標準語⇒方言 逆引き辞典:ナ行


なーべーなーべーそーこぬけーそーこがぬけたらかえりましょ=子供遊び歌
なあ=な・なー・なーえー・なア(呼びかけの言葉)
なあ=なん・なーこれ・なんこれ(呼びかけの言葉)[甲・宍・海]
~なあ=~にや・~にゃー・~ねや・(接尾語)
~なあ=~の・~のー・~のけー(例・しんどいのけー[野])
~なあ=①否定・行くかナー、②義務・行かナーならん、③指令・早く行かナー
内出血=あおずく(打ち身で内出血した状態)・ふくろうち(内出血になる打ち傷)
内蔵=ひゃくひろ[県東部・和にも]
内職=てましごと
内部=うちら(ラは側の意味)[和にも]
苗床・苗代=のーとこ・のしろ・のとこ
長い=なんがい・なーがい
長居=ながしり(特に宴会の時に使う)
長い柄杓=えなが(漁師の使う柄の長い柄杓)[宍・海]
長いままの状態=ながら(例・竹をナガラで持ってきた)
長く=なごー(例・話がナゴーなってしもーた)
中継ぎ養子=なかつぎよーし(跡取りが成長するまでの間の養子)
長靴・コム長靴=ふかぐつ(水が入らない長い靴)
仲仕=なかもち(荷物を担って運搬する仕事)
流し場=はしり(炊事の流し場)[和にも]
仲の悪い夫婦のこと=いぬのいきやい[甲]
仲間=とー・なか
長持ちすること=おけらしー、長持ちすること特に食べ物のことで使われる言葉[甲]
なかよし=ちんちん[和にも](海はチョンチョン)
なかんづく、中でも=なかずく・なかづく
泣きいっている=なきいっちょー・なきいっちょる(~イッチョルは継続を意味する)
泣き叫ぶ=ひせる・ひせくる
泣き続ける=なきしこる・なきしこっちゅう(~シコルは継続強調を意味する)
なきべその顔=べこのかー
泣き虫=なきみそ[和にも]、すぐに泣く子供、女性にも使うことがある
無くても=のーたち・のーたって
無くなる・亡くなる・死ぬ=のーなる[和にも]
無くなった・亡くなった・死んだ=のーなった[和にも]
なぐる=うどまかす・うどます・うどまったーす
なぐる・打つ=どつく・どーずく・どずく[和にも]・どやす[和にも]
なげやり=おいさがし
~なさい=~ない(阿波弁であり東洋町では聞かない)[徳島県]
~なさって=~なして(例・ゴメンナシテ)[海・阿・大・和]
なさい・なさって=なはれ・なひて(海・阿・大・和)
なぞる=えどる[和にも]・などる
なったよ=なったわいな[宍]
菜っ葉=なア
7歳の鯉幟終わり=ななつのたてあげ(男児の数え年7歳、来年から鯉幟をたてない)
名前=なー・なア
なに=ない(例・ないすんな、ないしょんな)
なに?・なんだって=えエ・なん・なんな・なんなら・はい
なに言うか=なんてや
なにしている=なんしよる・なんしょーる
なにしているか?=なんしよら?・なんしょーら?・なんしーまーりゃア[甲]
なにしているか?=なにしよん・なっしょん・なんしょん[徳島県]
なにしろ=なんせ・なんせー(海部はナンシェと発音、セをシェと発音)
なにか・なにごとか=なんぞ(例・ナンゾ言うたら反対する)[和にも]
なにどころではない=なんどころやない
何も言わない=ぶすがへーともいわん・ぶすともいわん・ぶつともいわん
何も言わない=うんだともつえたともゆわん
何も心配せず寝ている=へそてん
何も持たない=てぶら
何やかや・あれやこれや=なんじゃかんじゃ・なんぞかんぞ
何やかや=なにへん(例・ナニヘンがこんな調子ぢゃ)
何やかや=なんやかや・なんやかんや・なんやら・なんにゃら・なんやらかんやら・
何やかや=なんにゃかい[甲・海]・なんにゃこい[甲・海]・なんやかい[海]
何をしているの?=なんしよるぞい?・なんしよるのんぞい?[甲・宍]
何をいっているのか=なにいよんぜー・なにいよんで
~なのか?=~つか?・~つかえ?・~てか?[甲~阿]・~てかい?[甲~阿]
鍋敷=なべすけ(ヤカンや鍋の下に敷く)
生意気・自慢=ねんごー
怠けてぶらぶらする=ていほいする[甲]
なまけ者=ごくどー・ごくどーされ
ナマコ=たアらご[甲]
生まもの=ぶえん・びえん[海]
波立ち・波立つ=あびき・あぶき・あぶつく(例・大船の通った周囲に広がる余波)
並みに達しない=かたにならん
波の大きなうねり=おーら
南無阿弥陀仏=なまんだぶ(お経)・なむさん(お経を簡素化して唱えることば)
ナメクジ=なめくじら(安芸郡ではカタツムリもナメクジラと言う例もある)
なめる=ねぶる
ならなかった=ならざった・ならなんだ
なりかけ・不完全=なりくさし(~クサシ、~クサスは不完全の意味)
なりたくて=なりとオて
なりたつ=たつ・たっていく(商売や経営がなりたつ)
なりやすい=なりよい・なんりょい
縄=なー・なア
苗代作り=かく(例・水田作業=起こす→たたく→かく+あぜかき~あぜぬり)
苗代作りの農具=えぶり(苗代かきの最後に平らにならすためのT字型の農具)
~なんか=~かたけ(軽蔑の接尾語)(例・お前かたけに負けるか)
ナンキン=かぼちゃ(野菜名)「ボフラ」とは言わない
南京袋・麻袋=どんごろす・とうじんぶくろ[宍](麻編みの袋)
難癖をつける=ごてる・ごねる(文句を言って承知しない)
~なんだ(~なのだ)=なんや(例・ナンヤそればーのもんか)
~なんて[ゾイカイ弁]=~じゃこい・~だこい・~やかい・~やこい・~らこい
                        ~らかい・~だこし・~じゃこし・~らこし)
なんですか?=なんな?・なんなら?[和にも]・なんちゃ?・なんちや?[新]
なんですか?=なんぜ?・なんで?・なんじェ?[海]
なんですか?=なんぞい?・なんてぞい?[甲・宍]
なんですか?=はい?[野]「はい」は、あいづちや合いの手にも使う[野根浦]
なんでも=なんやち・なにやっち[土]
南天=なるてん(植物名)東洋町ではナンテンが主体
なんということだ!・何ということか?=なんてぞい・なんてでまー![甲・海・阿]
なんといっても=なんちゅたって[宍・海・阿]
なんとか=どないか・どないぞ・どないに[徳島県~大阪・和にも]
なんとかかんとか=どーぞこーぞ(例・ドーゾコーゾ生きちょる)[和にも]
なんとかかんとか=どーなりこーなり・どーやろこーやろ・どやろこやろ[和にも]
なんとまあ!=たかア!・たかで!
なんとまあ=なんつか・なんつぜ・なんつぞ・なんてか・なんてで・なんてな
          (疑問語と驚嘆語とがある)(てか・てで・てなは[甲・宍・海・阿])
なんなのか=なんつか・なんつぜ・なんつぞ・なんてか・なんてで・なんてな
          (疑問語と驚嘆語とがある)(てか・てで・てなは[甲・宍・海・阿])
なんにも=なっちゃー・なんちゃー[土]・なんじゃ[甲・宍]・なあんじゃ[甲・宍]
なんにも=なんちゃ[海]海部弁では「ン」にアクセント
何年も前から=なんねんこーらい

          に
似合う=につく
兄さん=にー・にーこ・にーさん(実兄の他に大人の男すべてを指す事が多い)
兄さん・年上の男の人=あに・あにー・あにやん・あんにゃん
匂い=かざ(例・かざかむ、かざむ、かざる、かざかんでみる)[和にも]
匂い・匂う=によい・によう、甲浦では「苦しそうに呻く」にも使う
匂う・臭う・臭いを嗅ぐ=かざる・かざむ
逃がす=ぬがす
二月=にんがつ(「ン」や「ャ」は阿波弁の特徴)[海・阿]
二期作=にきさく=早生稲の収穫後に晩稲を植える稲作。二毛作とは別のもの
~に関連して=~へん(例・なにヘンが聞きたい)[和にも]
にぎやか=にンぎャか(「ン」や「ャ」は阿波弁の特徴)[甲・海・阿・和]
憎たらしい=にくて・にくてい
肉用鶏・プリマスロック=ぶり
荷車などのかじ棒=てぎ(海はテンギ)
~に加えて=~とに(例・言わんトニ、知らんトニ)
逃げられない=にげれん・にげれれん
逃げる=ぬげる・うっそえる・うん逃げる(ウッは強調の接頭語)
煮こごり=ごりごり[甲]
濁り網漁=にごりもち(大水で川が濁ったときに網で小魚を捕る漁法)
ニザダイまたはカワハギなどハゲ類の総称=はげ(魚名)
西風=にし・都の反対方向の風(西下する:東上する)
西側=にしら(~ラは~側の意味=例・向こうラ、内ラ)
西へ向かう=くだる(京都から遠ざかる方向)(逆・東上する)
西向けに流れる潮流=くだりしお(逆・あがりしお、のぼりしお)
2重3重に重ね入れる=いれこ(海では一つおきにも使う)
にじり寄る=いざりよる
偽と本物=うそこほんこ
ニセモノ=ばかし
二千円=にせんえん「せ」にアクセント、二千円~九千円に使う[甲・海・阿]
        土佐は「ん」にアクセント
似た・似ている=にイた・にイちょる(徳島県側は「ニートル」)
荷物・荷姿=に・にイ(例・にーがおもたい)・にぞら・にどら(粗雑な荷造り)
肉桂=にっき・にっけん、肉桂(香辛料)、肉桂の木(香辛木の一種)
肉桂の飲料=にっけんしゅ(酒ではなくジュース類に属す)
日限・日数=ひあい・ひやい
日数がたてば自然に直ること=ひにちぐすり
担い棒の両端の鈎=にないかぎ(両端に鈎のついた担い棒)
二番口=こごめ(ふるい目下の未熟米)
鈍い・鈍感・愚鈍=どん・どんな・どんくさい[四国~関西]・のたのたする[甲]
荷札=えぶ
煮干し=いり・いりこ・いりじゃこ
煮干しのあとの汁=いりじる
2本の糸にプロペラを通し反動を利用して回す玩具=ぶんぶん(ぶんぶん音がする)
二毛作=にもーさく(春~秋に米を作りその後に別の作物を作ること、二期作とは別)
ニヤニヤする=にんにんする(ひそかに嬉しがる様子)[土]
入浴・行水=ぶんぶ(幼児語)
柔和・温和=なよい・なるい・なろい
にらみつける=ねめる・ねめつける
庭先=かど
ニワトコ(植物名)=たず(通風に効く)
ニワトリ=こっこ(幼児語)
鶏の砂肝=うす
鶏の肉=かしわ
鶏を呼び寄せる言葉=とーとっとっと・とーいといとい
人間関係=あいだがら
忍耐強い=ねちこい・ねちゃこい・ねばい
忍耐力=こらえじょー[和にも]
妊娠=はらぼて(妊娠して腹がふくらむ状態)

          ぬ
抜かっていた=ちゃんとしもーた
ぬかるみ・湿地・沼地=たんぼ・たんぽ
抜き手=ぬき(水泳の一種)
抜きも差しも=ぬきさし
抜け落とす=ふたる
抜け目がない=へらこい(香川や徳島の県民性を指すという言葉である)
盗人=ぬすっとー・ぬすびっとー
塗る・塗りまくる=ぬたくる・ぬりくる・ぬりたくる(やたらに塗る)
                (「~クル・~タクル」は強調や繰り返し)[和にも]

          ね
ねえ=のー・のーし・のんし(接頭~接尾語)
姉さん=ねー・ねーこ・ねーさん・ねーやん(実姉以外の女性にも使われる)
ねぎ=ねぶか(野菜)[和にも]
猫=にゃんこ(幼児語)徳島は「ニャンコ」アクセントが冒頭につく事が多い
猫が怒って「フー」と唸る=ひーふく
猫がじゃれつく=ばこする
猫背になった=どーがいった(身体の老化現象)
寝転がる=こかる・こかれる[和にも]
寝覚めて再び寝る=にばんね・にばんねいり(一度寝覚めて再び寝ること)
ねじる=ひねくる・ひねる(試験問題などをひと捻りする)
根太=ねだ(床下を支える材)
ねたまき(炭焼き言葉)=炭焼き窯の天井とコシキの中間部分(バイという窓がある)
ネタを乗せた握り寿司=ひっつけずし(単にヒッツケとも言う)
値段・価格=ね・ねー
熱気・熱くなる=ほのき・ほのく
根っこ=ねエ
熱中している・熱中する=~いる~・いっちょる
熱中する(執着)=こみこむ
寝ている=ねいよる[野]
寝床=ねや
寝とぼけ=ねたぼけ
値取り=ねどり(魚市場を通さずに買う。市場価格に多少の上乗せした値段)
ねばりっこい=ねちこい・ねちゃこい・ねばい
涅槃=にはん(甲浦地区の小字にニハンダなどがある)
眠たくなる=ねぶとーなる[高知県]・ねぶたーなる[徳島県]
根掘り葉掘り文句を言う=くじる・くじくる
眠る・眠たい=ねぶる・ねぶたい
眠る=ねんね・ねんねこ・ねんねん(幼児語)
寝よ(命令)・寝て、寝転んで=ねエ・ねエて
練り塀=ねりべ(表面を平らに塗った塀)
寝る前=ねしな(~シナは直前の意味)
寝らせる=ねらす
燃焼を加減して炭の炭化を調整すること=ねらし(炭焼き言葉)
念入り=ねん・ねん
年期・契約期間=ねん・ねん
ねんごー(屁理屈)=ねんごのかー・ねんごーのかー・ねんごのかい・ねんごーのかい
年長者・高齢者=としいき・としばい[和にも]
年長の兄=ふといにーさん(兄が二人以上の場合に使う)
年長の姉=ふといねーさん(姉が二人以上の場合に使う)
ねんねこ=おいこ・おいご(夏は単独使用、冬は綿入れのネンネコ半纏を重ねる)
ネンブツダイ(魚名)=あかいしもち[甲]

          の
(の=ね、のー=ねー、のオ=ねエ、ほかに「のーし」「のんし」「のけー」など)
~のうえに・~に加えて=~てからに・~でからに・~とに(例・言わんトニ)
能率=はか(例・はかどる、はか行く)
~のかー=強調語(例・うそのかー、てんごのかー)
軒下=おだれ[和にも]
~のけ・~のけー=強調する接尾語(例・痛いのけー)
のけもの・仲間はずれ=のけもん
のこぎり=のこ[和にも]
のたうって苦しむ=のたくる
~の所有・~のもの・~のです=~の・~のん
~のですか?=~のん?・~のんかい?・~のんけ?[甲・宍・海・阿]
~のですよ~=のんぞい(肯定の接尾語)[甲・宍]ゾイカイ弁の代表例
~のではないのか=~のやないんけ・~のやないのんけ[宍・海・阿]
~のに・~のは=~のんに・~のんは[宍・海・阿]
~の・くせに=~からに
のし餅を切る=はやす
~のだ=~がや
のっそりした=おオどかな[甲]
野根=のね(地名、野根山杉または野根山杉の加工品)
野根の昼泊まり=のねのひるどまり(昔、淀ガ磯は荒波のとき通行止めになりやすく野根                の宿屋で泊まり通行解除を待つ。また野根山街道は日だけて野根を発ってもその日のうちに奈半利の宿場まで行けない。その日は野根の宿屋で昼寝して、翌日早くに野根を発つ。以上が言葉の由来である[野])
野根の昼寝=のねのひるね(昼泊まりと同じ由来のことば[野])
              類似語に「田舎の学問より京の昼寝」「高野山の昼寝」などもあり情報
              豊かな土地では難なく情報が得られるというもの。
野根杉=のねすぎ(野根山産の杉で昔から良材として全国銘柄であった)
野根山杉の薄板=のねいた(木質が良いため極く薄い板になる、現在でも良質の杉板は
                野根に限定せず全国ほうぼうの杉板までノネイタと総称されている)
のばす・のびた・のびる=ぬばす・ぬべる・ぬんだ・ぬんだ・ぬびる・ぬぶ
野辺送り=のべおくり(戸外を行列し広場で送別する葬式)
~のまま・~なりに=~なり[和にも]
飲み込む・飲み込んだ=ひんごむ・ひんのむ・ひんごんだ・ひんのんだ[甲]
のみのくち=きょーがら(魚名)
飲んだ=のーだ[新]
のんだくれ・酒飲み=のみすけ[和にも]スケは寝ぼスケなど個性人に使う[和にも]