方言⇒標準語 順引き辞典:は行



サ行からハ行への変化=京阪神は子音SがHに変化する例が多く、当地ではさらにHも
                      消失する例がある。(例・~シタ→~ヒタ→~イタ)
※は・はー=歯、葉
  はー=揃い、類
※はア=端っこ、端切れ
  ~ば・~ばー・~ばア=~だけ、~ほど(例・ちっとバ、言うバーの事よ)
  ばー・ばば・ばんば=お婆さん、年配の女性
※ぱー=馬鹿、阿呆
※ぱーぱー=しまりのない人、無計画に金を使う人
  ばアす・ばやす=新築祝いで餅投げをする(奪い合うの意味か?)
※はい=接尾語[野農商](例・寒いのーしハイ、足摺方面に同義語「のいハイ」がある
        まったく同一の言い回しが和歌山県の一部にもある)
      (注・応諾のハイは「ハ」にアクセント、野根のハイは「イ」にアクセント)
        用例・問側:これ太田のシー、あのシーはどこのだれぞのーしハイ
              答側:あのシーは原田のシーやのーしハイ
              問側:原田のシーやったかのーしハイ、アテハ山田のシーカト思いよった                    ぞねハイ、けんど今日はひやいのーしハイ
  はい・はよ・はよー=早く(例・はいきー=早く来い)
※はい=①蝿(昆虫名)、②岩礁、③規則正しく積み上げた俵や袋(垪)
※はい・はいはい=進め・牛馬に号令する言葉、(逆・止まれ=ドー・ドードー)
  ばい=①磯の岩場の巻貝類(学名クボガイやクマノコガイなど)、②子供の遊ぶ鉄製の        ベーゴマ、③炭焼き釜の横穴
  ばい・ばいあな=炭焼き釜の横穴(炭焼き用語)
  はいいらず=網張りの食器棚
※はいこみ=船の船首部分の小さな船室[海]
※はいこむ=赤字になる、損失
※はいころび・はいころべ=やどかり(磯の貝の名)
※ばいすけ=土木工事で土や石を運ぶ竹製の畚(モッコ)、バイリョーとも言う
※はいた=いたづり(イタドリ)が成長しすぎて葉が出る(もはや食用にできない)
※はいたたき=ハエタタキ、蝿を叩いて殺す(昔はシュロの茎葉で作った)
※はいとりがみ=ハエトリガミ、片面が接着し蝿が止まったら逃げ出せない、
                両面接着のリボンもある
※はいとりびん=鶴首状のビン、平底に水を入れビンに入った蝿は逃げられない
※はいなー・はいなわ=延縄、はえなわ(漁法)
※はいのき=ハンノキ(植物名)
※はいのむ・はんのんだ=前向きに倒れる、倒れた
※はいのます・はいのまったーす=前向きに押し倒す
※はいはい=這って進む(幼児語)
※ばいもち=バイを塞ぐ蓋で真ん中にジョーゴという小穴がある(炭焼き用語)
※はいやい=早い、かけっこ[海・阿]早いにイが挿入された語法
※はいやい・はやいやい=早さくらべ、かけっこ[ハイヤイは海・阿]
  ばいやい=奪い合い(例・せんぐーの餅をバイヤイして拾うた)
  ばいりょー・ばいろ=貝籠、ばいすけ(東洋町では聞かれない)
  ばう・ぼう=奪う(例・せんぐの餅をボウて来た)
※はえ=南の風
  はえ=垪、ボサ(薪木束)を数える単位で高さ5尺×幅5尺または高さ5尺×幅2間
※はえ・はい=はや(淡水魚の名)野は腹の赤くなったオイカワをアカバエと言う
  はえ=礁、海面前後の岩礁
※はえたて・はえたてにん=保佐や材木や炭俵などを規則正しく積み重ねる人夫
  はえぬき=土着、そこで生まれ育った人
  はえる=垪える、規則正しく積み上げる
  はえる=魚がよく釣れる状態、魚が群れている状態
※はおり=綿入れ、はんてん
※はか=能率、成果、(例・はかどる、はか行く)
※ばか=ボーゼ(魚名)[野]
  はがいー=はがゆい、きしる音で気分が悪い
  はかいく・はかえいく=はかどる、仕事が進む[和にも]
  はがいたらしー=はがゆくて腹だたしい、じれったい、もどかしい
  ばかし=ニセモノ、まがいもの
※はかしょ=墓地、墓所(海ではハカサンとも言う)
※はがっつォ・はがっと=ハガツオ、キツネガツオ(魚名)
※はかばな=お墓に飾る花や枝葉
※はきすて=葬式の出棺時に座敷から履いている草履(墓地へ棄てる)
※はきもん=履物
  はぎり=はぎしり[和にも]
※はぎり・はんぎり・すしおけ=寿司を作るとき寿司飯をまぜる平たい桶[和にも]
※はくたん=白炭(黒炭より高温で焼いた炭)備長炭もこれに属す
  はぐる=めくる(例・女の子のスカートをはぐる)
  はけ=大水で決壊した所、崩壊した所
  はげ=ニザダイまたはカワハギなどハゲ類の総称(魚名)
  はける=品物がさばける、土砂崩れ、決壊する、大水の被害
  ばこする=猫がじゃれつく、植物名リュウノヒゲの別名
※はこぜん=一人前づつ食事を入れる箱の膳
※はこびん・はこめがね=箱の底がガラスで水面から水中や水底を見る道具
※はざ=間、平日(例・土日は忙しいきにハザの日に来い)
  はざかる・はざかる=はさまる
  はざける=はさむ
  はしかい=①短気で怒りっぽい、気が荒い、②むずがゆい、むずむずする[和にも]
※はじき=人差し指で爪弾きする
  はしくる・はしくりまーる=走りまわる
  はしけん=酒場の遊び、両者3本の箸を隠し持ち両者が出した数の合計で勝敗を決する
  はしり=炊事の流し場、洗い場[和にも]
  はしりやい=かけっこ、徒競争(徳島県ではハシンリャイと言う)
  はしる・はしゃげる・はっしゃげる=乾燥してヒビ割れる、焼栗がはじける[甲]
※はすごーろ・はすごーろー=イシダイ(魚名)[県東部]
  はぜ・はで=田畑に設置して稲麦や野菜を乾燥する干しざお
  はそい=もろい
  はそむ=はさむ
  はた=そば、近く[和にも]
  はたかる=足を広げる
※はたき=細長い布の束を棒の先につけた掃除道具(海ではザイとも言う)
※はたきもち=米粉を練ってから蒸して作る餅
  はたく=粉にする(米の例・稲かる→籾こく→玄米する→白米つく→米粉はたく)
※はたく=ハタキで埃を払う(掃除)
  ばたくる・ばちくる=ばたばた暴れる、もがく
  はたける・はだける=開く、着物をめくる・着物をめくって肌の一部をさらす
  はたご=キチキチバッタ、イナゴ(昆虫名)
※ばたこ=三輪自動車
※はたび=国民の祝日
  はたらき=収入、成果
※はたらきて=一家の収入を稼ぐ者、戸主、世帯主
  はち・はちもん=十文に足らぬ八文銭、知能が足らぬ者
※はちかしょ・はっかしょ=四国霊場八十八カ所
  はちきん=お転婆娘、男まさりの女(本来は女の子だが今は大人にも使われている)
            類似言葉に「ハッサイ」「ハチカン」などがあり女の子に適用される
  ばちくそ=罰、神仏の罰、悪行の報い(「くそ」は接尾語)
  はちこる=繁茂する、はびこる
  ばちばちがさ=タケノコの皮で作ったかぶり傘
※はちべー・はっさい=はちきん、お転婆娘、男まさりの女の子
  はちまい=①八の字眉、②ヒザラガイ(磯の岩場に棲む貝の名)
※はちやい・はちやう=はちあわせ、はちあう(同・ハッチャイ、ハッチャウ)
※はちわり=出棺のとき玄関先で茶碗を割る役目[野]
  はつ=まぐろ(魚名)
  ~ばっかし=~ばかり[和にも]
  はつかしょーがつ=1月20日最後の正月行事の日
※はっきら=はっきり[甲]
※ばっこ=粗末な草履[佐]山分はハッコ
  はっさい=おてんば娘(高知県ではハチキンと言うことが多い)
  ばっさり・ばったり・ぱったり=間違いや失敗のときの接頭語
  ばっさりかやった・ばったりいた・ぱったりしもーた=上記の強調の例
※はっしょる=端折る、簡単に、飛び飛びに
※~ばった=~づつ[野漁]
  はったいこ=はたき粉、麦の粉(穀物を粉にすることをハタクと言う)
※はったおす・はっとばす=張りたおす・張りとばす
※はっちゃい・はっちゃう=はちあい、はちあう
※ばっちり=単刀直入、率直
  ばっちりくする・ばっちりくすった=紛糾する、盛り上がる・紛糾した、盛り上がった
※はってん・はってんか=はすっぱな女、積極的な女
  はってんくらう・はってんくるう=懸命に努力する
  ぱっぱ=幼児語の「たばこ」または「おんぶ」[和にも]
  はつり=柱材を荒削りする大工道具
  はつる=材木を荒削りする、固い土地や岩などを少しづつ削る~掘る[和にも]
※はちまき=チョウチョウウオ(魚名)[佐・幡多郡]
  はな=突き出た地形、岬の別名、端、鼻[和にも]
※はな=最初[和にも]
※はな=①花、②墓花=仏壇や墓に飾る枝葉または花、③御祝儀、おひねり
  はなえだ=墓に飾る枝葉、昔は野根海岸線は椿、農村部は樒、甲浦はビシャコ主体
※はながみ=薄い和紙(花飾りを作ったり鼻紙や落し紙にする)、ティッシュペーパー
※はなかん=鮎のオトリがけの時にオトリ鮎の鼻に通す輪っか
※はなくそばー=ほんの少しだけ
  はなご・はなわ=牛の鼻に通す輪っか(牛を操るためのもの)(海はハナコとも言う)
※はなごえ=風邪で鼻づまりの声になる状態
※はなしいる・はなしいっちょる=話に夢中になる
  はなしくい=人の話どおりにしたくなる人[和にも]
  はなしば・はな・はなえだ=墓に飾る枝葉(本町から海部郡にかけて、山間部は樒、
                            海岸部はビシャコやツバキ、神式はサカキ)
※はなたか=天狗、鼻高[山]
※はなつつ・はなづつ=墓の花枝花柴を立てる筒
  はなとり=花取り踊り(土佐の太刀踊りの一種で太刀を使わない演目)
※はなぴしゃ・はなぺしゃ=鼻が低い、鼻がぺしゃんこ[和にも]
  はね=規格外品、きずもの不良品
  はねいた=窓の上などにつける板のヒサシ
※はねおく=天秤棒(オク)で担ぐとき反対側の肩に当てる補助的なオク
※はねかけ=罪や責任の転化
  はねかやる・はねくりかえる=はね返る、ひっくり返る
  はねこける・はねころぶ=転倒する
※はねまた=たてくべの時に原木を縦にならべる道具(炭焼き用語)
  ばば・ばー・ばんば=祖母、お婆さん、高齢の女性
  ばば=きたない、汚物、うんこ(幼児語)[和にも]
  はばしー=すばしこい
※はばせば=幅が狭くて長い鍬、筍掘りや土木用に使う道具
  ばばちー=汚い(幼児語)
  ばばひー=まぶしい
※はぶ=クロメジナ(魚名)[甲]
  はぶ=はぐき、歯が抜けてしまった状態
※はぶく=しばく、張りまわす[甲]
※はぶちゅー=歯ぐき、接吻[野根]
  はぶちょー=歯肉炎、歯ぐきが腫れる
  はぶむ=腫れる、むくみがある
  ばぶれ・ばぶれもん=暴れる、暴れ者、無法者
  ばぶれる=暴れる、好き勝手する、言いたい放題、ふてくされる
  はぶん=半分
※はまぐりがね=キンセンガニ、海の砂地にいる砂色の蟹[甲]
※はませっく=4月3日に菱餅を作り浜でごちそうを食べる(徳島県海部郡の風習)
※はまづみ=海岸から伝馬船やハシケで本船へ荷積みすること[野]
  はまち=ブリの小さいもの(モジャコ→ワカナ→ツバス→イナダ→ハマチ→メジロ→ブリ)
※はまべんとー=浜辺で弁当を食べる(夏の夕涼みや行楽を兼ねる)
  はみ=①まむし(蛇)、②牛馬の餌
  はみかえる・はみかやる=復活する、反抗する、元気になる
  はみきり・おしきり=藁や干し草など牛馬の餌を刻む道具
  はみくい=食欲
※はやいね・はやいねエ=おはよう(朝の挨拶)
※はやいやい=かけっこ(走る早さくらべ)
  はやす=のし餅を切る
※ばやす・ばーす=棟上げ(セングー)祝いで餅投げをする
  はやびる・はやめし=早めの昼食
※はよ・はよー・はい=早く(例・はよーきー、はいきー=早く来い)
  ばら=とげ、いばら
  ばらいた=多少の難がある板、半端な板
  はらがひっつく=空腹になる
※はらく=下痢[甲・海・和]
  ばらごっそ=人が入りにくい薮ごそ
※はらじろ=小型のブリ(魚名)[高知県東部]
  ばらずし・もぶり=ごもく寿司
※ばらぬき=魚の骨を抜くこと(かつおぶし製造作業のひとつ)
※ばらぶくと=体全体にトゲのあるフグ、はりせんぼん(魚名)
  はらぼ・はらんぼ=鰹や鮪の腹部の肉
※はらぼて=腹が太る、妊娠して腹がふくらむ状態
  ばりかつぐ=ひりかつぐ、大小便を粗相する
  はりこむ=奮発する、精出す[和にも]
  はりすえ=針仕事のとき中指にさして針を押しつけて使う、指貫きとも言う
  ばりつく=大声で言い争う、めかしこむ
※はりとばす・はりとばったーす=張りとばす、思いきり張り倒す
  はりのみぞ・はりのみみ=針の穴[和にも]
※はりばこ=針山の付いた裁縫用具入れの箱
  はりまーす・はりまったーす=張りたたく[和にも]
※はりまん=ウナギの幼魚、はりうなぎ(シラスウナギより成長したもの)
※はりやま=開墾した山畑
※はりやま=針山、針さし(針を刺しておく裁縫用具)
  はる=①開墾する、②耕す、③メジロやウグイスが連続して鳴き続ける
  ばる=小便する
※はれした=華やかに活躍した、晴れの舞台だった[佐]
※はれもん=腫れ物、おでき
  はん=中途半端、酒の量が少なくてハンになった
  ばん=炭窯の炭を取り出して消火する炭小屋の土間部分(炭焼き用語)
※ばん・ばんぎ=木馬道に敷く横木、すべりとも言う、バンギを止める木をアタリという
  ぱん・ぱんこ=子供の遊び、めんこ
  はんか=繁華、繁盛、順調
※ばんかた・ばんがた・ばんげ=夕方
  はんぎり・はぎり・はんぼ・はんぼー=すしおけ、寿司飯をまぜる平たい桶[和にも]
  はんけ=半年
※ばんごや=炭窯とバンを屋根で覆った小屋(寝食部屋も含めて炭小屋と言う)
※はんじょーはんじょー=陶磁器の類が割れたときに唱える言葉
※ばんた=捕り方役人の下回り、地域の治安を監視する番人[和にも]
  はんだい=ちゃぶだい、座って食事をする机卓・飯びつの意味でも使う
  はんど=水を溜める大きめの水がめ
  はんどかう・はんどかぶる=思い違い、見込みちがい、だまされること
  ばんど・ばんどー=アオブダイ(魚名)
※はんのき=灰ノ木、ハイノキ(植物名)
  ばんば・ばー・ばば=祖母、お婆さん、年配の女性
※ぱんぱん=売春婦
  はんみち=およそ半里(約2㎞)
  ばんもち=午後に定置網をあげること(逆・あさもち)、力くらべ、力だめし
※ばんもちいし=力石、神社などに常置してある力だめしの石
  はんやく=半人役、半日

            ひ
※ひー=ヒーは比、碑、非など、ヒイは日、陽など、ヒイは火、灯など
※ひーいっぱい=一日中
  ひーとい=一日、いつぞや
※ひーじー・ひーばー=曾祖父、曾祖母
  ひーふく=猫が怒って「フー」と唸る
  ひあい・ひやい=日限、日数
  ひあき=忌み明け
  ひあたりあめ・ひよりあめ=晴天なのに降る雨
※ひあわせ=出産後七日間は家の火のものは食べず8日目に家族と共に食事する事
            死者の家の火も忌む。別火の風習は昔は他にもいろいろあった
※ひうきだけ・ひゅーきだけ=火吹き竹
※ひうちはげ=カワハギ(魚名)[甲]
  ひえ=腫れ物(子供の尻や脚などにできやすい)
  ひえり=香り米、匂い米(米の種類)[山]
※ひがし=東の風、都の方向(東上する:西下する)
※ひかしもん=深海で海中に垂らして錨代わりにする重り、シーアンカー[宍]
  ひがしやま=蒸したサツマイモを天日干しにしたもの
  ひがち=必死、夢中
  ひがなひんどし=一日中(海ではヒガナイチンチとも言う)
※ひがはいる=葬式や出産の家の火で料理したものを家に持ち込む、またヤケドした者が              葬式や法事に出た時にも言う、不吉を避けるために火を分ける
  ひがまじる=同上(対策として火を分ける、火合わせをする)
  ひがらめ・ひんがらめ=斜視[和にも]
  ひがんぼーず=土筆、つくしんぼう
※ひがんぼし=痩せさらばえる[甲]
  ひき・ごとんびき=蛙[和にも]
※ひきえぶり=炭をかき寄せる道具(炭焼き用語)
  ひきさがす=とり散らかす
※ひきばい=うばいあい、希望者が多い
※ひきゃく=死亡しらせ役で必ず2人で行く[海](東洋町などは単にシラセと言う)
※ひけつ=便秘
※ひげむし=毛虫、蝶や蛾の幼虫
  ひこじる・ひこずる=引きずる[和にも]
※ひごのかみ=折りたたみ式ナイフ(子供の工作道具)
  ひさ=した
  ひざか=日盛り、暑いさなか
  ひさしかぶり=久しぶり
※びさっちょ=毘沙門天[甲]
  びし=魚釣りの重り(海ではビシンとも言う)
※ひしゃげる・ひっしゃげる=おいつぶす、おしつぶれる
※びしゃこ=ヒサカキ(植物名)墓に飾る花枝(甲浦~海部郡~和にも)
※ひすべ=イシダタミガイ(貝)[甲]
  ひせ=不稔稲、籾殻だけで中身が稔っていない稲
  ひせる・ひせくる=悲鳴をあげる、泣く、泣き叫ぶ
  ひぞこ=干潮、もっとも潮が引いた状態[県東部]
  ひた=①下、②舌
※~ひた=~をした、~をやった
  びた=アカアマダイ(魚名)[甲・県西部]
※ひたえ=額
※ひたえじろ=額の白くなった老タヌキで人を化かすという
  ひだける=朝の仕事が遅くなる
  ひだま=人玉、人魂
※ひだりかた=得手の悪い左の肩で担ぐこと、急坂で大名行列のお殿様の駕籠を担ぐとき              前後でなく左右で担ぐため野根の百姓は日頃から左肩の練習をしていた
※ひだりぎっちょ・ぎっちょ=左きき[和にも]
※ひだりまえ=①着物を左側を下に着せる(死に装束)、②事業や家運が傾く
  ひだりまき=①たかのはだい(魚名)、②馬鹿者
  ひだりイ・ひだるい=空腹でしんどい、力が出ない[和にも]
  ひち=七、質、[シをヒに発音、徳島県や大や和でも多用される]
  びちくる=魚が跳ねる様子
  ぴちぴち=若く元気な様子、魚が新鮮な状態
※びちゃびちゃ・びっちゃんこ=水に濡れた状態、びしゃびしゃ
※ひちょく・ひちょけ=しておく、しておけ
  ひっ~=強調の接頭語
  ひっかち=ミソサザイ(鳥の名)
  ひっくりかやす・ひっくりかやる=ひっくりかえす・ひっくりかえる
※びっくりしゃっくり・びっくりしゃくる=びっくりする、驚くの強調語
※ひつこい=しつこい[和にも]
  ひっしゃくる・ひっちゃくる=ひったくる、竿や紐などをしゃくる
  ひっしゃげむぎ=押し麦(麦飯の材料)
※ひっしゃける=裂けるの強調語
  びっしり=①いつも、②隙間のない様子[和にも]
  ひっしゃぐ・ひっしゃげる=ひしゃぐ、押しつぶす・ひしゃげる、押しつぶれる
  ひっちゃくる・ひっしゃくる=ひったくる、竿や紐などをしゃくる
  ひっつかまえる=ひっ捕らえる
  ひっつく=くっつく、接着する、合流する、男女が仲良くなる
※ひっつけずし=ネタを乗せた握り寿司、単にヒッツケとも言う
  ひつて=稲刈りのあとの株から再び生えた稲、ひこばえ
  ひっとこまえる・ひっとこまえる=ひっつかまえる、捕らえるの強調語
  ひっとつ・ひとーつ=一つ
  ひっぱる・ひっぱりあう=縁がつながっている
※~ひて=~して[和にも]
※ひてから=そうしてから[和にも]
  ひてた・ひてる・ふてた・ふてる=捨てた、捨てる
※~ひと=人名のあとに付ける言葉[佐]、野根では「~しー」と言う
  ひとーつ・ひっとつ=一つ
  ひといき=いっとき、少しの間
※ひとかま=一連の炭焼き作業または一回の作業でできた炭(炭焼き用語)
  ひとかめ=一重まぶた(二重瞼はフタカメ)
  ひとかやり・ひとかえり=一往復
※ひときれ=田畑の一筆
  ひとくち=小休止、短時間、一言、株や寄付金の一口
※ひとくらう=否定の意味の強調語[野]
※ひとっちゃー=一つも[佐]
※ひとつった=一つづつ[野]
  ひとっつも=一つも、少しも
※ひとく・ひとんく=よその家、他人宅
※ひとまーり=ひと回り、12年の差(同じ12支)
※ひとみ=しとみ、蔀戸
※ひとりびき=牛馬でなく人が引いて耕す鍬、農耕具[海]
  ひなたあめ・ひでりあめ=晴天なのに雨が降っている
※ひなたぐそ=表面だけ固まった糞、日焼けして黒い顔[和にも]
※ひなたみず=水を張ったタライを日当りに出して自然に暖めた水、岩場の暖い溜り水
  ひにちぐすり=日数がたてば自然に直ること
  ひねくる・ひねる=つねる、ねじる、試験問題などをひと捻りする
  ひねちょる・ひねる=練達している、新鮮さがなくなる[和にも]
※ひのし=炭火を入れて布のしわを伸ばす道具
  ひのじ=東南向きの土地、集落(逆・カゲジ)
※びびる=恐れる、こわがる、足がすくむ
  ひぼ=ひも(子音MがBに変わる例)
※ひぼいし=家の周囲の犬走りのふちの石[海]土佐ではカズライシ
  ひみず=やまかがし(蛇の種類)噛まれたら日を見ずに即死すると言う赤い小蛇
※ひみず=シーボルトミミズ、青色の大きなミミズ、カンタロミミズ
  ひみち=山火事のとき延焼を防ぐため前もって一定幅で草木を切り払った防火帯
  ひめいち=ヒメジ(魚名)赤く小さな魚
※ひめかい=女郎買い[和にも]
  ひめじ=ヒメジ(魚名)[佐](和名だが高知県はヒメイチが一般名)
  びや・びあ=ビワ(果樹)
  ひやい=冷たい、寒い(当地では冬でも冷たいとか寒いとか言わずヒヤイと言う)
※ひやいがちがう=ひじょうに寒いこと
  ひやく・ひよー=日雇い、日当
  ひゃくひろ=臓物、腸[県東部・和にも]
  びやびや=やわらかく弾力のある(形容詞)ぶよぶよ
  ひゅーきだけ=火吹き竹、息を吹きかけて火を盛んにするための道具[和にも]
  ひよー=日雇い、日雇い人夫
  ひょーげ=おどけ
※ひょーそー=腫れ物
  ひょーだい=へだい(魚名)
※ひよーてはなしがない=とても寒くて話もできない[甲]
※ひよーなる・ひよーなった=寒くなる・寒くなった
※ひょこ=将棋の駒の歩兵
  ひよこぐさ・ぴよぴよぐさ=はこべ(草の名)鶏の餌にもなる
※ひよこちおどり=甲浦八幡宮祭に奉納される青年と子供の太刀踊り[甲]
※ひょたひょた・ひょたくる・ひょこたれる=よろよろ・よろよろする・弱り込む
※ひょっくり=春蘭[甲](野根はヨコリ、当地ではホクリやジジババとは言わない)
※ひょっこり=突然、思いがけず
  ひよひよ=幼くて危なっかしいさま
  ひよりあめ・ひなたあめ=空は晴天なのに雨が降ること
※ひよりくろーた=天気が悪くなって予定の事ができなかった
※ひよりまち=海が凪ぐまで船積み作業を休むこと[野]
  ひょろける・ひょろつく=よろよろする、よろける[和にも]
  ひら・ひらち=山の中の平地、斜面
※ひらい=消火して冷ました炭を拾って荷造りする作業(炭焼き用語)
  ひらう=拾う
  ひらき=魚を背面または腹面から開く(土佐では腹面開きを嫌がる)、開いて作った干物
  ひらくたい・ひらくったい・ひらべったい=平らなこと[和にも]
  びらくる・べらくる=ぶら下がる、酒に酩酊する、混乱する、疲れ果てる
  ひらご=マイワシの幼魚(魚名)(チリメン→コビラ・コベラ→ヒラゴ)
※ひらべったい・うすべったい=薄くて広い
  ひりかつぐ=大小便を粗相する
  びりけつ・びりげっとー=最後尾、最下位(同・げっとー、しりげっとー)
※ぴりぴりする=神経質におそれる、おびえる
  ひりもつー・ひりもつくる・ひりもたくる=大小便を粗相する
※ひりょー=法事の精進料理のヒリョウズ、がんもどき
  ひる・びる=ヒル(吸い付いて血を吸う水中生物)
※ひろ=尋、両手を広げた長さ約1.5m、保佐の単位1尋は長さ2尺×幅と高さ5尺
  ひろしまへこめかいにいく=人が死ぬこと[足摺地方・もとは愛媛方言?]
  ひろしまへたばこかいにいく=同上[佐喜浜と足摺・もとは愛媛方言?]
  ひろしまへおちゃかいにいく=同上[佐喜浜・もとは愛媛方言?]
  ひろて=尋手、山林を買うときどれだけの材木量があるかという意味
  ひろはっちょー=広い田畑
※ひわだ=桧の樹皮を叩いてやわらかくしたもの(水漏れ場所に詰める)
  ひん~=強調の接頭語(例・ひんのむ、ひんまげる)
  ひんがらめ=やぶにらみ
※ぴんぐす・びんぐし=カゴカキダイ(魚名)[甲・室戸・幡多郡]
※ひんごむ・ひんごんだ=ひんのむ(飲み込む)・ひんのんだ(飲み込んだ)[甲]
  びんす=小さい子供
  ひんずつ・ひんずと=自然に、おのずから(ひんづつ・ひんづと)
※びんだま=①ビー玉、子供の遊ぶガラス玉、②網を浮かすガラス玉(漁具)
  びんだれかき・びんだれこき=だらしない人、不潔な人
  びんちょー・びんちょーたん=備長炭(ウバメガシを原料にして高温で焼いた炭)
※びんつく=血色がよくはちきれんばかりの肌[甲]
※ぴんつく=計量器が重さではねあがる、逆=ねぶたい
  ひんづつ・ひんづと=自然に、おのずから(ひんずつ・ひんずと)
  ひんどし=一日中(例・ひがなひんどし)
※ひんどれる=衰えきる[甲]
※ひんな=ひるな(例・小便ひんな)
  ひんのばす=たたきのめす(ヒンは強調の接頭語)
  ひんのむ=飲み込む
  びんび=魚(幼児語)
  ひんまがる・ひんまげる=曲がる・曲げる(ヒンは強調の接頭語)

            ふ
※ふ・ふー=麸
  ふー=外見、世間体、なりふり
  ふー=火、息を吹いて冷ます(幼児語)
  ぶー・ぶんぶ=水(幼児語)
※ふーきだけ・ひゅーきだけ=火吹き竹
  ふーたい=費用
※ふい=冬
※ふいよる=雨が降っている[~イヨルはおもに野根漁師と海部漁師が使う言葉]
  ぶえん=塩付けしない生まもの(海はビエンとも言う)
  ふか=①サメ(魚名)、②いくらでも酒を飲める酒豪
※ふかぐつ=長靴、水が入らない長い靴
  ふかんぶち=深い渕
※ふきおろし・ふきさげ=母家の壁などにつける片屋根
※ふきもん=布巾、拭く布
  ふく・ぶく=喪中、忌中[和にも]
  ふくしらが=若いうちから生えるごく一部の白髪
  ふくと=フグ(魚名)
  ふくら=①ふくらはぎ、②最中
※ふぐり=陰嚢、(睾丸はキンタマ、陰茎はマラ)
  ふくろうち=打ち身、紫色になる打ち傷
※ふくろましこ=膨らまし粉
※ふくろむ=膨らむ
※ふくわかし=鏡びらき、正月四日の行事で正月にお供えした物を雑炊にして食べる
※ふけ=古池[佐]
※ふこー=人が死ぬこと(例・あの家は不幸が続いた)
※ふご=畚、藁で編んだ運搬用の道具(イモや野菜などを運ぶ)
  ふごめ=ふんどし
  ふごめかき=成年者、昔は男は14歳からフンドシを着用した
  ふし=鰹節(鰹類や鯖の身をゆでて半乾燥または乾燥熟成して作る)
  ふしごっとー=節だらけの木材
  ぶすがへーともいわん・ぶすともいわん=何も言わない、応答してくれない
  ふすべる・ふすぼる=くすらせる、煙らせる・くする、煙る、すすける
※ふたーつ・ふったつ=二つ
  ふたいとこ・ふたいとこはん=従兄弟従姉妹の子供同士を二従兄弟、その子との間を
                              二従兄弟半という
  ふたかめ=二重まぶた(一重まぶたはヒトカメ)
  ふたり=無用になったこと、無駄に捨てる部分
  ふたる=落として無くなる、抜け落とす、捨ててなくなる、廃れる
  ふたった=落として無くなった、捨たった、無駄になった
  ぶち=鞭
  ぶち・ぶちめし=炊けくさしで芯のかたい飯(海ではカンチと言う)
  ぶち~・ぷち~=強調の意味の接頭語(例・ブチ壊す、プチこける)
※ぶちくらす・ぷちくらす=くらわすの強調語
※ぶちくらったーす・ぷちくらったーす=くらわすの強調語
  ふつかぼし=刈り取った稲を2日間天日で乾燥させる(このあと脱穀する)
  ふつくろ=ふところ
  ふつごー=失礼、無礼
  ぶったい・ぶったいまど=押しあげ開く窓、ツッパリ窓
  ぶっちょー=ぶっちょー造り、ウワミセシタミセのミセ造り、蔀帳
※ぶっちょった・ぷっちょった・ぶっちょちた・ぷっちょちた=落ちたの強調語
※ぶっちょちる・ぷっちょちる=ぶち落ちる(ブチ、プチは強調の接頭語)
※ぶっちょる=張り合っている、甲乙つけがたい
  ぶつともいわん=何も言わない
※ふて=捨てよ(命令)、無駄、無益
  ふてた・ふてる・ひてた・ひてる=捨てた、捨てる[和にも]
※ふてふて=捨て捨て、粗末にすること
※ぶと=ぶよ(人を刺す虫の名)
※ぶどーうつぼ=アミウツボ(魚名)
  ふとーなる・ふとなる・ふとる=大きくなる、生長する
  ふといこと=たくさん
  ふといにーさん・ふといねーさん=年長の兄・年長の姉
※ふどいも・にどいも=ジャガイモ[徳島県](東洋町では使われない)
※ふとらかす=子供を育てる
※ふなうた=進水式や神祭などで歌う祝い歌
※ふなおろし=船が完成しての進水式
※ふなくそ=漁師がわざと船底へ残して自家用に持ち帰る魚
※ふなくそ(北川村)・くそうだに(宍喰)=津波のとき舟が9艘打ち上がった伝説の地
※ふなゆーれん=舟幽霊、海坊主
※ぶに=運ぶ荷[和にも]一般的にブニは運を意味する
※ふねたてえ=舟を風の方向に向けよ(命令)[宍]
※ふま・おふま=神仏に供える米、墓参の時ささげ豆や茄子をサイの目に刻んで米に混ぜ                たお供えもの(線香とともに一人一つまみ供える)
※ふまあせ=炭俵(スミダス)を編む台
  ふみうす=からうす、杵の柄の部分を足で踏む臼
  ふみつぎ=からうす搗きの踏み台
※ふみちゃちゃくる=踏み乱す(~チャチャクルは~やりまくる)[和にも]
※ぶらくる・べらくる=酒に酩酊する、ぶら下がる、疲れてのびる
  ふらふ=大漁旗(漁船の飾り旗)、大漁旗サイズの祝い旗(男子の節句に揚げる)
  ぶり=鰤(魚名)(もじゃこ→わかな→つばす→いなだ→はまち→めじろ→ぶり)
        徳島では「わかな→つばす→いなだ→はまち→めじろ→もんだい→おーいお」
※ぶり=肉鶏のプリマスロック
※ふりかご=天秤棒で担って運ぶための籠(例・イモフリカゴ)
  ふりちん・ふりきん=素っ裸(例・ふりちんで泳ぐ)
  ふりくる=振る
  ぶる・ぼる=液体が漏れる(例・雨がぶる、天井からボッテきた)
  ふるせ=蔓をとった後の親芋、新子をとった後の親しょうが、老獪な人や獣など
  ふるつく=ふくろう(鳥名)幼児には「人さらい」の鳥として使う[和にも]
  ふろ=風炉、しちりん(炭火のコンロ)
  ふろ・ふろー=ささげ豆
  ふろや=銭湯
※ふわたくれる=膨れっ面する、腑抜ける[甲]
※ふわつく=ふわふわする、落ち着かない、決断できない[甲]
※ふんごむ=踏み込む、泥中へずびこむ
※ふんだて=舟板[佐]
  ぶんつく=早く走る
  ぶんどー=文豆、そらまめ
  ぶんぶ=水、入浴、行水(幼児語)
  ぶんぶがきれる=精根尽きはてる
※ぶんぶん=2本の糸にプロペラを通し反動を利用して回す玩具、ぶんぶん音がする
  ぶんや・ぱちんこ=二股枝にゴム紐をつけ小石を飛ばす玩具、強いものは鳥を捕る
※ふんりょる=雨がふっている[徳島県]高知県はフリヨル

            へ
※へー・へい=塀、囲い
※へエ=屁、おなら、(例・ヘエをこいた、ヘエをひった、ヘエとも思わん)
  べ・べー=単独に使って「いや」「だめ」など否定の意味
※~べ・~べー=接尾語・幼児語(あかんべー、いやべ、言うちゃろべー)
  べー・べら・べろ=舌
※へーこら=平身低頭、低姿勢
  へーぼ・へーぼーさん=水痘、水はしか
※へか・へかち・へかと=ほか、脇
※へかった・へかっち・へかっちょ・へかっと=ほかの所、脇
  べかこ=あっかんべー、下り眉の顔、ブス(軽蔑語)[和にも]
※へかこと・へかごと=関係ない別のこと、別の話
※へぎ=ごく薄い杉板(野根杉のヘギは良質で昔は包装紙代りにした)
  へぐ=剥がす、そぐ、剥がすように極く薄い板を作る(野根板)[和にも]
※へくる=やりそこなう(近年の若者の流行語)
  へこ~=悪い意味を強調する接頭語(例・へこたすい、へこしんどい)
  へご=粗悪、悪質(例・へごな事、へごな物、へごな奴)
  へこい・へこすい=ずるい
  へこたすこい=たすこい、元気がない、ふぬけている
  へこたるい=無気力、覇気がない
  べこのかー=なきべその顔、ブス(軽蔑語)
  へこむづかしー=気難しい、難癖をならべて容易に同意しない
※~へざった・~へだった・~へなんだ=~しなかった
※へしおる・べしおる=折るの強調(ヘチ、ヘシ、ブチ等は強調の接頭語)[和にも]
  へしょる・べっしょる=折るの強調
※へじる・へずる=削減する
※へそ=動物の臍、柑橘類の果実の付け根の盛り上がり
  へそてん=何も心配せず寝ている、誰はばからず寝ている
※べたあし=扁平足
  べたなぎ=海が大変おだやか、波もないほどの凪
  へたる=へたばる、疲れて動けなくなる[和にも]
※へたれ=屁をひる者(軽蔑語)
  へち・へか・へかち・へかっち=別の場所、別の事、脇(ヘチは土~新)
  へちこち・へちゃこちゃ=あべこべ、逆
※へちゃ=別の場所(例・ヘチャへいけ)本町ではヘチよりヘチャを使う
※へちわる=ぶち割る(ヘチ、ヘシ、ブチ等は強調の接頭語)
※へっこむ=へこむ、引っ込む[和にも]
  へっしょる・べっしょる=へし折る(ヘッはヘシの変形)
※~へった・~へなんだ=~しなかった
  べったり=たくさん、全面
※へっぽ=スマ(魚名)[甲]
※へつる・はつる=削る、小刻みにたたき削る
  へづる=うわまえをはねる、削減する
※へてから=それから
  べにゆび・べにいび=紅さし指(女性が口紅を塗る指=和にも)、薬指
  へのこ=男性器
  へのこっぱ=なんでもない、平気
  へのつっぱり・へーのつっぱり=少しの役、わずかな効き目
  べべ=着物(幼児語)
※へや=日当たり悪くて物置などに使う小部屋(使う部屋をマーと言う)[甲]
  べら・べろ=舌(魚名ベロはベラのこと、アカベロとアオベロがある)
※べらい・べらいてん=弁財天
※べらくる・ぶらくる=酒に酩酊する、ぶら下がる、疲れてのびる
  へらこい=ずる賢い、抜け目がない(香川や徳島の県民性を指すという言葉である)
  へれる=それる
  べら・べろ=舌(ベロは一般的、ベラは野根地区)
  ~へん・~せん=~しない[東洋町から徳島県や大阪]
※~へん=~あたり、~に関連して、(例・なにヘンが聞きたい)[和にも]
※べん=話し方(例・べんがえい、べんがたつ)
  へんがい=返品、契約解除[佐]山分はヘンガエ
※べんけい=キントキダイ(魚名)[甲]高知県では通称メバルと言う
  べんけい=べんけい蟹[東洋町]
※へんこつ・へんこつもん=偏屈者、すなおでない者
  へんしも=片時も、急ぎ早く(新)
  べんたち=口が達者な人
※へんちくりん=変なかたち、おかしな格好、偏屈者
※へんづつ・へんづと=かわるがわる、だんだんと
  へんど=正規発音は「へんろ」(四国八十八カ所遍路のこと)
        (子音R~LがDに変化・徳島県~高知県の海岸線の発音訛り)
        (注・ヘンドとヘンロを区別する説もあるが当地方の発音は両者同一である)
※へんどこじき=遍路のように流浪する乞食
※へんどこんじょー=ただ飯ただ酒など他人にたかる性根
※へんどざけ=他人の酒を飲ませてもらう、ただ酒、たかり酒
※遍路(へんど・へんろ)のおつとめ=門つけ・行乞・托鉢
        (四国遍路が玄関先でお経を唱え、同行二人弘法大師の功徳を施すことにより
          遍路道沿い住民はその功徳に感謝してご接待で応えるという遍路文化の原点)
※へんどぶくろ=さんや袋、遍路が胸にぶら下げる袋で死者にも葬式で持たせる
※へんぴ=辺鄙、都会から遠く離れた僻地
※へんび・へんびうつぼ=トラウツボ(魚名)[甲・室戸]
  べんべ=着物(幼児語)

            ほ
※ほー・ほーかい=そうですか[甲・海・阿]
※ほー・ほーけ・ほーで=そうですか[海・阿]
※ほーいた・ほいた・ほひた=そうした、無アクセントは「そのような」の意味
                        (同・そーいた、そいさ、そいた、そひさ、そひた)
※ほーいて・ほいて=そうして(同・そーいて、そいて、そいて、そひせ、そひて)
  ほーかぶり・ほっかぶり=頬被り(両方が得するのは頬被りぐらいのもの)
  ほーけ=箒
  ぼーぜ=イボダイ(魚名)通称バカとも言う
  ほーたれ・ほたれ=カタクチイワシ(魚名)頬が垂れるほど美味しい
  ほーたろ・ほたろ=蛍[甲・山]
※ほーだろ・ほーだろな=そうでしょう[徳島県]
  ほーたんぼ・ほたんぼ=頬、ほっぺた(海はホータブロ、ホタブロとも言う)
※ぼーに・ぼに=お盆[甲・海]
※ほーばい=朋輩、仲良し、友人、親戚
  ほーはっちょー=おたふくかぜ、大きな頬の化け物(頬八丁)
※ほーひた・ほひた・ほひさ=そうした、無アクセントは「そのような」の意味
                          (同・そーいた、そいさ、そいた、そひさ、そひた)
※ほーひて・ほひて・ほひせ=そうして
  ほーべた=ほっぺた
  ほーほーする=大事にする、可愛がる[土~海]
  ほーやく=いい加減、だらしない、粗雑、粗末に扱う
※ほーやけんど=そうだけれども
※ほーゆーたち・ほーゆーたっち=そう言っても[野~土]
※ほーよ=そうですよ[甲~徳島県]
  ほーれき=痴呆、もうろく
※ぽーんと・ぽんと=全部[野根でよく使われた言葉]
※ほオ=頬、穂
※ぼオず=①坊主、②男の子
※ほいさん=坊さん、僧侶[佐]
※ほいしょ=「はいよ」の意味の掛け声
※ほいた・ほひた=干した、乾燥した
※ほいたところ=そうしたところ
  ほいたら・ほたら=そしたら[和にも]
※ほいて・ほひて・ほいてから=そして、そうして[和にも]・そうしてから[和にも]
  ほいと=乞食
※ほいとこんじょー=乞食根性、やたら欲しがる
※ほいとざけ=ただ酒、おごって貰って酒を飲む
  ~ほか=~しか、~以外
※ぼが=ゆめかさご(魚名)別名アカバ(足摺方面ではホゴ、ホーゴーと言う)
※ほかごと・へかごと=べつのこと(例・ホカゴトかんがえず打ち込め)
  ほかす=捨てる
  ほがす=おだてる、喜ばせる、機嫌をとって物事をやらせる
  ぼくとー=木切れ、木刀、木刀の代わりになる棒切れ
  ほぐる=猪が鼻で薮を突き進む、猪が鼻で土を掘り起こす、モグラが土中を進む
          牛が角で突く
  ほけ=湯気、蒸気、(ひりだちの糞でホケがたっちょる)
※ほげた・ほげす=ふざけた・よくふざける人・調子者
※ぼけっと=ポケット
※ほげな・ほげに=そんな、そのような・そんなに、そのように
※ほげる=ふざける、調子に乗る
  ほこ=そこ[甲・宍・海・阿・山]
  ほこる=植物がよく茂った様子、豊かに育つ
  ぼさ=保佐、薪木(燃料商品としては長さ2尺、家庭用はもっと短い)
  ぼし~=強調の接頭語[高知県西部](例・ボシ切る、ボシこむ)
  ほしかー=生ま芋を輪切りにして干したもの
※ほしこーろ・ほしこーろー=イシガキダイ(魚名)[甲・室戸]
※ほして・ほしたところ=そうして・そうしたところ[宍・海]
※ほじゃきに・ほんじゃァきに=そうだから[野~土]
※ほじゃけん・ほんじゃけん=そうだから[甲~阿]
※ほじゃけんど・ほんじゃけんど=そうだけれども[甲~阿]
※ほじる・ほじくる=掘る、掘り探す
※ほせくさし・ほしくさし=乾燥の途中
  ほぜる・ほぜくる=掘る、掘り探す[和にも]
※ほそー・ほそゥ=細く
  ほた・ほたぎ=保佐より細い小枝、各人が山から拾ってきて燃料にする
  ほた=木や切り株の腐ったもの
  ほたえる・ほたこえる=騒々しくはしゃぐ、ふざけて騒ぐ[和にも]
  ぼたぐさり・ぼたぐされ・ぼたぬれ=ぼったり濡れた様子
  ほだくさん=あり余るほど、たくさんの強調語
  ほたくる・ほったくる・ほらくる=放りすてる、放置する
※ほだけん・ほだけんど=そうだから[甲~阿]・そうだけれども[甲~阿]
  ぼたぬれ=ずぶ濡れ
※ほたら・ほなら=それでは、それなら[和にも]
※ほたるかご=麦ワラで編んだ虫かご、ホタルを入れるための虫かご
  ほたれ・ほーたれ=カタクチイワシ(魚名)頬が垂れるほど美味しい
  ほだれる=疲れる、芯から疲れる
※ほたんぼ・ほーたんぼ=頬
※ぼちぼち・ぽちぽち=損得なし、大差なし
※ぼちぼち・ぽちぽち=ぼつぼつ(少しづつ、頃合い)[和にも]
※ほちゃ・ほっちゃ=そちら[和にも]
  ぼっかり・ぽっくり=突然、思いがけず(例・町でぼっかり会うた)
※ほっくりせん=はっきりしない、期待できない、病気が良くなってこない[和にも]
  ぼっこ・ぼっこー・すぼっこー=おおげさ、荒っぽい
※ほっこら=ご飯などがふっくらと炊けた様子
※ぼっこすけ=おおげさな事、おおげさな事をする人
※ぼっさん・ぼんさん=お坊さん、僧侶
※ほったーす・ほってたーす=放り捨てる、ほったらかす
  ぼったり・ぽったり=全部、全域(例・ここらーぼったりワシの所有地)
※ほっちょく・ほっちょけ=放っておく、放っておけ[高知県]徳島県はチョをトと発音
  ぼっちり・ぽっちり=①ちょうど、ぴったり、②少し、わずか
※ほっつく=ぶらぶらする、うろうろ歩きまわる
※ほってたーす・ほってたやす=放り捨てる、ほったらかす
※ぼつぼつ=少しづつ、そろそろ
※ぼつぼつおきよ=そろそろ終りませんか(先に仕事を終えた人の挨拶言葉)[野]
※ぼつぼつひしらえてこいよ=同上(同上)[甲]
  ほっぽる=放り投げる
  ほて=梵天、木綿糸の先端をバラして束ね房状にしたもの、腰にぶら下げて夏場の虫を
        追っ払ったり、さまざまな飾り結びにも幣束として使用される
  ほて~=蔑視の接頭語(例・ホテ汚い、ホテめんどい、ホテややこしい)
          「ほて~」の言葉は多いので個々は略す
※ぼてがいる=太る(同・はらぼて=腹が太る)[甲]
  ほとばかす=水分を含ませる、水や湯に浸らせる
  ほとびる=水分を含む、水や湯に浸る
※ほな・ほないな・ほないに・ほなら=そんな・そんなに・それなら[徳島県]
※ほなけん=そうだから[徳島県]
※ほなって=だって、そんなに言っても[徳島県]
※ほなら・ほたら=それでは、それなら
  ほに・ほにや=本当に、ほんまに[和にも]
※ぼに・ぼーに=お盆[甲・海]
※ほねやすけ=骨休め、休憩
※ほの=その[徳島県]
※ほのかい=そのかわり[徳島県]
※ほのかいなー・ほのかいに=そういうけどなあ、そういう手も[宍]
  ほのき・ほのく=熱気、ほとぼり・暑くなる、熱くなる
※ほひた・ほいた=干した、乾燥した
※ほひて・ほいて=そして、そうして
  ほぼ=捕亡、警察官
  ぼぼ=女陰
※ほま・ほまに=本当、ほんまに
※ほや・ほーや=そうだ
※ほやけんど・ほやけんど=そうだけれど[甲~海~阿~大~和]
※ほやさかい=そうだから[海~阿~大~和]
  ほやす・ほやしかける・ほやしたてる=はやしたてる[甲]
※ほやって=そうやって、そうでしょう(肯定)
※ほやろ?=そうでしょう?(疑問)
※ほら=そら、会話の間にはさむ言葉(例・隣のホラ猫がホラうちへ遊びに来ちょら)
※ほらー・ほりゃー=それは
※ほらくる=放置する、放ってしまう[和にも]
  ほり=コクゾウムシ(米に発生する害虫)
※ほりこったーす=ほうり込む、放りこんでしまう[甲]
※ほりさがす=散らかす、片付けない様子、捨て捨てにする[和にも]
※ほりすてる・ほりふてる=放り捨てる
※ほりほり・ほーりほーり=粗末に扱う、粗雑に扱う、捨て捨てにする
  ほりゃー・ほらー=それは
※ほりゃほりゃ・ほんほん=牛を進める号令(馬はハイハイの号令)
※ほりゃみー=それ見ろ
  ほる=放る、掘る、置く、投げ捨てる、取り合わない[和にも]
  ぼる・ぶる=液体が漏れる(例・雨がぶる、天井からボッテきた)
※ほれ=それ(例・ほればー=それくらい、ほれから、ほれが大事よ)[和にも]
※ほれ=それ(例・ほれみー=それ見よ、行こうかホレ)[和にも]
※~ほれ=~だ・ホラ(念押しの接尾語)
  ぼろくそ=めちゃくちゃ(例・ボロクソに怒られた、ボロクソに儲けた)
  ほろせ=じんましん、発疹
※ぼろった=ぼろぼろ、おんぼろ(徳島はロにアクセント、高知はタにアクセント)
  ほろびんそー=マツバボタン(花の名)
  ぼろぼろ=雨が少しづつ降り始めた様子、小雨
※ほわいら=虚脱状態[甲]
  ほん・ほに・ほんに=本当に、ほんの
※ほんけん=畳のサイズ:190×95㎝、京間とも言う
          (江戸間:176×88㎝、柱も含め180×90㎝、田舎間とも言う)
          (あいの間:182×91㎝、京間と江戸間の中間)
  ほんこ=本勝負(逆・うそこ)子供の勝負ごと遊びのルール
  ほんじゃー・ほんぢゃー=そうだ
※ほんじゃきに・ほんじゃァきに=そうだから[野~土]
※ほんじゃけん=そうだから[甲~阿]
※ほんだけ=それだけ
  ほんて・ほんかた=本職、玄人
  ほんで・ほんでも=それで・それでも
  ぽんと・ぽーんと=全部[徳島県~高知県の漁師言葉、野根でもよく使う]
※ほんな=そんな、そのような[和にも]
  ほんなら=それなら、それでは[和にも]
※ぼんばか=お盆に河原や浜に作る模擬墓(初盆に108個の小石を敷き、翌年は216            個の小石を敷く、それ以後は小石を敷かない。地区により形式がちがう)
  ほんほん=牛に対する止まれの号令(馬はドードーの号令)
  ぼんぼん=お坊ちゃん
  ぽんぽ・ぽんぽん=腹、おなか[幼児語]
  ほんま=本当、真実[関西弁]
  ほんまー・ほんまに=本当ですか(会話の途中に入れる言葉)
  ほんまもん=本物、真正品
※ほんまんだー・ほんまんなー・ほんまんだーけー=ほんまにまあ[野]
※ほんやけんど・ほやけんど=そうだけれど[主として徳島や大阪]
※ほんやて・ほんやてて=そうはいっても[主として徳島や大阪]