方言⇒標準語 順引き辞典:さ行



※~さ・さー=促す意味の接尾語[野漁・海](例・はよ来いサ、行かんかサー)
※さー・さア=命令の接尾語(例・やってんさー)[野漁や海は、サー・ダー・ケーを多様]
  さー・さア=①竿、②さあ、さて(疑問の接頭語)
  さーち・さアち=皿鉢(料理を盛り付ける大きな皿)
  さーちりょーり=皿鉢料理(さまざまな食材を大きな皿鉢に盛り付ける)
                野根では組皿鉢と言って一定の決まり通りに盛り付け、モノズエに乗せ                一人一皿あて祝いの席に出す。こけらずし主体で刺身も同皿に入る
※ざーる・ずわる・ざーれ・ずわれ=座る・座れ[野]
※さい=おかず、副食
※ざい・ざいしょ=田舎の地域やムラ[和にも]
  ざい=はたき(掃除道具)
※ざい=采配の采、ザイ踊りの采(盆灯籠の紙飾りで作る)
※ざいおどり=ざいを持って踊る盆踊り[野商・野農]
  さいがけ=更新、追加、病気がぶりかえすこと
  さいけ・さのぼり=田植え始め・田植え終わり[海ほか]
※ざいた=床板
※さいて=させて、やらせて(例・あてにもさいてくれ)
  さいと=さいとう、菜刀、菜切り包丁
※さいら・さいれ=①サンマ(魚名)海はサイロとも言う、②サヨリ(魚名)
※さえづり=鯨の舌肉
  さえん・さえんじり=菜園、畑(半農半漁は漁業のかたわら家の裏に畑を作った)
  さおぐ=さわぐ、動悸がする(例・心臓がサオグ)
  さおとつい=一昨日の前日、さきおととい
  さおとどし=一昨々年、さきおとどし
※ざおざおする=一面覆うばかり(例・ざおざおするばー生えちょる)
※~さかい=~だから[甲・阿・和・大]
※さかえ=境、境界
※さかえじゅう=サカイジューとも言う、多くは3ツ組入れ子の重箱、祝事などに贈呈品                を入れていく。和歌山では「サカイジュー=5重ほどの入れ子」とある
              (例・小のジューに餡餅、中に赤飯、大にコケラ)
  さかし・さかつべ=さかさま、逆立ち
  ~さがす=接尾語(例・ちらかしさがす、こつみさがす)
  さかとんぼ=倒立、宙返り(子供の遊び)
  さかもげ=爪の元の皮膚が逆さに剥ける、ささくれる
※さき=①場所(例・居るサキがない)、②先端、③先刻
  さきいき=行く末、将来[和にも]
※さきっちょ・さきっと・さきっぽ=先端
※さぎっちょ=左義長、どんど焼き、正月明けの行事で正月飾りや神札などを集めて焼く
※さきっと・さきっぽ・さきっちょ=先端
  さきやま=狩猟のとき獣を追い出す役目、山仕事、山仕事の頭領
  さきやり・さきて=指導者、先導者、親方
  さくい=折れやすい(逆・ネバイ)
※さくらのり・つのまた=和名カバノリ、磯の海草、食用、先端が桜花のように切れ込む
※さげかご=魚などを入れる浅い竹カゴ
※さげじゅー=携帯できる組重箱、野外食用の手提げ重箱(ユサンバコとも言う)
※さげぜん=招待客が来なかったとき家へ届ける膳や皿鉢(昔の祝宴は一人一皿鉢)
※さけのみ=酒好き
  さげる=下痢する
※さげる=片付ける、お供えものをおろす、手に持つ
  さこ=迫、山の斜面
  さごし=サワラ(魚名)
  ささぎ・ささげ=いんげん豆(野菜名)
※ささにごり=川水が少し濁っている状態
※ささびきゃく=笹の葉が萎れぬ内に全速力で街道を駆けて御用状を届ける送り夫
  ささぼーき=竹の枝部分で作ったホウキ
※ささら=①アマノリをかく道具、カイとも言う、②とげ、木の割り口などのさかもげ
※さし=ものさし(例・サシがね=大工の計測器、けんザシ=材木の計測器)[和にも]
  さし=1対1(例・さしむかい、さしで飲む)
  さしかけ=ひさし、母屋に継ぎ足した片屋根
※さしがね=くの字型の計測器(大工道具)
  さしくる=都合良く交換する、だまし取る
  さしげた=高下駄(歯をさしこむ下駄)
  さす=両端の尖った天秤棒、薪木束や藁束など両端に突き刺して運ぶ
  さする=なでる、なでこする
  さだち=急に降ってくる雨、にわか雨
※ざつ=雑木
  ~ざった・~だった・~らった=~なかった(例・行かざった、見ざった)
  ざっと・ざっとこし=おおまか、簡単(海ではザットコセ)
  さで=①左肩で担ぐこと、ひだりかた、②山の斜面(木材などをすべり落とせる地形)
  さであつめる・さでこむ=そこら辺から掻き集める
※さであみ=鮎すくいのたも網、編み糸が細いテグスのもの
※さでぎ=サデに残した小枝、ボサにならない小枝で自家用燃料に使う
※さでもり・さでもりさん=虫送り行事[野・甲・宍]
  さでる=さらえこむ、かき集める
  さでつけ=こじつける、急いで髪を整える(例・とりつけさでつけ)
  さどい・さどこい=①すばしこい、②機転が利く、③理解力が良くて早い
※さなか=最中
  さなずる=暗がりで手さぐりする[和にも]
  さね=果実、女陰
  さねぼり・さのぼり=田植え終了後の祭り[海]
※さばえ・さばい=うるち米で作った赤飯(田の神様に供える)、田植えの神様
  さばく=鶏や大きな魚を解体料理する
※さびしーなったね=寂しくなったね(死者の遺族に対して使う言葉)
※さぶしー=寂しい、淋しい[甲・和にも]
  さびる=唐箕などを使い風を利用して穀物の実と穀をさびわける
  さぶ・さぶい=鳥肌・寒い
※さまつ=サマツタケ、ニセ松茸、男根
  ざまな・ざまげな=大きな、たいへんな
  さら・さらぴん・まっさら=新品
※さらえ=竹で造った熊手状の掃除道具[和にも]
※さらえ=炭と素灰を分ける道具(炭焼き道具)
  さらばえる=残さず掻き集める
  ざれ=崖崩れ、崩れた小石
※さわ=竿(例・物干しサワ)[野・甲・海・和]
※さわちあらい=宴会の翌日残り物で飲み直す(同・まな板洗い、目くそ落とし)
                宴会のあとでやるのを、あとづけ、ザンなどと言う
  ざん=宴会のあと残り物で飲み直すこと
※さんがつな=からし菜
  ざんざんぶり=雨がザンザン激しく降ること
  ざんざんぼり=雨もりが激しいこと
  さんだわら・さんだーら=米俵の両端の丸いふた、さんぶた
※さんだん=やりくり、計画
  さんにかからん=問題にならない
※さんのじ・さんのじはげ=ニザダイ(魚名)海はサンタとも
※さんばいづけ・さんまいづけ=砂糖、酢、醤油の三種で漬けたもの
※さんぶち=畑などに作った農業用水池[甲]
  さんぶん=山間地、山の集落
  さんぼ・さんぼー=神饌を載せる方形の折敷で台の三方にくり型が空いている
  さんやぶくろ=へんどぶくろ、①四国遍路が首にかけて使う頭陀袋、②葬式のとき遺族                の爪や髪あるいは六文銭を入れて死者の首にかける袋

            し
  し=人、衆(例・わかいし、おなごし)
  じ・じイ=地元(例・ジもの=地元の魚や野菜)
  しー・しイ=人(あのしー、誰々のしー「イ」にアクセント)[野]
              佐喜浜奥地では「誰々のヒト」と言う、中国地方では「シャ」と言う
  しー・しイ・しーしー=おしっこ(幼児語)[和にも]
※しー=カメノテ(磯の岩場に住む節足動物)
  しー・しイ=4
  じー・じイ=字、地面、地元(例・ジーの者、ジものの魚)
  じー・じイ=お爺さん、男の高齢者(女はバー、バア)
※~しーしー・~しイしイ=~しながら
※じ=礁、ハエ、海底から突出して海面に見え隠れする岩塊
※しあい・しやい=準備
  しあげ(みっかなぬかのしあげ)=葬式のあとの法事、三日七日の法事
※しあるく=用もなくぶらぶらする
※しあさって・しやさって=明後日の翌日(その翌日はゴアサッテ)
※しぇ・じぇ(発音)=せ・ぜ[海](例・先生しぇんしぇい、絶対じぇったい)
※~じぇ・~じぇー=~ですよ・~ですか?[海](例・どしたんジェ)
※しぇーせん・しぇエせん・しぇいへん=しない、しません(同・しゃーせん、せーへん)
※しぇーへった・しぇエへなんだ=しなかった
※しお=かんぱち(魚名)小さいのを「しおこ」と言う、別名ねいり
※しおだし=①塩漬けした食物の塩を抜く、②海で泳いだあと川水で塩分を洗い流す
※しかえる=とりかえる
※しきって=①しきりに、②強引に
※しきび=しきみ(墓花にする植物名)
  しぎょい=間隔が狭い、煩雑
※しくさし=やりかけ
※しくさす=やりかけて止める
※じくつき=羽根突き[佐]
※しくのこ=伝説上の山人、森の小人、(同・チクノコ、ツチノコ、シバテン、化かす狸)
※じげ=特定範囲の地域(例・地下役人、地下浪人、地下人が集まる)
※しけくさ=チガヤ(植物名)(節の数と台風襲来の回数が一致すると言われる)
※しける=①湿る、湿気が高い、②天気が荒れる、海が荒れる
※しこ=力(例・シコ入れて仕事せえ、シコが入っちょらん)
  じこじこ=少しづつ、だんだんと
※しごとし=働き者、腕たち
  しこる=熱中する、しつこく続ける(例・やりしこる、負け博打のしこり打ち)
※ししいぬ=イノシシ猟の犬(シシザキ=土佐犬、紀州犬、秋田犬など)
※じじぐろい・いじぐろい=皮膚や生地が黒ずんでいる
※じじばば=春蘭(同・ヨコリ)
  じじむ・じゅじゅむ=にじむ
※じじむさい=老人くさい
※しじめ=しじみ[甲]
※しずえ=湿地、水浸し、湿った日陰
  した=足元、道路の良し悪し
  しだいおとり=だんだん悪化する、だんだん衰える
※したみせ・みせ=ぶっちょう造りの下側、閉じれば雨戸開けば縁台となる
※~したる・~したろ=~したやる・~してやろう[宍・海]
※したわえー=しましたよ(同・したわさー、したわよ、しとーえー、しとーさー)
※~したん?・~したんな?=~したのか?[野・甲・宍・海]
※しちくり=して下さい[佐]愛媛言葉と思われる
※しちゃって=してやって
※しちゃってんさー・しちゃってんだー=してやりなさいよ[野]
※しちゃってくれちゃってんさー(~だー)=してやってください[野]
※しちゃり=してやりなさい
※~しちゅー・~しちゅウ・~しちょる=~している
  している[標] しちゅー・しちょる・しよる[土~野] しーよる[野] しとる[甲~阿]
※しちょる・ひちょる=している(徳島県では「シトル」)
  しっかり=①たくさん、②確実・堅固
※じっきに=すぐに[和にも]
  しつける=田植えをする、子供に行儀作法などを教育する、動物を訓練する
※しったらかし=しったかぶり
※しったり=たくさん、いつも[海]
  じっぱじっぱ=少しづつ、じわじわ
※しであげ=おしめあげ、神祭の翌日の行事(例・宵宮→本祭→仕出上げ)
            他の所ではシメアゲが一般的
※してもろて=してもらって
※してる=捨てる[海](同・フテル、ヒテル)
  しでる=いじめる、責める
※してん・してみー・してみイ・してみよ=しなさい、してみなさい(命令語)
※してんさー・してんだー=しなさい、してみなさい(命令語)[野・海・阿]
  しと=打ち水、夏場に水を散布する
※しとーえー・しとオえー、しとーさー=しましたよ[野]
※しとーし・しとオし・しどーし=やり続ける
※しとーて・しとオて=したくなって
※~しとる=~している[宍・海・阿]
※~しとれん=~してはおれない[宍・海・阿]
※しな=するな
※~しな=~のついで、~する前(例・いきしな、もどりしな)
※しなぎ=魚を腐らして作った肥料、クサラシとも言う
※しにがね=死に金、無駄な金(逆・生き金)
※しにものぶるい=死にものぐるい、必死[甲]
※しぬくい=やりにくい、扱いにくい[和にも](~ぬくい=~難い)
※しぬる=死ぬ[土・新]
※じのもの・じのもん・じもの=地場産品(四里四方に病なし=地場産品の良さ)
※しのる=死ぬ[野]
  しのべる=片付ける、所定の所に納める
※じねんじょ=自然藷、ヤマイモ(最近は栽培品もある)
  しのべ・しのべのこー=篠竹、矢竹・篠竹のタケノコ
  しば=木の葉、小枝、雑木、墓に供える墓花、焚き付けにする小枝
  しば=芝、草っ原、芝生、耕作地でない平地
※しば~=主でないものの接頭語(例・しばえび、しばぐれ、しばてん)
  しばく・しぶく=ムチや細竹で打つ(同・しばきあげる、しばったーす)
※しばぐれ=小さいグレ、木っ端グレ(磯魚の名)
※しばったーす=しばきあげる
  しばてん=芝天狗、うそつき者
  しばもち=かしわもち(サルトリイバラの葉で包んで蒸した餅)
※じばん=襦袢(着物の種類)
  しばんま=柴を束ねて尻に敷いて斜面をすべって遊ぶ
  しび=キハダマグロ(魚名)マグロの一種
※しびたびより・しびった=寒い曇天~小雨
※しびなわ漁=延縄を数キロ~数十キロ流してマグロ類を釣る漁法
※しひゃくしびょうのやまい=四百四病の病いより貧ほど辛いものはない[野]
  しびる・しびこーる=冷える、冷え凍る、凍てつく
※しびった・しびたびより=寒い曇天~小雨
※しぶ=しぶくさ、わらくず、洗うときにタワシがわりに使う
※じぶ=脱皮したての蟹[佐]
※しぶい・しぶちん=欲ばり[和にも]
※じぶん=時分、ころあい(例・ひるじぶん、もう来るじぶん)
  じぶんあんない=宴会の直前に改めて案内をする(えいジブンになったきに来てくれ)
※じべた=地面[和にも]
※しまいこぐち=終わり近く、終わる間際
※しまいよ=終わりませんか、仕事を一段落しませんか(別れの挨拶)
  しまいよ!・しまいじゃ!=大変!、ただならぬ事になる、大ごとになる[和にも]
※しまう=片付ける、終わる、仕事を一段落する(同・おく)
  しまか=まじめ、堅実質素な生活
※じみち=舗装していない道路
※じみょー=寿命
  しむ=しみる
  しめし=おしめ、赤子の尻にあてる衣
※しも=①当所からみて京都に遠い所、②西向き、③川の下流(逆・カミ)
※しもーた!・しもた!=しまった!(強調はシャッシモータ)
  しもーた・しもオた=終わった、仕事を一段落した(同・おいた)
※じもち=ツチトリモチ(植物名)ツチトリモチから作ったトリモチ
※~しもって・~しーもって=~しながら
※じもの=地場産品(地元でとれた野菜や魚など)
※しもり=酒席などで最後まで居残ること
  しもる=沈む
※~じゃ=たしかに~だ(強調肯定の接尾語)(例・おらいジャ)
※じゃっ!・じゃー!=おやまあ!(驚嘆語)(同・でや、でいや、おんでいや)
  しやーせ・しやアせ=幸せ、幸運
※しゃーせん・しゃアせん・しゃーへん=しない、しません
※しゃーない・しやない=仕方がない
※しやい=用意、準備、(例・よそいきのシヤイ、よばれのシヤイ)
※じゃいけん=ジャンケン[海]
※~じゃか・~じゃいか=~じゃないか(同・ぢゃか、ぢゃいか)
※しゃがれる・ひっしゃがれる=おしつぶされる(ヒッは強調の接頭語)
※しゃかん=左官職人
※しゃかんど=イサキの幼魚(魚名)[甲]
※~じゃきに・~じゃけに・~じゃきん・~じゃけん=~だから(同・~やきに、~やけん)
  しゃぐ・しヤぐ=ひしゃぐ、おしつぶす
  しゃくり=疑似餌でしゃくって釣る漁法
  しゃける・しゃけぶ=叫ぶ
※~ッしゃげる=~する(行為を強調する接尾語)[甲・宍・海]
※~じゃけん・~じゃけんな=~だけれどね(例・そりゃなんジャケンナ)[甲・宍・海]
  じゃこ=①雑魚、小さいイワシやアジで料理のダシに使う、②イワシ類の稚魚
※しゃし=衣服にくっつく草の実[佐]
※~じゃに=~なのに(同・~やに)
  しゃしゃぶ=アキグミ、河原や荒れ地に生える野生グミ・実は食用になる
  しゃしゃらまご=やしゃご、玄孫(例・こ→まご→ひまご→しゃしゃらまご)
  しゃっきん=平然、しっかりしている(例・あればあ酒飲んだにシャッキンじゃ)
※~しゃっくる=接尾語(例・びっくりしゃっくる)
※しゃっしまいじゃ=しまった(「シャッ」は強調の接頭語)[甲]
  しゃっしもーた・しゃんしもーた=しまった[土](シャッやシャンは接頭語)
  しゃっしらん=平気な(例・シャッシラン顔をしちょる)
  しゃっぽ・しゃっぽん=帽子[和にも]
※しやない・しゃーない=仕方がない
  しゃびき=かぶら釣り、擬餌針で魚を釣る
※しゃびれ=産卵を終えた鮎、落ち鮎
  しゃべくり=おしゃべり
※しゃべる=ショベル、スコップのこと
※じゃらこい=たすこい、容易な、ふざけている[宍・海・阿]
  しゃりき=鉄を巻いた大きな車輪の荷車、大きな車力は馬に牽かす
※しゃりこ=社里子、お宮参りの子供、生後1年内外で産土神の氏子となる儀式
※~じゃるもんか=~であるものか(例・ドンコやこいが、んまいもんジャルモンカ)
※~じゃわ・~じょ=~だよ[宍・海・阿]
※じゃん・じゃん鉄砲=ゴムの反動で銛を撃つ魚突き道具、水中鉄砲(磯魚突きの潜り漁師の使う大型から子供用の遊具まで[甲]、野根ではちゃん・ちゃん鉄砲と言う)
  しゃんしゃん=てきぱき、手早く
  しゃんつく=しっかりする、気取る
  しゃんと=①しっかりと、②あいにくと、③ついに
※~じゅー=~でいる(例・死んじゅー生きちゅー)
※じゅーのー=十能、炭火や灰をすくったり移したりする道具
  しゅーびん=①水に飛び込む、②水面に投げた石が水面を跳ねながら進む石投げ遊び
  じゅーやく=十薬、ドクダミ(植物名)薬草になり別名「医者いらず」
※しゅーろ=シュロ(植物名)棕櫚の茎元の繊維質は蓑や縄などの材料になる
  じゅじゅむ=にじむ
※しゅっぴん=人差し指を強く撥ねて相手を打つ
  しゅむ・しむ=しみる
※しよ=塩
  しょー=じつに[新]ショーマッコトという新土佐弁は未だ東洋町に入っていない
※~じょー・~じょオ=ですよ[宍](同・~ぜよ、~ぞよ、~でよ)
※しょーがつさん・しょーがっさん=恵方棚
  将棋の種類=本将棋、詰将棋、金転がし(四国廻り)、あいの、五目並べ、山くずし
※しょーぎ=床几、涼み台(ぶっちょう造りのシタミセをさす事もある)
※じょーぎ=田植えのとき間隔を揃えて植える道具(田植え定規)
※じょーく=よくよく[甲](例・じょーく言い聞かせよ)
※じょーご=バイモチの真ん中に開いた小穴(炭焼き用語)
  しょーことなし=仕方なく
※じょーさん=仰山[海]
※しょーじお=巻だし波、海岸近くの海流が対流して生じる強い引き潮
※じょーず=饒舌、たくみな口ぶり
※しょーたびより=しびたびより、寒い曇天の日[甲]
  しょーたれ・しょーたれる=だらしがない
  しょーたれかき・しょーたれこき=だらしがない人
※じょーでん=上田、収穫の多い良田
※じょーとー=上出来、充分
  じょーに=たくさんに、あまるほどに
※じょーねんじぐさ[野]=ムラサキカタバミ(雑草の名前)すもとりぐさ
※しょーのもん=役立たず、無能
※しょーびん・しょーべん=水泳の飛び込み
※じょーぶい=健康、達者
※じょーぶくろ=封筒
※じょーぶに=たくさんに、あまるほどに[野]
※しょーまっこと=じつに本当に[新]この言葉はまだ本町に達していない
※しょーもない・しょむない=つまらない
※しょーゆウ=醤油
  しょーよく=茂み、植林された所
※しょーらしい・しょオらしい=しおらしい、真面目な働き者、よく働く
  じょーり=草履、ぞうり[和にも]
  しょーりき=力いっぱい、真剣に
  しょーれん=カナテコ、土木作業に使う鉄棒
  じょーれん=平たい土あげ鍬
※じょーれん=櫛目の鍬(砂をすくわず小石や貝だけすくい取る鍬)
  しょいのみ=醤油のモロミ
  しょしゃ=動作、所作
※じょじょ・じょーじょ=草履、履物(幼児語)[和にも]
※しょった・しよった=していた
  しょっぱち・しょっぱな=最初[和にも]
※しょてかい=ぶざまな格好
  しょてっぱち・しょてっぱな=いきなり最初
※しょね=根性、性根
※しょべ・しょんべん=小便
※しょべたご・しょんべんたご=小便桶[和にも]
※しょべたれ・しょんべんたれ=寝小便、ニナ貝
※しよびき・しよもん=魚の塩漬け、干物
※しよふき=シオフキ、アサリ(貝名)
※~しよる・~しょーる=~している
※じょろぐも=女郎蜘蛛(昆虫名)
※~しょん・~しよん=~している、~しているの?[甲・宍]
※しょんがつ=正月[甲](ウをンに変えるゾイカイ弁の代表例)
※~しょんぞい?・~しょんのんぞい?=~しているの?[甲・宍]
  しら=冬季の西南の風
  しらあえ・しらえ=和えものに豆腐をつぶして混ぜたもの
※しらかし=ウラジロガシ(植物名)腎臓結石や胆石の特効薬となる
※しらがぼくと=白髪頭[甲]
※しらざった・しらだった=知らなかった
  しらす=イワシの稚魚(土佐弁ではドロメだが、東洋町はシラスと言う)
        (シラス→カエリ→カチリ→チリメン→チリメンジャコ→ジャコと生長する)
  しらった=白紙、無味
※しらま=白浜(集落名)[甲]
  しらめ=シラミ(虱)[和にも]海ではシャメとも言う
※しらんわれ・しらんわれー=知るものかお前[海・和]
  しりうち=泥道を歩くとき足裏から撥ねあがってて尻のあたりが汚れること
※しりがながい=尻が長い、酒席でなかなか帰らない、おしゃべりして長居する
※しりげっとー=最後尾、最下位(同・げっとー、びりげっとー)
※しりここ・こころ=大きな魚の心臓[甲]一般的にチチコと言う
  しりこぶた・しりこぷた=臀部、尻べた[和にも]
※しりざらえ=最後まで居残る
※しりしほーにやまいなし=四里四方に病なし、新鮮な地場産品を食べておれば健康
※しりつ=手術[甲]
※しりにひがつく=事がさしせまる
※しりをふく=後始末をする~してやる
  しるい・じるい=ぬかるんでいる(シルイは和にも)
※しるかれ・しるかれー=知るもんか[海・和]東洋町では使われない
※しるこ=小豆粉と団子で作る(ゼンザイは小豆粒入りの汁子に餅を入れたもの)
  じるた・じるたんぼ=湿田、泥水たまり
※しるぼた・ぼたじる=びっしょり濡れた状態[甲]
※しるもち=小麦粉団子をだし汁で煮たもの[甲]
  しれ・しれー=彼岸花(海はシーレ)
  しれふ=ふだつき、悪名高い(東洋町付近では女に使う)
  しろ=棕櫚、樹皮の繊維質で棕櫚縄や雨具を作る
  しろかき=水田の苗代つくり
※しろこ=魚の精巣
※しろごはん・しろめし=白米ご飯
  しろしろする=戸惑って何もできない状態
※しろと=素人(逆=くろと・玄人)[甲]
※しろびた=シロアマダイ(魚名)[甲・県中部]
  しわい=しぶとい、強情、執拗、(海は欲張りや姑息の意味もある)
  しわくた=しわくちゃ、しわだらけ[和にも]
  しわけ=本家から分かれる、分家に財産などを割譲する
※しわくちゃまぶれ=しわだらけ[甲]
  しわしわ・じわじわ=少しづつ
  しわなき=子供が泣き続けること
  しわもつれ・しわもたくれ・しわもつくれ・しわもぶれ=しわだらけ
※しわりと・しわりっと=ゆっくりと、そっと
  しわる・じわる=枝がたわむ
  しんが=ソラマメ
※しんがつ=四月[徳島県]
※しんきく・しんぎく=春菊(野菜名)
※しんきゃく=宴会に遅れてきた人[土]
  しんけい・しんけいやみ=神経衰弱、病的なほどの神経質
  しんこ・しんこつ=芯
※じんさい=神祭(神社の祭り行事)野根八幡宮の神祭言葉は前項参照
※しんしばり=伸子張り、伸子針、和服の縫い目をほどいて洗濯する方法、またはその道具            竹ヒゴの両端に小さい針があり布を張りひろげる道具で洗いばりとも言う
※しんだー・しんだア・しんだい=しんどい、疲れた[海]
  しんどい=疲れる、困難
※しんぶりか=蜜柑の内皮、甘皮[甲]
※じんべー=甚兵衛羽織、そでなしの着物
※じんま=老爺、おじいさん(例・じんまもばんばもよう踊る)
  しんまい・しんまえ=初秋の頃とれるクロマグロやソーダガツオの仔
  しんや=分家、新家(逆・本家、主家)

            す
※す=時期を過ぎて大根などに入る筋、子供が山遊びで作る隠れ家
※すー=巣、吸う、簾、簀(竹、ヨシ、カヤ、チガヤなどで編んだ簀)
※すウ=酢
※ずある・ずあれ=座る・座れ[野]
  すーじゃーごぼじゃー=ああだこうだ
※すーすー・すウすウ・すいすい=風が動いて涼しい~冷たい
※すーやのかどを通っちょらん=寿司の酸味が足りない
※すい・すいイ=酸っぱい
※すいがん=水中メガネ
  ずいつく=ずいずいする、良く切れそうな刃物
※すいみっとう=桃(果樹名)
※すいや・すや=①巣(例・鳥のすいや)、②子供の山遊びの隠れ家
※すいり=水に潜る[佐]
※すいろ=水に潜る
※すいろぬける=水に潜る、潜水する(和歌山ではスイリと言う)
※~すえられる=強調語(例・やりすえられる)
  すえる=すえ付ける、定置する
  ~すえる・~すえぬける=強調語(例・やりすえる)
※すか・すかり=はずれ、あてはずれ[和にも]海はスカッチョ・スカッポとも言う
※すがけ=床下、床下の貯蔵庫
  すかすか=水分が抜けてしまった状態
  すかたん=ずっこけ、あてはずれ[和にも]
※ずがに・ずがね=モクズガニ、ツガニ(川蟹の名)
  すかべ・すこべ=音のしないオナラ
※ずき=さといもの茎、ずいき
※すぎてっぽー=杉の実を弾丸代わりにするおもちゃの鉄砲(子供の竹細工)
※~ずく=~しないままに(例・片付けんズク出て行った)
  すぐい=曲がっていない、真っすぐ
※ずくし=熟した柿(ズクシガキ)[和にも]
※すくないわ!=めっそうもない!(否定の強調語)[野]
  ずくばる・ずびすわる=居すわる
  すけ・すけおび=オイゴ、子供を背負うタスキ帯(夏は単独使用、冬は綿入れを重ねる)
※~すけ=個性的な人の接尾語(例・飲みスケ、ねぼスケ)[和にも]
  すける=助ける、補助する、下に敷く
※すけない=少ない[和にも]
※すけべー=好色
  すこべ・すかべ=音のしないオナラ
  すさ=練った赤土に混ぜる切り藁
※すしおけ・はんぎり・はぎり=寿司を作るとき寿司飯をまぜる平たい桶
※すじがつお=ハガツオ(魚名)[甲]
※すじむかい=真正面でなく斜め向かい[和にも]
※すず=珠々、磯網の重りにする穴のあいた素焼きの筒
  すっこむ・すっこめる=引っ込む、引っ込める[和にも]
  すってん・すっとん=すっかり
  ずつない・づつない=苦しい、しんどい(「術ない」が語源か)[和にも]
  すっぺたこっぺた・すっぱったこっぱった=ああだこうだ(海はスッペラコッペラとも)
  すっぽん=すっかり
※すで=しらふ、酒に酔っていない
※すてご=病弱な子供を捨てて拾い親に拾ってもらう健康祈願の風習
  すど・すぼ=藁束、①ワラグロの上にかぶせるもの、②串刺しを刺して吊るすもの
※すにごし=サバの身を焼いてほぐし柚子酢に浸したもの、寿司酢
※~すな・~すんな=~するな[和にも]
  すねくる=すねる
  すばい=炭焼きのとき釜出しした炭を消火するためにかぶせる灰(炭焼き用語)
  すばくる・すわぶる=しゃぶる、汁を吸いながら食べる
  ずびあがる=斜面を這いずって登る、やっと進級する
  ずびこむ=這い込む、無理に入り込む
  ずびすわる=居すわる
  ずび出る=這い出る
  ずぶ=這う、腹ばいになる[新]
  すべくる・すべくりまーる=すべる、すべりまわる
  すぼ=筒、太さが一定の筒、藁束
※ずぼ=メジカ(魚名)[甲]
  すぼっこー・ぼっこー=おおげさ、荒っぽい
  すぼむ=しぼむ
※すま=スマガツオ(魚名)
  すま・すまっこ・すまんご=隅、隅っこ[和にも]
※すまき=床下に掘った藷の貯蔵庫、いもつぼ
※すまのもち・すみのもち=新築の餅投げで最初に四隅から投げる餅
※すみかぶら=炭、消し炭[甲・宍・海](野根はケスミ)
※すみきり・すみきりなた=焼いた備長炭を一定の長さに切り揃える道具(炭焼き用語)
※すみきりだい=炭切りのあて台(炭焼き用語)
※すみごや=炭焼き小屋(生活部屋も含めた小屋全体、生活部屋除外はバンゴヤ)
※すみだす・すみらす=炭俵、炭を出荷保管するためにカヤで編んだ俵
※すみやき=①炭焼き、炭焼き人、②スズメダイ、シマイサギ(魚名)
  すめ=しらふ、酒を飲んでも酔っていない様子[和にも]
  すめし=寿司酢を混ぜた飯、具を混ぜる前やコケラ寿司に仕込む前の飯
※すもとりぐさ=ムラサキカタバミ(雑草の名前)ジョーネンジグサ[野]
  すもとりぐさ=スミレ(雑草の名前)
※すや・すいや=巣、ねぐら(例・鳥のすや)海では若衆宿もスヤと言う
  すら=舟を浜から海または海から浜へ運ぶための枕木(シュラとも言う)
  すら=山の斜面に敷いて木材を落とす枕木(シュラとも言う)
※ずり=砂地に穴を掘るとき周囲の土がずり落ちてくること、あるいはその土のこと
※すりきり=家計逼迫、資金が底をつく(白浜明神家文書・長宗我部盛親書状に出ている
          「資金も底をついたので主従関係を絶つ」という去り状の文言)
  すりつけ=マッチ
  すりぬか=もみがら(籾を玄米にすることを「スル」という)
  ずるーない・ずるウない=楽でない、簡単にいかない
※~するする=~しながら
※ずるむけ=皮膚がむける(例・こけて膝がズルムケになった)
※するめ=スルメイカ(乾燥したらホシスルメとかホイタスルメと言う)
※すれ=魚釣りのとき釣り針が口以外にひっかかること[海]
※~ずろ・~ずろー=~だろう
※すわえ・すもみ=酢和えもの
※すわぶる・すばくる=しゃぶる、汁を吸いながら食べる
※ずわる・ざーる・ずわれ・ざーれ=座る・座れ[野]
※~すん・~すんのんじょ=する・するのだ[宍]
  すんぐに=すぐに
※ずんだ=前にのめった[新]
※~すんな・~すな=~するな[和にも]

            せ
※せ・せー=瀬
※~ぜ・~ぜい=~だ、(海部弁の発音では~ジェ・~ジェイとなる)
  せエ=①背、体長、②せよ、しなさい(命令)
※せエ=磯にいるカメノテ
※せエ=勢い、力、成果(例・セエだひて働け、働いてもセエがない)[和にも]
※せーへん・せイへん・しぇいへん=しない、しません
※せーへった・せエへった・せーへなんだ=しなかった[野]
※せあら=マガツオ(魚名)[甲]
  せいじゃ=するとも(強調語)
  せいた=角材を製材して残った皮つきの板切れ
※せいで=しないで(例・せいでたまるか、せいでどーっしゃー)
※せいまい=仕事や用事を片付ける、整理する[佐]
※ぜーんぶ・じェーんぶ=全部の強調語
※せかす=急がす、競争する
※せからしー=忙しい[海]
  せきとー=石塔、墓標
※せきぶね=藩主の乗る船、祭りでご神体を乗せる船、祭りの曳き船
  せきぼし=川をせき止めて川ざらえする
  せぎる=魚が釣りあげられる時はげしく抵抗する[甲]、普通は引きが強いという
  せくる=嘔吐する
※せぐろ=サバフグ(魚名)[甲・県中西部]
  せこ=応援、助っ人、狩猟の追い出し役、漁労の船子
  せこい=①しんどい、②ずるい、卑怯(②は徳島県で常用されるが東洋町では使わない)
  せごし=小さい魚をぶつ切りにして塩酢で和えたもの(例・鮎のせごし)
※~せざった・~せらった・~せなんだ・せーへった=しなかった
  せせくる=いじくる・ほじくり出す[和にも]
  せせる=ほじくり出す[和にも]
  せたげる=とりあげる、いじめる
※せたろう=持ち出す、背負う(古道具をせたろゥてきた)[和にも]
  せっき=節季、おおみそか
  せつく・せっつく=いじる、手を出す
  せつくろしい=せまくるしい、きゅうくつ
  せっしょー・せっしょーにん=狩猟、猟師[野]
  せっつかっつ=互角、ぎりぎりいっぱい
※~せっといて・~せんといて=①~をしないままで~、②~をしてはいけない
※せとものかご=軽いものを運ぶ浅い竹籠(川へ洗濯物を持ち運ぶ等に使う)
※ぜにいわえ・ぜにゆわえ=長いロープ類を直径7,8寸の輪にして束ねること[野]
  せばい=せまい(子音MがBに変わる例)
※せばくるしー=せまくるしい
  せばち・せまち=①せまい土地、②田畑の小区画
  せび=蝉(子音MがBに変わる例)[和にも]
※せぶく=ずんぐりした背の低いべいごま[甲]
  ぜよ=ですよ[新](同・ぜ、ぜー、ぞ、ぞー、ぞい、ぞね、ぞよ、で、でー、でよ)
        新土佐弁の代表例「ぜよ」が東洋町に入り始めたのは平成になってから
※~せらった・~せざった・~せなんだ=~しなかった
  せりつく=無理やりに寄りつく
  せわ=面倒、厄介、援助
※せわな=ややこしい、めんどうな、やっかいな[和にも]
  せわしない=せわしい
※せん=しない
※~せんか=①~しましょう、②~せよ
※せんき=疝気、筋肉などが急に痛みがはしる病気
※せんぐー=上棟式、棟上げの祝い、新築祝い
※せんぐのもち=新築祝いの餅投げの餅
  せんぐり=入れ替わり立ち替わり、順々に
※~せんげん=昔は沢山の家があったが地震津波で一夜にして流失または海に没したと伝              えられる地名。野根の八島千軒、甲浦の大浦千軒ほか多数あり、全国各地の~千軒が次々と発掘され非農業集落であったことが確認されている
  せんごー=甲羅(例・亀のせんごー)
  ぜんこん=善根、遍路への無料接待(弘法大師を接待する事になるという)
  ぜんこんやど=善根宿、遍路を無料で宿泊させること(遍路は弘法大師と一体)
  ぜんざい=小豆粒入りの汁子に餅を入れたもの(シルコは小豆粉と団子)
※せんじちゅー=太平洋戦争の間、およそ昭和16~20年、
※せんずり=自慰
※せんだく=洗濯(センタクでなくセンダクと言う)[和にも]
  せんち=便所[和にも]
  せんちだいく=大邸宅を建てず便所や納屋などを建てる大工[岬陽地区]
※せんちのどむし=便所などに発生するハナアブの幼虫[甲]
※せんちむし・せんちのむし=便所のウジムシ[和にも]
※~せんづつに=~しないままに
  せんにち・せんにちぞーり=ゴム草履(藁草履より長持ちで千日使える草履)
  せんば=十能(じゅうのう)、炭火をすくう道具
  ぜんばこ=膳箱、箱膳(おもに一箱に一人分の食器セットが入っているもの)
  せんばん=まったく、全然
※せんまいぶき=屋根縁の瓦の重ね葺き、淡路式で甲浦白浜でも少し見られる[甲]
  せんみっつ=うそつき(千に三つしか真実がない)

            そ
  ~ぞ・~ぞい・~ぞよ=~だよ
  ~ぞ?・~ぞい?=~か?
※~ぞこらえ=~ぞの強調語
 「~ぞ=です、ですよ」の地域変化
  ぞ・ぞー・ぞよ[標]ぞい[甲]ぞね[野]ぜよ[新]でよ[海]ど[野漁や海部郡漁師]
※そーいた・そいた・そひさ=そうした(同・ほーした、ほいた、ほひさ、ほひた)
※そーいて・そいて・そひて=そうした(同・ほーして、ほいて、ほひせ、ほひて)
※そーかえ・そーかね[野]・そーけー[海]=そうですか
  ぞー・ぞーくそ=はらわた、こころの中(例・ぞーがにえる、ぞーくそわりー)
  そーけ・そオけ=竹で編んだ籠、食べ物を入れる竹籠、罪人を運ぶ竹籠
  そーけだつ=恐怖でふるえる、毛が立つほど恐ろしい
※そーこー・そちこち=そうしたりこうしたり
  そーしき・そーれん=葬式(葬式の野根言葉は前項参照)
※ぞーすいおけ=雑水桶、水を溜める桶(台所用品)
  そーた・そでなし=ちゃんちゃんこ、袖なしで綿入れの防寒着
  そーづか=無縁墓(宍喰で大津波溺死者をソーヅカに埋めた記録あり)
※そーでん=相伝、世間話[宍]
※そーどー・そーどこ=大騒ぎ、大歓迎
  そーとめ=早乙女
※ぞーねり=カヤ(樹木名)[甲]
※そーひてこーひて=そうしてこうして(同・ほんでこんで、そんでこんで)
  ぞーもむ=心配する、案ぜる
  ぞーよ・ぞオよ=費用、必要経費[和にも]
  そーれん・そオれん=葬式・葬列を組んで行う葬列[和にも]
※そーれんまーり=①棺桶を囲んだ葬列や見送り人たちが左回りに3度回る、②左回り
※~ぞい=~ですよ(甲浦宍喰ゾイカイ弁の代表例)[甲・宍]
※~ぞい?=~ですか?(甲浦宍喰ゾイカイ弁の代表例)[甲・宍]
  そいくる・そえくる・そいくりかやる=仰向けにひっくりかえる
※そいてからに=そうして、そうしてから
※そいてこいて=そうしてこうして
  そえる=走る、走って逃げる
※そえる=すべる[佐]
  ぞオよ・ぞーよ=費用、必要経費
  そがな・そげな・そんげな=そんな、そのような
  そげな・そんげな=そんな、そのような
  そぐウ=適合する、似合う
※そぐり=小枝を束ねた薪木の束、ボサをとったあとの枝の先端[宍・海]
  そぐる=余分なものを取り除く
※~ぞこらえ=「~ぞ」の強調語[野]
  そこしお=深い所の潮流(逆・ウワシオ)
  そこつべ=底の強調語
  そこなく=そこ、そこの場所、そこの家
※そこなへん・そこなあたり=そこの付近
  そこまめ=落花生(豆の名前)
※そこもん=底もの、海底に棲む魚のこと(例・ヒラメ、カレイ、エガミなど)
※そしる=悪口を言う(例・ソシリよったらやって来た)
※そそ=女陰
※そぞかしー=騒々しい、うるさい
  そそくる=あわてる[新]
※そだ=粗朶、小柴、ボサを取った残りの小枝
※そちけー・そちけーこらえ=否定語、否定強調語[野]
※そちこち・そっちこっち=そちらこちら、そうしているうち
  そっちゃ=そちら(例・そっちゃい行け)
  そっぱ=出っ歯、前歯が出ている[和にも]
※そでなし・そオた=ちゃんちゃんこ、袖なしで綿入れの防寒着
  そと=そいつ、その人
  そとめ=早乙女、田植えの女性(集団仕事のため平素よりグループを作っていた)
  ~ぞな=~ですよ[佐喜浜で多用、室、宍にも]
  そないな=そのような[海~大~和にも]
  そないに=そのように、そんなに[海~大阪にも]
※~ぞね=~ですよ(ゾネカネ弁=ヤマコトバの代表例)
※そば、そばのきー=アカメモチ(植物名)
  そばえ=にわか雨[宍・海]
※そばがき=蕎麦粉の団子を使った汁物
※そひてこひて=そうしてこうして(そーひてこーひて、そいてこいて、ほんでこんで)
  ぞぶる=①歩いて川をザブザブと渡る、②理屈を言う、反論する
  そま=杣人、樵人、山で木を切る仕事
※ぞめき=にぎやかに囃す[徳島や和歌山にも]、阿波踊りの別名
  そやし・そやしもち=もち米にうるち米を混ぜて搗いたモチ
  そら=上、山や樹木の頂上、2階、暗記暗唱
※そらず=ソラマメ(豆の種類)[甲・宍・海]
  そろで=手首などが痛む病気、手首の腱鞘炎
  そりくる・そりくりかえる=ひっくりかえる、仰向けにひっくりかえる
  そりゃ=そら(例・ソリャみてみー)
  それ・それよ・それよね=そうだ(同感の意味)
※~それ・~ほれ=接尾語(例・休みなよソレ、いかんけだーホレ)
※それこそ=そんなことこそ(例・それこそしーよい、それこそしまいよ)
※そればー・そればア=それだけ、それしき(例・そればーでえい、そればアはしーよい)
※ぞろすけ・どろすけ=ぞろぞろとたくさん
  そんげな・そげな・そがな=そんな、そのような
  そんじゃーきに・そんじゃーけん=そうだから、それだから
  そんじゃち・そんじゃっちー=そうだけど、そうは言っても
  ぞんぞんする=寒気がする(例・寒さでゾンゾンする、怖さでゾンゾンする)
※そんだけ・そんなけ=それだけ
  そんで=それで、そうして(同・そいて、そーひて、ほんで、ほーこて)
※そんでこんで=そうしてこうして(同・ほんでこんで、そーひてこーひて)
※そんなんか=そんなものか