方言⇒標準語 順引き辞典:あ行



※あー・あア=あんなこと、あんなふう(例・あーはせざった)
※あーせェこーせェ=ああしろこうしろ
※あーとー=ありがとう(幼児語)
 あーん=口をあけること(幼児語)
 あい=ハイ(返事)
 あい=私
※あい=鮎(魚名)
 あい・あいさ=合い間、仕事と仕事の間、隙間
 あいがわり=入れかわり立ちかわり[和にもある]
 あいこ=引き分け、勝負なし
 あいさ・あいさ=時折り[山・和にも]
※あいじょー・あんじょー=具合よく(アイジョーは海)
※あいそ・あいそなし=愛想、もてなし・お構いもせず(挨拶応対語)
 あいた=明日(同・あひた・あひさ)
 あいた=ああ痛い(例あいたいの!)
※あいた・あいちゃ・あいとは=あいつは[宍]
 あいだがら=親戚、人間関係
※あいだごそ=薮の中(例・あいだごそを抜ける)
※あいだのはま=陸地と島との間の浜[甲]
 あいと=あいつ(同・あいた、あと)
 あいのきもの=合わせ着、間着
※あいのま=畳のサイズ:182×91㎝、田舎間(江戸間)と本間(京間)の中間
     (田舎間=176×88㎝、柱も含め180×90㎝、江戸間とも言う)
     (本間=190×95㎝、京間とも言う)
※あいはらみ=相孕み、同一家の人と家畜が緒に妊娠する。[山]
 あいまち=あやまち・ケガ・不祥事
 あいみ・あんみ=歩み(幼児語)
 あえてくーばー=あり余るほど
 あえられる=わやにされる・からかわれる
 あおき=くろがねもち(樹木名)
※あおこ=小型のゴマサバ(魚名)[甲]
※あおじ=ツムブリ(魚名)[甲]
 あおしゃ・あおびしゃ=未熟の果実
 あおず=未熟の果実
 あおずく=打ち身で内出血した状態
 あおた=ブダイ(魚名)[甲]
 あおぬく・あおのく・あんぬく・あんのく=仰向く[和にも]
 あおび=あわび(貝の名)[野・甲・海・和]
※あおべろ=あおべら(魚名)
※あおもん=青魚(青い魚種)
※あおやまだい=特大のマダイ(魚名)[甲]
 あか=船に溜まる水
 あかー・あかア=あなたは(同・あこは)[野~海]
※あかいしもち=ネンブツダイ(魚名)[甲]
 あかこ=イトミミズ(淡水魚の餌にする)[和にも]
 あかし=明かり、松明
※あかはな=大型のカンパチ(魚名)[甲]
※あかびた=アカアマダイ(魚名)[甲・県西部]
※あかふん=赤い六尺ふんどし(子供が水泳に着用、サメ除けになると言われた)
※あかへいじ=キントキダイ(魚名)[県東部](高知県では通称メバルと言う)
※あかべんけい=アカテガニ(蟹の名)用水路から庭先にまで棲む
※あかもぶれ=垢だらけ
 あかもん=赤魚(赤い魚種)
 あがりがまち=座敷の上がり口などの小さな縁(かまち)
 あがりたて・あがりと・あがりはな=玄関
 あがる=①終了する・②結実が止まる・成熟する
 あかん=だめ、いけない
 あき=米麦の収穫期・収穫の農作業
 あぎ=あご(同・あぎと、あぎっと、甲浦では「あげと」とも言う)
 あぎる=成熟期を過ぎる・収穫期を過ぎる
 あくさい=悪い結果が予想されること(海は陰口や悪口にも使う)
 あげ=~の後
※あげた=子供の鬼ごっこや隠れん坊遊びで「降参した」で次回戦に入ること
※あげと=あご[甲](アゲトが落ちるばァんまいねェ)
 あげな=あんな・あのような
※あけのひ=翌々日
 あけぶ=あけび(植物名)(同・わけぶ)
※あげる=嘔吐する
 あこ=あなた・おまえ[野~海]
 あこ=あそこ[野~海](同・あっこ、あしこ)
 あこな=あそこの
※あこーなる=赤くなる、明るくなる、夜が明ける
※あさいち・あさいき=朝早く(あさいきは海)
 あさぎ=浅木・低い雑木
※あさぐもりはげがなく=朝に曇っておれば昼下がりに猛暑となる夏の季節ことば[甲]
※あさってむく=関係ない方角(例・顔はアサッテ向いちゅー)
 あさっぱち・あさっぱら=早朝
※あさぶら=草履の一種・裏打ち草履、ゴム草履など
 あさもち=午前中の定置網あげ(逆・ばんもち)
 あし=私
※あしいれ=試験的な暫定結婚
※あしがはいる=船脚が下がる、大漁で船の喫水が下がる[宍]
   高知県中西部は「あしをいれる」と言う
※あしがはやい=食べ物が早くダメになること
※あしく・あちく=私の家[宍]
※あしこ=あそこ[甲~阿](同・あこ・あっこ)
※あじもしゃしゃらもない=そっけない、味がない
 あしゃー=私は
※あじゃくる=からかう[佐]
 あじゃける=からかう、ふざける
 あしらう=身体をいたわる、養生する、適当に応対する
 あじろ=漁場
 あずる=てこずる
※あぜかき・あぜよせ=苗代の周囲を整える
※あせにうく=汗に浮く、汗びっしょりになる
 あせもん=あせも
 あたー・あとは=あいつは
 あたエ・あたい=私(女言葉)(海部では「おた・おたい」)
 あたがる=与えられる、分配される
※あたごンさん=愛宕神社[甲・宍]
 あだたん=入りきらない、身のたけ以上
 あだつ=該当する、身のたけにあう、可能
※あたま=美容院・整髪(例・あたまへ行く)
※あたまわり=人頭割で分配
 あたる=田畑を借りる・小作
 あち・あちい・あちゃー=私・私は[宍]
 あちく=私の家[宍]
 あちこち・あちゃこちゃ=あべこべ[和にも]
 あつけ=暑気あたり[和にも]
 あっこ=あそこ
 あったいさん=神様(幼児語)
※あったわえー=ありましたよ[野](同・あったわよ、あっとーさー)
※あったわよー=ありましたよ[甲](同・あったわえ、あっとーさー)
※あっとーさー=ありましたよ[野](同・あったわよ、あったわえー)
 あっちゃ=あちら
 あっちゃこっちゃ=あちらこちら
 あっちゃこっちゃ・ありゃこりゃ=あべこべ(あちらがこちら)
※あっつろ=あったでしょう、あるでしょう[和にも]
 あっぱい=かわいい(幼児語)(例・あっぱいべべ=可愛い着物)
※あっぷい=かわいい(幼児語)[甲]
※あっぽう=あほう(幼児語)[和にも]
 あっぽろけ=あきれかえる
 あて・あてー・あてエ・あてい=私
※あて=薪割りのアテ(木製の土台)、酒のアテ(肴)、航海のアテ(目印)
 あてく・あてンく=私の家
 あてこすり=皮肉、風刺
※あてーいや=あらイヤだわ・私イヤだわ(女言葉)(男言葉・おらーいや・おんでいや)
※あてもん=子供の買うくじ付きまたはくじ引きの商品
 あてる=水田や池などに水を引き入れる、田畑を貸す
 あと=あいつ(同・あいと)(男言葉)
 あとさし=一つの布団に2人が反対側から足を入れて寝ること
 あどえる=あわてる
 あとおい=母親が出掛けるとき幼児があとを追って泣くこと
 あとげつ=前月
※あとにしり=あとすざり[佐]
 あともことも=あいつもこいつも(男言葉)
 あない・あなげ=あんなに(同・あなげな=あのような、あなげに=あのように)
 あなご・あなごと・あなんこ・あなんご=穴(ゴにアクセント)
 あに・あにー・あにやん・あんにゃん=兄さん、年上の男
 あばばい=まぶしい
 あびき・あぶき=異常な波立ち・大船の通った周囲に広がる余波
 あひさ・あひた=明日
 あぶつく=あわてる、波立つ
 あぶらこ=高知県内ではメダカだが、野根ではメスのギンヤンマ
 あぶらめん=ギンヤンマのメス(羽が油の色合い)
※あほいき=考えなし、無鉄砲
 あほーぐち=馬鹿話
 あほだら・あほたれ=馬鹿者(同・あほーだら、あほったれ、あほんだら)
※あま=ゴキブリ(東洋町では「ゴキブリ」とは言わずゴゼまたはアマと言った)
※あま=害虫のアリマキ[甲]
※あま=水に潜る、海女、潜水夫
 あまいた・あまえた=甘えん坊
 あまぐろ=雨水でできるカビの斑点シミ
 あます=処分する、捨てる、吐き出す
※あまてこ=うかつもの、あわてもの[甲]
 あまのり=冬場の磯の岩海苔、または岩海苔を加工したもの
 あまのりかき=岩海苔を採って製品化する仕事(当地では農家の冬場の仕事)
 あまる=落雷[甲~徳島県]
※あまんじゃく=あまのじゃく、何事も反対する人[宍]
※あめいも=ふかし芋を切って干したもの[甲]
 あめがぶらさがる=今にも雨が降りそうな状態
 あめご=アマゴ(魚名)
 あやかしー=ばかばかしい、卑猥な
 あゆみ=船と陸の間にわたす歩み板、工事現場や建築現場にも使う
 あら=おおざっぱ(例・あらに田を起こす、あらに算用してみる)
 あら=魚料理後の頭や臓物や骨
 あらいあけ・あらいがけ・あらいやけ=料理後の皿洗いや後始末
※あらいじゃ・あらアの=あるよ(強調語)[甲・宍]
※あらいで=あるよ(強調語)
※あらいな・あらいなア=あるよ、あるだろう[甲・宍]
※あらいばり=伸子張り、洗濯物を乾す道具あるいはその方法(張り板か伸子張り)
※あらおこし=耕土を荒く起こす(最初の耕運作業)
 あらき=差・間隔(例・あらきをとられる=差をつけられる)
 あらきとられる・あらけとられる=差をつけられる
 あらく=差がつく・間隔が広がる
 あらくたい=荒っぽい
※あらけ・あらけとられる=差、間隔・差をつけられる[甲]
 あらける・あらける=広げる、片付ける、整理する
 あらざらし=あらさがし、欠点を探す
※あらせ=炭窯の正面扉の底辺部分の穴(炭焼き用語)
 あらぼん=新盆、この一年間に死んだ人の盆
※あられん=あってはならない、あるはずがない
 ありあい=ありあわせ
 ありつく=住み着く
 ありゃこりゃ・あっちゃこっちゃ=あべこべ(あちらがこちら)
※あるかいな=あるものか[海]
※あるで・あるでよ=ありますよ[阿](徳島県はアルデナイデ)
※あれなり=あのまま、そのまま
※あればー=あの程度、あれくらい
※あろた・あろて=洗った・洗って
※あわい・あわや=家と家との間の狭い空間、細い露地[野・甲・海]
※あわしてなやみよる=釣った魚を取り込むのに苦労している[宍]
 あわてこさい・あわてざい=あわて者
 あん=あの
 あんか=気楽、ぼんやり(例・アンカに構える、アンカ無事と思うな)
 あんき・あんけ=気楽、気安い
※あんじょう=要領よく、思いどおり[甲・徳島県・大](海はアイジョウも使う)
 あんぜる=心配する
※あンだけ=あれだけ、あれほど(例・アンダケ言うたに)[和歌山もン変化が多い]
※あんつけ=ぼたもち、おはぎ[甲](甲浦ではぼたもちと言う人が多い)
※あんなン=あんなもの、あんなこと[和歌山もン変化が多い]
※あんにゃん=兄さん、年上の男の人
 あんぬけ・あんのけ・あんのけた=仰向け
※あんのん・あんのんけ=ありますか[阿]
 あんぼ=庵守り、庵主、堂守り、堂主
 あんみ=歩み(幼児語)
※あんろく=海草ワカメの一種。学名はミミナ。東洋町周辺でミミナと呼ぶのは学名アン      トクメ。ミミナとアンロクが逆使用となっている。

      い
※い=神様(例くまのい=熊野神社)[甲・阿](同・イグシ・ユグス・イゲ)
 ~い=~へ(例・まいいいた=お向かいの家へ行った)
 いー・いイ・いん=はい、応諾の言葉[和にも]
 いー=結い、相互協力、労働交換
 いイ=えー、本当か、(念を押す言葉)(野・甲・海)
※いーかげん・えいかげん=いいかげん(例・ここらでイーカゲンにやめちょけ)
※いーぱい・いーっぱい=いっぱい
※いーやい=言い争い、口論[和にも]
※いーよる・いよる=言っている
 いーん・いイん=いいえ、反対や拒絶の言葉
 いいさがす=言いふらす
※いいたくる=言いたい放題に言う、言いふらす
※いいだしっぺ=言い出した者
※いいよる=言っている
※いえせん・いえへん=言ってない
 いお・いよ=魚(イウォとも発音する)
※いかき=ザル、吊りかぎ、飯かご[和にも]
※いがく=湯がく
 いかげん・えかげん=いいかげん(例・アトの言うことはイカゲンなもの)
※いかざった・いかんかった=①行かなかった、②だめだった、③人が死ぬこと
 いかなー=いけない、ダメだ
※いがみ・えがみ=ぶだい(魚名)
 いがむ=ゆがむ
 いがる=大声で怒鳴る
 いかん=①行かない、②いけない(禁止)
※いかんちゃ=いけない(土や新では「チヤ」だが東洋町では「チャ」)
 いがる=どなる、大声を出す
※~いき=調子にのって(例・あほイキに走る)
※いきあい=辻や出鼻などにひそむ魔性の災厄
※いきあいに会う=いきあいにとりつかれる
※いきけにならん=行くことができない、行くようにならない
※いきしな・いきしだ=いきがけ(逆・いにしな・帰りしな)
 いきしもどり=行き帰り
 いぎす=海草のテングサ、草木の密生した状態
※いきずむ=息を詰めて下腹に力を入れる(出産、放屁、放糞)
※いきつき=行き当たり
 いきつむ・いきづむ=生活や事業がいき詰まる、生活が困窮きわまる
※いきぬける=行ったきり帰らない
※いきむ=息を止めて腹に力を入れる、息張る
 いきる・いきりもん=張り切る、意気ごむ、自慢する・いきる人
 いくか・いっか=いけない、いかない、ダメだ
    例・いくかえー、いくかだー、いくかまー、いくかのー
      いっかえー、いっかだー、いっかまー、いっかのー
※いくし・いぐし=田の神[阿](野根では「ユグス」高知県全般では「イゲ」)
         田圃の中などに数坪の低い盛り土で、野根では地目が墓地、
         海南町吉野でイクシサンを発掘したら鎌倉時代の古鏡が出てきた
※いくび=いくみ(生見=地名)(子音MがBに変わる)
 いくり=すもも(果物アンズの一種)
※いげ=湯気[和にも]
 いけいけ=無計画に推進する、考えなしに実行する
 いける=埋める、水の中に入れる
 いご・いごつ・いごっそ・いごっそう=頑固者、偏屈者(海ではイゴムシ、エゴッソ)
 いごく=動く[和にも]
 いこす=火をおこす[和にも]
 いこる=①炭火が盛んになる、②興奮して男性器が勃起する
 いさば船=出買い船、廻船
※いさましー・いさましゅー=元気に、健康に(例・いさましーしよったかえ)
 いざる=座る
※いざりよる=座ったまま寄ってくる、にじり寄る
※いじかましい=気味が悪い、気味悪いほど大きい、気味悪いほど多い
※いじくそわるい=意地が悪い
※いじくろい・じじくろい=老化現象で黒っぽい(皮膚や壁面など)
※いしとり=葬式後の仮の墓石[野]
 いしゃごろし=よく効く薬草(きらんそう・医者いらずとも言う)
 いじょう=それ以降、それ以後
※いそいお・いそいよ=磯にすむ魚の総称
※いそえび=いせえび[甲]
※いそかご=磯釣り用の魚籠
 いそしい=いそいそしい、こまめに動きまわる人
 いそもん=磯で採れる魚や貝類
 いた=①した、②行った、③居た(例・どいた=どうした)
 いだ=川魚ウグイ(魚名)
 いたいた=痛い目、痛い傷や腫れ物(幼児語)
 いたずり=イタドリ=山菜として利用する、虎杖(植物名)
※いただき・いただきさん=頭に商品を載せて魚などを行商する人[徳島県]
※いたつき=かまぼこ[甲]
※1がさした2がさした~8(蜂)が刺した=幼児をあやす遊び
 いち・いちこ=長男、大切な子供
※いちぜんめし=一膳飯、葬式の食事で茶碗1杯だけ食べる。平素は一膳飯を忌む
※いちびる=ふざける、いじめる、からかう
 いちま=人形、市松人形(例・イチマがような可愛い子)[和にも]
※いちりとらーらーらっきょくてしーしーしんがらもちゃきゃっきゃっきゃべつでホイ
    =子供の遊び歌
※いちんち=一日
 いっか・いっけ・いちげ=親類一統、一族
※いっか・いくか=いけない、いかない(同・いっかだー・いっけだー・いっけまー)
 いつかん=住み着かない、ありつかない
 いっきょる=行きよる、行っている[甲・宍・海](例・どこいいっきょんでー)
※いっきょんのんか・いっきょんのんかい=行っているのか[甲・宍・海]
※いっきょんのんぞい・いっきょんぞ=行っているのだ、行っているのか[甲・宍・海]
 いつく=住み着く、ありつく
 いっけ=一族、親戚、[和にも]
 いっこ・いっこくた=いっしょ
※いっこつ=たちどころに始末がつく(例・あいつにかかったらイッコツよ)
※いっこも=少しも[甲~徳島県・和にも]
 いっさんに=いっせいに・いっしょに
※いっしこまっしこ=あれこれ戸惑いぐずぐする[佐]
 いっしょくた=なにもかもいっしょにする[和にも]
 いつぞ・いつぞや=いつか(未来)、いつだったか(過去)
 いっそのかー=いっそのこと
※いったいこったい・いったいぜんたい=いったい(疑問語)
※いったんまいまい=ミズスマシ(水生昆虫)[海]野根では「マイマイ」
 いっち=一番[佐]
※いっちゃん=一番
※いっちゃんまいまい=神祭の巫女の舞[甲]
 いっちょーら・いっちょーらい=おろしたて、最新の衣服
 いっちょら・いっちょらい=おろしたて、最新の衣服
※いっちょら・いっちょる=行っている(徳島県ではイットラ、イットル)
※~いっちょる・~いる=熱中している・熱中する
 いつっちゃー=いつも、いっこうに
※いっぱいよけついぢゃる=御褒美として酒宴の時に一杯余分に酒をついでやる
 いっつもかっつも・いつもかつも=いつでも
※いっとー・いっとーえー=行ってしまった[野]
※いつろ・いっつろー=居ただろう、行っただろう
 いて=行って(例・いてくる、いてこい)[和にも]
※いてこい・いてこいだー=行ってこい(挨拶言葉)[甲・宍・海]
 ~いで・~いでか=~しないでどうする[和にも]
 いてしもうた=死んでしまった、役立たなくなった(人間、動植物、機械など)、
 ~いでも=~しなくても[和にも]
 いでる=茹でる、煮る(例・イデブシ=茹で節、煮節)
 いど=尻、肛門(例・ボニに川で泳いだらエンコーにイドを抜かれる)
※いどがえ=井戸替え、イドザラエとも言う、井戸の中に入ってきれいにする作業。
      年に1回夏場の井戸浚え、井戸の釣瓶縄も轆轤を使って新しく麻で編む。
      浅い井戸は釣瓶を使わず綱や竹竿で水を汲んだ、釣瓶や綱が井戸の中に
      落ちたときは麻縄の先に四本子の錨がついたカギで釣り上げた
※いどがえおとこ=井戸の中に入ってフンドシ姿でイドガエ作業をする男性
※いとこはとこ=従兄弟に近い縁戚
 いとこはん=従兄弟より一回り外縁
※いとこみょーと=いとこ同士の夫婦(親戚を増やさないための縁組)
 いととり=二人向かいあって一方が両手に糸束を広げ一方がそれを糸巻きに巻き取る
※いととりじょこう=糸取り女工(繭から絹糸をとる女工)
 いな=ボラの小さなもの(魚名)
※いなあたま=後頭部が偏平な頭
※いなかま=畳のサイズ:176×88㎝(柱も含め180×90㎝)江戸間とも言う
     (あいの間:182×91㎝、京間=本間:190×95㎝)
 いながら=そのまま、いきなり
 いなさ=東~南東の風
 いなす=離婚する[和にも]
※いなだ=ブリの小さいもの(モジャコ→ワカナ→ツバス→イナダ→ハマチ→メジロ→ブリ)
※いなりくた・いなりくたり=いながら、そのまま
※いなんか・いねへん=帰ろう・帰らない
※いにがけ・いにしな=帰りがけ(逆・いきしな)
 いにくさる=帰ることを悪しざまに言う言葉
※いにしな・いにがけ=帰りがけ(逆・いきしな)
※いぬ=帰る(同・いによる、いんにょる、いのりよる)
※いぬのいきやい=仲の悪い夫婦のこと[甲]

※いぬもどしさるもどし=犬や猿を通さない峻険(野根と佐喜浜間の淀ケ磯にある地名)
            同様な地名に真砂瀬と船津の間に「牛返し馬返し」がある
 いね=帰れ
※いねよー=帰れ、さようなら[野]
※いのこむし=白く小さな綿虫
 いのす・いのす=柚子の酢、柚子ミカンの果実を絞った酢[山]
※いのす=女の偏屈者、頑固者[甲]
※いのる=帰る[野]高知県は「イヌル」が主体
 いび=指[甲・海]
 いびる=からかう、いじめる
※いぼーじり=カマキリ(昆虫名)[野]
 いぼじり=カマキリ(昆虫名)東洋町では使われない・詳細はカマキリの項を参照
※いぼる=ちゃがまる、へたりこむ
 いまさっき=今しがた、ほんの少し前
 いまゆーしに=今言ったとおりに[甲・高知県中西部も]
 いまりゃー=今は、今では
※いみがかり・ゆみがかり=忌みがかり、喪中のため祭事に出ない
※いも=軽蔑語(例・あいつはイモじゃ、イモ侍)
 いもつぼ=甘薯を保管する穴蔵(座敷の下を掘り赤土で周囲を固める)
※いもぶりかご=芋などを入れる目の荒い竹籠、ふりかご
※いやア=言いますか(例・あの人は何といやァ)
※いやがえ・いややわれ=いやだ[海]
※いやがよ=いやだよ[宍]
 いやし=食い意地のはった人、食べ物を欲しがる人[和にも]
※いやしなべ=魚主体の煮物で鍋の中味をすっかり食べ尽くすこと[野]
 いやしり・いやじり=連作の障害(農業用語)
※いやっちゃ・いやっちゃもー=いやだ、いやだもう(驚嘆~拒絶)
 いやべ・いやべー=いやだよ(拒絶・子供言葉)、
※いやや・いややわれ・いやがえ=いやだ[海]
※いよいよ・いよいよ=まったく、よくよく
※いよんのに=言っているのに
 いらう=触る、もてあそぶ、不必要に扱う[海・阿・和]
※いらち=いられ、短気[和にも]
 いらばかす=見せびらかす
 いられ=せっかち、あわてもの
※いらんこと=余計なこと、余計な世話
 いり・いりこ・いりじゃこ=煮干し、だしジャコ
※いりあい・いりやい=お互いの贈与(祝い金や香典など)をやりとりなしにする
 いりじる=煮干しのあとの汁
※いりやま=①狩猟に山へ入る、②山小屋に泊まりがけで山仕事や炭焼きをする
※~いる~・いっちょる=熱中している・熱中する
 いるり・ゆるり=囲炉裏
※いれおどり=盆踊り、慰霊踊り、野根浦地区では所定の踊り場でなく新盆の家などが
       戸別に自費で踊り子を招いて踊ってもらうことを入れ踊りと言う。
 いれこ=2重3重に重ね入れる(海では一つおきにも使う)
※いれみ=贈り物や貰い物を入れてきた器に心ばかりのお返しを入れて返す
※いれめ=加増米(同・口米、俵付)、余分に入れ足すこと
※いれもん=容器、物を入れるうつわ
※いろき=色気違い、変質者
※いろばな=色花、墓に飾る菊などの花もの(墓には枝葉ものを飾るのが一般的)
 いろまく(いろまいた)=恐ろしさに顔色を失う(失った)
※いろったい=色あい
※いわえる=結わえる、結びつける
 いわごっとー=岩、岩盤
※いわせん・いわへん=言わない、言ってない
 いわたり=新築祝い、落成式
※いわんずく=言わないまま
 いん・いー・いイ=はい、応諾の言葉
 いんきょ=①隠居、②分家
 いんぐりもんぐり・いんぐりちゃんぐり=まごまごする身振り、不揃い
 いんげ・いんげの=いいえ、否定語
※いんけつ=どん尻、最後尾
※いんじゃん=じゃんけん[大]
※いんだ・いんでくる=帰った、帰ってきます、帰る
※いんどー・いんどオ・いんどーえー=帰った[野]、帰ったよ[野]
 いんにゃ=いいや(否定語)
※いンにょる=帰っている[甲・宍]
 いんのくそ=犬の糞
 いんま=今、ほんの今

     う
※うい=山間部の川沿いの小さな平野、またはそこの集落(元は和歌山方言、地名として    宇井・宇・上・井などに変化して、高知県徳島県の山間部にも多数ある)
※ういなり=一番なり、最初に結実したもの
※ういろ=餅米に寒天を混ぜた羊羹ふうのもの[和にも]
※うゥ=鵜(鳥名)
※うえしり=田畑の作物を植える部分、植えてある部分
※うかっぽ・うとっぽ=軽率、バカ、うっかり者[野・甲]
 うけ=魚釣り道具の浮き
※うける=神札などをいただく、かかりもん(割り勘)を出す場合が多い
 うげる・うげかやる=喜ぶ、歓迎する
 うごろ・うごろもち=モグラ(動物名)(海はウグラやウグロ)
 うさる・うさる=①無くなる、消滅する、②植物が枯れ絶え失せる
※うしがいしうまがいし=牛と馬がぶっつかった形の岩。真砂瀬と船津の間、僧津谷橋の            下にあり、昔から土佐と阿波の国境(現在は県境の地名)
※うしがえしうまがえし=牛や馬を通さない峻険(真砂瀬と船津の間の県境)
            牛ガ石馬ガ石とも言い昔から土佐と阿波の国境
            同様な地名に淀ケ磯「犬もどし猿もどし」がある
※うしのかいだし=牛の養い出し、肉牛を子牛から育てて親牛にして売る畜産業
 うしばく・うっしばく=しばく、たたく
 うしわか=女郎グモ[佐・昔は岬陽地区で広く使われた]
※うしんが・うまんが=牛鍬、馬鍬(牛馬に引かせて田畑を耕す道具)
※うす=①臼、②鶏の砂肝
※うすかー・うすかわ=皮の薄いミカンの品種名
※うすべったい=薄くて平ら、うすべたい
 うそこほんこ=嘘と本当、偽と本物、模擬勝負と本勝負
 うそのかー=うそ、うそっぱち
 うだく=抱く、抱きかかえる
 うたせ=次から次へと釣れる、たくさん捕れる、大漁(漁業用語)
※うたてい=うるさい、面倒くさい[海]
 うち=私(女性言葉・「ウチ」は徳島県や大阪のアクセント)、私の家、家の中
 うちく・うちんく=私の家
※うちこ=山車(だし~だんじり)に乗って鳴り物をたたく男の子(祭り用語)
※うちごもり=打ち身[宍]
 うちむらさき=ザボン(蜜柑)
 うちら=内側、内部(ラは側の意味)[和にも]
 うちわ・うちま=家族内、関係者の内だけ
 うッ~=強調の接頭語(例・うっかぶす、うっかぶせる、うっかぶる、うっこかす、
     うっさく、うっしばく、うっしゃくる、うっそえる、うったたく、うっとばす、
     うっとぼけ、うっとろけ、うっぱしる)
 うつ=①畑を耕す、②むしろを編む、③四国札所を参拝する
※うつぐさい=不潔な臭さがする
 うっさける=裂ける、(ウッは強調の接頭語)
※うつす=入れ替える、ぶちまける(甲の例・田ァへ下肥をうつしこったーした)
 うっしゃくる=急に引っ張る、強く引っ張る
 うっそえる・うん逃げる=逃げるの強調語(ウッは強調の接頭語)
 うったたき・うったたぎ=やり放題の者
 うったつけ=打ち付けのまま(簡素な建築仕事の用語)[甲・山]
※うっとしー=うっとうしい、面倒臭い、気が重苦しい
 うっぱい=外見、みかけ上
 うつぶく・うつぶけ=うつむけ、下向き(逆・仰向け、アンノケ)
 うっぽる・うっぽったーす=放るの強調語、放り捨てる(ウッは強調の接頭語)
 うつり・うつる=感覚・理解する、気が付く
 うてあい=人付き合いが悪い
 うでたち=敏腕
 うと・うど・うとっぽ=穴、洞穴、うろ
 うどうどうどうど=多数の人達がぶつぶつ言う
※うとっぽ・うかっぽ=軽率、バカ、うっかり者[野](海ではウットヌケ)
※うどぼれる=水びたしでふやける
 うどまかす・うどます・うどまったーす=なぐる、やっつける、恐れ入らせる
 うどみかやる=騒ぐ(カヤルは強調の意味)
 うどむ=騒ぐ、息詰んでうめく、恐れ入る
 うどれぐさい=高温多湿で臭くなる
 うないどし=同じ年齢
 うね=畑の畝、山の尾根
 うばし=ウナギを挟む漁具
※うま=棺桶を乗せて廻い場へ運ぶもの、(現在は霊柩車)[野・葬式用語]
 うま・うまうま=ご飯、食べ物(幼児語)
 うまあい=好みや気性が会う、良いコンビ[和にも]
 うまえる=うすめる(例・熱い湯を冷水で調節する。濃い味をうすめる)
※うまない・うもーない=美味しくない[和にも]
※うまなった・うまーなった=上手になった[東・海・阿]
 うまなや・うまだや=馬小屋
※うまのつの=①馬の角(大漁のお守り)、②存在しない神秘なもの
※うまひき=馬を使って荷物を運ぶ職業、主として林産物輸送が多い
 うまめ=うばめがし(樹木・備長炭の原料)
 うめのちりがん=梅花咲く頃に来る寒波(岬陽・足摺)
※うもーない・うまない=美味しくない
※うもなった・うもーなった=上手になった
 うもれる=蒸れる、蒸れて発酵する
 ~うら・~ら=~側(例・西ウラの家、向こうラの山)
 うら・うれ=枝先(例・身軽い子はウラのてんこつまで登る)
 うらき=製品化したあとの残った枝葉
 うらごしらえ=苗代を作る前に田の内外を整備すること
 うらつけ=宴会後または宴会の翌日にもう一度宴会すること
※うらて=裏手(野根八幡宮祭で奉納されていた泥棒2人の寸劇)[野・神祭用語]
 うるか=雄鮎などの精巣で作る塩辛
 うるこ=魚のウロコ
 うるさい=①面倒臭い、②苦しい、貧しい
 うれ・うら=草や木の先端部分
※うろ=目の前が暗くなる、頭の中が空白になる
※うろがくる=うろたえて訳がわからなくなる、目の前が暗くなる
 うわか・うわかー=表面、表側
※うわかさ=上回る(例・AさんはBさんのウワカサをいく)
 うわしお=海の表面の流れ(逆・ソコシオ)
 うわつち=耕土、田畑の地表の耕作部分、耕作権
※うわて・しもて=在所からみて京都に近い方をウワテ=カミ、遠い方をシモテ=シモ
※うわっぱ・うわっぱり=上着、屋内で履く履物
※うわる・うわっちょる=生えている
 うん・うんこ=大便(幼児語でもある)
※うんごろ・うんごろもち=もぐら
 うんすけ=うんと、たくさん
 うんだともつえたともゆわん=何もしゃべらない
※うんだます=だます[甲]ウンは強調の接頭語
 うんなし・うんなじ・おんなし・おんなじ=同じ
 うんにげる=逃げる、ウンは強調の接頭語
 うんにゃ=いいえ、いいや(否定)
 うんもー=牛(幼児語)

     え
 ~え・~えー=~か(疑問)、~よ(肯定)、疑問または肯定の接尾語
 ~え・~えー=~さんよ、(人称や姓名呼称などのあとにつける呼びかけ言葉)
 えー=柄(柄杓のエー)、餌(鶏のエー~エイ~エド)
 えエ=なに?、なんだって!
 えー・えエ・えい=良い、きれい
 えーあんばい=都合よい、うまい具合
 えーかげん・えいかげん=いい加減、あやふや[和にも]
※えーからしー・えいからしー=良かれと思って
※えーしー・えェしー=良い育ちの人、金持ちの人[和にも]
※えーっしぇいな=嫌な時の接頭語、しょうがない
 えーせん・えエせん・よーせん=できない
※えーへん・よーへん=できない(子音SがHに変化)[和や大にも]
 えい・えエ・えー=良い、きれい
 えい・えー=エイ(魚名)
 えいあんばい=いい塩梅、いい具合、いい調子
※えいし・えいしー・ええし=良家の人、旦那衆
 ええ=クモの糸、蜘蛛の巣[佐]他地区はエ
 ええ~=よい~、または否定の接頭語(例・ええかげん、ええせん、ええやんばい)
 えかげ・えかげん=いいかげん、あやふや[和にも]
※えがみ・いがみ=磯魚のブダイ(魚名)
 えがむ=歪む、曲がる
 えぎらい=選り嫌う(仕事や食物、動物にも食べない草木がある)
 えぐり=獲繰り、漁獲物を入れる袋で腹に巻くひも着きのもの
 えげ=あご(例・甲浦ではエゲイツカエルと言う)
 えご=小川、溝、かわにな(淡水貝の名・川ニナ貝)
 えご=鍬や斧などの柄をつける穴(例・えごがだすい=柄がゆるい)
 えしらん=知らない、よう知らん[山]
 えずい=汚くて気分が悪い、嘔吐しそうになる
※えずく・えづく=むかつく、吐き気をもよおす、嘔吐する[和にも]
 えせな=変な、馬鹿な、つまらぬ
※えそらもそら=あれやこれや
 えづく・えずく=むかつく、吐き気をもよおす、嘔吐する
 えつくった=得意になる
 えっころ=よほど
※えっと・えっとー=たいそう、久しい(例・エットー長い、エットぶり)[徳島県]
※えっとぶり=久しぶり
 えて=得手、都合
※えてかってつんぼ=良い事だけ聞こえ、悪いことは聞こえないふりをする。
 えてきち=得意、都合[和にも]
※えてきらう・てーをきらう=人により思いどおりにならない(逆・えてきらわん)
※えてきらわん=だれがやっても良い結果になる(逆・えてきらう・てーをきらう)
※えてやり=ええ格好しい[甲]
 えど・えで=餌(例・鳥のエド、釣りのエド)
※えどぎも=江戸肝、肝っ玉が太い、度胸が良い
※えどずし=江戸前ふうの寿司[甲]
※えどま=畳のサイズ:176×88㎝(柱も含め180×90㎝)、田舎間とも言う
    (あいの間:182×91㎝、京間=本間:190×95㎝)
 えどる=なぞる、書写する[和にも]
※えなが=漁師の使う柄の長い柄杓[宍・海]
※えば=①シマアジやカンパチの稚魚、②ひいらぎ(魚名)、③かいわり[佐・魚名]
※えびかご=釣り餌にする川エビやフナムシを入れる籠(釣道具)
 えびたま・えびたも=川えびなどをすくうタモアミ(ごく細い網糸で作る)
 えびら=竹で編んだ乾燥用または養蚕用の四角い籠(四周を細板で補強してある)
 えぶ=荷札
 えぶり=苗代かき作業の最後に平らにならすためのT字型の農具
 えべす・えべす=えびす、恵比須・戎・夷・蛭子(神様の名前)[和にも]
 えべっさん=エビス神様
※えほーだな=恵方棚、正月ったんとも言う
 えらい=偉い、辛い、大変な、たいそうな、[和にも]
 えらいて=身分の高い人、偉い人、強い人(逆・またいて)
※えらもん=偉い人、強気な人、暴れ者
 えりかみ=首筋
※えれれん=鮎釣りの餌入れ[野](えれ=えで=餌)
 えんこー=カッパ(高知県東部ではシバテンと言わない)
※えんざ=①座るとき使う円形の敷物、②複数の人達が輪になって座ること
 えんぺつ=鉛筆

     お
※おー・おオ・おーよ・おーぞね=いけない、あぶない(幼児語)
 おーうお・おーいよ・おいお=ブリやマグロなど、東洋町では使われない
 おーきに・おーけに=ありがとう、感謝の言葉
 おーけな・おーけな=大きな
 おーごと=大変なこと
 おーしお=干満差の大きい大潮どきの干潮、津波、高潮
※おーしお=大型のカンパチ(魚名)[室戸市]
 おーせ=ください
※おーど=祭りの大太鼓、大鼓
※おーとこらいや=山車や木馬を引くときのかけごえ[甲]
 おーなか=神社の中枢組織で総代や責任役員で構成される(野・神祭用語)
 おーにし=強い西風
 おーの・おーのー・おーのよー=疲れた時、つらい時、痛い時などの接頭語
※おーぶぐ=トラフグ(魚名)[甲]
※おーやまやき=小正月早朝のどんど焼き、左義長のヤマを焼く行事[甲]
 おーやり=おおまか、ずさんな経営
 おーら=波の大きなうねり
 おい=追加
※おい=日よけ雨よけなどで覆う、または覆うもの、葬式の棺桶やウマを覆うもの
 おい・おいもんよ=多い・多いものよ(たくさん有るよ)
 おいお=ぶり(魚)[徳島県~和]
 おいぐ=泳ぐ[甲]
※おいくべ=乾燥焚きの終盤に焚き足すこと(炭焼き用語)
 おいこ・おいご=①スケオビ、ねんねこ、幼児を背負うタスキ帯(夏は単独使用、冬は         綿入れのネンネコ半纏を重ねる)②薪などを束ね背負って運ぶ道具
※おいごめいご=甥姪
 おいさがし=なげやり、放り散らかし
※おいた・おいたい=おお痛い
※おいた=仕事を終えた
※おいたくる・おいたくる=追いかけまわす
※おいちゃちゃくる・おいちゃちゃくる=追いかけまわす
※おいちゃーる=置いてある
※おいちょく=置いておく
※おいちょって=置いといて
 おいとー=いとこ
※おいなき=猟犬が獲物を追いながら鳴くこと[宍]
※おいなわ=牛を操る手綱(鼻にはハナゴを通す)
 おいやい=鬼ごっこ
 おいやま=狩猟(獣類を山で狩猟すること)
 おえる=男性器が勃起する[和にも]
※おおきょい・おっきょい=大きい
 おおけな・おっけな=大きな
※おオと踊り・ほオと踊り=大斗の者が踊る野根八幡宮の奉納行事[野の神祭用語]
※おオどかな=のっそりした、おおまかな[甲]
※おが=害虫のカメムシ
 おが=幅広い板曳きノコギリ
 おかー=母親
※おかい・おかいさん=お粥[和にも]
 おかいす=女陰[新]
※おかえっちょりますか=帰省していますか、甲浦では帰省人への優しい挨拶言葉
 おがくず=おがノコギリで曳いた時の木屑、製材の木屑粉
 おがくそ=おがくず
※おかこ=主婦の座を継ぐ者(葬式行列の膳を持つ役目の女性)
 おかしげな=変な、醜い顔、不格好
 おかちゃん・おかやん=母親、お母さん
※おかぼ=陸稲
※おがみ=炭窯の焚き口の窓(炭焼き用語)
※おかんかね=仕事を終わりませんか
※おき=仕事を終わりなさい
 おき=炭火
 おき=①海の沖合、②田畑の南面、南側
 おき・おきー=起きろ
※おき・おきよ=置け・仕事を終われ・終わりなさいよ(別れの挨拶)
※おきによー・おっきによー=ありがとうさん(感謝)[野]
※おきばか=オキアジ(魚名)[甲]
 おきばこ=沖へ行くときの釣道具などを入れる箱
 おきゃく=宴会[新・阿](東洋町ではヨバレと言う)
※おぎれ・おぎれい=おおざっぱ、無欲
 おく=①天秤棒、②奥の間(部屋)
 おく・おいた=置く・仕事が終わる・終わった[和にも]
 おくー・おっくー=お薬(幼児語)
※おくごち=奥河内[甲浦の地区集落名]
 おくど=くど、かまど(神聖な場所としてオクドサンとも言う)
※おくらかす・おくらす=遅らせる(県下では脅かすの意味)
 おくり=野辺送り、葬送、そーれん送り
※おけらしー=長持ちすること特に食べ物のことで使われる言葉[甲]
 おこーこ・こーこ・おこんこ=沢庵漬け
※おこし=女性の腰巻き
※おこす=耕土を耕起する(例・水田作業=起こす→たたく→かく+あぜかき~あぜぬり)
 おこす=よこす(例・手紙をオコス、使者をオコス)[和にも]
※おこらえる=怒られる(当地では子音Rが省かれる例が多い)
 おごろ・おごろもち・おんごろもち=もぐら(動物名)[和にも]
 おこり=怒りっぽい人
 おさまえる=捕まえる
 おさめぐさ=田植えして最後の草取り
 おじー・おぢー=祖父、おじいさん
 おしきり・おしぎり・はみきり・はみぎり=ワラなどを切る道具
※おじくそ・おじくそたれ=怖がりの人、小心者
 おしこみ=押し入れ[和にも]
※おしこったーす=押し込めてしまう(~ッタースは東洋町~海部郡で使われる強調語)
※おじさんのきんたま=シャノヒゲの実(植物名)竜の玉[甲]
 おじた・おじる=恐れ入った、あきれた、怖がる、恐れ入る、あきれる
 おしぬき=押し抜き寿司を作るときの型枠、押し抜き寿司、こけら寿司[和にも]
      徳島県ではさまざまな単型で中味に具を入れる
 おしまい=終わりましたか(夕方の挨拶語)
 おじゃん=おしまい、終了
※おじゅっさん=お寺の住職
※おじょーか=御城下(高知城下か徳島城下を指す)
 おじる=怖がる、恐れ入る、あきれる
※おじん=怖じない
※おじん=おじいさん
 おすえる=教える[野]
※おずや=おじや、雑炊[甲]
 おせ=大人、成人、ものごとをわきまえた人
※おせったい=四国遍路を茶や菓子軽食などで接待すること、遍路に施しをすること
※おせる・おせーる=教える[和にも]
 おそそ=女陰[和にも]
 おそべおそべ=おそるおそる
※おた・おたー・おたい・おたえ・おたし・おて=私[海・阿]
※おたいか=金持ち、名家
※おだいっさん=弘法大師
※おたく・おたしく=私の家[海・阿]
※おたな=恵方棚(天井から恵方向きに吊るし歳神を祭る)
※おたび=神輿の渡御、行幸(おたびしょ=神輿の休み場所)
 おだれ=軒下、ひさし[和にも]
 おちゃ・ちゃー=おやつ、小休止、一服する
※おちゃくる・おちょくる=茶化す、からかう[和にも]
※おちょんこ=女陰(逆・おちんこ=男根)
※おちんこ=男根(逆・おちょんこ=女陰)
※おっき=起きる、立ち上がる(幼)
※おっきゃがりこぼし=起き上がり小法師、ダルマ(おもちゃの一種)
※おっきい・おっきょい=大きい
※おっきに・おっきによー=ありがとう(感謝)[野]
 おつくり=刺し身
 おっけい・おっけな=大きい、大きな
※おつけ・おつゆ=汁物、みそ汁、お吸い物
 おっこな・おっこーな=たいそうな、おおげさな、臆病な(ボッコナとも言う)
 おつごも=おおつごもり、大晦日
※おっしゃいへっしゃい=超満員の状態(海ではオッシャイコッシャイとも言う)
※おっしぇる=教える[甲・海]
※おっさん・おっちゃん=おじさん・おじちゃん
※おっせる=教える[甲・海]
 おっちん=座る(幼児語)
※おっつけ=間もなく[和にも]
※おっていや!・おんでいや!・おらーいや!=俺いやー(驚嘆語)
 おっとろしゃー!・おっとろましゃの!=驚いた![野・佐](驚嘆語)
※おっとろましい=恐ろしい(驚嘆語)
 おっぱ=幼児を背負う、おんぶする[和にも]
※おつむてんてん=幼児の手をとり頭をたたく仕草の時の言葉(幼児遊び)
※おつゆ・おつけ=汁物、みそ汁、お吸い物
 おと=便り、うわさ、情報
※おとー=父親
※おとー!=おっと!(驚嘆語)
※おどーぐ=①神祭の練り子行列の持ち物、②性器
※おとーり=お通り、遍路の門付けに「何も施せないから」という意味で言う言葉
 おとい=恐ろしい(幼児語)
※おといた=落とした
※おとがわ=松材の厚い板(水に強く千年腐らない)
 おとご・おとんぼ=末っ子
※おとこおなご・おなごおとこ=前者は男のような女、後者はその逆
 おとこし=男衆、男の奉公人(女はオナゴシ)
 おとす=家畜を屠殺する
※おとちゃん・おとやん=お父さん
※おとつい=一昨日[和にも]
 おとどい=兄弟
 おとどし=一昨年
 おとどしー=久しぶり
 おとましい=恐ろしい、あきれるほど
※おとまっしゃ・おとましやの=恐ろしや、あきれるほどだ[野]
 おとめ=贈り物のお返し。重箱の場合は空にした重箱にマッチ棒数本入れる
 おとめろーそく=仏前などに立てる小さなろうそく[甲]
 おとりがけ=鮎漁の友掛け、囮り鮎を使う(本来は「掛け」であり「釣り」ではない)
 おどりこ=幼児の頭頂でぺこんぺこん動いている部分[甲](ヒヨメキ)
 おどれ・おんどれ=お前、貴様[甲]
 おどろく=①目覚める、②驚く
 おとろしい=恐ろしい、あきれるほどの[和にも]
 おとんぼ=末っ子[和にも]
 おなぎ=うなぎ(魚名)[甲~海]
 おなご=女
※おなごされ・おなごっされ=女のくせに(女性への蔑称)
 おなごし=女衆、女の奉公人[和にも]
 おなん=お母さん
※おのいたいよ・おーのいたいの=おお痛いよ
※おの~けー・おーの~けー=おお~だよ、海部のサーダーケー弁がルーツか[野]
※おのおとちゃんえおかちゃんえ=つまづいた時の言葉、おっとどっこい
※おのよー=疲れる前や疲れたときの接頭語
 おのればえ=自然に生えた植物
 おば・おばち・おばった=しっぽ、尻尾
※おばぐちな・おんばぐちな=とかげ[野・甲]
※おばちゃんうって=買い物の時の子供の挨拶語[野]
 おばん・おばちゃん・おばはん・おばやん=おばさん
 おばん・おばやん=おばあさん(おばさんとおばあさんはアクセントが違う)
 おひさん・おひーさん=太陽、お日様[和にも]
※おびおや=帯祝いのとき帯を巻く役目の人
 おひら=蓋付きの平たい椀(宴席に使う食器)
※おぶー=水(幼)
 おふま=神仏に供える米、または墓参の時ささげ豆や茄子をサイの目に刻んだものを
     生の米粒に混ぜて供える
 おふまぶくろ=墓参の時オフマを入れる袋
 おぶれる=溺れる、丈が長すぎる着物を着ている
※おまー・おまア・おまイ=お前、お前は
 おまはん=お前さん[徳島県~大阪]
※おまやー・おまやア=お前は
 おまん・おまさん・おまいさん=お前さん、あなた
 おまんく・おまく=お前の家
 おまんこ・おめこ=女陰
 おみきすず=お神酒を入れる徳利[和にも]
 おめこ・おまんこ=女陰
※おもかじ=右折(航海用語)(逆・左折=トリカジ)
 おもっしょい=面白い[岬陽地区~海部郡]
 おもて=おもて座敷
※おもとんじゃ=思っているのだ、思っているのか[甲・宍]
 おもや=隠居や分家に対する本家、蔵や納屋などが付随する主家
※おやくっさん=お薬師さん、薬師神社、日和佐の薬王寺ほか
※おやけない=おとなげない(他地区はオヨケナイ)
※おやっさん=親父、親方
※おやのかおをはいだような=親の顔とそっくり
※おらーいや!・おらアいや!・おんでいや!=俺いやー(驚嘆語)牟岐ではオータイヤ
※おらーぎゃー=おらーいやの変形[甲]
※おらえる=支える、持ちこたえる
※おらがおんしがのなか=気安い間柄
※おららー・おららア=俺たち
 おらんく・おらく=俺の家
 おりゅーし=おりふし
 おりよ!・おりょー!・おりよー!=疑問や感嘆の接頭語
※おるかれ!=おるもんか[宍・海]「~かワレ」の変化
※おるさきがない=居場所がない、込み合って座る場所がない
※おろかでない・おろかやない=簡単ではない、楽なことではない[海・阿]
 おろっ!・おりょー!・おりょっ!=あれ!、あれ?、おやまあ[甲・宍]
 おわえ・おわえやい=鬼ごっこ
 おわえる=追いかける[和にも]
※おわりこぐち=終了間際
※おんきがちょーめんそばきりそば うすぎのだいし せいすけぼさつ=
    =民話「清助地蔵」の唱える念仏(きが、ちょーめん、そば等は、林産品や原料)
 おんごく=山奥、山奥の里
 おん・おんた・おんつ=オス、雄(逆・メン、メンタ、メンツ)
 おんさん・おんちゃん=おじさん・おじちゃん
 おんし=お前、君[和にも]
※おんしゃ・おんしゃー=おまえは[和にも]
 おんた・おんつ・おん=オス、雄(逆・メン、メンタ、メンツ)
 おんだ・おんだー=俺たち
※おんで!=俺は!(驚嘆語)(例・おんでいや=おらーいや=私いやっちゃ)
※おんでいや!・おらーいや!・おっていや!=俺いやー(驚嘆語)
※おんどれ=お前
※おんなし・おんなしー・おんなじ・うんなし・うんなじ=同じ
※おんなせっく=女節句は本来3月だが7月祇園祭りのあとで行う[宍]
※おんななか=祭の女性組織、野根中町と南町の女中組織は御旅所で三番叟を奉納する
 おんなん・おっさん・おんやん=おじさん
※おんばひがさ=子供を大切に可愛がって育てる
 おんぶ・おんぼ=背負う(幼児語)
 おんびき=蛙
※おんぶし=魚を4枚におろしたときの背の部分(腹の部分はメンブシ)
 おんぼ・おんぼー=葬式の棺桶を土葬する役、火葬場の火葬人[和にも]
 おんぼろさんぼろ=ぼろぼろ、ぼろぼろの着物
※おんまつ=黒松(メンマツは赤松)[和にも]
 おんら・おんらー=俺たち