましょ=子供遊び歌
※なー・なア=名前、縄
※なア=菜っ葉
※ない=なに(例・ないすんな、ないしょんな)
※~ない=~なさい(阿波弁であり東洋町では聞かない)[徳島県]
※ないこと=めずらしいこと、思いがけないこと
  ないない=片付ける、納める(幼児語)
  ないらげ=かじき(魚名)
※なおし=修理(例・下駄の歯のナオシ、傘のナオシ、なべのナオシ)[和にも]
  なおす=①元の所にもどす、②修理する[和にも]
※なか=仲間
※なかあし=陰茎
※ながしり=長い間居続ける(特に宴会の時に使う)
※なかずく・なかづく=なかんづく、中でも
  ながせ=梅雨
※なかつぎよーし=跡取りが成長するまでの間の養子
※~なかった=~でなかった(例・上手やナカッタ、否定)
※~な・かった=~で・あった(例・上手ナカッタ、肯定)
  なかま=共有(例・なかまで使う)
  なかもち=①仲介者、仲介業、②荷物を担って運搬する仕事
  ながら=長いまま、工作前の状態(例・竹をナガラで持ってきた)
  ながれこ=とこぶし(貝の名)[和にも]
※なきいっちょー・なきいっちょる=泣きいっている(~イッチョルは継続を意味する)
※なきしこる・なきしこっちゅう=泣き続ける(~シコルは継続強調を意味する)
  なきみそ=泣き虫[和にも]、すぐに泣く子供、女性にも使うことがある
  なぐらす・なぐらかす=厄介をかける、手間をとらせる、徒労させる
  なぐれる=手間取る、労力や時間をかける、徒労する
※なごー=長く(例・話がナゴーなってしもーた)
  なごーなる=横になる、横になって休憩する
※~なして=~なさって(例・ゴメンナシテ)[海・阿・大・和]
※なして・なんして=どうして
  なすい・なそい=きつくない(例・坂道がなすい、煙草の味がなそい)
  なすくる・なする=①こすりつける、②塗りつける、③責任を転化する
  なすりつける・なすくりつける=責任や罪を転化する
  なだ=海岸に近い陸地または陸に近い海(例・ナダとオキ=陸と海)
※なつけ=幼児の名付け祝い
※なったわいな=なったよ[宍]
  なっちゃーせん=不実行、不出来
  などし=たわし[甲・山]
※などる=なぞる
※なっちゃー・なんちゃー=①なんにも、②なんでも、③どういたしまして(挨拶語)
※ななつのたてあげ=男児の数え年7歳の祝いで来年から鯉のぼりをたてない
※なにいよんぜー・なにいよんで=何をいっているのか
※なにしに・なんしに=そうではない、そうではなくて(否定語)
※なにしよん・なっしょん・なんしょん=何しているの[徳島県]
※なにへん=なにやかや(例・ナニヘンがこんな調子ぢゃ)
  なば=きのこ
※なはれ・なひて=なさい、なさって(海・阿・大・和)
  なぶら=群れ、魚群
  なべすけ=ヤカンや鍋の下に敷く鍋敷
  なま=魚の刺し身
  なまぐさ=酒と肉、動物の肉、神様に供える魚または魚の加工品
  なまくら=切れない刃物、役立たずの人(ぼんくら)
  なましイ=半なま、半焼き、半煮え、乾燥不足
※なまぶし・ふし=魚を湯通したもの、カツオブシなどの乾燥前のもの
※なまやけ=焼けくさし、半焼け
※なまんだぶ=南無阿弥陀仏(お経)
※なむさん=お経を簡素化して唱えることば
  なめくじら=ナメクジ(安芸郡ではカタツムリもナメクジラと言う例もある)
  なやし=しなり、余裕
  なよい・なるい・なろい=ゆるやか、柔和、温和
  ~なら?・~ならや?=~か?(疑問語)
※ならざった・ならなんだ=ならなかった、勝てなかった
※ならす=平らにする、練習する、馴らす、熟成させる
※ならん=勝てない(例・アトにゃーどひたってナラざった)
  なり=容姿、風貌、体格[和にも]
  ~なり=~のまま、~なりに[和にも]
  なりき・なりもん=果樹(海ではナリキモンとも言う)
※なりくさし=なりかけ、不完全(~クサシ、~クサスは不完全の意味)
※なりとオて=なりたくて
  なりもん=果実、果物、果樹(海ではナリキモンとも言う)
※なりよい・なんりょい=なりやすい
  なる=勝つ(例・ナルかナランか勝負せんか)
  なるい・なアるい・なろい=傾斜がゆるやか
  なるてん=南天(植物名)東洋町ではナンテンが主体
  なろ=山のゆるやかな場所
※なん・なんな・なんなら=なに
※なん・なーこれ・なんこれ=なあ(接頭語)、ですね(接尾語)[甲・海]
  なんがい・なーがい=長い
  なんきん=かぼちゃ(当地ではほとんど「ナンキン」と言う)
※なんきんさば=ゴマサバ(魚名)[甲]
※なんきんぶくろ=麻で編んだ袋、どんごろす
  なんしに・なにしに=そうではない、そうではなくて(否定語)
※なんしまりゃア=何になろうか、たいした事になるまい[甲]
※なんしーまーりゃア=何をしているか(いらぬことをしているのか)[野]
※なんじゃ・なあんじゃ=なんにも(土佐では「なんちゃー」)[甲・宍]
※なんじゃかんじゃ・なんぞかんぞ=なにやかや、あれやこれや
※なんしよら?・なんしょーら?・なんしよる?・なんしょーる?=何しているか?
※なんしよるぞい?・なんしよるのんぞい?=何をしているの?[甲・宍]
※なんしょんぞい?・なんしょんのんぞい?=何をしているの?[甲・宍]
※なんすのに・なんしに=そうではなくて(否定語)
  なんせ・なんせー=なにしろ(海部はナンシェと発音、セをシェと発音)
※なんぜ?・なんで?=なんですか?(海部はナンジェと発音、ゼをジェと発音)
※なんぞ=なにか、なにごとか(例・ナンゾ言うたら反対する)[和にも]
※なんぞい?・なんてぞい?=なんですか?[甲・宍]
  なんちゃ?・なんちや?=なんですか?
  なんちゃ=なんにも、そうじゃなくて[海]海部弁では「ン」にアクセント
  なんちゃー・なっちゃー=①なんにも、②なんでも、③どういたしまして(挨拶語)
※なんちゅたって=なんといっても[宍・海・阿]
※なんつか・なんつぜ・なんつぞ=何なのか、なんとまあ(疑問語と驚嘆語とがある)
※なんてか・なんてで・なんてな=何なのか、なんとまあ[甲・宍・海・阿]
※なんてぞい・なんてでまー!=何ということだ!、何ということか?[甲・宍・海]
※なんてや=何を言うか
  なんどころやない=何どころではない
  なんな?・なんなら?=何ですか?(例・それがなんなら)[和にも]
※なんにゃかい・なんにゃこい=なにやらかにやら[甲・海]
  なんねんこーらい=何年も前から
  なんぼ・なんぼウ=幾ら(金額、回数、個数)[大や和にも]
※なんや=なんだ(例・ナンヤそればーのもんか)
※なんやかんや=何やかや、あれこれ(海ではナンヤカイ)
※なんやち・なにやっち=なんでも[土]
※なんやら・なんにゃら・なんやら・なんやらかんやら=何やかにや、あれやこれや


            に
※~に=~かしら、~なのに(女性言葉・どーしょーニ、先に行ったニ)
※に・にイ=荷物(例・にーがおもたい)
  にー・にーこ・にーさん=兄さん(実兄の他に大人の男すべてを指す事が多い)
  にイた・にイちょる=似た、似ている(徳島県側は「ニートル」)
  にえこむ=車輪がぬかるみにのめり込む
※にえたかわいたかわからん=はっきりしない
※におくり・にわたし=嫁入りの荷物を婚家に運びこむ
※にがにし=いぼにし(貝の名)岩場にすむ食用貝だが苦みもある
※にきさく=早生稲の収穫後に晩稲を植える稲作(土佐の二期作)二毛作とは別のもの
  にぎり=欲深い人
  にく=カモシカ(動物名)[和にも]
  にくて・にくてい=憎たらしい
※にげれん・にげれれん=逃げられない
  にごりもち=大水で川が濁ったときに網で小魚を捕る漁法
※にし=西の風、都の反対方向(西下する:東上する)
  にしにしする=蒸し暑いこと
  にしら=西側(~ラは~側の意味=例・向こうラ、内ラ)
※にせんえん=二千円「せ」にアクセント、二千円~九千円に使う[甲・海・阿]
              土佐は「ん」にアクセント
  にぞら・にどら=荷物、粗雑な荷造り
※にっき・にっけん=肉桂(香辛料)、肉桂の木(香辛木の一種)
  につく=似合う
  にっけんしゅ=肉桂の飲料(酒ではなくジュース類に属す)
※にどいも・ふどいも=ジャガイモ[徳島県](東洋町では使われない)
※にな=巻き貝
※にないかぎ=両端に鈎のついた担い棒
  にになる=負担になる(荷物、精神的)
※にはん=涅槃(甲浦地区の小字にニハンダなどがある)
※にばんぐち=ふるい分けて篩下に落ちた穀物をさらに篩分けたもの
※にばんね・にばんねいり=一度寝覚めて再び寝ること
※にもーさく=二毛作、春~秋に米を作りその後に別の作物を作ること、二期作とは別
  ~にや・~にゃー・~ねや=~なあ(接尾語)
※にやう=うめく[佐]
  にやっしゃげる・にやす=やっつける[宍・山]
※にやす・にやしこむ・にやしこったーす=やっつける[甲]
※にゃんこ=猫(幼児語)徳島は「ニャンコ」アクセントが冒頭につく事が多い
※にゅうどー・おーにゅうどー=坊主頭の妖怪(民話に登場する)
  にゅうどー・にゅうどーむし=カミキリムシやカブトムシの幼虫、太い鼻汁
※によい=匂い
  によう=匂う、甲浦では「苦しそうに呻く」にも使う
  にわ=庭、土間(高温多湿のため玄関から勝手口までが通しの土間)
※にわたし・におくり=嫁入りの荷物を婚家に運びこむ
※にんがつ=二月
※にンぎャか=にぎやか(「ン」や「ャ」は阿波弁の特徴)[甲・海・阿・和]
  にんにん=めいめい、おのおの
  にんにんする=ニヤニヤする、ひそかに嬉しがる様子[土]

            ぬ
  ぬいあげ=着物の丈を短くすること(裁縫用語)[和にも]
※ぬいもん=針仕事[和にも]
※ぬか=炭焼き窯の排煙口(炭焼き言葉)
※ぬがす=①逃がす、②脱がす
  ぬき=抜き手(水泳の一種)
  ぬきさし=抜きも差しも、どうにもこうにも
※ぬきな=間引いて抜いた野菜
  ぬくい=暖かい、(当地では「ヌクイ」か「アツイ」かである)[和にも]
  ~ぬくい=~は困難である(例・やりぬくい、使いぬくい)[和にも]
※ぬくぬく=できたてホヤホヤ[和にも]
  ぬくめる・ぬくもる=暖める、暖まる[和にも]
  ぬけ=法律違反、監視をかわす、こっそり行う
  ぬけさく=間抜け
  ぬける=水に潜る、脱出する、抜ける
※ぬげる=逃げる、脱げる
※ぬすっとー・ぬすびっとー=盗人
  ぬた・ねばず=酢味噌(調味料)
  ぬたくる・ぬりくる・ぬりたくる=やたらに塗る、塗りまくる
  ぬばす=のびる、のばす
  ぬびあがる=背伸びする
  ぬびる・ぬぶ=のびる
  ぬべる=のばす
※ぬりくる・ぬりたくる=塗る(「~クル・~タクル」は強調や繰り返し)[和にも]
※ぬるみ=泥沼、湿地帯
  ぬれぼた=ずぶぬれ
※ぬんだ・ぬんだ=のびた

            ね
※ね・ねー=価格、値段
※~ね=~ですね(野~佐~山は「ね」と言い切る、他地域は「ねエ」と延ばし「ネ」に        アクセントあり。ただし近年は「ねエ」の発音が「ね」地域に侵入している)
※ねエ=根っこ
※~ねエ=~ですね(野~佐~山以外は高知県も徳島県もネにアクセントあり)
  ねー・ねーこ・ねーさん・ねーやん=姉さん(実姉以外の女性にも使われる)
※ねいよる=寝ている[野]
※ねエ・ねエて=寝よ(命令)・寝て、寝転んで
  ねいり=かんぱち(魚名)当地方では一般に「しお」小さいのを「しおこ」と言う
  ねがける=目をつける、機会をねらう[和にも]
  ねき=側、脇[和にも]
  ねくさし・ねくさす=睡眠不足
※ねこ・ねこぐるま=手押しの一輪車
※ねこまた・ねこまたぎ=魚好きの猫でもまたいで通るような魚、くまびき
※ねしな=寝る前(~シナは直前の意味)
  ねしょー・ねっしょー・ねしょーだれ=女性(軽蔑語)
※ねじりかご・ねぢりかご=麦わらで作った籠(ホタルなどの昆虫を入れる)
※ねず=がまずみ(植物名)秋に赤い実をつける
  ねずみとり・やどーし=アオダイショウ(家屋にも棲む大型の蛇の種類)
※ねずみまい=大喜びする様子[甲]
  ねそ=ワラを数本束ねたもので縛る時に使う[甲・宍・海・山]
※ねだ=床下を支える材(根太)
  ねたぼけ=寝とぼけ
※ねたまき=炭焼き窯の天井とコシキの中間部分(バイという窓がある)(炭焼き言葉)
※ねちこい・ねちゃこい=ねばりっこい、しつこい、忍耐強い
※ねっから=まったく、いつまでも[宍]
  ねどり=魚市場を通さずに買う(市場価格に多少の上乗せした値段)
  ねねこ=赤ん坊
  ねばい=ねばりっこい、しつこい、忍耐強い
※ねばず・ぬた=酢味噌(調味料)
  ねぶか=ねぎ(野菜)[和にも]
※ねぶかがい=祭りのとき小若衆の役目「かしき(炊事)係」
  ねぶたい=眠たい
  ねぶたい=重さが少し足りない、逆=ぴんつく
※ねぶたーなる=眠たくなる[徳島県]
※ねぶとーなる=眠たくなる[高知県]
  ねぶる=眠る
  ねぶる=なめる
  ねめる・ねめつける=にらみつける
  ねや=①寝床、②炭焼き釜の炭を取り出し素灰をかぶせて消火する所
  ~ねや・~にゃー・~にや=~なあ(接尾語)
  ねらし=燃焼を加減して炭の炭化を調整すること(炭焼き言葉)
  ねらす=①寝らせる、②炭を炭釜から出し素灰をかぶせて消火すること
※ねりこ=練り子、神祭の神輿の前を奴行列で先導する子供たち(祭り用語)
※ねりべ=練り塀、表面を平らに塗った塀
※ねん・ねん=①念入り、②思い残すこと
  ねん・ねん=年期、契約期間
  ねんがける=日頃からねらっている、日頃から留意している
  ねんごー=ていねい、気難しい、生意気、自慢、おしゃれ、具合
  ねんごい=理屈っぽい、気難しい、
  ねんごのかー・ねんごーのかー=ねんごーの数々(高知県~宍喰も)
  ねんごのかい・ねんごーのかい=ねんごーの数々(高知県~宍喰も)
※ねんね・ねんねこ・ねんねん=眠る(幼児語)
  ねんねこ=幼児を背負うときの半纏(冬季用)

            の
  ~の・~のー・~のけー=~なあ(例・しんどいのけー[野])
  (の=ね、のー=ねー、のオ=ねエ、ほかに「のーし」「のんし」「のけー」など)
  のー=具合、体調、使い勝手(例・この道具はノーがエイ、二日酔でノーがワリイ)
※のーかん=引き分け、ノーカウント
  のー・のーし・のんし=ねえ(接頭~接尾語)
※のーしはい=ですねハイ(最後のイにアクセント)野根浦独特の言葉で和歌山県の一部
            にも同じ言い回しをする例がある
※のーがいたい=頭が痛い、考えあぐねる
※のーがおこる・のオがおこる=神経がまいってしまう、思考力がなくなる
※のーがわりい=具合が悪い、気分が悪い
※のーだ=飲んだ[新]
※のーたち・のーたって=無くても
  のーとこ・のしろ・のとこ=苗床、苗代
  のーなる・のーなった=無くなる、死ぬ・無くなった、死んだ[和にも]
※~のかー=強調語(例・うそのかー、てんごのかー)
  のかな=愚かな、おかしな、間抜けな[徳島県は高知県より多く使う]
※~のかどを通っちょらん=味付けが不足(例・砂糖屋のカドを通っちょらん)
※~のけ・~のけー=強調する接尾語(例・痛いのけー)
※のけもん=のけもの、仲間はずれ
  のこ=のこぎり[和にも]
  のしきる・のしまくる=耐え忍ぶ・強行する
※のしろ・のーとこ・のとこ=苗床、苗代
  のす=力ずくでやっつける
  のせるか=たまるか[新]
  のた=ぬた(酢味噌の調味料またはヌタを使った料理)
  のたくる=のたうって苦しむ、暴れる
※のたのたする=鈍くて遅い動作[甲]
  のっけ=最初、いきなり[和にも]
※~のって・~やのって=~だから[宍・海]
※のっとする=腹がつかえる(満腹の上さらに出てきた御馳走にノットスル)[甲]
※のどぐろ=オコゼの一種(魚名)[甲]
※のとこ・のしろ・のーとこ=苗床、苗代
  のとろ・のとろくたろ=やたら、たくさん、余るほど
※のね=野根(地区名)、野根山杉または野根山杉の加工品
※のねいた=野根山杉の薄板(木質が良いため極く薄い板になる、現在でも良質の杉板は            野根に限定せず全国ほうぼうの杉板までノネイタと総称されている)
※のねすぎ=野根杉、野根山産の杉で昔から良材として全国銘柄であった
※のねのひるどまり=昔、淀ガ磯は荒波のとき通行止めになりやすく野根の宿屋で泊まり                  通行解除を待つ。また野根山街道は日だけて野根を発ってもその日のうちに奈半利の宿場まで行けない。その日は野根の宿屋で昼寝して、翌日早くに野根を発つこととなる。以上が言葉の由来である[野]
※のねのひるね=野根の昼寝、昼泊まりと同じ由来のことば[野]
                類似語に「田舎の学問より京の昼寝」「高野山の昼寝」などもあり情報                豊かな土地では難なく情報が得られるというもの。
※のばくれる=満腹する[甲]
  のばける=吐き気をもよおす[安芸郡]
※のびろい=家や庭などが広い[海]
  のぶとい=横着、大胆
※のべ=顔にできる軽いアバタやシミ
※のべおくり=野辺送り、家で始めて戸外を行列し広場で送別する葬式
  のぼりこ=河口から上流へ向かう川魚の幼魚、おもにハゼ科(昔はノボリコを鮎釣りの            餌にしたり、卵とじ料理などにも利用した)
※のぼりじお・のぼりじょ=東向けの潮流(逆=くだりじお)
※のぼりぶね=都の方向へ行く船、東上する船(逆=くだり船)
※のぼる=都の方向へ行く、東上する(逆=くだる、西下する)
  のみけ=宴会、飲む機会
※のみこむのがおしい=美味しくていつまでも飲み込みたくない[甲]
※のみすけ=のんだくれ、酒飲み[和にも]スケは寝ぼスケなど個性人に使う[和にも]
※~のやないんけ・~のやないのんけ=~のではないのか
  のり=勾配、傾斜
※のりかき=アマノリカキ、冬期に岩海苔を取り製品化(野根では農家の農閑期仕事)
※のれそれ=ウツボや海蛇類の稚魚で透明偏平、ヌタで生食のほか鮎釣りのエサにもなる
            阿波では「のれすれ」
※~の・~のん=~の所有、~のもの、~のです
※~のん?・~のんかい?=~のですか?[甲]ゾイカイ弁の代表例
※~のん?・~のんけ?=~のですか?[宍・海・阿]
  ~のんし・~のーし=~ですね(肯定の接尾語)
※~のんぞい=~のですよ(肯定の接尾語)[甲]ゾイカイ弁の代表例
※~のんに・~のんは=~のに・~のは[宍・海・阿]

           は
サ行からハ行への変化=京阪神は子音SがHに変化する例が多く、当地ではさらにHも
                      消失する例がある。(例・~シタ→~ヒタ→~イタ)
※は・はー=歯、葉
  はー=揃い、類
※はア=端っこ、端切れ
  ~ば・~ばー・~ばア=~だけ、~ほど(例・ちっとバ、言うバーの事よ)
  ばー・ばば・ばんば=お婆さん、年配の女性
※ぱー=馬鹿、阿呆
※ぱーぱー=しまりのない人、無計画に金を使う人
  ばアす・ばやす=新築祝いで餅投げをする(奪い合うの意味か?)
※はい=接尾語[野農商](例・寒いのーしハイ、足摺方面に同義語「のいハイ」がある
        まったく同一の言い回しが和歌山県の一部にもある)
      (注・応諾のハイは「ハ」にアクセント、野根のハイは「イ」にアクセント)
        用例・問側:これ太田のシー、あのシーはどこのだれぞのーしハイ
              答側:あのシーは原田のシーやのーしハイ
              問側:原田のシーやったかのーしハイ、アテハ山田のシーカト思いよった                    ぞねハイ、けんど今日はひやいのーしハイ
  はい・はよ・はよー=早く(例・はいきー=早く来い)
※はい=①蝿(昆虫名)、②岩礁、③規則正しく積み上げた俵や袋(垪)
※はい・はいはい=進め・牛馬に号令する言葉、(逆・止まれ=ドー・ドードー)
  ばい=①磯の岩場の巻貝類(学名クボガイやクマノコガイなど)、②子供の遊ぶ鉄製の        ベーゴマ、③炭焼き釜の横穴
  ばい・ばいあな=炭焼き釜の横穴(炭焼き用語)
  はいいらず=網張りの食器棚
※はいこみ=船の船首部分の小さな船室[海]
※はいこむ=赤字になる、損失
※はいころび・はいころべ=やどかり(磯の貝の名)
※ばいすけ=土木工事で土や石を運ぶ竹製の畚(モッコ)、バイリョーとも言う
※はいた=いたづり(イタドリ)が成長しすぎて葉が出る(もはや食用にできない)
※はいたたき=ハエタタキ、蝿を叩いて殺す(昔はシュロの茎葉で作った)
※はいとりがみ=ハエトリガミ、片面が接着し蝿が止まったら逃げ出せない、
                両面接着のリボンもある
※はいとりびん=鶴首状のビン、平底に水を入れビンに入った蝿は逃げられない
※はいなー・はいなわ=延縄、はえなわ(漁法)
※はいのき=ハンノキ(植物名)
※はいのむ・はんのんだ=前向きに倒れる、倒れた
※はいのます・はいのまったーす=前向きに押し倒す
※はいはい=這って進む(幼児語)
※ばいもち=バイを塞ぐ蓋で真ん中にジョーゴという小穴がある(炭焼き用語)
※はいやい=早い、かけっこ[海・阿]早いにイが挿入された語法
※はいやい・はやいやい=早さくらべ、かけっこ[ハイヤイは海・阿]
  ばいやい=奪い合い(例・せんぐーの餅をバイヤイして拾うた)
  ばいりょー・ばいろ=貝籠、ばいすけ(東洋町では聞かれない)
  ばう・ぼう=奪う(例・せんぐの餅をボウて来た)
※はえ=南の風
  はえ=垪、ボサ(薪木束)を数える単位で高さ5尺×幅5尺または高さ5尺×幅2間
※はえ・はい=はや(淡水魚の名)野は腹の赤くなったオイカワをアカバエと言う
  はえ=礁、海面前後の岩礁
※はえたて・はえたてにん=保佐や材木や炭俵などを規則正しく積み重ねる人夫
  はえぬき=土着、そこで生まれ育った人
  はえる=垪える、規則正しく積み上げる
  はえる=魚がよく釣れる状態、魚が群れている状態
※はおり=綿入れ、はんてん
※はか=能率、成果、(例・はかどる、はか行く)
※ばか=ボーゼ(魚名)[野]
  はがいー=はがゆい、きしる音で気分が悪い
  はかいく・はかえいく=はかどる、仕事が進む[和にも]
  はがいたらしー=はがゆくて腹だたしい、じれったい、もどかしい
  ばかし=ニセモノ、まがいもの
※はかしょ=墓地、墓所(海ではハカサンとも言う)
※はがっつォ・はがっと=ハガツオ、キツネガツオ(魚名)
※はかばな=お墓に飾る花や枝葉
※はきすて=葬式の出棺時に座敷から履いている草履(墓地へ棄てる)
※はきもん=履物
  はぎり=はぎしり[和にも]
※はぎり・はんぎり・すしおけ=寿司を作るとき寿司飯をまぜる平たい桶[和にも]
※はくたん=白炭(黒炭より高温で焼いた炭)備長炭もこれに属す
  はぐる=めくる(例・女の子のスカートをはぐる)
  はけ=大水で決壊した所、崩壊した所
  はげ=ニザダイまたはカワハギなどハゲ類の総称(魚名)
  はける=品物がさばける、土砂崩れ、決壊する、大水の被害
  ばこする=猫がじゃれつく、植物名リュウノヒゲの別名
※はこぜん=一人前づつ食事を入れる箱の膳
※はこびん・はこめがね=箱の底がガラスで水面から水中や水底を見る道具
※はざ=間、平日(例・土日は忙しいきにハザの日に来い)
  はざかる・はざかる=はさまる
  はざける=はさむ
  はしかい=①短気で怒りっぽい、気が荒い、②むずがゆい、むずむずする[和にも]
※はじき=人差し指で爪弾きする
  はしくる・はしくりまーる=走りまわる
  はしけん=酒場の遊び、両者3本の箸を隠し持ち両者が出した数の合計で勝敗を決する
  はしり=炊事の流し場、洗い場[和にも]
  はしりやい=かけっこ、徒競争(徳島県ではハシンリャイと言う)
  はしる・はしゃげる・はっしゃげる=乾燥してヒビ割れる、焼栗がはじける[甲]
※はすごーろ・はすごーろー=イシダイ(魚名)[県東部]
  はぜ・はで=田畑に設置して稲麦や野菜を乾燥する干しざお
  はそい=もろい
  はそむ=はさむ
  はた=そば、近く[和にも]
  はたかる=足を広げる
※はたき=細長い布の束を棒の先につけた掃除道具(海ではザイとも言う)
※はたきもち=米粉を練ってから蒸して作る餅
  はたく=粉にする(米の例・稲かる→籾こく→玄米する→白米つく→米粉はたく)
※はたく=ハタキで埃を払う(掃除)
  ばたくる・ばちくる=ばたばた暴れる、もがく
  はたける・はだける=開く、着物をめくる・着物をめくって肌の一部をさらす
  はたご=キチキチバッタ、イナゴ(昆虫名)
※ばたこ=三輪自動車
※はたび=国民の祝日
  はたらき=収入、成果
※はたらきて=一家の収入を稼ぐ者、戸主、世帯主
  はち・はちもん=十文に足らぬ八文銭、知能が足らぬ者
※はちかしょ・はっかしょ=四国霊場八十八カ所
  はちきん=お転婆娘、男まさりの女(本来は女の子だが今は大人にも使われている)
            類似言葉に「ハッサイ」「ハチカン」などがあり女の子に適用される
  ばちくそ=罰、神仏の罰、悪行の報い(「くそ」は接尾語)
  はちこる=繁茂する、はびこる
  ばちばちがさ=タケノコの皮で作ったかぶり傘
※はちべー・はっさい=はちきん、お転婆娘、男まさりの女の子
  はちまい=①八の字眉、②ヒザラガイ(磯の岩場に棲む貝の名)
※はちやい・はちやう=はちあわせ、はちあう(同・ハッチャイ、ハッチャウ)
※はちわり=出棺のとき玄関先で茶碗を割る役目[野]
  はつ=まぐろ(魚名)
  ~ばっかし=~ばかり[和にも]
  はつかしょーがつ=1月20日最後の正月行事の日
※はっきら=はっきり[甲]
※ばっこ=粗末な草履[佐]山分はハッコ
  はっさい=おてんば娘(高知県ではハチキンと言うことが多い)
  ばっさり・ばったり・ぱったり=間違いや失敗のときの接頭語
  ばっさりかやった・ばったりいた・ぱったりしもーた=上記の強調の例
※はっしょる=端折る、簡単に、飛び飛びに
※~ばった=~づつ[野漁]
  はったいこ=はたき粉、麦の粉(穀物を粉にすることをハタクと言う)
※はったおす・はっとばす=張りたおす・張りとばす
※はっちゃい・はっちゃう=はちあい、はちあう
※ばっちり=単刀直入、率直
  ばっちりくする・ばっちりくすった=紛糾する、盛り上がる・紛糾した、盛り上がった
※はってん・はってんか=はすっぱな女、積極的な女
  はってんくらう・はってんくるう=懸命に努力する
  ぱっぱ=幼児語の「たばこ」または「おんぶ」[和にも]
  はつり=柱材を荒削りする大工道具
  はつる=材木を荒削りする、固い土地や岩などを少しづつ削る~掘る[和にも]
※はちまき=チョウチョウウオ(魚名)[佐・幡多郡]
  はな=突き出た地形、岬の別名、端、鼻[和にも]
※はな=最初[和にも]
※はな=①花、②墓花=仏壇や墓に飾る枝葉または花、③御祝儀、おひねり
  はなえだ=墓に飾る枝葉、昔は野根海岸線は椿、農村部は樒、甲浦はビシャコ主体
※はながみ=薄い和紙(花飾りを作ったり鼻紙や落し紙にする)、ティッシュペーパー
※はなかん=鮎のオトリがけの時にオトリ鮎の鼻に通す輪っか
※はなくそばー=ほんの少しだけ
  はなご・はなわ=牛の鼻に通す輪っか(牛を操るためのもの)(海はハナコとも言う)
※はなごえ=風邪で鼻づまりの声になる状態
※はなしいる・はなしいっちょる=話に夢中になる
  はなしくい=人の話どおりにしたくなる人[和にも]
  はなしば・はな・はなえだ=墓に飾る枝葉(本町から海部郡にかけて、山間部は樒、
                            海岸部はビシャコやツバキ、神式はサカキ)
※はなたか=天狗、鼻高[山]
※はなつつ・はなづつ=墓の花枝花柴を立てる筒
  はなとり=花取り踊り(土佐の太刀踊りの一種で太刀を使わない演目)
※はなぴしゃ・はなぺしゃ=鼻が低い、鼻がぺしゃんこ[和にも]
  はね=規格外品、きずもの不良品
  はねいた=窓の上などにつける板のヒサシ
※はねおく=天秤棒(オク)で担ぐとき反対側の肩に当てる補助的なオク
※はねかけ=罪や責任の転化
  はねかやる・はねくりかえる=はね返る、ひっくり返る
  はねこける・はねころぶ=転倒する
※はねまた=たてくべの時に原木を縦にならべる道具(炭焼き用語)
  ばば・ばー・ばんば=祖母、お婆さん、高齢の女性
  ばば=きたない、汚物、うんこ(幼児語)[和にも]
  はばしー=すばしこい
※はばせば=幅が狭くて長い鍬、筍掘りや土木用に使う道具
  ばばちー=汚い(幼児語)
  ばばひー=まぶしい
※はぶ=クロメジナ(魚名)[甲]
  はぶ=はぐき、歯が抜けてしまった状態
※はぶく=しばく、張りまわす[甲]
※はぶちゅー=歯ぐき、接吻[野根]
  はぶちょー=歯肉炎、歯ぐきが腫れる
  はぶむ=腫れる、むくみがある
  ばぶれ・ばぶれもん=暴れる、暴れ者、無法者
  ばぶれる=暴れる、好き勝手する、言いたい放題、ふてくされる
  はぶん=半分
※はまぐりがね=キンセンガニ、海の砂地にいる砂色の蟹[甲]
※はませっく=4月3日に菱餅を作り浜でごちそうを食べる(徳島県海部郡の風習)
※はまづみ=海岸から伝馬船やハシケで本船へ荷積みすること[野]
  はまち=ブリの小さいもの(モジャコ→ワカナ→ツバス→イナダ→ハマチ→メジロ→ブリ)
※はまべんとー=浜辺で弁当を食べる(夏の夕涼みや行楽を兼ねる)
  はみ=①まむし(蛇)、②牛馬の餌
  はみかえる・はみかやる=復活する、反抗する、元気になる
  はみきり・おしきり=藁や干し草など牛馬の餌を刻む道具
  はみくい=食欲
※はやいね・はやいねエ=おはよう(朝の挨拶)
※はやいやい=かけっこ(走る早さくらべ)
  はやす=のし餅を切る
※ばやす・ばーす=棟上げ(セングー)祝いで餅投げをする
  はやびる・はやめし=早めの昼食
※はよ・はよー・はい=早く(例・はよーきー、はいきー=早く来い)
  ばら=とげ、いばら
  ばらいた=多少の難がある板、半端な板
  はらがひっつく=空腹になる
※はらく=下痢[甲・海・和]
  ばらごっそ=人が入りにくい薮ごそ
※はらじろ=小型のブリ(魚名)[高知県東部]
  ばらずし・もぶり=ごもく寿司
※ばらぬき=魚の骨を抜くこと(かつおぶし製造作業のひとつ)
※ばらぶくと=体全体にトゲのあるフグ、はりせんぼん(魚名)
  はらぼ・はらんぼ=鰹や鮪の腹部の肉
※はらぼて=腹が太る、妊娠して腹がふくらむ状態
  ばりかつぐ=ひりかつぐ、大小便を粗相する
  はりこむ=奮発する、精出す[和にも]
  はりすえ=針仕事のとき中指にさして針を押しつけて使う、指貫きとも言う
  ばりつく=大声で言い争う、めかしこむ
※はりとばす・はりとばったーす=張りとばす、思いきり張り倒す
  はりのみぞ・はりのみみ=針の穴[和にも]
※はりばこ=針山の付いた裁縫用具入れの箱
  はりまーす・はりまったーす=張りたたく[和にも]
※はりまん=ウナギの幼魚、はりうなぎ(シラスウナギより成長したもの)
※はりやま=開墾した山畑
※はりやま=針山、針さし(針を刺しておく裁縫用具)
  はる=①開墾する、②耕す、③メジロやウグイスが連続して鳴き続ける
  ばる=小便する
※はれした=華やかに活躍した、晴れの舞台だった[佐]
※はれもん=腫れ物、おでき
  はん=中途半端、酒の量が少なくてハンになった
  ばん=炭窯の炭を取り出して消火する炭小屋の土間部分(炭焼き用語)
※ばん・ばんぎ=木馬道に敷く横木、すべりとも言う、バンギを止める木をアタリという
  ぱん・ぱんこ=子供の遊び、めんこ
  はんか=繁華、繁盛、順調
※ばんかた・ばんがた・ばんげ=夕方
  はんぎり・はぎり・はんぼ・はんぼー=すしおけ、寿司飯をまぜる平たい桶[和にも]
  はんけ=半年
※ばんごや=炭窯とバンを屋根で覆った小屋(寝食部屋も含めて炭小屋と言う)
※はんじょーはんじょー=陶磁器の類が割れたときに唱える言葉
※ばんた=捕り方役人の下回り、地域の治安を監視する番人[和にも]
  はんだい=ちゃぶだい、座って食事をする机卓・飯びつの意味でも使う
  はんど=水を溜める大きめの水がめ
  はんどかう・はんどかぶる=思い違い、見込みちがい、だまされること
  ばんど・ばんどー=アオブダイ(魚名)
※はんのき=灰ノ木、ハイノキ(植物名)
  ばんば・ばー・ばば=祖母、お婆さん、年配の女性
※ぱんぱん=売春婦
  はんみち=およそ半里(約2㎞)
  ばんもち=午後に定置網をあげること(逆・あさもち)、力くらべ、力だめし
※ばんもちいし=力石、神社などに常置してある力だめしの石
  はんやく=半人役、半日

            ひ
※ひー=ヒーは比、碑、非など、ヒイは日、陽など、ヒイは火、灯など
※ひーいっぱい=一日中
  ひーとい=一日、いつぞや
※ひーじー・ひーばー=曾祖父、曾祖母
  ひーふく=猫が怒って「フー」と唸る
  ひあい・ひやい=日限、日数
  ひあき=忌み明け
  ひあたりあめ・ひよりあめ=晴天なのに降る雨
※ひあわせ=出産後七日間は家の火のものは食べず8日目に家族と共に食事する事
            死者の家の火も忌む。別火の風習は昔は他にもいろいろあった
※ひうきだけ・ひゅーきだけ=火吹き竹
※ひうちはげ=カワハギ(魚名)[甲]
  ひえ=腫れ物(子供の尻や脚などにできやすい)
  ひえり=香り米、匂い米(米の種類)[山]
※ひがし=東の風、都の方向(東上する:西下する)
※ひかしもん=深海で海中に垂らして錨代わりにする重り、シーアンカー[宍]
  ひがしやま=蒸したサツマイモを天日干しにしたもの
  ひがち=必死、夢中
  ひがなひんどし=一日中(海ではヒガナイチンチとも言う)
※ひがはいる=葬式や出産の家の火で料理したものを家に持ち込む、またヤケドした者が              葬式や法事に出た時にも言う、不吉を避けるために火を分ける
  ひがまじる=同上(対策として火を分ける、火合わせをする)
  ひがらめ・ひんがらめ=斜視[和にも]
  ひがんぼーず=土筆、つくしんぼう
※ひがんぼし=痩せさらばえる[甲]
  ひき・ごとんびき=蛙[和にも]
※ひきえぶり=炭をかき寄せる道具(炭焼き用語)
  ひきさがす=とり散らかす
※ひきばい=うばいあい、希望者が多い
※ひきゃく=死亡しらせ役で必ず2人で行く[海](東洋町などは単にシラセと言う)
※ひけつ=便秘
※ひげむし=毛虫、蝶や蛾の幼虫
  ひこじる・ひこずる=引きずる[和にも]
※ひごのかみ=折りたたみ式ナイフ(子供の工作道具)
  ひさ=した
  ひざか=日盛り、暑いさなか
  ひさしかぶり=久しぶり
※びさっちょ=毘沙門天[甲]
  びし=魚釣りの重り(海ではビシンとも言う)
※ひしゃげる・ひっしゃげる=おいつぶす、おしつぶれる
※びしゃこ=ヒサカキ(植物名)墓に飾る花枝(甲浦~海部郡~和にも)
※ひすべ=イシダタミガイ(貝)[甲]
  ひせ=不稔稲、籾殻だけで中身が稔っていない稲
  ひせる・ひせくる=悲鳴をあげる、泣く、泣き叫ぶ
  ひぞこ=干潮、もっとも潮が引いた状態[県東部]
  ひた=①下、②舌
※~ひた=~をした、~をやった
  びた=アカアマダイ(魚名)[甲・県西部]
※ひたえ=額
※ひたえじろ=額の白くなった老タヌキで人を化かすという
  ひだける=朝の仕事が遅くなる
  ひだま=人玉、人魂
※ひだりかた=得手の悪い左の肩で担ぐこと、急坂で大名行列のお殿様の駕籠を担ぐとき              前後でなく左右で担ぐため野根の百姓は日頃から左肩の練習をしていた
※ひだりぎっちょ・ぎっちょ=左きき[和にも]
※ひだりまえ=①着物を左側を下に着せる(死に装束)、②事業や家運が傾く
  ひだりまき=①たかのはだい(魚名)、②馬鹿者
  ひだりイ・ひだるい=空腹でしんどい、力が出ない[和にも]
  ひち=七、質、[シをヒに発音、徳島県や大や和でも多用される]
  びちくる=魚が跳ねる様子
  ぴちぴち=若く元気な様子、魚が新鮮な状態
※びちゃびちゃ・びっちゃんこ=水に濡れた状態、びしゃびしゃ
※ひちょく・ひちょけ=しておく、しておけ
  ひっ~=強調の接頭語
  ひっかち=ミソサザイ(鳥の名)
  ひっくりかやす・ひっくりかやる=ひっくりかえす・ひっくりかえる
※びっくりしゃっくり・びっくりしゃくる=びっくりする、驚くの強調語
※ひつこい=しつこい[和にも]
  ひっしゃくる・ひっちゃくる=ひったくる、竿や紐などをしゃくる
  ひっしゃげむぎ=押し麦(麦飯の材料)
※ひっしゃける=裂けるの強調語
  びっしり=①いつも、②隙間のない様子[和にも]
  ひっしゃぐ・ひっしゃげる=ひしゃぐ、押しつぶす・ひしゃげる、押しつぶれる
  ひっちゃくる・ひっしゃくる=ひったくる、竿や紐などをしゃくる
  ひっつかまえる=ひっ捕らえる
  ひっつく=くっつく、接着する、合流する、男女が仲良くなる
※ひっつけずし=ネタを乗せた握り寿司、単にヒッツケとも言う
  ひつて=稲刈りのあとの株から再び生えた稲、ひこばえ
  ひっとこまえる・ひっとこまえる=ひっつかまえる、捕らえるの強調語
  ひっとつ・ひとーつ=一つ
  ひっぱる・ひっぱりあう=縁がつながっている
※~ひて=~して[和にも]
※ひてから=そうしてから[和にも]
  ひてた・ひてる・ふてた・ふてる=捨てた、捨てる
※~ひと=人名のあとに付ける言葉[佐]、野根では「~しー」と言う
  ひとーつ・ひっとつ=一つ
  ひといき=いっとき、少しの間
※ひとかま=一連の炭焼き作業または一回の作業でできた炭(炭焼き用語)
  ひとかめ=一重まぶた(二重瞼はフタカメ)
  ひとかやり・ひとかえり=一往復
※ひときれ=田畑の一筆
  ひとくち=小休止、短時間、一言、株や寄付金の一口
※ひとくらう=否定の意味の強調語[野]
※ひとっちゃー=一つも[佐]
※ひとつった=一つづつ[野]
  ひとっつも=一つも、少しも
※ひとく・ひとんく=よその家、他人宅
※ひとまーり=ひと回り、12年の差(同じ12支)
※ひとみ=しとみ、蔀戸
※ひとりびき=牛馬でなく人が引いて耕す鍬、農耕具[海]
  ひなたあめ・ひでりあめ=晴天なのに雨が降っている
※ひなたぐそ=表面だけ固まった糞、日焼けして黒い顔[和にも]
※ひなたみず=水を張ったタライを日当りに出して自然に暖めた水、岩場の暖い溜り水
  ひにちぐすり=日数がたてば自然に直ること
  ひねくる・ひねる=つねる、ねじる、試験問題などをひと捻りする
  ひねちょる・ひねる=練達している、新鮮さがなくなる[和にも]
※ひのし=炭火を入れて布のしわを伸ばす道具
  ひのじ=東南向きの土地、集落(逆・カゲジ)
※びびる=恐れる、こわがる、足がすくむ
  ひぼ=ひも(子音MがBに変わる例)
※ひぼいし=家の周囲の犬走りのふちの石[海]土佐ではカズライシ
  ひみず=やまかがし(蛇の種類)噛まれたら日を見ずに即死すると言う赤い小蛇
※ひみず=シーボルトミミズ、青色の大きなミミズ、カンタロミミズ
  ひみち=山火事のとき延焼を防ぐため前もって一定幅で草木を切り払った防火帯
  ひめいち=ヒメジ(魚名)赤く小さな魚
※ひめかい=女郎買い[和にも]
  ひめじ=ヒメジ(魚名)[佐](和名だが高知県はヒメイチが一般名)
  びや・びあ=ビワ(果樹)
  ひやい=冷たい、寒い(当地では冬でも冷たいとか寒いとか言わずヒヤイと言う)
※ひやいがちがう=ひじょうに寒いこと
  ひやく・ひよー=日雇い、日当
  ひゃくひろ=臓物、腸[県東部・和にも]
  びやびや=やわらかく弾力のある(形容詞)ぶよぶよ
  ひゅーきだけ=火吹き竹、息を吹きかけて火を盛んにするための道具[和にも]
  ひよー=日雇い、日雇い人夫
  ひょーげ=おどけ
※ひょーそー=腫れ物
  ひょーだい=へだい(魚名)
※ひよーてはなしがない=とても寒くて話もできない[甲]
※ひよーなる・ひよーなった=寒くなる・寒くなった
※ひょこ=将棋の駒の歩兵
  ひよこぐさ・ぴよぴよぐさ=はこべ(草の名)鶏の餌にもなる
※ひよこちおどり=甲浦八幡宮祭に奉納される青年と子供の太刀踊り[甲]
※ひょたひょた・ひょたくる・ひょこたれる=よろよろ・よろよろする・弱り込む
※ひょっくり=春蘭[甲](野根はヨコリ、当地ではホクリやジジババとは言わない)
※ひょっこり=突然、思いがけず
  ひよひよ=幼くて危なっかしいさま
  ひよりあめ・ひなたあめ=空は晴天なのに雨が降ること
※ひよりくろーた=天気が悪くなって予定の事ができなかった
※ひよりまち=海が凪ぐまで船積み作業を休むこと[野]
  ひょろける・ひょろつく=よろよろする、よろける[和にも]
  ひら・ひらち=山の中の平地、斜面
※ひらい=消火して冷ました炭を拾って荷造りする作業(炭焼き用語)
  ひらう=拾う
  ひらき=魚を背面または腹面から開く(土佐では腹面開きを嫌がる)、開いて作った干物
  ひらくたい・ひらくったい・ひらべったい=平らなこと[和にも]
  びらくる・べらくる=ぶら下がる、酒に酩酊する、混乱する、疲れ果てる
  ひらご=マイワシの幼魚(魚名)(チリメン→コビラ・コベラ→ヒラゴ)
※ひらべったい・うすべったい=薄くて広い
  ひりかつぐ=大小便を粗相する
  びりけつ・びりげっとー=最後尾、最下位(同・げっとー、しりげっとー)
※ぴりぴりする=神経質におそれる、おびえる
  ひりもつー・ひりもつくる・ひりもたくる=大小便を粗相する
※ひりょー=法事の精進料理のヒリョウズ、がんもどき
  ひる・びる=ヒル(吸い付いて血を吸う水中生物)
※ひろ=尋、両手を広げた長さ約1.5m、保佐の単位1尋は長さ2尺×幅と高さ5尺
  ひろしまへこめかいにいく=人が死ぬこと[足摺地方・もとは愛媛方言?]
  ひろしまへたばこかいにいく=同上[佐喜浜と足摺・もとは愛媛方言?]
  ひろしまへおちゃかいにいく=同上[佐喜浜・もとは愛媛方言?]
  ひろて=尋手、山林を買うときどれだけの材木量があるかという意味
  ひろはっちょー=広い田畑
※ひわだ=桧の樹皮を叩いてやわらかくしたもの(水漏れ場所に詰める)
  ひん~=強調の接頭語(例・ひんのむ、ひんまげる)
  ひんがらめ=やぶにらみ
※ぴんぐす・びんぐし=カゴカキダイ(魚名)[甲・室戸・幡多郡]
※ひんごむ・ひんごんだ=ひんのむ(飲み込む)・ひんのんだ(飲み込んだ)[甲]
  びんす=小さい子供
  ひんずつ・ひんずと=自然に、おのずから(ひんづつ・ひんづと)
※びんだま=①ビー玉、子供の遊ぶガラス玉、②網を浮かすガラス玉(漁具)
  びんだれかき・びんだれこき=だらしない人、不潔な人
  びんちょー・びんちょーたん=備長炭(ウバメガシを原料にして高温で焼いた炭)
※びんつく=血色がよくはちきれんばかりの肌[甲]
※ぴんつく=計量器が重さではねあがる、逆=ねぶたい
  ひんづつ・ひんづと=自然に、おのずから(ひんずつ・ひんずと)
  ひんどし=一日中(例・ひがなひんどし)
※ひんどれる=衰えきる[甲]
※ひんな=ひるな(例・小便ひんな)
  ひんのばす=たたきのめす(ヒンは強調の接頭語)
  ひんのむ=飲み込む
  びんび=魚(幼児語)
  ひんまがる・ひんまげる=曲がる・曲げる(ヒンは強調の接頭語)

            ふ
※ふ・ふー=麸
  ふー=外見、世間体、なりふり
  ふー=火、息を吹いて冷ます(幼児語)
  ぶー・ぶんぶ=水(幼児語)
※ふーきだけ・ひゅーきだけ=火吹き竹
  ふーたい=費用
※ふい=冬
※ふいよる=雨が降っている[~イヨルはおもに野根漁師と海部漁師が使う言葉]
  ぶえん=塩付けしない生まもの(海はビエンとも言う)
  ふか=①サメ(魚名)、②いくらでも酒を飲める酒豪
※ふかぐつ=長靴、水が入らない長い靴
  ふかんぶち=深い渕
※ふきおろし・ふきさげ=母家の壁などにつける片屋根
※ふきもん=布巾、拭く布
  ふく・ぶく=喪中、忌中[和にも]
  ふくしらが=若いうちから生えるごく一部の白髪
  ふくと=フグ(魚名)
  ふくら=①ふくらはぎ、②最中
※ふぐり=陰嚢、(睾丸はキンタマ、陰茎はマラ)
  ふくろうち=打ち身、紫色になる打ち傷
※ふくろましこ=膨らまし粉
※ふくろむ=膨らむ
※ふくわかし=鏡びらき、正月四日の行事で正月にお供えした物を雑炊にして食べる
※ふけ=古池[佐]
※ふこー=人が死ぬこと(例・あの家は不幸が続いた)
※ふご=畚、藁で編んだ運搬用の道具(イモや野菜などを運ぶ)
  ふごめ=ふんどし
  ふごめかき=成年者、昔は男は14歳からフンドシを着用した
  ふし=鰹節(鰹類や鯖の身をゆでて半乾燥または乾燥熟成して作る)
  ふしごっとー=節だらけの木材
  ぶすがへーともいわん・ぶすともいわん=何も言わない、応答してくれない
  ふすべる・ふすぼる=くすらせる、煙らせる・くする、煙る、すすける
※ふたーつ・ふったつ=二つ
  ふたいとこ・ふたいとこはん=従兄弟従姉妹の子供同士を二従兄弟、その子との間を
                              二従兄弟半という
  ふたかめ=二重まぶた(一重まぶたはヒトカメ)
  ふたり=無用になったこと、無駄に捨てる部分
  ふたる=落として無くなる、抜け落とす、捨ててなくなる、廃れる
  ふたった=落として無くなった、捨たった、無駄になった
  ぶち=鞭
  ぶち・ぶちめし=炊けくさしで芯のかたい飯(海ではカンチと言う)
  ぶち~・ぷち~=強調の意味の接頭語(例・ブチ壊す、プチこける)
※ぶちくらす・ぷちくらす=くらわすの強調語
※ぶちくらったーす・ぷちくらったーす=くらわすの強調語
  ふつかぼし=刈り取った稲を2日間天日で乾燥させる(このあと脱穀する)
  ふつくろ=ふところ
  ふつごー=失礼、無礼
  ぶったい・ぶったいまど=押しあげ開く窓、ツッパリ窓
  ぶっちょー=ぶっちょー造り、ウワミセシタミセのミセ造り、蔀帳
※ぶっちょった・ぷっちょった・ぶっちょちた・ぷっちょちた=落ちたの強調語
※ぶっちょちる・ぷっちょちる=ぶち落ちる(ブチ、プチは強調の接頭語)
※ぶっちょる=張り合っている、甲乙つけがたい
  ぶつともいわん=何も言わない
※ふて=捨てよ(命令)、無駄、無益
  ふてた・ふてる・ひてた・ひてる=捨てた、捨てる[和にも]
※ふてふて=捨て捨て、粗末にすること
※ぶと=ぶよ(人を刺す虫の名)
※ぶどーうつぼ=アミウツボ(魚名)
  ふとーなる・ふとなる・ふとる=大きくなる、生長する
  ふといこと=たくさん
  ふといにーさん・ふといねーさん=年長の兄・年長の姉
※ふどいも・にどいも=ジャガイモ[徳島県](東洋町では使われない)
※ふとらかす=子供を育てる
※ふなうた=進水式や神祭などで歌う祝い歌
※ふなおろし=船が完成しての進水式
※ふなくそ=漁師がわざと船底へ残して自家用に持ち帰る魚
※ふなくそ(北川村)・くそうだに(宍喰)=津波のとき舟が9艘打ち上がった伝説の地
※ふなゆーれん=舟幽霊、海坊主
※ぶに=運ぶ荷[和にも]一般的にブニは運を意味する
※ふねたてえ=舟を風の方向に向けよ(命令)[宍]
※ふま・おふま=神仏に供える米、墓参の時ささげ豆や茄子をサイの目に刻んで米に混ぜ                たお供えもの(線香とともに一人一つまみ供える)
※ふまあせ=炭俵(スミダス)を編む台
  ふみうす=からうす、杵の柄の部分を足で踏む臼
  ふみつぎ=からうす搗きの踏み台
※ふみちゃちゃくる=踏み乱す(~チャチャクルは~やりまくる)[和にも]
※ぶらくる・べらくる=酒に酩酊する、ぶら下がる、疲れてのびる
  ふらふ=大漁旗(漁船の飾り旗)、大漁旗サイズの祝い旗(男子の節句に揚げる)
  ぶり=鰤(魚名)(もじゃこ→わかな→つばす→いなだ→はまち→めじろ→ぶり)
        徳島では「わかな→つばす→いなだ→はまち→めじろ→もんだい→おーいお」
※ぶり=肉鶏のプリマスロック
※ふりかご=天秤棒で担って運ぶための籠(例・イモフリカゴ)
  ふりちん・ふりきん=素っ裸(例・ふりちんで泳ぐ)
  ふりくる=振る
  ぶる・ぼる=液体が漏れる(例・雨がぶる、天井からボッテきた)
  ふるせ=蔓をとった後の親芋、新子をとった後の親しょうが、老獪な人や獣など
  ふるつく=ふくろう(鳥名)幼児には「人さらい」の鳥として使う[和にも]
  ふろ=風炉、しちりん(炭火のコンロ)
  ふろ・ふろー=ささげ豆
  ふろや=銭湯
※ふわたくれる=膨れっ面する、腑抜ける[甲]
※ふわつく=ふわふわする、落ち着かない、決断できない[甲]
※ふんごむ=踏み込む、泥中へずびこむ
※ふんだて=舟板[佐]
  ぶんつく=早く走る
  ぶんどー=文豆、そらまめ
  ぶんぶ=水、入浴、行水(幼児語)
  ぶんぶがきれる=精根尽きはてる
※ぶんぶん=2本の糸にプロペラを通し反動を利用して回す玩具、ぶんぶん音がする
  ぶんや・ぱちんこ=二股枝にゴム紐をつけ小石を飛ばす玩具、強いものは鳥を捕る
※ふんりょる=雨がふっている[徳島県]高知県はフリヨル

            へ
※へー・へい=塀、囲い
※へエ=屁、おなら、(例・ヘエをこいた、ヘエをひった、ヘエとも思わん)
  べ・べー=単独に使って「いや」「だめ」など否定の意味
※~べ・~べー=接尾語・幼児語(あかんべー、いやべ、言うちゃろべー)
  べー・べら・べろ=舌
※へーこら=平身低頭、低姿勢
  へーぼ・へーぼーさん=水痘、水はしか
※へか・へかち・へかと=ほか、脇
※へかった・へかっち・へかっちょ・へかっと=ほかの所、脇
  べかこ=あっかんべー、下り眉の顔、ブス(軽蔑語)[和にも]
※へかこと・へかごと=関係ない別のこと、別の話
※へぎ=ごく薄い杉板(野根杉のヘギは良質で昔は包装紙代りにした)
  へぐ=剥がす、そぐ、剥がすように極く薄い板を作る(野根板)[和にも]
※へくる=やりそこなう(近年の若者の流行語)
  へこ~=悪い意味を強調する接頭語(例・へこたすい、へこしんどい)
  へご=粗悪、悪質(例・へごな事、へごな物、へごな奴)
  へこい・へこすい=ずるい
  へこたすこい=たすこい、元気がない、ふぬけている
  へこたるい=無気力、覇気がない
  べこのかー=なきべその顔、ブス(軽蔑語)
  へこむづかしー=気難しい、難癖をならべて容易に同意しない
※~へざった・~へだった・~へなんだ=~しなかった
※へしおる・べしおる=折るの強調(ヘチ、ヘシ、ブチ等は強調の接頭語)[和にも]
  へしょる・べっしょる=折るの強調
※へじる・へずる=削減する
※へそ=動物の臍、柑橘類の果実の付け根の盛り上がり
  へそてん=何も心配せず寝ている、誰はばからず寝ている
※べたあし=扁平足
  べたなぎ=海が大変おだやか、波もないほどの凪
  へたる=へたばる、疲れて動けなくなる[和にも]
※へたれ=屁をひる者(軽蔑語)
  へち・へか・へかち・へかっち=別の場所、別の事、脇(ヘチは土~新)
  へちこち・へちゃこちゃ=あべこべ、逆
※へちゃ=別の場所(例・ヘチャへいけ)本町ではヘチよりヘチャを使う
※へちわる=ぶち割る(ヘチ、ヘシ、ブチ等は強調の接頭語)
※へっこむ=へこむ、引っ込む[和にも]
  へっしょる・べっしょる=へし折る(ヘッはヘシの変形)
※~へった・~へなんだ=~しなかった
  べったり=たくさん、全面
※へっぽ=スマ(魚名)[甲]
※へつる・はつる=削る、小刻みにたたき削る
  へづる=うわまえをはねる、削減する
※へてから=それから
  べにゆび・べにいび=紅さし指(女性が口紅を塗る指=和にも)、薬指
  へのこ=男性器
  へのこっぱ=なんでもない、平気
  へのつっぱり・へーのつっぱり=少しの役、わずかな効き目
  べべ=着物(幼児語)
※へや=日当たり悪くて物置などに使う小部屋(使う部屋をマーと言う)[甲]
  べら・べろ=舌(魚名ベロはベラのこと、アカベロとアオベロがある)
※べらい・べらいてん=弁財天
※べらくる・ぶらくる=酒に酩酊する、ぶら下がる、疲れてのびる
  へらこい=ずる賢い、抜け目がない(香川や徳島の県民性を指すという言葉である)
  へれる=それる
  べら・べろ=舌(ベロは一般的、ベラは野根地区)
  ~へん・~せん=~しない[東洋町から徳島県や大阪]
※~へん=~あたり、~に関連して、(例・なにヘンが聞きたい)[和にも]
※べん=話し方(例・べんがえい、べんがたつ)
  へんがい=返品、契約解除[佐]山分はヘンガエ
※べんけい=キントキダイ(魚名)[甲]高知県では通称メバルと言う
  べんけい=べんけい蟹[東洋町]
※へんこつ・へんこつもん=偏屈者、すなおでない者
  へんしも=片時も、急ぎ早く(新)
  べんたち=口が達者な人
※へんちくりん=変なかたち、おかしな格好、偏屈者
※へんづつ・へんづと=かわるがわる、だんだんと
  へんど=正規発音は「へんろ」(四国八十八カ所遍路のこと)
        (子音R~LがDに変化・徳島県~高知県の海岸線の発音訛り)
        (注・ヘンドとヘンロを区別する説もあるが当地方の発音は両者同一である)
※へんどこじき=遍路のように流浪する乞食
※へんどこんじょー=ただ飯ただ酒など他人にたかる性根
※へんどざけ=他人の酒を飲ませてもらう、ただ酒、たかり酒
※遍路(へんど・へんろ)のおつとめ=門つけ・行乞・托鉢
        (四国遍路が玄関先でお経を唱え、同行二人弘法大師の功徳を施すことにより
          遍路道沿い住民はその功徳に感謝してご接待で応えるという遍路文化の原点)
※へんどぶくろ=さんや袋、遍路が胸にぶら下げる袋で死者にも葬式で持たせる
※へんぴ=辺鄙、都会から遠く離れた僻地
※へんび・へんびうつぼ=トラウツボ(魚名)[甲・室戸]
  べんべ=着物(幼児語)

            ほ
※ほー・ほーかい=そうですか[甲・海・阿]
※ほー・ほーけ・ほーで=そうですか[海・阿]
※ほーいた・ほいた・ほひた=そうした、無アクセントは「そのような」の意味
                        (同・そーいた、そいさ、そいた、そひさ、そひた)
※ほーいて・ほいて=そうして(同・そーいて、そいて、そいて、そひせ、そひて)
  ほーかぶり・ほっかぶり=頬被り(両方が得するのは頬被りぐらいのもの)
  ほーけ=箒
  ぼーぜ=イボダイ(魚名)通称バカとも言う
  ほーたれ・ほたれ=カタクチイワシ(魚名)頬が垂れるほど美味しい
  ほーたろ・ほたろ=蛍[甲・山]
※ほーだろ・ほーだろな=そうでしょう[徳島県]
  ほーたんぼ・ほたんぼ=頬、ほっぺた(海はホータブロ、ホタブロとも言う)
※ぼーに・ぼに=お盆[甲・海]
※ほーばい=朋輩、仲良し、友人、親戚
  ほーはっちょー=おたふくかぜ、大きな頬の化け物(頬八丁)
※ほーひた・ほひた・ほひさ=そうした、無アクセントは「そのような」の意味
                          (同・そーいた、そいさ、そいた、そひさ、そひた)
※ほーひて・ほひて・ほひせ=そうして
  ほーべた=ほっぺた
  ほーほーする=大事にする、可愛がる[土~海]
  ほーやく=いい加減、だらしない、粗雑、粗末に扱う
※ほーやけんど=そうだけれども
※ほーゆーたち・ほーゆーたっち=そう言っても[野~土]
※ほーよ=そうですよ[甲~徳島県]
  ほーれき=痴呆、もうろく
※ぽーんと・ぽんと=全部[野根でよく使われた言葉]
※ほオ=頬、穂
※ぼオず=①坊主、②男の子
※ほいさん=坊さん、僧侶[佐]
※ほいしょ=「はいよ」の意味の掛け声
※ほいた・ほひた=干した、乾燥した
※ほいたところ=そうしたところ
  ほいたら・ほたら=そしたら[和にも]
※ほいて・ほひて・ほいてから=そして、そうして[和にも]・そうしてから[和にも]
  ほいと=乞食
※ほいとこんじょー=乞食根性、やたら欲しがる
※ほいとざけ=ただ酒、おごって貰って酒を飲む
  ~ほか=~しか、~以外
※ぼが=ゆめかさご(魚名)別名アカバ(足摺方面ではホゴ、ホーゴーと言う)
※ほかごと・へかごと=べつのこと(例・ホカゴトかんがえず打ち込め)
  ほかす=捨てる
  ほがす=おだてる、喜ばせる、機嫌をとって物事をやらせる
  ぼくとー=木切れ、木刀、木刀の代わりになる棒切れ
  ほぐる=猪が鼻で薮を突き進む、猪が鼻で土を掘り起こす、モグラが土中を進む
          牛が角で突く
  ほけ=湯気、蒸気、(ひりだちの糞でホケがたっちょる)
※ほげた・ほげす=ふざけた・よくふざける人・調子者
※ぼけっと=ポケット
※ほげな・ほげに=そんな、そのような・そんなに、そのように
※ほげる=ふざける、調子に乗る
  ほこ=そこ[甲・宍・海・阿・山]
  ほこる=植物がよく茂った様子、豊かに育つ
  ぼさ=保佐、薪木(燃料商品としては長さ2尺、家庭用はもっと短い)
  ぼし~=強調の接頭語[高知県西部](例・ボシ切る、ボシこむ)
  ほしかー=生ま芋を輪切りにして干したもの
※ほしこーろ・ほしこーろー=イシガキダイ(魚名)[甲・室戸]
※ほして・ほしたところ=そうして・そうしたところ[宍・海]
※ほじゃきに・ほんじゃァきに=そうだから[野~土]
※ほじゃけん・ほんじゃけん=そうだから[甲~阿]
※ほじゃけんど・ほんじゃけんど=そうだけれども[甲~阿]
※ほじる・ほじくる=掘る、掘り探す
※ほせくさし・ほしくさし=乾燥の途中
  ほぜる・ほぜくる=掘る、掘り探す[和にも]
※ほそー・ほそゥ=細く
  ほた・ほたぎ=保佐より細い小枝、各人が山から拾ってきて燃料にする
  ほた=木や切り株の腐ったもの
  ほたえる・ほたこえる=騒々しくはしゃぐ、ふざけて騒ぐ[和にも]
  ぼたぐさり・ぼたぐされ・ぼたぬれ=ぼったり濡れた様子
  ほだくさん=あり余るほど、たくさんの強調語
  ほたくる・ほったくる・ほらくる=放りすてる、放置する
※ほだけん・ほだけんど=そうだから[甲~阿]・そうだけれども[甲~阿]
  ぼたぬれ=ずぶ濡れ
※ほたら・ほなら=それでは、それなら[和にも]
※ほたるかご=麦ワラで編んだ虫かご、ホタルを入れるための虫かご
  ほたれ・ほーたれ=カタクチイワシ(魚名)頬が垂れるほど美味しい
  ほだれる=疲れる、芯から疲れる
※ほたんぼ・ほーたんぼ=頬
※ぼちぼち・ぽちぽち=損得なし、大差なし
※ぼちぼち・ぽちぽち=ぼつぼつ(少しづつ、頃合い)[和にも]
※ほちゃ・ほっちゃ=そちら[和にも]
  ぼっかり・ぽっくり=突然、思いがけず(例・町でぼっかり会うた)
※ほっくりせん=はっきりしない、期待できない、病気が良くなってこない[和にも]
  ぼっこ・ぼっこー・すぼっこー=おおげさ、荒っぽい
※ほっこら=ご飯などがふっくらと炊けた様子
※ぼっこすけ=おおげさな事、おおげさな事をする人
※ぼっさん・ぼんさん=お坊さん、僧侶
※ほったーす・ほってたーす=放り捨てる、ほったらかす
  ぼったり・ぽったり=全部、全域(例・ここらーぼったりワシの所有地)
※ほっちょく・ほっちょけ=放っておく、放っておけ[高知県]徳島県はチョをトと発音
  ぼっちり・ぽっちり=①ちょうど、ぴったり、②少し、わずか
※ほっつく=ぶらぶらする、うろうろ歩きまわる
※ほってたーす・ほってたやす=放り捨てる、ほったらかす
※ぼつぼつ=少しづつ、そろそろ
※ぼつぼつおきよ=そろそろ終りませんか(先に仕事を終えた人の挨拶言葉)[野]
※ぼつぼつひしらえてこいよ=同上(同上)[甲]
  ほっぽる=放り投げる
  ほて=梵天、木綿糸の先端をバラして束ね房状にしたもの、腰にぶら下げて夏場の虫を
        追っ払ったり、さまざまな飾り結びにも幣束として使用される
  ほて~=蔑視の接頭語(例・ホテ汚い、ホテめんどい、ホテややこしい)
          「ほて~」の言葉は多いので個々は略す
※ぼてがいる=太る(同・はらぼて=腹が太る)[甲]
  ほとばかす=水分を含ませる、水や湯に浸らせる
  ほとびる=水分を含む、水や湯に浸る
※ほな・ほないな・ほないに・ほなら=そんな・そんなに・それなら[徳島県]
※ほなけん=そうだから[徳島県]
※ほなって=だって、そんなに言っても[徳島県]
※ほなら・ほたら=それでは、それなら
  ほに・ほにや=本当に、ほんまに[和にも]
※ぼに・ぼーに=お盆[甲・海]
※ほねやすけ=骨休め、休憩
※ほの=その[徳島県]
※ほのかい=そのかわり[徳島県]
※ほのかいなー・ほのかいに=そういうけどなあ、そういう手も[宍]
  ほのき・ほのく=熱気、ほとぼり・暑くなる、熱くなる
※ほひた・ほいた=干した、乾燥した
※ほひて・ほいて=そして、そうして
  ほぼ=捕亡、警察官
  ぼぼ=女陰
※ほま・ほまに=本当、ほんまに
※ほや・ほーや=そうだ
※ほやけんど・ほやけんど=そうだけれど[甲~海~阿~大~和]
※ほやさかい=そうだから[海~阿~大~和]
  ほやす・ほやしかける・ほやしたてる=はやしたてる[甲]
※ほやって=そうやって、そうでしょう(肯定)
※ほやろ?=そうでしょう?(疑問)
※ほら=そら、会話の間にはさむ言葉(例・隣のホラ猫がホラうちへ遊びに来ちょら)
※ほらー・ほりゃー=それは
※ほらくる=放置する、放ってしまう[和にも]
  ほり=コクゾウムシ(米に発生する害虫)
※ほりこったーす=ほうり込む、放りこんでしまう[甲]
※ほりさがす=散らかす、片付けない様子、捨て捨てにする[和にも]
※ほりすてる・ほりふてる=放り捨てる
※ほりほり・ほーりほーり=粗末に扱う、粗雑に扱う、捨て捨てにする
  ほりゃー・ほらー=それは
※ほりゃほりゃ・ほんほん=牛を進める号令(馬はハイハイの号令)
※ほりゃみー=それ見ろ
  ほる=放る、掘る、置く、投げ捨てる、取り合わない[和にも]
  ぼる・ぶる=液体が漏れる(例・雨がぶる、天井からボッテきた)
※ほれ=それ(例・ほればー=それくらい、ほれから、ほれが大事よ)[和にも]
※ほれ=それ(例・ほれみー=それ見よ、行こうかホレ)[和にも]
※~ほれ=~だ・ホラ(念押しの接尾語)
  ぼろくそ=めちゃくちゃ(例・ボロクソに怒られた、ボロクソに儲けた)
  ほろせ=じんましん、発疹
※ぼろった=ぼろぼろ、おんぼろ(徳島はロにアクセント、高知はタにアクセント)
  ほろびんそー=マツバボタン(花の名)
  ぼろぼろ=雨が少しづつ降り始めた様子、小雨
※ほわいら=虚脱状態[甲]
  ほん・ほに・ほんに=本当に、ほんの
※ほんけん=畳のサイズ:190×95㎝、京間とも言う
          (江戸間:176×88㎝、柱も含め180×90㎝、田舎間とも言う)
          (あいの間:182×91㎝、京間と江戸間の中間)
  ほんこ=本勝負(逆・うそこ)子供の勝負ごと遊びのルール
  ほんじゃー・ほんぢゃー=そうだ
※ほんじゃきに・ほんじゃァきに=そうだから[野~土]
※ほんじゃけん=そうだから[甲~阿]
※ほんだけ=それだけ
  ほんて・ほんかた=本職、玄人
  ほんで・ほんでも=それで・それでも
  ぽんと・ぽーんと=全部[徳島県~高知県の漁師言葉、野根でもよく使う]
※ほんな=そんな、そのような[和にも]
  ほんなら=それなら、それでは[和にも]
※ぼんばか=お盆に河原や浜に作る模擬墓(初盆に108個の小石を敷き、翌年は216            個の小石を敷く、それ以後は小石を敷かない。地区により形式がちがう)
  ほんほん=牛に対する止まれの号令(馬はドードーの号令)
  ぼんぼん=お坊ちゃん
  ぽんぽ・ぽんぽん=腹、おなか[幼児語]
  ほんま=本当、真実[関西弁]
  ほんまー・ほんまに=本当ですか(会話の途中に入れる言葉)
  ほんまもん=本物、真正品
※ほんまんだー・ほんまんなー・ほんまんだーけー=ほんまにまあ[野]
※ほんやけんど・ほやけんど=そうだけれど[主として徳島や大阪]
※ほんやて・ほんやてて=そうはいっても[主として徳島や大阪]

    ま
 まー~・まア~=まずは~(呼びかけ言葉あるいは接頭語)
 ~まー・~まア=合の手または呼びかけ(例・着いたらマーよろしく言うちょいて)
※まー=間(時間~空間)
※まー=使う部屋をマーと言い、使わず物置にする部屋をヘヤと言う[甲]
 まア=「驚いた」「まず」「およそ」などの意味の接頭語
※まーされる=だまされる
 まーす=だます、はぐらかす
※まーた・まアた=真綿
※まーまー=間々(例・マーマーにやっちょいてくれ)
※まーまー・まアまア=まずまず、やっとの事
※まーす=①回す、②動作の強調語(例・はりマース、連れマース)
※まーり=回り、周囲、近辺、順番(例・誰まーり知らん、次は君のまーり)
 ~まーる・~まァる・~まワる=回る、接尾語(例・走りまーる)
※~まーんな・~まァんな=回るな、接尾語(例・走りまーんな)
※まい=前(例・白浜の前町=まいまち、マイイイケ=前へ進め)
 まい・まいげ・まいのけ=眉、眉毛
 まいあがる・まいやがる=びっくりする、あがってしまう、増長する
 まいかけ・まいだれ=前掛け、エプロン
 まいくる=巻き付く、巻き込む、走りまわる、
 まいこむ=迷い込む、滅入りこむ、閉口する、釣り糸を引き込む(釣り用語)
※まいこったーす=魚が食いついたとき釣糸を引き込む(釣り用語)[甲]
 まいこんだ=まいりいった、縮まりこんだ
 まいだれ・まいかけ=前かけ、エプロン
※まいにげる・まいぬげる=大急ぎで逃げる、ひたすら逃げる
※まいの・まがい=女っぽい男
 まいのけ=眉毛(海ではマイノキとも言う)
※まいば=廻い場、屋内葬式のあと屋外に出て葬儀を行う場所、ソーレンバ[野]
 まいまい=みずすまし(昆虫名)、デンデン虫、巻き貝
 まいまい=頭髪の中心部のつむじ巻き
※まいまい・まいまいこんこん=神仏、神仏にお参りする(幼児語)[和にも]
 まいらど=舞良戸、薄板で造った障子襖の代用品(土間と座敷の間に用いる)
 まえ=筋、道理、目前の課題(例・前をたてる、前がたたん)
 まえかど・まえかそ=前々から(例・前かどから知っちょった)
※まえに=前荷、荷車の前半に荷重がかかる(逆=あとに)
※まがい=男のような女、女のような男、(まがいもの=にせもの)
※まかえる・まける=あふれる、余ってこぼれる
※まがりのたー=曲がりの田、処分しても半端な金額の田畑[山]
※まき=クロサギ(魚名)[甲]
 まきそで=袖口の締まった半纏(女性の仕事着)
※まきだし=巻き出し波、海岸線の潮流の対流で引き潮の部分(海水浴で沖に流される)
 まぎる=じゃまになる(海ではマガルとも言う)
※まくら~=納棺前の死者の枕元に配置するもの(例・枕包丁、枕茶碗、枕飯、枕団子)
※まくらいし=本葬前に仮に墓石の代用とする石
※まくらがえし=納棺までの間に死者の頭を北向きに寝かせ枕元に祀り物を配置すること
 まくらめし=死者の枕元に供える箸をつき立てた一膳飯
 まくる=運ぶ、片付ける、追いかける、めくる、露出させる
※まくる・どまくる=叱る(ドは強調の接頭語)[甲]
 ~まくる=動作に関する強調語(例・やりまくる、怒りまくる)
 まくれる=露出する、めくれる、ころがるように落ちる
※まけまけ・まける=満杯・あふれる、あふれ出す
※まけばくちのしこりうち=負け博打のしこり打ち、負けてもなお続ける博打
 まける=負ける、値下げする、ハゼなどにかぶれる
 まける=①満杯であふれる、②値引きサービス、③かぶれる(アレルギー症状)
※まげる=じゃまになる[甲]
 まこと・まっこと=本当[新](当地ではホンマと言い、マッコトは使わない)
 まざく=間引く
 まざる=混じる、混入する[和にも]
 ましゃくにあわん=間に合わない(ましゃくの同義語・まちょく、まちょこ)
※ます=醸造酢(当地はユズなど柑橘類の果実酢が主体)
※まずき=本当に好き、本気、大好き
 まぜ=南~西南の風
※まぜくちゃ・まぜごちゃ=混ぜてしまう、ごちゃ混ぜ
※またきィよ=また来なさいよ(別れる際の挨拶言葉)
※まぜくり・まぜくりずし=五目寿司[海]
 まぜくる・まぜかやす=混乱させる、話を途中で妨害してしまう[和にも]
※まぜこぜ=混ぜてしまう[和にも]
 またい・まったい=弱い[和にも]
※またいて=身分の低い人、卑しい人、弱い人(逆・えらいて)
 またぎ=股になった樹木(股木は切られんと言い山で切り残された大木がある)
 またぐさり=手足の指の付け根がただれる病気
※またくそ=よわむし、弱い人、小心者(幼児語にも)
 またくら・またぐら=股間
※またぐらこーやく=あちらについたりこちらについたりする[和にも]
 またぐわ=先が分かれた鍬(2~5つに分かれ、ミツグワ、ヨツグワなどと言う)
※まちなか=街の中(同・ひとなか、逆・いなか)
 まちじょろー=婚礼の時に婿方から嫁方あるいは嫁方から婿方へ随従役の少女
 まちっと=もう少し[新]
※まちまァり=カドアケとも言い花嫁が初めて近所回りの挨拶をすること
 まちょくにあわん・まちょこにあわん・ましゃくにあわん=間に合わない
※まっかうり=マクワウリ(野菜の名)[和にも]
※まっこー=昔話の最後の言葉「昔まっこーさるまっこー、昔まっこーたきまっこー」
 まっこと・まこと=本当[新](当地ではホンマと言い、マッコトは使わない)
 まっさかし=まっさかさま
※まっさら・さらぴん=新品、未使用[和にも]
※まっしこまっしこ=決断しかねて迷う様子(同・いっしこまっしこ)
※まったい・またい=弱い
※まつだい・まつだいもん=子々孫々、末永く伝えるべきもの、永く使えるもの
※まったけ=マツタケ(茸)[和にも]
※まっちょった=待っていた、まちよった、(徳島県はマットッタ)
※まっちょっちゃるきに=待っていてやるから
※まっておーせ・まっとーせ=待っておくれ
 まっと=もっと(新・和にも)
※まつのみどり=松の木のヤドリギ(実を搗いてトリモチにする)単にミドリとも言う
 まっぽーくらがる=不意の出来事に我を忘れる、何が何だかわからなくなる
 まてしばし=少しの猶予
 まどう=弁償する、補償する[和にも]
 まないたあらい=宴会の翌日に後片付けの者達が残り物(ザン)で飲食すること
 まなか=半間(3尺、90㎝)
 まなご=小さい石、砂
※まなごぜ=野根の最奥真砂瀬(マナゴゼ)は野根川が緩やかにマナゴの瀬になる所
※まなし・まーなし=たえまなし、暇がない状態
※まなり=タチバナ(野生柑橘の原種名)、果実汁を酢にもした[佐]
※まにもちょーちんにもあわん=間に合わない[甲]
※まねがえる=ひっくりかえる[甲]他地区はマネガヤル
 まねし・まねしー=真似をしたがる人、(流行を敏感に取り入れる人?)
 まばいい=まばゆい
※まぶる=守る(例・お守りをオマブリ)[海・幡多郡にも]
※まぶれる・もぶれる=~まみれになる(埃にマブレル・甲)
 まま・まんま=おまんま、ご飯、食事
※ままこ=継子(義理の母子)、親身に扱われないこと
 まむすび・まんむすび=こま結び
 まめ=健康、息災、忠実に働く
※まめさん=豆(サンのつく穀物野菜は豆だけ、例・お豆さん食べるかね)[野・甲]
※まめだ=豆狸(例・雨のしょぼしょぼ降る晩にマメダが徳利もって酒買いに)
※まめだい=豆代、売春の料金
※まめのかわ=イスズミの幼魚(魚名)[甲]
 まも・まもかー=お化け(幼児語)
※まる=山の別称(サン・タケ・ミネ・ネ・レイ・モリ・マル・ギュー・タイラ)
 まるくた・まるった=全部、まるごと
 まるこい・まーるこい=丸い[和にも]
 まるた・まるった・まるくた=すべて、全体
※まわされる・まーされる=だまされる
※まわし・おおまわし=神輿を固定するロープ・サラシの上にかける化粧まわし[野]
※まわりいっけ=遠い親戚、親戚の親戚程度の縁[海]
 まん=運、巡り合わせ(例・まんがえい、まんがわりィ)[和にも]
※まんで=まるで[甲・海・阿]
※まんどろ=夜間に電灯や月光などで明るい[甲]海では満月もマンドロと言う
 まんなおし=不漁のときの縁起なおしの酒宴
※まんぼ=マンボウ(魚名)
 まんまるこい=まん丸い(マンは強調語)[和にも]
※まんまるはだか=素っ裸(マンは強調語)

     み
 みー=見る、身、肉、汁物の具
 みイ=見よ、見なさい
※みーや・みや=みなさい
 みいとこ=三従兄弟、三従姉妹(ふたいとこの子供同士)
※みうちふなこ=特定の船主や船頭の配下になっている船子(船員)[野]
※みえぞめがせん=顔を見かけない、会わない[甲]
※みがいる・みがはいる=熱中する、力が入る、筋肉がこわばる
 みきる=見限る、断念する
※みこしまわし・みこしわたし=神輿の巡幸またはその役目の者達
※みさいてくれ・みらいてくれ=見させてください
 みさんせ・みなんせ=見なさい
※みじこウ=短く
※みして=見せて[阿]
 みしる・みしくる=むしる、壊す、ひきむしりおしつぶして壊す
※みしくったーす=みしくるの強調語
 みしろ=むしろ(東洋町ではムをミと発音する例が多い)[和にも]
※みずおけ=台所で水を汲み溜める桶(台所用品)
 みずてっぽう=弾丸の代わりに水を飛ばす玩具の鉄砲。竹細工、ブリキ細工。また、両        手のひらで水を飛ばす遊び。
※みずまくら=氷枕(熱が出たときに水や氷を入れて使う枕)
※みずめがね=目または目鼻を覆う水中メガネ、スイガンとも言う
※みずや=台所に置く食器棚
 みぜに=自己の金、自己負担金、自腹
 みぞい=短い[土]
※みそかす・みそくそ=ぼろかす・ぼろくそ(同・こそかす、くそみそ)
※みぞーのむ・みっどのむ=水を飲む
 みぞご=側溝、小さい排水路
※みぞだい=山中から田畑への用水路
 みだく・みだける=壊す・壊れる
※~みたよーな=~みたいな、~のような
 みちぶち・どーろぶち=道路沿い
※みちょっちゃる=見ておいてやる
※みちょれ・みちょってみィ=見ていろ
※みっかのしあげ・みっかなぬかのしあげ=初七日の法事、葬式のあとに行う事が多い
※みつくち=兎唇
※みつぐわ・みつご=三つ又に分かれた鍬(田の荒耕や砂礫の畑などで主に使用)
 みっちゃ=あばた[和にも]
※みっちゃはっちゃ=みーちゃんはーちゃん(ミーハー)
※みつぼし=盆踊りの一種で「三つ拍子」
※みてくれ=外見[和にも]
※みてくれ・みちくれ=①弁償してくれ、②世話してくれ
※みてた=果てた(死んだ)、使い果たす、充満する[山・土]
 みてる=果てる(死ぬ)、使い果たす、充満する[山・土]
 みと・みなくち=水口、水田の水の取り入れ口
 みともない=見っともない
※みどり=ヤドリギ(実を搗いてトリモチにする)マツノミドリは松の木のヤドリギ
※みなみ=南の方角、南または南西の風
※みならいぼーこー=見習い奉公、若い娘が行儀見習い目的で奉公に出ること
※みなんせ・みさんせ=見なさい
 みば=見栄え、外見
 みまい=喪家へのお悔やみ、お見舞い
※みみ=箱のカドの部分、カドの板の組み方(特にクギを使わない方法を組み子という)
 みみ・みみそ=針の穴
※みみな=海草名(学名アンドクメ、当地方でミミナ)
    (注・学名ミミナは当地方でアンロクと言う)
※みみなし=ボーズハゼ(川魚の名)
※みやい=見合い
※みやいり・みやだし=神輿が宮に戻る・神輿が宮を出る
※みやめぐり=神祭の始まりに本殿を右回りに三回巡る行事
※みやわす・みやわす=見合わす
※みゆー=見ている
※みよオな=みょうな、変な[野]普通の「ミョーナ」とは違う
※みよし・みおし=船の前側先端部分(舳、水押、船首)
※みよってみイ・みよれ=見ていろ
※みよってみイだア・みよってんだー=見ておれよ(ダーやダアは強調の接尾語)
※みらいてくれ・みさいてくれ=見させてください
※みる=弁償する、補償する、看護する、養育する
※みんけ・みんけー=みませんか[徳島県]
※みんせ=見なさい
 みんなー=皆、全部、全員

     む
※むー=六つ、六[和にも]
※むいか・むゆか=六日
※むいた・むひた=蒸した(例・イモをムイタ)
 むいむい=虫(幼児語)
※むかい・むかえ=向かい側(道向かい、川向かい)[和にも]
※むかい・むかえ・むかいなかむら=野根の地名「向中村」ムカイやムカエは略称
 むかいり・むかえり・むかわり=一周忌の法事
※むかしまっこ・むかしまっこー=昔話の結語
※むぎわらするめ=初夏の頃の小さい仔スルメ
 むくり=努力家、勉強家
 むくる=熱中する、懸命に行う
 むこーうら・むこーつら・むこっつら=向こう側
 むさい・むさくるしー=汚い、不潔
※むさぶりつく・もさぶりつく=すがりつく、むしゃぶりつく
 むさんこ=夢中、わき目もふらず、懸命[甲・和にも]海はムザンとも言う
※むしいし=家の周囲に敷く細長い石、かずら石
 むしくる・みしくる=むしり取る、むしり砕く
 むすこ=男根
 むせる・むせあつい=蒸せる、蒸せかえる・蒸し暑い
 むつこい・むつくい=油っこい、味がしつこすぎる
 むね=峰、山の別称
 むねいた=胃が痛むこと、胃ケイレン
※むねくそ=気分
※むゆか・むいか=六日
 むらくた=まだら、不揃い
 むりむくたい・むりむさん・むりむたん・むりむっちゃ=無理やり
※むろ=むろあじ(魚名)(例・セイメイはムロの親)

     め
※め・めー=重さ、量、(例・よーけメに、濃いメに)
 めー・めい=アラメ(海草名・食用や肥料にする昆布)、姪
※めエ=目、芽
※めエ=目(幼児語)
 めエかア・めめかー=幼児を怒る言葉(幼児語)
 めーがかたい=なかなか寝付かない
※めーかんでしね=目を噛んで死ね(冗談で「死ね」ということ)[甲]
※めーする・めをする=博打でねらい目がはずれる
※めーつぶる=目をつむる
※めーとるがあがる=盛り上がる、酒の酔いがまわる
 めーやく=迷惑[甲]
※めーをかう=台風の目が通過する
 めあか・あかめ=芽の赤い里芋(白い芽の里芋はシロメ)
※めおな=みょうな、変な
 めがかたい=なかなか眠らない
 めがつぶれる=眠たい限界になる、眠くて眼が閉じていく
 めかご=目の荒い竹籠または羊歯籠(洗った食器を入れる)
※めかんじ=眇(すがめ)、めっかち
 めぐ・めだく=壊す[徳島県・山]高知県はミダクと言う
※めげた・めげる=壊れた、壊れる[徳島県]
※めくさり・めくされ=目が健全でない人
 めくそおとし=宴会の翌朝に残り物で飲食する(同・まな板洗い、ザンをやる)
※めくそはなくそをわらう=目クソが鼻クソを笑う、自分と同じような欠点を笑う
 めくち・めエくち=めくばせ
 めくちする=片目を閉じて合図、指示、またはあざける態度を示すこと
 めぐら=周囲、近辺
 めげる・めげた=破損する、壊れる、破損した、壊れた
※めけんとう=見た目で見当をつける、目測
 めご=目の荒い籠、食器をいれる籠
 めこたま・めこんたま・めんたま=目の玉、眼球(海ではメックリタマとも言う)
 めじか=ソーダカツオ、マルソーダ(魚名)
 めじっくい=屋根瓦の要所要所を漆喰で補強すること
※めしふご=飯を保温するための藁で編んだふご[海]
 めじろ=ブリの小さいもの(モジャコ→ワカナ→ツバス→イナダ→ハマチ→メジロ→ブリ)
 めすり・めっすり=夢中、熱中
※めせき=一面に隙間もない状態(例・雑草がめせきに生えちょる)
 めだち=植物の新仔や新芽、タケノコやイタドリやタラなどは芽立ちを食用にする
※めちょちょ=眇(すがめ)、めっかち
※めっき・めっち=カイワリ(魚名)[高知県東部]
 めっそーな=①とんでもない、②たいへんな[和にも]
 めっそーもない・めっそもない=とんでもない(御礼言葉への返答)[和にも]
※めった=まいった、こまった[新]
※めったなこと=余計なこと
※めぬき・めぬけ=アコウダイ(魚名)[佐]
 めのしょーがつ・めェのしょーがつ=目の正月、買わずに見るだけで楽しむ
※めばち=めばちまぐろ(魚名)
 めばちこ・めぼ・めぼー・めいぼ=目にできる腫れ物、ものもらい
※めまんと=盤木、船を海へ降ろす通路の板敷き(船底にコロを敷き転ばす)[野]
※めめかー・めエかア・めんめー=幼児を叱る言葉(幼児語)
※めめず=ミミズ
 めめる=にらみつける
 める・めりこむ=こまる、滅入る、こまりはてる
 めん・めんた・めんつ=メス、(逆・オン、オンタ、オンツ)[和にも]
 めんたま=目の玉、眼球(海ではメックリタマとも言う)
※めんちょー=スジに沿ってハレモノができる病気
 めんどい・めんどしい=①面倒くさい、②恥ずかしい、③見苦しい[和にも]
 めんどり=うみひごい(魚名)ヒメジの通称でもあるがヒメジはヒメイチと言う
※めんぶし=魚を4枚におろしたときの腹の部分(背の部分はオンブシ)
 めんまつ=赤松(オンマツは黒松)
 めんめ=目(幼児語)[和にも]
 めんめー・めめかー=子供を叱る言葉(幼児語)
 めんめ・めんめん=面々、各自、おのおのがた、私共
 めんめに=人それぞれに、自分勝手に[和にも]
 めんめらー=お前達、我々

     も
※もー=水藻、海藻
 もー・もーもー=牛(幼児語)[和にも]
 もーか=木綿の織物
※もーけいる・もーけいっちょる=儲けている最中
※もーけすえる=たくさん儲ける[土]
※もーけはえる=たくさん儲ける[甲]
※もーじ=鰻捕りの竹筒[海]
※もーす=箸拳のとき「さあかかって来い」という後攻側の掛け声
※もーする=四つん這いになって子供を載せる(幼児遊び)[和にも]
※~もーた=~してしまった(例・やってモータ)
 もーた=もらった(隣からモータ)
※もーて=もらって
※もーで=ボウゼ・イボダイ(魚名)[佐]
 もーまー=もうすぐ、もう間もなく
 もーもー=牛(幼児語)
※もいっぺん・もっぺん=もう一遍、もう一度
 もえあがり=癇癪持ち、激情家
 もえくさし=燃えきってしないもの、燃えさし
 もがり・もがる=文句の多い人、反抗的な人・さからう、反抗する
 もぎたくる=果実などをもぎ取る(~タクルは強調の接尾語)
 もくい=髪の毛を髪飾りや櫛に巻き付けた結い方
 もくいつく・もくれつく=巻き付く
※もくさく=木酢、炭焼き窯の煙に混じる水蒸気を冷却液化させたもの
 もくせん=モクセイ(木の名)
※もさぶりつく・むさぶりつく=すがりつく
 もしゃくる・もじゃくる=握り丸める、もみくちゃにする
 もじゃこ=ブリの子(モジャコ→ワカナ→ツバス→イナダ→ハマチ→メジロ→ブリ)
     (モジャコは養殖ハマチの稚魚、成魚はオーイオと言う)
 もしゃぶりつく=果実がたくさんつく、もぶれつく
※~もたくれ・~もつくれ・~もつれ・~もぶれ=~だらけ(汚いもの等に使う言葉)
※~もたくれる・~もつくれる=~もぶれになる
※もち=小鳥を捕るトリモチ(モチノキ、ヤドリギ、ツチトリモチ等で作る)
※もちあけぶ・もちわけび・もっちゃけぶ=ムベ(つる性の野生果樹)
 もちおもり=持ち歩くうちにだんだん重くなる
 もちくれる・もちゃくれる=じゃれあう、つきまっとて離れない様子
※~もつう・~もつれる=手にあまる、収拾つかない
 もっけな=ふしぎな、おかしな、けげんな[和にも]
 もっそ・もっそー=桝、一斗枡、もっそー弁当
※もっそー=孟宗竹(植物名)[甲]
※もっそーべんとー=肉体労働のための大きな弁当(曲げ物細工の楕円形である)
※もっちゃけぶ・もちわけぶ=餅アケビ、ムベ(つる性の野生果樹)
※もっちょる=持っている(徳島県はモットル)
※もっちょっちゃる=持っておいてやる(徳島県はモットイタル)
 ~もって=~しながら(例・言いモッテ、走りモッテ)
※もっぺん・もいっぺん=もう一遍、もう一度
 ~もつれ・~もぶれ=~だらけ(汚いもの等に使う言葉)
 もてん=これ以上は無理、続けられない
 もときり=ヨトウムシ(害虫・夜盗蛾の幼虫)
※もどく=結んだものをほどく[和にも]
※もとづな・ともづな=艫(船の後尾)と港(陸地)を結ぶ綱
 もとどり=樹木の根元から切り倒す[甲・山]
※もとのもっこー=元の木阿弥、元にもどる[佐]
 もの=できもの、腫れ物
 もの=挨拶ことば(例・玄関先でものを言う、道で合うてものもいわん)
 ものき=物置[甲・宍・海]
※ものずえ=皿鉢料理を置いて座敷に出す1脚1人前の膳
 もぶり・もぶりめし=ごもく飯
 もぶり・もぶりずし=ごもく寿司
 ~もぶれ=~もつれ、~だらけ(汚いもの等に使う言葉)
 もぶれ・もぶれる=群がる、~まみれになる(例・柿の実がもぶれなっちょる)
 もぶれつく・もぶれなる=果実が群がりつく、群がって実がつく
 もま=ももんが、むささび(夜行性の小動物)
 もみだし=ぬか袋(石鹸のなかった時代のもの)
 もみぬか=もみがら
 もも=桃、山桃、果実全般にも使う[和にも]
※ももかー=お化け(幼児語)
 ももかい=腹の筋がさしこむ病気(婦人病)
 ももくる・ももじる=口の中でもぐもぐしゃべる
※もらいぶろ・もらいゆ=他家の風呂を使わせてもらうこと
 もりばんてん=子守用の半纏
 もりわけ=漁獲物を目分量で山分けすること
※もろた・もろーた・もーた=貰った
 もろぶた=浅くて長方形の木箱、何段にも重ねて使う[和にも]
※もりこ=子守り役の人、子守り奉公[和にも]
 もん・もん=者、物、(例・よそモン、はくらいモン)
※もん=紋
 もんさ=もぐさ、お灸
 もんた・もんてきた=戻った、戻ってきた
 もんて・もんてくる=戻って、戻ってくる
 もんもん=まだら模様、お灸(幼児語)

     や
 や・やー・やァ=矢、林業用のくさび、8つ
 ~や=~よ(例・置いちょってヤ)[土~新]
※~や~=~やら~、~とか~(例・なにヤかヤ)
※~やい=~競争、~くらべ、(例・早いヤイ、走りヤイ)
※~やいか・~やか・=~ではないか(疑問でなく断定)[高知県]
※~やか・~やかい・~やかし=~なんか、~などは[甲・徳島県]
※~やか・~やいか・~やかよ=~ではないか(疑問でなく断定)[甲・徳島県]
※~やが・~やがよ=~ではないが(疑問でなく断定)[高知県・徳島県]
※~やかい・~やかし=~だから・~なんかは[甲・徳島県]
※~やがえ?・~やがえー?=~だろう?
※~やかね=~ではありませんか(強調語)(例・そこにあるヤカネ)
※~やがね=~ですがね
※~やがねエ=~ですがね(野や佐や山はアクセントなし、他地域はエにアクセント)
※~やから・~やからに=~なんか、~などの
※~やかれ・~やわれ=~やかワレ、~だぞお前、強調の接尾語[甲・宍・海]
※~やきに・~やきん・~やけに・~やけん=~だから
※~やけ・~やんけ=~だろう、~だから(推定~断定)[徳島県]
※~やこい=~なんかは[甲]
※~やこし=~なんかは[宍]
※~やさかい=~だから[徳島県~大阪]
※~やて・~やって=~だって
※~やのって=~なので[徳島県]
※~やよって=~なので[徳島県~大阪]
※~やろげ=~でしょう[徳島県]
※~やわ・~やわい・~やわよ=~ですよ[甲・徳島県]
 やいと=お灸、やけど[和にも]
※やいよる・やいゆー=やりよる、やっている[野]
※やいよんな?=やっているのか?[野]
 やお=やろう、あげよう[土]
 やおい・やりこい・やわい=やわらかい[土・和にも]
※やかましー=騒々しい、世間の目が厳しい
 やきあと・やけやた・やっきゃた・やっきゃと=やけど
 やきやきする・やけやけする=腫れて熱をもち痛くなる
※やきぎり=魚を三枚おろしにして表面だけ半焼きにしたもの(調味料をたたきこみなが      ら作ればタタキとなる)磯魚などは皮の方だけを焼き切りにする
 やぎとー=神官を家に招いてお祓いしてもらうこと
 やく=①手間賃、日当、②手間、やっかい、苦労
 やくざな=いい加減な、無理無茶な
 やけあと・やっきゃた・やっきゃと=火傷、火傷の傷痕
 やけのかんぱち=やけくそ、やけのやんぱち
※やけもん=やけを言う人[甲]
※~やこい・~やこし=~だから、~なんかは[甲・宍]ゾイカイ弁の代表例
 やじ=屋敷地、屋敷
 やしめる・やしべる=いじめる、ばかにする、卑しめる
 やしゃご・やしゃまご=ひ孫の子、しゃしゃらまご
 やすかる・やすかる=助かる、助力によって楽になる
 やすける=やすめる、休ませる
 やすみよ・やすめよ=お休みよ、仕事を終れよ(別れの際の挨拶言葉)
 やせこつ=やせっぽち、ひどく痩せた人
 やぜん=昨夜[和にも]
※やだいこだい=あれやこれや[野]他地区にヤザイカザイがある
        芸西村西分堀切西側に「ヤンダイカンダイ様」という墓がありイボ取り        の神様とも言う。
※やだけ=矢の材料となる竹、節目が目立たず細く直っすぐで昔の城跡や屋敷跡に多い。
     野根の流鏑馬の矢に使う、メダケ
※やたけた=あれこれ、雑多な、無茶苦茶
 ~やち・~やっち=~であっても
※やちがない・やちもない=無茶で筋が通らない[新]
 やつ=午後(八つどき)のおやつ又は休憩、仕事途中の休憩
 やつおれ=板裏草履(戦前のふだん履き草履)
 やっくと=やっと、ようやく(海では「あいにく」の意味もある)
 やっきゃた・やっきゃと=やけど[岬陽]
 やつす=化粧する[岬陽・山]
※やっすい=安い、容易な、(強調する場合に使う)
※~やった・~じゃった・~ぢゃった=~だった
※やったもん=たいしたもの
※~やっちゃ=①~ですよ(例・出発は明日やっちゃ)、②~やつだ(悪いヤッチャ)
※やっちゃる=①してやる、②やっつけてやる(徳島県はヤッタル)
※やっちゃーる=してある、すでに済ましていること(徳島県はヤッタアル)
 やっちょる=よくやった(ほめ言葉)
※やっちょる・やっとる=やっている[高知県はヤッチョル、徳島県はヤットル]
※やってん・やってんさー・やってんだー=やってみなさい
※やっとー=剣道(幼児語)
※やっとー・やっとーさー=さしあげた[野]
※やっとー・やっとーさー=~だった[野]
※やっとーせ・やっておーせ=して下さい[野]
 やっぱー・やっぱし=やっぱり[和にも]
 やつめし=午後の間食
※~やて=~といっても、~だそうだ
 やで=上腕、上腕付近(例・ヤデが痛い)
※やでえび・やどえび=テナガエビ(川エビの名)
 やと=あいつ(例・いやなヤト=いやなやつ、ヤトラア=奴ら)
※やどーし・ねずみとり=アオダイショウ(家屋にも棲む大型の蛇の種類)
※やどえび・やでえび=テナガエビ(川エビの名)
※やとこ=家の敷地、宅地
 やどんびき=ガマガエル
※やなぎのむし=ネコヤナギなどの木の中に棲むカミキリムシノ幼虫、カンキの薬にする
 やね=やに(例・煙草のヤネが詰まる)
※~やね=~ですね(野や佐や山はアクセントなく言い切り、他地域はエをつけて延ばし、     「ネ」にアクセントあり)
※~やねエ=~ですね(上記以外は高知県も徳島県もネにアクセントあり)
 ~やの・~やのー=~だな・~だねえ
※~やのって・~やよって=~なのだから、~によって[徳島県]
※~やて=~ですって[大阪弁の影響か]
 やぶこぎ=山道でなく薮ごそ(薮の中)をかけ分けて進むこと
 やぶごそ=薮
※やぶちっち=スズメ(鳥の名)
※やぶちっちのきもばア=雀の肝ほど、小心者で肝が小さいこと[甲]
※やへいのぎおんまいり=祭りにいけば仕事は休みで買い物して上下の損失になる。
            野根の名大工港谷弥平が宍喰祇園祭行きを断った故事による。
※やま=①山、②左義長(ドンド焼き)で焼くもの、多くのスス竹などを縦に重ね正月飾    りや神仏に関するものをその中に押し込んだもの[甲・海]
 やま・やんま=凧糸、麻糸または太い目の綿糸(太めの糸)
※やまあて=海上から目印の岩や山を見通して位置を知る
※やまいき・やまにー=山仕事、山仕事の人
※やまいぬ=オオカミ、オオカミと犬の交雑した野生犬
 やまこ=詐欺師
 やまし=山仕事の人、樵人、山林業者、たくみな商売人
 やましー=病気がち、病弱
 やまぜ=西南風
 やまちち=山の妖怪、一足一眼の妖怪、人心を読む妖怪
 やまて=立ち木の状態で材木を買う値段(期限内の伐採が条件)
※やまとび・やまとべら=山にいる大きなミミズ[甲]
※やまいき=山仕事、山仕事に行くこと
※やまにー=海や街の事をあまり知らない山奥の世間知らず(海はヤマジンとも言う)
     (例・れきゃーしょーのやまにーやのーし=彼は本当に世間知らずだな)
※やまじん=山仕事の人(海の事をあまり知らない人)[海]
 やまのかみ=女房、恐妻
※やまばァある=山ほどたくさんある
 やまみ=山から海の魚群や鯨を見張る、海上から目印の岩や山を見通して位置を知る
     ヤマヲタテルとも言う
 やまめ=男やもめ、人を針で刺す泥田の虫
※やまもものよりぐい=ヤマモモを良い実から順番に食べること[野]
 やまめじゅく=婚礼を避ける暦の上の日
※やまやき=早春に萱山を焼き萱の生育を促進する(昔は地域共有の萱山があった)
※やまやき=左義長のヤマを焼く行事[甲]、ドンド焼きともいう
 やまり・やまる・やまった=終わり・終わる・終わった、絶える、絶えた
※やめちょく=やめておく(徳島県はヤメトク)
※やめったーす=やめてしまう(強調語)
 やや・ややこ=赤ん坊[高知・徳島・大・和・幼児語も]
 やら=理由、急所、原因(例・やらがわからん)
※やらいでか=やらずにおくものか[甲~徳島県](~デカ=~せずにおくものか)
※やらがわからん=わけがわからない
 やらこい=やわらかい
 ~やらこい=~など[ゾイカイ弁・幡多郡にも]
※やりかなつき=長い柄のついた金突き(槍投げの要領で魚を突いて捕る漁具)[野]
※やりぐい・いれぐい=次から次へ立て続けに釣れること
 やりこい=やわらかい
 やりこくる・やりそくる=やりそこなう
※やりこったーす=やってしまう(強調語)[甲]
※やりこむ=事業に失敗する、運転を誤まる[甲]
 やりしこる=熱中する
 やりすえられる=やっつけられてしまう[土]
 やりすえる=やっつけてしまう[土]
 やりそくる・やりこくる=やりそこなう
※やりたくる=やってしまう(強調語)
 やりて・やりや=うでたち、有能な事業家活動家
※やりまくる=懸命にやる(~マクルは強調の接尾語)
※やりよる=やりよる、やっている[土]
※やりよん?・やんよん?=やっているのか?[甲~徳島県]
※やりよんな?=やっているのか?[土]
※やれさせそれさせ=神輿を担ぐ時のはやし言葉[甲](野根はチョーサジャと言う)
 やれん=がまんできない、やってられない
※~やろ・~やろー・~じゃろ・~ぢゃろ=~だろう
※やろく=弥六、伝説上の義賊または盗人(高知県~徳島県東部に伝わる)
※やろくがよーな=弥六のような性悪人[野]
※~やろげ・~やんけ=~でしょう[徳島県]
※~やわ・~やわい・~やわよ=~だよ[甲~徳島県]
 やわい=やわらかい、なまぬるい[新・土]
※~やわれー=~だワレ(ワレはお前という接尾語、例・いやヤワレー)[海]
※~やんか・~やんけ=~ではないか(「か」は高知県、「け」は徳島県)
 やんがて=やがて
 やんだ=やたらに
※やんなおし・やんなおす=やり直し、やり直す
※やんばい=あんばい
※やんぴ=やめた(子供の流行語)
 やんま=ヤンマは昆虫のヤンマトンボ、ヤンマは太い糸
 やんめ=目ヤニの出る炎症、結膜炎
※やンよる・やンりょる=やっている(ンは阿波弁の大きな特徴とされる)

     ゆ
※ゆ=イをユと発音(当地方や大阪和歌山にもある)
※ゆー=言う、結う
※ゆウ=優、柚子、堰
※ゆウ=湯
※ゆーけんど=言うけれど
※ゆーたごし=言ったきり
※ゆーたち・ゆーたっち=言っても、言ったところで[土~新]
※ゆーたて・ゆーたって・ゆーたてて=言っても、言ったところで
※ゆーちゃる=言ってやる、言い上げてやる(徳島県ではユータル)
※ゆーねやが=言うのだが[宍]
 ゆーひく=湯ざめする、入浴して傷口が化膿する
※ゆーべ・ゆんべ・よんべ=昨夜
 ゆーれん=幽霊(海ではユーレンバナは彼岸花のこと)
 ゆい=手がえし、共同作業またはその共同組織
※ゆいたくる=言いまくる
※ゆいほーだい=言いたい放題
 ゆいよる=言っている
 ゆお・いお=魚
※ゆかん=死者を湯できれいにして葬式にそなえること(葬式用語)
 ゆき=蜜をかけたかき氷
 ゆきひら=病人のお粥を炊く土鍋[和にも]
 ゆくさ=いくさ、戦争
※ゆぐす=田の神[野](同・いぐし[阿]いげ[土])
※ゆくび・いくび=いくみ:生見(地名、イをユ、ミをビと発音する当地方の例)
※ゆこー=酢ミカン、柚子とは別種のもの
 ゆさくる・ゆすくる=揺さぶる
 ゆだん=ゆっくりすること
 ゆのす=ユズの酢
 ゆみ・ゆみがかり=忌み、忌みがかり、喪中のため祝事や神事を慎む
 ゆる=水門、用水が溜まった所
※ゆるぎ=いるぎ(入木=地名、イをユと発音)
 ゆるぐ=大騒ぎする
 ゆるり・ゆろり=いろり(「イ」を「ユ」と発音する例)[和にも]
 ゆわ・ゆわごっとー=岩、大岩
※ゆわい=祝い
 ゆわたり・いわたり=新築祝い、落成式
※ゆわれん=言われん、言ってはいけない
※ゆわん=言わない(例・ユータユワンで喧嘩になった)
 ゆんべ=昨夜

     よ
 よ・よー=暮らし向き、家計、家計を預かる主婦の座
 よー・よオ=4つ、四[和にも]
※~よ=~を(例・そこな箒ヨ取ってくれ)[野]
※~よ=~ですよ、~ますよ(接尾語)[和にも]
 よー~=できない事の接頭語(例・ヨー行かん、ヨーせん)[和にも]
※よー~=よく(例・ヨーあること、ヨーやった、ヨーしたもんよ)[和にも]
※よオ?=なんだ?(聞き返す時の言葉)
 よーけ・よけ=たくさん[和にも]
※よーさん=仰山、たくさん[甲・和にも]
 よーすする=格好つける
 よーすで=~のくせに
※よーた・よーちょる=酔った、酔っている
 よーだい=文句、不満
 よーたんぼ・よいたんぼ・よたんぼ=酔いどれ人、酩酊した人
 よーなかった=人が死ぬこと(〇〇さんがヨーナカッタってねー)
 よーべ・よんべ=昨夜
※よーもゆーた=よくも言った
※よーやっと=やっとのこと
 よーよのかい・よいよのかい=やっとのこと
※よいしょ・はいしょ=いいよ・はいよ(応諾語)[新]
※よいそ=夜の干潮時に磯で貝類を捕ること(貝類は夜行性が多い)
※よいたくれ=飲んだくれ、深酒飲みの酔っ払い
※よいよ・よいよのかい=やっと・やっとのこと
 よいよい=外へ出ること(幼児語)
※よいよのかい・よいよのかいろ・よーやっと=やっとのこと
※よがなかった・よーがなかった=主婦の座をつとめた期間が短かった
 よがなよっぴと・よがなよどーし=一晩中
※よかりそーな=よさそうな
※よくい=欲な、欲張りな
※よくたれ・よくちん=欲張り
 よくとしー・よくどしー=欲ったらしい
※よくのかー=欲の皮、欲張りの本心(例・ヨクノカーがつっぱる)
 よけ=①たくさん、②退け[和にも]
 よこ=ヨコワ(魚名)、マグロの幼魚
※よこくべ=原木を横向けに揃えて焼く方法(白炭や備長炭の製法)[炭焼き用語]
 よこし・よこちょ=横側
 よこった・よこっちょ=横、横のほう[和にも]
 よこったし=横側[岬陽]
※よこびき=横びきノコギリ(逆・タテビキは木目に沿ってひくノコギリ)
 よこぼ・よこぼー=①天秤棒の荷物を左右に担ぐ、②ボサを木馬道までかつぎ出す道
          ③水平な山道
 よごみ=よもぎ(植物名)ヨモギ餅やもぐさの材料
※よこり=春蘭(植物名)
※よごれくさる=ひどく汚れる
 よざき・よだき=夜間に篝火を焚いての漁法
※よさもと=夜分、夜更け[甲]
※よせる・よせて=仲間に加える、仲間に加えて下さい
※よそいき=あらたまった服装や身なり(逆=ふだんぎ)[和にも]
※よそもん=よそ者
※よそう=ご飯などを茶碗に入れる[和にも]
 よだき・よざき=夜間に篝火を焚いての漁法
 よだれくり=常にヨダレを垂らしている人
 よたんぼ・よいたんぼ・よーたんぼ=酔いどれ人、酩酊した人[和にも]
※よつ・よつびし=中型のキハダマグロ(魚名)[甲・室戸]
※よつぐわ・よつご=4ツ股に分かれた鍬(荒耕や砂礫畑に使用)
 よっころ・えっころ=よっぽど
 よっしゃ=いいよ(応諾語)
※よったり=四人
 よつつじ=よつかど
※~よって=~だから[徳島県](例・そやヨッテ、今行くヨッテ)
 よっぴて・よっぴと=夜通し、夜を徹して[和にも]
※よつべ・よつべはう=暗くなるまで働く[海]
※よづめる=片付ける、整理してスペースを作る
※よとぎ=①お通夜、②重症患者を徹夜で見守る(②は当地ではあまり使わない)
※よなおしよなおし=地震のときに唱える呪文[和にも]
※よなかさなか=夜中、真夜中(海ではヨナカソナカとも言う)
 よに・よーに=仕事帰りに持ち帰る荷物、帰途の収穫物
※よになる=主婦の座につく(例・ヨがなかった=主婦権を持つ年月が少なかった)
※~よの=~だ、~だよ[甲・宍](例・そうヨノ、今日は休みヨノ)
 よのみ=エノキ(樹木名)
 よばい=夜這い
※よばれ=宴会(高知県や徳島県では「おきゃく」が主体、東洋町ではヨバレという)
     ヨバレと言う地区は室戸岬以東の海岸線に多い、石川県にも用例がある
※よばれによばれたきによばれにいきゆう=宴会に招かれたので宴会に行っている
※よばれし=ヨバレと同じ宴会の意味[宍]
 よばれ=寝小便(例・ヨバレたれ)[和にも]
 よばれたれ=寝小便する子供(幼児語)[和にも]
 よばれる=①ごちそうになる、②招かれる
 よぼう=液体がたれ落ちる[甲]
 よぼくれる・よぼける=耄碌する、よぼよぼになる
 よます=穀物を水に浸して柔らかくする
 よみや=宵宮、祭りの前日または前日の行事
 よめかたぎ=略奪結婚の風習
 よめくばり=婚礼のあと花嫁が粗品を配って近所まわりをすること
 よめし=夕飯
 よめぜっく=8月1日の女節句、弁当持ちで海浜に遊ぶ甲浦や宍喰の風習[山も]
※よめのさら=磯の岩場にいる一枚貝の種類
※よよ=草履(幼児語)[佐]
※~よら・~よらい=しているよ[ヨライは甲ゾイカイ弁]
 より・よりやい=寄り合い、集会
 よりくち=最寄りの所(例・ヨリクチの家で尋ねなさい)
 ~よる=~て・いる(例・いま行きヨル、話しヨル最中よ)
※~よれ=~て・おれ(例・先に行きヨレ、そこで待ちヨレ)
 よろこび=祝い事
 よわくそ・よわみそ=弱いやつ(幼児語)
※よわたり=渡世
※よわっとった・よわっとる=難儀していた、難渋している[徳島県]
 よわる=①困る、②魚や肉が古くなる(食べられなくなる)
※~よん・~よんの=~している・~しているの[徳島県](例・呼びヨンでー)
 よんべ=昨夜[和にも]
 よんみょる=読んでいる[岬陽・徳島県]

     ら
※ら=だ(注・東洋町から海部灘沿岸はザ行ダ行ラ行の発音混用が多い)
 ~ら=~は(例・今度ラ成功するじゃろ)
 ~ら・らァ=①側(例・西ら、西つら、西うら)、②等、③達[和にも]
 ~ら・~らね・~らい・~らいね=肯定の接尾語[和にも]
 ~ら?=~なら?(疑問の接尾語)
※らくにせエ=座り方を楽にせよ、ひざを崩せ
※~らけんど=~だけれど(東洋町から海部灘沿岸はダ行をラ行に発音する事が多い)
※~らこい=~なんかは[ゾイカイ弁]
 らす=だす、カヤで編んだ炭俵
 ~らす=~させる
 らちこちあかん=らちがあかん、物事が進まない
 ~らった・~ざった=~しなかった
 ~られん=~してはいけない、~するな
 らん=寒蘭(本町は全国有数の寒蘭自生地で多くの家が寒蘭を鉢栽培していた)
 らんぽ=ランプ[岬陽・幡多郡]

     り
※りー=里(距離)、利益
 りぐり=りぐる人、格好つけたがる人、念入りな人
 りぐる=念を入れる、かっこうをつける、もったいをつける
 りこい=利口な、賢い
 りこーもん・りこもん=利口者
※~りゃ?・~りゃア?=~るのか?(例・あリャア、すリャ、なリャ、なリャア)
 りゅーきゅー=はすいも(野菜の種類)
※りょーほーえいのはほっかぶり(ほーかぶり)=両方良いのは頬被り
※りょーほーえいのはほっかぶり、うちだのおてらでりょーとくし
     =両方良いのは頬被り、内田のお寺で了徳寺(「両得し」の語呂合わせ)
      両方または両者とも良いの頬被りぐらいのもの、両得は内田の了徳寺
※りんき=やきもち、嫉妬
 りんぎ=木材や俵などを積む際の台敷きにする横木
※りんつく=腹が膨れる(健康な状態で張りがある)[甲]



     る
るい=一族、親族
るいぞく=親族

     れ
※れー=礼
※れき・でき=彼[野~海]
 れきれき=お歴々
※~れなんだ=~られなかった、~できなかった
※~れよ=~して下さいよ
 ~れる=可能だという意味の接尾語
 ~れん=~できない、~してはいけない(不可能~禁止)
 れんぎ=すりこぎ(スリバチに使う)[和にも]
※れんご=マアジ(魚名)[佐]
※れんだい=蓮台、葬式のとき棺桶を乗せて運ぶ台(現代なら霊柩車)
※れんちゃん=連続、連日(本来は麻雀用語だが、連日の酒宴や仕事にも用いる)
※れんぱ・れんわ=電波・電話(DがRに替わる海岸線に多い訛音の一例)

     ろ
※ろ=ぞ、ど(注・東洋町から海部灘沿岸はザ行ダ行ラ行の発音混用が多い)
 ~ろ・~ろー=~だろう、~でしょう
※ろー=炉、船を漕ぐ櫓
※ろー=労、ロウソク、牢屋
 ろーそく=めじかの仔魚(魚名)
※ろぐい=船の櫓の穴に差し込む杭(ロマクラは櫓の穴の周りの丸い輪)
※ろくいち=61歳、還暦、還暦の祝い
 ろくすっぽー・ろくたま=ろくに、十分でない、しょっちゅうの逆語[和にも]
 ろくたま・ろくった=ろくに、まともに
 ろくつな=ろくな、まともな
※ろくどー=六道、初七日から四十九日まで七日ごとの卒塔婆[葬式用語]
※ろくに=ちゃんとして、きちんと・充分に[甲・宍・海]
※ろくもんせん=寛永通宝六枚、サンヤブクロに入れてアノ世への経費とする
※ろくろ=轆轤、浜に置いて地引き網を巻き寄せるもので数人がかりで操る
※ろっかく=テングサの一種(海草名)
※ろっぷ=ロープ
 ろりろり=うろうろ、まごまご

     わ
 わ・わー=我が、私
 ~わ=~さ、~よ
※わーく・わんく=我の家
 わア=私、輪っか
 わーら・われらー=お前達、彼ら
※わい=私[和にも]
 ~わい・~わよ=接尾語、~です、~ます・~ですよ、~ますよ
 わいてくる・わく=心が高揚する、怒りがこみあげる
※~わえ・~わえー=接尾語、~したよ、~だったよ
※わえ・わえな・わえくた・わえくちゃ=駄目・目茶苦茶[甲]
※わかいし=若い衆、青年(例・祭りの若衆宿=わかいしやど)
※わかいしぐみ=若連中、青年団
 わかな=ブリの子(もじゃこ→わかな→つばす→はまち→めじろ→ぶり)
※わかなか=若中、若い衆が構成する祭組織で神輿巡幸などを担当する
※わかば・わかば=ユズリハ、ヒメユズリハ(植物名、正月飾りに使う)
 わがはしる=桶のたがが切れる
 わかもち=正月14日に搗く餅
※わがよ・わがよー=主婦の座に着く期間(あの人はわがよーがなかった)
※わがら・わがらー=われら、私たち[和にも]
 わかれ=分家
※わかれのちゃわん=葬式の出棺のとき玄関先で割る茶碗
※わき=①よそ、②そば
※わきかえる・わく=群れている
 わく・わいてくる=心が高揚する、怒りがこみあげる
 わげ=髷、結った髪
 わけち=わけ、理由[新](例・わけちがわからん)
※わけび・わけぶ=アケビ(果実の名)「もちわけび」は「ムベ」のこと
※わけぶそ=アケビ(果実の名)[佐]
※わける=①分配する、②購入する、(例・それをワケテくれ)
 わげる=曲げる、輪にする
 わさ=①鳥獣を獲るワナ、②輪っか
 わざ=いたずら、支障
 わざとごと=わかりきったこと、わざとらしい事
※わざやく=わざわざ
※わし=鷲(鳥の名)、和紙
※わし=私(ワシは高知県、ワシは徳島県)
 「私」の方言:高知県東部女性=アシ・アタシ・アテ・アテイ
 「私」の方言:高知県東部男性=アシ・アテ・オラ・ワイ・ワシ
 「私」の方言:徳島県南部女性=アシ・アタシ・アテ・アテイ・オタ・オタイ・ワテ
 「私」の方言:徳島県南部男性=アシ・オラ・オレ・ワイ・ワシ・ワテ
 わたい=私[和にも]
※わたいれ=どてら、どんざ
 わたくしあめ=他所は晴天なのに一部地域だけ雨が降る、私雨、村雨
       (私雨の例・室戸市佐喜浜、中村市九樹、土佐町樫山)
※わたりがに=ガザミ(蟹の名)
※わっしぇた・わっせた=忘れた[甲・海・阿]
 わや・わやくそ・わやくちゃ・わやくた=めちゃくちゃ、からかう[和にも]
 わやな・わやくな=駄目な、目茶苦茶な(海はワヤクナとも言う)
 わやくる=からかう、愚弄する
※~わよ=~だったよ、~だよ、[甲・海・阿]
 ~わら=集落(例・漁師ワラ)
 わらいいる・わらいいっちゅー=笑う(強調)
※わらいじょーぎ=笑い上戸
 わらう=編んだよりがもどる、縫い目がふどける
 わらくる・わらくったーす=壊す、壊してしまう
 わらくれる=壊れる
 わらぐろ・ぐろ=稲藁の束を塔状に積んだもの、頂上に水除けのスドを乗せる
※わらべ=ワラビ(山菜)[甲]
※わり=直径の大きい原木を四つ割りにして炭にしたもの[炭焼き用語]
 わりー=悪い
 わりかた・わりかし=割合に
 わりことし=悪童、いたずらっ子(幼児語も)
 わりゃー・わりゃーこらえ=お前は(相手を指しての接頭語)
 われ・われー=お前
※われがしゃれが=暴言の言い合い[野・甲・宍・海]
 われがよーな=お前のような(喧嘩言葉)
 われゆー=大騒ぎしている
※わん・わーん=私の(例・わんく、わんらァ、わーんこ)
 わんく・わーんく=私の家
※わんつく・わんついた=騒然となる、騒然となった
 わんらー=お前ら
※わンりャい=割合(「ン」や「ャ」は阿波弁の特徴である)[徳島県]
※わんわん=犬(幼児語)

     ん
 ん=が、の(例・私ンく、雨ン中)
※~ん=~ない、否定~禁止の接尾語(例・せられン、あられン)
※んー=うん(返事、肯定語)
※んー~=ウンと同じく強調の接頭語[海](ンーなぐる、ンーまがる)
 んーん・んンん=いいえ(返事、否定語)
 んーんー=うんこ、大便(幼児語)
※んーにゃ・んーにゃー=いいや(返事、否定語)
※~んか=~のか
※~んが・~んで=~のが・~ので
※~んかて=~しなくても[海・阿・大・和]
※~んけ?=~ですか?
※んごろもち=もぐら
 ~んす=~ます
 ~んせ=~なさい[例・行かンセ、くなンセ、見てみンセ]
※~んどる・~んにょる・~んりょる=~て・いる[徳島県](高知県では~ンジョル)
※~んな=~るな、禁止の接尾語(例・すンナ、さわンナ)
※~んにょる・~んりょる・~んどる=~て・いる[徳島県]
※んね・んねこ=姉さん(海ではンネサンとも言う)
 んま=馬(例・きんま、どんま)
 んまあい=ウマの合った相棒
※んまい=うまい、上手、美味しい
 んまえる=熱い湯に水をさしてぬるめる
※んまれる=生まれる
※んまみち=木馬の通る道(キンマミチ)
※んまんま・んま=食事(幼児語)
※んみ=海
 んめ=梅(果実名)
※んめる=うまえる、熱い湯に水を加えて温度を下げる、うすめる
 んめる=埋める
 んもる・んもれる=埋もれる
※~んりょる・~んにょる・~んどる=~て・いる[徳島県]