方言⇒標準語 順引き辞典:か行



  が・がア・がー・がん=①物、所有物(例・おらのが=俺の物)
※が?・があ?=~するか?、~ですか?(例・来るガ来んガどうするガ)[土]
※かー=接尾語(例・てんごのかー、うそのかー、べこのかー、ねんごのかー)
  かー=川
  かー=蚊(昆虫名)
※かーいらしー・かいらし・かいらしー=可愛らしい
  かーくるしい・かわくろしい=食べ足らない、食後の物足りない状態[宍・海]
  かーさん=お母さん
  かーら・かアら=①河原、②瓦
※かーらん・かァらん=変わらない、代わらない、替わらない
※かーる・かァる=変わる、代わる、替わる
※かーるにかーらん=変わるらしい(逆・かーらんにかーらん)
  かアら・かアら=河原・瓦・屋根瓦(瓦はカにアクセント)
  かい=平素の栄養摂取、食事(例・かいがえい、かいがわりい)
※かい・かい=アマノリを岩から掻き取る皿状の道具[野]ササラとも言う
  かい・かいイ=痒い(かゆい)
  ~かい?=~ですか?(疑問語)[甲・宍=ゾイカイ弁]
  がい・がいな・がいに=強引・強引な・強引に、荒っぽい[和にも]
※かいかい=痒いできもの、虫さされや湿疹やジンマシンなど[山]
※かいくりかいくりにゃんこのめ=猫が顔を洗う動作で幼児を遊ばせる時の言葉
  かいさま・かいさま=裏むけ、さかさま(例・タチイオのカイサマズシ)
※かいさまずし=酢じめしたタチウオの身を皮側を下にくっつけた押しずし[野・甲]
  がいす・がえす=ガイな者、荒っぽい人、偏屈な人(特に女性に使う)[甲]
※かいだし=養い出し、子牛から育てて親牛にして肉牛として売る畜産業[野]
  がいもん=腕白な子供[佐・幡多郡も]
※かいらしー・かえらしー・かいらしない=可愛らしい[和にも]・可愛げがない
※かいりょうのこ=数刃ごとに深い目の刃が入るノコギリ
※かうち=河内(河内地区、昔は川内)[昔は甲浦ではカワチと言わなかった]
※~かえ?=~ですか?
  ~がえ・~がよ=~だよ、~でしょう(肯定と疑問の両方に使う)
※かえかえ・かえこと=交換[和にも]
※がえな=がいな、荒っぽい[甲]
※かえらしー・かいらしー=可愛らしい
※かえり=イワシ類の稚魚
※かえりしな・いにしな=かえりがけ
  かえる=船底や風呂桶の水を汲み出す、入れかえる
※かおをはいぢょる=親の顔にそっくりなこと
  かか・かかん=母親、年配の妻(伝説かじやかかは鍛冶屋の老母のこと)
※かがと=かかと(踵)
※ががね=ガシラ、カサゴ(魚名)
※かかぼけ=新婚ぼけで仕事がおろそかになる
※かかりもん=寺社の供物金や地域での割り勘など
※かく=耕土をならす苗代作り(例・水田作業=起こす→たたく→かく+あぜかき~あぜぬり)
※がく=学識、知識
  かきつく=すがりつく(例・揺れるきにジョーブにかきついちょれ)
※かきぼー=神輿を担ぐため付け足した丸太ん棒(野・神祭用語)一般には二人で担ぐ棒
  かきまぜ=五目めし、五目ずし
※かきみしる=かきむしる[和にも]
※かけづり=鮎漁の友掛け、友釣り、囮り鮎を使う釣り方
※かこう=たくわえる
  かごむ=屈む
※かさ=かさぶた、瘡蓋
  かざ=匂い(例・かざかむ、かざむ、かざる、かざかんでみる)[和にも]
※がさがさする=落ち着かない様子、静かでない[和にも]
※がさつく=落ち着きがなくガサガサする[和にも]
  かざむ=臭いを嗅ぐ
  かざる=香る、匂いがする
※~かし=~しか(例・こればーかし持っちょらん)
  かしき=炊事、炊事する人、山小屋や飯場や船内での男の炊事役
  かじける=寒さで手足がかじかむ[和にも]
  かしこい=賢い、悪賢い、ずる賢い
※かじし=加地子、小作料、借地料
※がしら=かさご科の魚メバル(魚名)
  かしわ=①鶏の肉、②サルトリイバラ(植物名)この葉でカシワモチを作る、
          ③アカメガシワ(植物名)この葉を皿代わりに盆墓のお備えを入れる
  かしん・かーしん=お菓子[和にも]
  かずらいし・かづらいし=石段や家敷地の周囲に配置する横長の敷き石
※かぜのたま=野根川沿いに発生する突風またはつむじ風(台風時や低気圧時)
※かた=体裁、格好、決着、担保
※かた・かたわく=こけら寿司や押し抜き寿司を作るための型枠
  かたぐ=①担ぐ、②略奪婚、嫁かたぎ
※かたくち=カタクチイワシの稚魚(魚名)[甲]
※かたけ=敵[甲]
  ~かたけ=~なんか(軽蔑の接尾語)(例・お前かたけに負けるか)
※かたげる=かつぐ、肩に乗せる[和にも]
※かたし=片方
  かたし=ツバキの実(植物名)海ではカタイシ
  かたしあぶら=椿の実から作る油、椿油
  かたちん=片足で跳ぶ
  かたちんば=左右が不揃い[和にも]
  かたつぶり・まいまい・でんでんむし=カタツムリ(陸の貝名)
  かたつら=片側、片面
※がたな・かだろ=カッパ(深い渕にすむ伝説の生き物)[甲]
  かたにならん=ものにならない、並みに達しない
※かたぶく=傾く(子音MがBに変わる例)
※かたやり=うわべの格好をつける人
※かだら=からだ(ダとラの入れ替わり、例・原田をハダラ)[和にも]
※がたろ=蛙
  かたんま=肩車
※かちあう・こちあう=道で行き合う、日程が重複する
※かちかちする=よく噛む(幼児語)
  かちばる=飯や土などが固くなる、人が緊張して固くなる
※かつえる・かつれる=飢える、生活に困窮する[和にも]
  かっか・かっこ=下駄(幼児語)
※かつぎ=葬式のとき身内の女性が顔に白布をかむる
※かっこい=賢い(幼児語)
※がっしゃま・がっしゃまえ=強気、強気な人、はしかい人[甲]
  かった=借りた、(買ったは「こオた」という)[和にも]
※かったい=癩病
  かったし=かたっぱし、次から次へ
※かっちゃう=かち合う
  かっつけ=きっちりとくっつく
※かっと・かっつォ=鰹(魚名)(例・かっとのたたき、すまがっと)
※かつんぼ=蚊トンボ(昆虫名)[甲]他地区はブヨの事
※かつんぼのなくよーなこえ=蚊トンボの鳴くような小さい声[甲]
  かど=庭、庭先、家、玄関先、家を自他に区別(例・かどがちがう)
  かどいで=出発、門出、花嫁が実家を出発すること
※かどすり=年末や神祭の前に家(特に玄関まわり)を水洗いすること[野]
※~かどを通っちょらん=味付けが不足(例・砂糖屋のカドを通っちょらん)
※~かな?=~ですか?(疑問語)[佐=ゾナカナ弁]
※~がな=~ですがね[佐=ゾナカナ弁]
  かな=かんな(大工道具)
※かなだー=金沢(北米のカナダ国ではない)(土~海の海岸線ザをダと発音の例)
※かなだらい・かなだらえ・からだらえ=洗面器
  かなつき=やす、魚介類を突く漁具(小さいものは子供の海川遊びの遊具)
  かなば=かんな屑、細長く薄い木屑
  かなばし=千歯こき、米麦などの脱穀に使う道具
※かなりはちぶ=いい加減のところ(例かなりはちぶにしちょけ)
  がなる=怒鳴る
※かにくい・がねくい=ごまうなぎ、普通のウナギより太短くごま斑がある
                    (海部の母川の天然記念物オオウナギが有名)
  ~かね?・~かね?=~ですか?(疑問語)[土=ゾネカネ弁]
  がね=幼児の頭部にできるかさぶた
  がね・がに=蟹
※がねかみ・がねくい・ごまうなぎ=頭部の大きい鰻(普通のウナギより太く短い)
  がねくさ=食用にする細長い海草[海・阿]
※~がね=~ですね(例・そーやがね、冬はひやいがね)
※~かのー?・~かのーし?=~ですか?
  かぶし・かぶす=魚釣りの播き餌
  かぶった・かぶっと=木の株[和にも]
  かぶら=擬餌鉤(釣り道具)
  かべ=①かび、黴[和にも]、②壁
※かべかき=荒壁の下地として竹を縦横に組んだもの
※かべぬり=舞台横で浪花節語りが歌うのに合わせて即興的に芸をすること、歌に合わ
            せて即興的に踊ること、左官の壁塗りの仕草に似ている
※かぼちゃ=ナンキン(野菜名)「ボフラ」とは言わない
※かま=釜、炭窯、鎌、二股の鎌状の炭焼き道具
  かまえる=準備する
  かまがきれる=仕事がよくできる、的確に判断できる
  かまぎ=かます、叺=ワラで編んだ袋
  かまきり=カマキリ(昆虫名)東洋町ではカマキリ主体だが徳島県では多様である
            (特集編を参照)
※かまくべ=炭窯に火を入れる炭焼き最初の工程
※かまだ・かまた・がまた=稲刈り時に刈った雑草類[野・室]
  かまだや・かまなや・かまや=かまど、竈、炊事場
※かまだし=炭焼きで釜から炭を出す作業(炭焼き用語)
※かまだしぐち・こがま=炭窯の正面扉の下部で独立して開閉できる窯出し口
  かまち=座敷の上がり口などの小さな縁(あがりがまち)
  かまなー・かまん・かんまん=かまわない、承諾する
  かまなや・かまだや・かまや=かまど、竈、炊事場
※かまへん・かめへん・かまやせん・かまやへん=かまわない[阿・大・和]
  かまん・かまわん=かまわない、承諾する
  かみつみ・かみつみき=バリカン(頭髪を刈る道具)
※かみ=東、京都に近い方をカミ、遠い方をシモ、
  かみきりむし=甲虫カミキリムシまたはバッタ類ウマオイムシ
  かみげ=東の風
※かむまい・かんまい=かまうまい、心配あるまい[甲]
  かもか=怖い化け物、噛むぞーと出てくる化け物
  ~かや?=~ですか?[土]
  ~がや=~のだ
  かやく=寿司の具(カヤクメシは普通の飯に具を混ぜたもの=五目飯)[和にも]
※かやくめし=普通の飯に具を混ぜたもの=五目飯[和にも]
  かやし=裏返し
  かやす=①孵化させる、子を生み育てる、②裏返す、③倒す[①~③和にも]
  かやる=①孵化する、生まれる、②倒れる、③帰る[①~③和にも]
  ~かよ?=~ですか?[新=ゼヨカヨ弁]
※かよい=通帳(貯金通帳)、通勤
  から=①体格、②~のせいで、③責任、原因
※がら=クロビシカマス(魚名)佐喜浜定置網でよく獲れる深海性魚[佐]
※からい=塩辛い(当地方ではショッパイとは言わない)
※からかみ=ふすま、襖
※からげ・からげる=着物の裾をたくし上げる[和にも]
  からけし・けすみ=消し炭
  からし=①トウガラシ、②いぼにし(磯の岩場にいる巻き貝の名)
※からす・からすのくちばし=むらさきいがい(食用貝の名)磯の岩間にいる
※からすかーかー甲浦の使いとんびとーとー殿様の使い=野根の手鞠唄
  からつ・からつもん=唐津焼、陶器の総称(当地では瀬戸物と言わない)
  ~からに=~の・くせに
  からびる=乾燥する
  かりあけ=雑草刈り
※かりなぎ=山林の下刈り
  かるゥ=背負う
※かるめ=葬式の時に棺桶を家から運び出す役目
※~かれ!=~ものかワレ!(否定強調の末尾後)[宍・海]
  かわがひっつく=川が干上がる
※かわたけ=川筋、川筋の集落
  がん=物、所有物(おらのがん=俺の物)[甲]
※かんから・かんかん=缶
  かんき=①癇、②根性
※がんぎし=石段[佐]
  かんこーり・かんこオり=厳寒期に張る氷[和にも]
※かんこぶね=舟板3枚で作った一人乗りの速い手漕ぎ船、阿波に多い小型漁船
  かんざめ・かんざまし=お燗して温めた酒が冷めたもの
※かんじ・かんち=だめになること(例・めかんじ、かんじ飯)
  かんしょやみ・かんしょーやみ=神経質、ひどい神経質の人[和にも]
  かんす=鉄瓶、茶釜[和にも]
  かんたろ・かんたろみみず=青色の大きいミミズ、シーボルトミミズ
※かんち=炊きかけで芯の残る飯[海]土はブチ・ブチメシと言う
※かんちゃ=寒茶、冬至茶、寒い時期に収穫した茶葉で野根川筋特産
  かんづつ=酒を燗して小出しする銚子、小さい徳利
  かんてき=七輪、炭をおこす台所用具
※かんぬウら=甲浦をこのように発音する者もいる[甲]
  かんば=薩摩芋を薄く切って干したもの
※かんばもち=かんばで作った餅
  かんぴん=カンヅツに同じ
  かんぶくろ=紙袋
※かんまん・かんまんでエ?=かまわぬ、承諾・かまいませんか?、承諾するか?[阿]
※=※がんも=合点
※かんもと=宴会のとき酒を燗する役目
  かんりゃく=倹約、節約、質素にする

            き
※きー・きイ=気持、気性、気分、黄色
※きー・きイ=来い、来なさい、着なさい
※きーつけて・きーつけよ=気をつけて(別れの挨拶の一種)
※きイ=木、樹木(「イ」にアクセント)
  ~き・~きに・~きん=~だから
※きあがり=終盤に渋みが取れて甘柿に変わる品種[和にも]
※きえせん・きえへん=来ない
※きが=やにの回った杉の古株や根っこ[野は・海は松の古株のこと]
        海陽町では戦時中に松の根株(きが)より精製した油分を自動車燃料とした
※きがたき=杉の古株や根っこを炊いて杉精油を作る作業、またはその職業[野・海]
  きがはしかい=短気で怒りっぽい、気が荒い
※きくさる=来る事をあしざまに言う言葉(~くさる、~しくさる)
※きこく=カラタチ(植物名)トゲが多く生け垣に植えた
  きさんじな=さばさばした
  きじ・きじねこ=縦縞模様の猫
※きしかけ=石垣、家の周囲の石垣
  ぎしづめ=ぎっしり詰め込んだ状態
※きしな=来掛け、来るついでに
※きしゅーがうく=天気の良い日に紀州が沖合に浮いて見える[野]
  きしる=リンパ液、ウミ汁
※きしんどい=気苦労する、気疲れする
  きず=柚子100%の酢(生酢・絞ったとき10%の塩を加える場合もある)
  きすご=キス(魚名)[和にも]
※きずもたくれ・きずもつれ=きずだらけ
  きた=北風(キタゴチは北東の風)
※きたうら=北側(~ラや~ウラは~側の意味)
  きたなか=半反(150坪)以内の田畑の面積(例・この田は5反きたなか)
  ぎだん=几帳面
  きち・きちまい・きちまえ=吉米、うるち(粳)米(ほかに太米、糯米)
※きちがえ=気違い(狂気)(例・酒はキチガエミズ)
  きちきち・ぎちぎち=きっちり一杯、満杯、隙間がない[和にも]
  きちょる=来ておる
※きつき=大きな流木の下などの鰯の群れ[宍]
  きつきつ・ぎつぎつ=隙間がない、余裕のない暮らしぶり
  ぎっしり・ぎっちり=いつも、しつこく、間断なく、隙間なく
※ぎっちょ・ぎっちょー=左きき、ヒダリギッチョの略
  きっちり・きっちら=①狂いがない、ぴったり、②いつも、間断なく
※きてみー=来てみなさい
※きておーせ・きとーせ・きとオせ=来てください
※きてん・きてんさー・きてんだー・きてんまー=来なさい(強く言う時はテにアクセント)
※きとーせ・きとオせ=来てください[山]
※きな=来るな
※きなごーに=気長く
  ~きに・~きん=~だから
  きにょー・きんにょー=昨日
※きねどり・きなどり=餅つきのとき臼の中の餅を動かす役目
※きのーおとつい=一昨日のこと(昨日と一昨日の両日のことではない)
※きのーのばん=一昨夜
  きのぼり・きのぼり結び=たて結び、葬式のときの紐の結び方
※きのめおこし=早春の暖かい雨(木の芽起こし)
※きびしょ=醤油さし、醤油を小出しして使う容器(他の地区は急須や銚子のこと)
※きまもり=果樹の実を一つだけ残したもの(他の地区はキモリという)
※きむし・きイのむし=木材に入り込んで食害する虫の類
  きめつける=厳しく怒りつける、叱責する
  きもん=着物
※ぎゃーらしイ=いやらしい[甲]
※きやすけ=気安め
  きよう=気負う、気が急く、積極的
※ぎょー=嘔吐(例・ギョーが出た)
※きょーがら=のみのくち(魚名)
  ぎょーさんな=おおげさな、派手な、たくさんの
  きょーそな=おおげさな、派手な(海ではキョーソノカワナ)
  きょーび=近ごろ[和にも]
※きよーびんぼーじげだから=器用貧乏地下宝
              器用貧乏は物知りであり土地になくてはならない重宝な人
※きょーま=畳のサイズ:190×95㎝、本間とも言う
          (江戸間:176×88㎝、柱も含め180×90㎝、田舎間とも言う)
          (あいの間:182×91㎝、京間と江戸間の中間)
※きよい=~をしたついで、~をした勢い
※きょときょと=キョロキョロ、そわそわ、落ち着かないふう
※きよらえー・きよーらえー=こちらへ向かっているよ(「えー」は野根)
※きよらん・きょーらん=こちらへ向かっていない
※きよる・きよーる・きょおおる=こちらへ向かっている(野)
※きり=タカセガイまたはベニカサガイ(貝の名)ツム、ツベタカとも言う
  ぎり=リール(釣り道具)
  きりす=キリギリス(昆虫名)
※きりだめ=四角い容器[佐]
※きりちゃちゃくる・きりちゃちゃくられる=切りまくる・切りまくられる
  ぎりはり=義理を果たす、付き合い
  きりもん=着物[海・阿・幡多郡も]
※きれーな・きれな=きれいな(奇麗に=きれーに)[甲・宍・海]
※きれもん=刃物[和にも]
  きれる=酒乱、酒に酔って暴れる
※きれる=使い果たす
※きんこのまじない・きんころまじない=幼児の打ちこぶを直すまじない言葉[岬陽]
※きんたま=睾丸(陰嚢はフグリ)
  きんにょー・きにょー・きんのー=昨日[和にも]
  きんびちこ=ぼらの稚魚(出世魚・きんびちこ→いな→ぼら→とど)
  きんま=木ン馬、山道で使う運搬道具(子供も小さな木馬や柴馬を作って遊んだ)
※きんまあそび=子供の遊具「木馬=きんま」山の斜面や山道に「きんまみち」を整備し              すべらせ遊ぶ、左右にブレーキをつけて曲がりも止まりもできる。木馬の
              代わりに柴を尻に敷く柴馬=しばんまもある(冬場の子供の遊び)
  きんまみち=木馬を通すため平坦にならしたり枕木(バンギ)を置いて杭(アタリ)で              固定して整備した山道

            く
  く=家、所(例・兄貴クへ行く、そこを曲がったクで待っちょれ)
  ~く・~んく=家、宅(例・うちく、うちんく、おらく、おまんく)
※くー=九
  くーじん=信心深い、神がかりや易などに頼りやすい[海ではクンジンナ]
※くーたらしーない=食べたような気がしない、満腹でない
  くいで=手弁当の働き
※くいでのこーろく=手弁当のただ働き[宍]
  ぐいめ=ぐいみ、グミ(果樹名)[甲]
※くウ=苦、食う
  くえ・くえる=崩壊、崩れる、洪水で土地が流失する、火をくべる
  くえ=潰れる、崩壊する、崩壊地
※くえん=生活できない
※くぎうち=棺桶の蓋を釘で打って閉めてしまうこと(野・葬式用語)
※ぐぐ・ぐーぐー・ぐんぐ=ゴンズイ(魚名)背びれに毒がある小魚でナマズに似る
  くくむ=口の中に水を含む(飲み込まない)[和にも]
※くくり=ヒモや針金を輪にして仕掛けるワナ、わさ
  ~くさいた・~くさいて=~くさした(やりかけた)~くさして(やりかけて)
  ~くさし・~くさす=やりかけ・やりかける、未完成、未完了(例・言いくさし)
  くさす=けなす、からかう、悪口を言う、文句を言う
※くさらし=魚を腐らせて作った肥料
  ~くさる=動作をあしざまに言う言葉(例・いにくさる、しくさる)
※~くされ=命令をあしざまに言う言葉(例・いにくされ、しくされ)
  くじゅー=くくりつけて背負う
※くじらじゃく=1尺の1.25倍≒37.879㎝
  くじる・くじくる=根掘り葉掘り文句を言う、くどくど文句を言う
  くすばい・くつばい=くすぐったい[高知県~海](阿はコソバイ・コスバイ)
  くすばす・くすばかす=くすぐる
※くすぶったい=①くすぐったい、②煙ったい
※くすぶる=出世できず野に伏す、落ちぶれた暮らし
  くすぶる・くする=煙や煤が出て不完全燃焼する
※くすべる・ふすべる=枯葉や小枝で火をたきつける、煙らせる
  くする=夢中になる、煙る
  くそ~=強調語(例・くそ忙しい、くそじんま、くそ重たい、くそ馬鹿)
※くそかき=手の平の天紋地紋が離れた手相(逆・とかき=天紋と地紋が直列)
※くそかす・くそみそ=ぼろかすになじること
※くそがに・くそがね=紫色の弁慶蟹[野・甲]
※くそがにのよこばいじゃ=横ばい状態で進展しない[室戸]
  くそごーがにえる=いら立ち腹がたつ(クソは強調の接頭語)
※くそたれ・くそったれ=ののしる言葉
  くそてんごー・くそてんごのかー=余計なこと
※くそみそ=ぼろかすになじること
※ぐぞがえる=魚や虫が群生する[甲]
※ぐぞぐぞ=次から次へ、たくさん(例・ぐぞぐぞ出てくる、ぐぞぐぞしよる)
  くそむしのすいたよーにせえ=好きなようにせよ、どうでもせー
※くそもたくれ・くそもつれ=糞だらけ
  くだく=壊す、解体する、金を両替する
※ぐたぐた・くだくだ・ぐだぐだ=くどくど、くだくだしく
※くだる=西へ向かう、西下する、京都から遠ざかる方向(逆・東上する)
※くだりしお=西向けに流れる潮流(逆・あがりしお、のぼりしお)
※くだりぶね=京阪神から下ってくる船[野]
※くち=就職口、生活
※くちあけ=物事の開始、釣りや漁などの解禁日
※くちをきく=就職や縁組や交渉を仲立ちする、世話をする
※くちだき=最初に炭窯内の原木を燃やさず乾燥させるだけに焚く工程(炭焼き用語)
  くちな・くちなー・ぐちな=蛇、くちなわ[和にも]
※ぐちなし=くちなし(植物名・果実は黄色染料)
※くちにおぼえる=食味を堪能する(食感または量的に)
※くちにおぼえん=食味が十分堪能できない(食感または量的に)
※くちび=フエフキダイ(魚名)[甲]
  くちべろ・くちべら=くちびる
  くちへんじ=口先だけの返事、口ごたえ、反論
※くちまい=口米(年貢や加地子を納米するとき余分に入れる加増米)、口籾、俵付、入れ目
  くちまつ=口の達者な女
  ぐちめ=マムシ、ハミ、蛇
※くちゃくちゃ=ひどく変形してしまう
  くちゅくちゅ・くつくつ=腋の下(幼児語)
  くっしゃみ、くっしゃめ=くしゃみ
※ぐっすけ・ぐっすり・ぐっすら=たくさん(例・ぐっすけ入れちょいちゃる)
※くっつら=たくさん[海]
  くで=くで紐、打紐、組紐
  くど=かまど(おくど)
  ぐどーじぐさ=つる性植物のモミジカラスウリ(毒草)
              (キカラスウリやシナカラスウリの根は天花粉(テンカフ)になる)
  くどき・くどく=盆踊りや芝居の歌または歌うこと歌う人
※くな・くな=来るな
  くなんせ=下さい[野・幡多郡も]
  くびんま=かたぐるま
※くべる=燃やす、薪を燃やし足す[和にも]
※くぼ・くぼがい=磯の貝ヨメノサラ(ツタノハガイ科の貝)学名クボガイは当地では
                  バイの一種、バイは黒い巻き貝類の総称
  くまびき・くまんびき=シイラ(魚名)、とうやく、ねこまたぎとも言う
※くまのいさん=熊野神社[甲]
※くみざーち・くみざアち=組皿鉢(食材を自然風景に見立てて盛り合わす皿鉢料理)
  ぐも・ぐものいー=蜘蛛、蜘蛛の糸
  くもつ=小作料、田畑の借料(現金または収穫物で払う)
※くやみ=おくやみの挨拶「〇〇さんがよーなかったってね」「さびしゅーなったね」
  くら=果物の房、草や穀物野菜の株、株立ち
※くらー=来る、来るだろう
  くらす・くらっしゃげる・くらったーす=くらわす、やりつける
  くらみあい・くらみやい=夕暮れどき、暗がり
  くり=下さい[佐・幡多郡も]愛媛県から渡来した言葉と思われる
※くりいし=石垣に使う石
  ぐりぐり=リンパ腺が腫れた状態
※くるくるま=肩車[野](室戸はクルクルウマ・クルクルンマ)
※くるむ=包む、片付ける
  くるめる=片付ける、収納する
※ぐるり=周囲(例・グルリの目が光っちょる)
  くれ=木材、板や柱にする前段階の一定寸法に揃えた木材
※ぐれ=めじな(磯魚の名)
※くれっと=くれませんか[野農]
※くれてん=下さい
※くれてんさー・くれてんだー=下さい[野]
※くれまいかのー=下さいませんかネ[甲・宍]
※くれんせ=下さい[野]
  くろ・ぐろ=積み重ねたもの(例・いしぐろ、わらぐろ)
※くろいしもち=クロホシイシモチ(魚名)[甲]
  ぐろをかる=田の周囲の草刈りをする
※くろがます=ヤマトガマス(魚名)[甲]
※くろくわ・くろっか=土方、荒地を田畑に開墾する職業(黒鍬)
※くろと=玄人、本職(ウを省略する阿波ふう吃音の例)[甲]
  くろまい=玄米
※くろみ=海岸線に残した樹木(魚つき保護林)
※くろめ=クマノコガイ(貝名)、磯の黒い巻貝類を総称してバイとも言う
※くろもつ=大型のムツ(魚名)[甲・室戸・高岡郡]
  くろんぼ=麦の黒穂病
※ぐわい=具合(健康、病状、天気、都合など)
※くわぎれ=鍬で切ってしまったイモ類
※くわしこむ・くわしこったーす=食わす(針を飲ませる魚釣り用語)の強調語
※くわる・こわる=筋肉がこわばる、筋肉疲労
※ぐんかんちんぼつはれつ=じゃんけんのグーチョキパー
※くんく=ことひき(魚名)[甲]
※ぐんぐ=ぐぐ、ゴンズイ(魚名)背びれに毒がある小魚でナマズに似る[甲]
※くんな=来るな
※くんろーなる=暗くなる

            け
※~け?、~けー?=ですか?[海~阿=デーケー弁]
※~げ、~げ?=~だろう?[海](例・あるやろゲ)
※~けー・~けエ=~だ(強調)、おの痛いよけー(ああ痛いの強調)[野]
※けー=毛、毛髪
  けエ=気配
※けエせった・けエへった・けエへなんだ=来なかった[野・和にも]
※けーへん=来ない[宍・海]
  けがえ=毛が生え変わる(成長過程、季節現象)
  げじ・げじげじ=散髪が不揃い、とら刈り、半煮えのサツマイモ
※けしごぶ=消しゴム(文房具)(子音MがBに変わる例)
※けしずみ・けすみ[野]・けずみ・からけし・すみかぶら=消し炭
※けしつぼ=火消し壷(火のついた炭を密閉して消火し消し炭を作る)
※けしんどい=しんどいの強調語
  げすいた=五右衛門風呂の底板[和にも]
※けずりか=削り節[甲]
※けそかしい=ちょこまかする(海ではケゾカシ・ケソカシ)
※けそけそ=粗略にする、冷遇する
※下駄の種類=サシゲタ、コッポリ(コップリ)、ジキゲタ、ノメリ、キリゲタ、
              ショセイゲタ、ホオバ(野根よもやま集より)タゲタは水田で履く
  けたくそわりー・けったいくそわりー=けたくそが悪い、いまいましい
  けたくる・けりたくる=蹴る、荒っぽく蹴る
※げたをあずける=まかせる
  けちる=出し惜しむ、けちけちする
  けっこうじん=好人物
※げっちょーび=月曜日(甲・海・阿)
  げっつウ・げっとオ・げと=最後尾、最下位(同・しりげっとー、びりげっとー)
  けつまげる・けつまずく=つまづく、けつまづく
※けつをわる=失敗して途中でやめる
※けとばかす=蹴りとばす
  ~けに=~するわけに(例・いにけにならん)
  ~けに・~きに・~けん=~だから
  げに・げにまっこと=本当に[新]新土佐弁は東洋町ではほとんど使われない
  けぶり・けぶる・けぶたい=煙り・煙る・煙たい(子音MがBに変わる例)[和にも]
  けむしゃ・ひげむしゃ=毛深い、毛だらけ
※げや=ヒサシの部分、下屋(標準語)
  けん=大根の線切り、サシミのツマや酢和えなどにする
  げん=縁起(例・ゲンなおし、ゲンをかつぐ)
  けんけん・けんけんとび=片足跳び
※けんけんぱー=片足跳びの子供の遊び(ケンは片足パーは両足、片足→片足→両足)
※げんげ=レンゲ(植物名)
※けんじゃく=木材を計測する定規
  けんじょーがおこる=背筋上部が凝る、肩の下部が凝る
※げんぞうなし=一匹も釣れない、獲物がない[宍]
  けんたい・おけんたい=無礼講、遠慮なし[和にも]
  けんつ・けんと=尖っている、尖った先端
  ~けんど・~けんど=~けれど
※げんのー=大きな木づち
  けんびき・けんべき=肩甲骨の下部あたり

            こ
※こ=~君、男子の名前の接尾語(例・康博ならヤスコ)
※こ~=少し~だ(例・コいやしい、コにくたらしい)
※こー=子供(コーは「こう、この、甲」コオは「粉」)
※ごー=五(ごーは「業、号」ごオは「郷、集落」)
  こーい・こいイ=濃い
  ごーがにえる・ごオがにえる=イライラする
  こーこ・こんこ=沢庵漬
※ごーをする=籾ずりの歩留まりが良い(逆・ごーをすらん)
※こーじ=うすかわ蜜柑、柑子
  こーしゃ=たくみ、器用、やり手
※こーじんまつ=荒神(竈の神様)に備える松の枝[和にも]
※ごーすたん・ごすたん=後進(航海用語)(逆・前進はゴーヘー)
  こーた・こオた=買った(借りたことは「かった」と言う)[和にも]
※こーち・こオち=心地、気分[甲]
  こーとな=地味な[高知県・海]
※こーとり・ことり=子供をさらっていく人、人さらい(幼児語)
  ごーな=①カワニナ(淡水の巻き貝の名)、②やどかり(巻貝の名)
※こーにい・こにい=次男以下の者、(ニーサンは男の人の総称で年齢をとわない)
※こーねえ・こねえ=次女以下の者、(ネーサンは女の人の総称で年齢をとわない)
※ごーへー・ごーへい=前進(航海用語)(逆・後進はゴースタン)
  こーべる=体裁を飾る、不似合いなほどめかしこむ
※こーらい=このかた(例・何年こーらい)
※ごーろ=野根別役の小字名、ゴーロやゴロクは昔の林産物集積加工地に由来する地名
※こーろー=いしがきだい(磯魚名)模様によりシマゴーローとホシコーローがある
※こーろく=自費自弁(俸禄の対語か?)
  ごあさって・ごやさって=四日後(アヒタ→アサッテ→シアサッテ→ゴアサッテ、和にも)
  こあみ=小網、えび網
※こいあげとんよ・こいやけとんよ=よわっているよ、困っているよ[宍]
  こいイ=濃い
  こいこい=犬(幼児語)
  こいさ=今夜、今宵[新?]
  こいやしー・こいやらしい=意地きたなく欲深い(軽蔑語)
※こいた=ひった(例・へーこいた、うそーこいた)
※こえたご=下肥を入れて運ぶ桶
  こえたんぼ=肥満した人
※こえつぼ=下肥を溜める穴ぐら
※こえまつ・こいまつ=松やにの回った松、松明や盆の迎え火送り火に使う
  こオと=地味(例・ほのキモンはこオトや)
※こおーなる=怖くなる
  こかす=転ばす、倒す[和にも]
※こがま・かまだしぐち=炭窯の正面扉下部の独立して開閉する窯出し口(炭焼き用語)
  こかる・こかれる=転ぶ、倒れる、寝転がる[和にも]
  ごきげん?・ごきげんさん=ごきげんですか?(挨拶語)
※こきしば=炭俵の蓋にする小枝から葉を取り除く作業(炭焼き用語)
  こきたくる・こきまーる・こきまわる・こきまわす=折檻する、たたきまわる
※こきまーったーす・こきまわったーす=折檻する(強調語)
  こぎまーる=山道のない薮の中を無理して進み続ける
※こぎたない=汚い(軽蔑語)
※こきわ=中型のキハダマグロ(魚名)[甲~室戸]
  こく=折檻する
  こく=ひる(例・へーこく、うそーこく)
  こぐ=山道のない薮の中を無理して進む
  こぐち=端、間際(例・終わりコグチに来た)[和にも]
  ごくどー・ごくどーされ=なまけ者
※ごけ=苔
  こげな・こげに=こんな、こんなに
※ごけなわ=延縄漁、延縄漁は危険で死人が出れば妻は後家になるのが由来[宍]
  こけにげる=あわてて逃げる、こけながら逃げる(コケは強調語)
※こけら=木っ端(大工仕事の木屑)、柿(薄い板片・屋根を葺く=こけら葺き)
  こけら・こけらずし=押し抜きずしの一種(室戸市や東洋町の郷土料理)
  (和歌山では「葉蘭を仕切りに使って重ねて重石を載せて作る押し鮓」とある)
  ここ=うんこ、大便(幼児語)
※こごめ=くだけ米、ふるい目下の二番口
※こごめつつじ=ウンゼンツツジ(植物名)コメツツジよりさらに葉も花も小さい
  こごる=寒さで凝結する
  こころ=ほんの少し(例・ココロ右へ寄せてくれ)
※こざ=炭窯から炭を出す道具(五角型とコの字状とがある)(炭焼き用語)
※ごさいじんじゃ=白浜の五社神社[宍]
※こさえる・こっさえる・こっしゃえる=こしらえる、作る
  こさげる=削り取る、気安い間柄の所から遠慮なしに拝借する
※ごさんちく・ごさんじく=くれ竹、ホテイチク(筍を食べる竹の種名)
  ~ごし・~ごと=~ごと、~もいっしょに
  こしがかるい=気軽に行動する
  こしき=米やもち米などを蒸す段重ねの道具
※こしき=炭窯の内部で原木を炭化させる部位(炭焼き用語)
※ごしごし=芯まで煮えていない状態
※こしなご=大型のカタクチイワシ(魚名)[甲]
※こしびき・ひとりびき=人力で引いて畑を耕す農具(同型の牛鍬馬鍬もある)
  こしゃんと・こちゃんと=きちんと、徹底的に、(新はコジャント)
※ごじる=大豆をひいた汁
  ごじれ・ごじくれ=こじれたもの、生育不良
  こすい・こすこい・こっすい=ずるい
※こすしー・こすった=ずる賢い人
※こせ=大型のシマアジ(魚名)[甲]
  ごぜ・ごぜむし=①ゴキブリ、②磯の岩場にいるフナムシ
  こせる=①痩せて肉付きがなくなる、②子供が年齢以上にませる、生意気になる
※こぜにをためる=コツコツと少しづつ着実に金をためる
※ごぜん=ご飯[和にも]
  ごそ=薮(例・やぶごそ、あいだごそ)
  こそばす・こそばかす=くすぐる
※こたー・こたア・ことは・こいとは=こいつは
  ごたい=五体、体
  こたう・こたえる=苦難苦渋する
※こだま=小さめのタモアミ(漁具)
※こたうか=たまるか
  こたやかす=やっつける、とっちめる
※こたわん=たまらない、耐えられない
※こち=東の風(例・キタゴチ=北西の風)
  こちあう・かちあう=道で行き合う、日程が重複する
  ごつい・ごっつい=骨太い、大きい、たいそう(強調語)
※こっから・こっから=ここから
※こっこ=ニワトリ(幼児語)
※こっさえる・こっしゃえる・こさえる=こしらえる、作る
※こっしゃえ・こっしゃえる=拵え・こしらえる(阿波弁の影響を感じる)
※こっすい=ずるい(コスイの強調語)
※ごっすん=五寸[野・海]
※~こったーす=強調語(例・ほりこったーす、やりこったーす)[甲]
※こったら=このような
  こっちゃ=こちら(例・あっちゃこっちゃ、こっちゃい来い)[和にも]
※~こっちゃ=~という事だ
  ごっちゃ=混ざる
※こっちゅー=こすしー、ずるい人
※ごっつい・ごっつう=大きい、強い・大きく、強く
※ごっつォー・ごっそ=ごちそう(サンを付けて「御馳走様」感謝の挨拶)
※ごっとー・ごっつぉー=ごちそう(例・ごっとーさん)
  こっとい=①牡牛、牡の子牛、②男の子
※こっとい=カマスサワラ(魚名)[佐]
  こっとり・こっぽり・ごっぽり=全部、すっかり、(コットリは突然の意味もある)
  こっとり死んだ・こっとりいった=あっさりと死んだ
※こっとりやられた=まんまとやられた
※こつばき=ビシャコ、カミシバ、ヒサカキ(植物名)
  こつむ=とりあえず集め積む[室・野]
※こつる=①鳥が嘴でつっつく、②大工が材木を粗削りする
  こつれ・こつれる=中古品、使い古してへこみ傷やこすれ傷などが目立つもの
※こでつけさでつけ=あれこれくっつけて、こじつけて
※ごてる・ごねる=難癖をつける、文句を言って承知しない
  こと=こいつ(例・どともことも、ことらーは)
  ごと・ごとまつ・ごとんびき=ガマ蛙
※ことーた・ことオた=こたえた、やられた、疲れた
※ことーつろ・ことオつろ=こたえただろう、疲れただろう
  ごとごと=ゆっくり、少しづつ
※ことに=本当に
  ごとまつ・ごとんびき=蛙、がまがえる(蛙)
※ことり・こーとり=子供をさらっていく人、人さらい
  ことわり=謝罪、内訳
  こな・こなくそ=この、こんちくしょう
  こないな・こないに=こんな・このように[甲~阿~和]
※こないこないに=これこれこのように[甲~阿~和]
※こなほー=この阿呆[甲]
  こにい=次男以下の者、(ニーサンは男の人の総称で年齢をとわない)
  こねえ=次女以下の者、(ネーサンは女の人の総称で年齢をとわない)
  ごねる・ごてる=難癖をつける、文句を言って承知しない
※こにゃー=来ないか(同・こにゃーさー、こにゃーだー)[野]
※こば=木場、山の作業場や山小屋のある平坦な場所
  こばえ=親木の周囲に生えた小苗、親木から派生した脇芽
  こばてん・こぶてん・こぼてん=曲げた枝の反動で鳥を捕る罠(野はコボテ)
  こばん=竹ヒゴで作った小鳥籠
  こびき・こびき=木挽き、杣人、樵人
  こびんす=①子供、小僧、②河童
※ごぶ=ゴム(子音MがBに変わる例)
※こぶ=コンブ(海草)[和にも]
  こぶらがえり・こべらがえり=こむらがえり、筋肉が引きつる現象[和にも]
  こぶりあわす=混ぜあわす、つっつき合わす
  こべり=小縁、舟べりの上にはった板[高知県・宍]
  こぼて=曲げた枝の反動で鳥を捕る罠(コバテン・コブテン・コボテン)
  ごま=①玩具のこま[和にも]、②車輪
  こまい・こんまい・こんまちこい=小さい、細かい[和にも]
※ごまうなぎ=体表にゴマ模様のあるウナギ(普通のウナギより太短い南方系鰻で、ガネ              カミ・ガネクイ・カニクイとも言う)海部母川オオウナギは天然記念物
  こまし・こませ=菰や俵を編む台、魚釣りの撒き餌
※ごみうつぼ=トラウツボ(魚名)[佐]
※こみきり・はみきり=藁や草などを一握りほどまとめて切り刻む道具
※ごみくた=ゴミ、雑多な塵芥[和にも]
  こみこむ=夢中になる、熱中する
  こみしお=満ち潮、満ちてくる潮(逆・引き潮)
  ごむぞーり・ごむじょーり=ゴム製の草履
※こむつかしー=ちょっと困難、ちょっと難解(逆・こやさしー)
  こむらがえり・こぶらがえり=ふくらはぎの筋肉が引きつる
※こめをかいに行く=人が死ぬという意味[佐](愛媛方言ではお茶を買いに行くという)
                    (例・〇〇さんが米を買いに行った)
※ごめんでー・ごめんでエ=ごめんね、ごめん下さい、失礼します[甲・海・阿]
※ごめんなして=ごめんね、ごめん下さい、失礼します[海・阿]
※こもーなる・こんもーなる=小さくなる
  ごもく・もぶり=ごもくずし(酢めしに多様な具を散り混ぜたすし)
  ごもくめし=ご飯に多様な具を混ぜたもの
  ごやさって・ごあさって=四日後(アヒタ→アサッテ→シヤサッテ→ゴヤサッテ)
※こやね・こやね=ヒサシ、大屋根の下に造った補助的な屋根[和にも]
  こやらい=育児、子育て
※こら・これ・こらえ=相手をこちらに向かせるための掛け声(接頭語)
  こらえじょー=忍耐力[和にも]
※こらえちゃる・こらえちゃれ=許してやる・許してやれ
                              徳島県はチャがタになる(こらえたる・たれ)
  こらえる=①我慢する、②許す(例・痛みをコラエル、罪をコラエちゃれ)[和にも]
  ごり=ハゼ(川魚名)野根ではチチボと言う、ミミナシ(ボウズハゼ)チョーカイ(ア        ユカケ・カジカ)ノボリコ(川尻から遡上するゴリ類の稚魚)なども同類
※ごりごり=①懲りごり、②煮こごり[甲]
※ごりる=懲りる
※これ=声かけの言葉や合いの手の言葉(例・コレ〇〇さんよ、それはなんコレ)
※こればー=これだけ、これほど
  ころ=重いものを転がして動かす道具、転ばし棒、牛馬に引かせ転がして耕す農機具
※ごろ=文句、言いがかり(例・ゴロをまく)
  ころばし=ウナギを捕る仕掛け筒
  こわしイ=詳しい
※こわけ・こわり=詳細、詳しい理由
※こわる・くわる=筋肉がこわばる、筋肉疲労
  ごんきれ=木の切れっ端
※ごんけつ=げんこつ
  こんこ=沢庵づけ[和にも]
※ごんごん=どんどん(例・山奥へゴンゴン進む、豪雨で水がゴンゴン流れる)
※こんじょわる=いじわる[和にも]
  こんせ・きなんせ=来なさい
  こんた=こいつ、お前[和にも]
※ごんた・ごんたくれ=いたずらで手におえない者[宍]
※こんだけ・こんなけ=これだけ、これほど
※こんどら=今度は
※こんなけ・こんだけ=これだけ、これほど
※こんなく・こんなくー=こんな所
※こんなん=このような
※こんぴらずもー=金毘羅神社の奉納相撲(神社名は、金毘羅、琴平、その他多様)
  こんまい・こんまちこい・こまい=小さい
  こんまいにい・こんまいねえ=次男次女以下の兄・姉(長男長女は大きいニイ・ネエ)
  こんまちこい・こんまるこい=いたって小さい(丸いという意味ではない)
※こんもーなる=小さくなる、恐縮する