ま、や、ら、わ

方言⇒標準語 順引き辞典:ま、や、ら、わ行



 まー~・まア~=まずは~(呼びかけ言葉あるいは接頭語)
 ~まー・~まア=合の手または呼びかけ(例・着いたらマーよろしく言うちょいて)
※まー=間(時間~空間)
※まー=使う部屋をマーと言い、使わず物置にする部屋をヘヤと言う[甲]
 まア=「驚いた」「まず」「およそ」などの意味の接頭語
※まーされる=だまされる
 まーす=だます、はぐらかす
※まーた・まアた=真綿
※まーまー=間々(例・マーマーにやっちょいてくれ)
※まーまー・まアまア=まずまず、やっとの事
※まーす=①回す、②動作の強調語(例・はりマース、連れマース)
※まーり=回り、周囲、近辺、順番(例・誰まーり知らん、次は君のまーり)
 ~まーる・~まァる・~まワる=回る、接尾語(例・走りまーる)
※~まーんな・~まァんな=回るな、接尾語(例・走りまーんな)
※まい=前(例・白浜の前町=まいまち、マイイイケ=前へ進め)
 まい・まいげ・まいのけ=眉、眉毛
 まいあがる・まいやがる=びっくりする、あがってしまう、増長する
 まいかけ・まいだれ=前掛け、エプロン
 まいくる=巻き付く、巻き込む、走りまわる、
 まいこむ=迷い込む、滅入りこむ、閉口する、釣り糸を引き込む(釣り用語)
※まいこったーす=魚が食いついたとき釣糸を引き込む(釣り用語)[甲]
 まいこんだ=まいりいった、縮まりこんだ
 まいだれ・まいかけ=前かけ、エプロン
※まいにげる・まいぬげる=大急ぎで逃げる、ひたすら逃げる
※まいの・まがい=女っぽい男
 まいのけ=眉毛(海ではマイノキとも言う)
※まいば=廻い場、屋内葬式のあと屋外に出て葬儀を行う場所、ソーレンバ[野]
 まいまい=みずすまし(昆虫名)、デンデン虫、巻き貝
 まいまい=頭髪の中心部のつむじ巻き
※まいまい・まいまいこんこん=神仏、神仏にお参りする(幼児語)[和にも]
 まいらど=舞良戸、薄板で造った障子襖の代用品(土間と座敷の間に用いる)
 まえ=筋、道理、目前の課題(例・前をたてる、前がたたん)
 まえかど・まえかそ=前々から(例・前かどから知っちょった)
※まえに=前荷、荷車の前半に荷重がかかる(逆=あとに)
※まがい=男のような女、女のような男、(まがいもの=にせもの)
※まかえる・まける=あふれる、余ってこぼれる
※まがりのたー=曲がりの田、処分しても半端な金額の田畑[山]
※まき=クロサギ(魚名)[甲]
 まきそで=袖口の締まった半纏(女性の仕事着)
※まきだし=巻き出し波、海岸線の潮流の対流で引き潮の部分(海水浴で沖に流される)
 まぎる=じゃまになる(海ではマガルとも言う)
※まくら~=納棺前の死者の枕元に配置するもの(例・枕包丁、枕茶碗、枕飯、枕団子)
※まくらいし=本葬前に仮に墓石の代用とする石
※まくらがえし=納棺までの間に死者の頭を北向きに寝かせ枕元に祀り物を配置すること
 まくらめし=死者の枕元に供える箸をつき立てた一膳飯
 まくる=運ぶ、片付ける、追いかける、めくる、露出させる
※まくる・どまくる=叱る(ドは強調の接頭語)[甲]
 ~まくる=動作に関する強調語(例・やりまくる、怒りまくる)
 まくれる=露出する、めくれる、ころがるように落ちる
※まけまけ・まける=満杯・あふれる、あふれ出す
※まけばくちのしこりうち=負け博打のしこり打ち、負けてもなお続ける博打
 まける=負ける、値下げする、ハゼなどにかぶれる
 まける=①満杯であふれる、②値引きサービス、③かぶれる(アレルギー症状)
※まげる=じゃまになる[甲]
 まこと・まっこと=本当[新](当地ではホンマと言い、マッコトは使わない)
 まざく=間引く
 まざる=混じる、混入する[和にも]
 ましゃくにあわん=間に合わない(ましゃくの同義語・まちょく、まちょこ)
※ます=醸造酢(当地はユズなど柑橘類の果実酢が主体)
※まずき=本当に好き、本気、大好き
 まぜ=南~西南の風
※まぜくちゃ・まぜごちゃ=混ぜてしまう、ごちゃ混ぜ
※またきィよ=また来なさいよ(別れる際の挨拶言葉)
※まぜくり・まぜくりずし=五目寿司[海]
 まぜくる・まぜかやす=混乱させる、話を途中で妨害してしまう[和にも]
※まぜこぜ=混ぜてしまう[和にも]
 またい・まったい=弱い[和にも]
※またいて=身分の低い人、卑しい人、弱い人(逆・えらいて)
 またぎ=股になった樹木(股木は切られんと言い山で切り残された大木がある)
 またぐさり=手足の指の付け根がただれる病気
※またくそ=よわむし、弱い人、小心者(幼児語にも)
 またくら・またぐら=股間
※またぐらこーやく=あちらについたりこちらについたりする[和にも]
 またぐわ=先が分かれた鍬(2~5つに分かれ、ミツグワ、ヨツグワなどと言う)
※まちなか=街の中(同・ひとなか、逆・いなか)
 まちじょろー=婚礼の時に婿方から嫁方あるいは嫁方から婿方へ随従役の少女
 まちっと=もう少し[新]
※まちまァり=カドアケとも言い花嫁が初めて近所回りの挨拶をすること
 まちょくにあわん・まちょこにあわん・ましゃくにあわん=間に合わない
※まっかうり=マクワウリ(野菜の名)[和にも]
※まっこー=昔話の最後の言葉「昔まっこーさるまっこー、昔まっこーたきまっこー」
 まっこと・まこと=本当[新](当地ではホンマと言い、マッコトは使わない)
 まっさかし=まっさかさま
※まっさら・さらぴん=新品、未使用[和にも]
※まっしこまっしこ=決断しかねて迷う様子(同・いっしこまっしこ)
※まったい・またい=弱い
※まつだい・まつだいもん=子々孫々、末永く伝えるべきもの、永く使えるもの
※まったけ=マツタケ(茸)[和にも]
※まっちょった=待っていた、まちよった、(徳島県はマットッタ)
※まっちょっちゃるきに=待っていてやるから
※まっておーせ・まっとーせ=待っておくれ
 まっと=もっと(新・和にも)
※まつのみどり=松の木のヤドリギ(実を搗いてトリモチにする)単にミドリとも言う
 まっぽーくらがる=不意の出来事に我を忘れる、何が何だかわからなくなる
 まてしばし=少しの猶予
 まどう=弁償する、補償する[和にも]
 まないたあらい=宴会の翌日に後片付けの者達が残り物(ザン)で飲食すること
 まなか=半間(3尺、90㎝)
 まなご=小さい石、砂
※まなごぜ=野根の最奥真砂瀬(マナゴゼ)は野根川が緩やかにマナゴの瀬になる所
※まなし・まーなし=たえまなし、暇がない状態
※まなり=タチバナ(野生柑橘の原種名)、果実汁を酢にもした[佐]
※まにもちょーちんにもあわん=間に合わない[甲]
※まねがえる=ひっくりかえる[甲]他地区はマネガヤル
 まねし・まねしー=真似をしたがる人、(流行を敏感に取り入れる人?)
 まばいい=まばゆい
※まぶる=守る(例・お守りをオマブリ)[海・幡多郡にも]
※まぶれる・もぶれる=~まみれになる(埃にマブレル・甲)
 まま・まんま=おまんま、ご飯、食事
※ままこ=継子(義理の母子)、親身に扱われないこと
 まむすび・まんむすび=こま結び
 まめ=健康、息災、忠実に働く
※まめさん=豆(サンのつく穀物野菜は豆だけ、例・お豆さん食べるかね)[野・甲]
※まめだ=豆狸(例・雨のしょぼしょぼ降る晩にマメダが徳利もって酒買いに)
※まめだい=豆代、売春の料金
※まめのかわ=イスズミの幼魚(魚名)[甲]
 まも・まもかー=お化け(幼児語)
※まる=山の別称(サン・タケ・ミネ・ネ・レイ・モリ・マル・ギュー・タイラ)
 まるくた・まるった=全部、まるごと
 まるこい・まーるこい=丸い[和にも]
 まるた・まるった・まるくた=すべて、全体
※まわされる・まーされる=だまされる
※まわし・おおまわし=神輿を固定するロープ・サラシの上にかける化粧まわし[野]
※まわりいっけ=遠い親戚、親戚の親戚程度の縁[海]
 まん=運、巡り合わせ(例・まんがえい、まんがわりィ)[和にも]
※まんで=まるで[甲・海・阿]
※まんどろ=夜間に電灯や月光などで明るい[甲]海では満月もマンドロと言う
 まんなおし=不漁のときの縁起なおしの酒宴
※まんぼ=マンボウ(魚名)
 まんまるこい=まん丸い(マンは強調語)[和にも]
※まんまるはだか=素っ裸(マンは強調語)

     み
 みー=見る、身、肉、汁物の具
 みイ=見よ、見なさい
※みーや・みや=みなさい
 みいとこ=三従兄弟、三従姉妹(ふたいとこの子供同士)
※みうちふなこ=特定の船主や船頭の配下になっている船子(船員)[野]
※みえぞめがせん=顔を見かけない、会わない[甲]
※みがいる・みがはいる=熱中する、力が入る、筋肉がこわばる
 みきる=見限る、断念する
※みこしまわし・みこしわたし=神輿の巡幸またはその役目の者達
※みさいてくれ・みらいてくれ=見させてください
 みさんせ・みなんせ=見なさい
※みじこウ=短く
※みして=見せて[阿]
 みしる・みしくる=むしる、壊す、ひきむしりおしつぶして壊す
※みしくったーす=みしくるの強調語
 みしろ=むしろ(東洋町ではムをミと発音する例が多い)[和にも]
※みずおけ=台所で水を汲み溜める桶(台所用品)
 みずてっぽう=弾丸の代わりに水を飛ばす玩具の鉄砲。竹細工、ブリキ細工。また、両        手のひらで水を飛ばす遊び。
※みずまくら=氷枕(熱が出たときに水や氷を入れて使う枕)
※みずめがね=目または目鼻を覆う水中メガネ、スイガンとも言う
※みずや=台所に置く食器棚
 みぜに=自己の金、自己負担金、自腹
 みぞい=短い[土]
※みそかす・みそくそ=ぼろかす・ぼろくそ(同・こそかす、くそみそ)
※みぞーのむ・みっどのむ=水を飲む
 みぞご=側溝、小さい排水路
※みぞだい=山中から田畑への用水路
 みだく・みだける=壊す・壊れる
※~みたよーな=~みたいな、~のような
 みちぶち・どーろぶち=道路沿い
※みちょっちゃる=見ておいてやる
※みちょれ・みちょってみィ=見ていろ
※みっかのしあげ・みっかなぬかのしあげ=初七日の法事、葬式のあとに行う事が多い
※みつくち=兎唇
※みつぐわ・みつご=三つ又に分かれた鍬(田の荒耕や砂礫の畑などで主に使用)
 みっちゃ=あばた[和にも]
※みっちゃはっちゃ=みーちゃんはーちゃん(ミーハー)
※みつぼし=盆踊りの一種で「三つ拍子」
※みてくれ=外見[和にも]
※みてくれ・みちくれ=①弁償してくれ、②世話してくれ
※みてた=果てた(死んだ)、使い果たす、充満する[山・土]
 みてる=果てる(死ぬ)、使い果たす、充満する[山・土]
 みと・みなくち=水口、水田の水の取り入れ口
 みともない=見っともない
※みどり=ヤドリギ(実を搗いてトリモチにする)マツノミドリは松の木のヤドリギ
※みなみ=南の方角、南または南西の風
※みならいぼーこー=見習い奉公、若い娘が行儀見習い目的で奉公に出ること
※みなんせ・みさんせ=見なさい
 みば=見栄え、外見
 みまい=喪家へのお悔やみ、お見舞い
※みみ=箱のカドの部分、カドの板の組み方(特にクギを使わない方法を組み子という)
 みみ・みみそ=針の穴
※みみな=海草名(学名アンドクメ、当地方でミミナ)
    (注・学名ミミナは当地方でアンロクと言う)
※みみなし=ボーズハゼ(川魚の名)
※みやい=見合い
※みやいり・みやだし=神輿が宮に戻る・神輿が宮を出る
※みやめぐり=神祭の始まりに本殿を右回りに三回巡る行事
※みやわす・みやわす=見合わす
※みゆー=見ている
※みよオな=みょうな、変な[野]普通の「ミョーナ」とは違う
※みよし・みおし=船の前側先端部分(舳、水押、船首)
※みよってみイ・みよれ=見ていろ
※みよってみイだア・みよってんだー=見ておれよ(ダーやダアは強調の接尾語)
※みらいてくれ・みさいてくれ=見させてください
※みる=弁償する、補償する、看護する、養育する
※みんけ・みんけー=みませんか[徳島県]
※みんせ=見なさい
 みんなー=皆、全部、全員

     む
※むー=六つ、六[和にも]
※むいか・むゆか=六日
※むいた・むひた=蒸した(例・イモをムイタ)
 むいむい=虫(幼児語)
※むかい・むかえ=向かい側(道向かい、川向かい)[和にも]
※むかい・むかえ・むかいなかむら=野根の地名「向中村」ムカイやムカエは略称
 むかいり・むかえり・むかわり=一周忌の法事
※むかしまっこ・むかしまっこー=昔話の結語
※むぎわらするめ=初夏の頃の小さい仔スルメ
 むくり=努力家、勉強家
 むくる=熱中する、懸命に行う
 むこーうら・むこーつら・むこっつら=向こう側
 むさい・むさくるしー=汚い、不潔
※むさぶりつく・もさぶりつく=すがりつく、むしゃぶりつく
 むさんこ=夢中、わき目もふらず、懸命[甲・和にも]海はムザンとも言う
※むしいし=家の周囲に敷く細長い石、かずら石
 むしくる・みしくる=むしり取る、むしり砕く
 むすこ=男根
 むせる・むせあつい=蒸せる、蒸せかえる・蒸し暑い
 むつこい・むつくい=油っこい、味がしつこすぎる
 むね=峰、山の別称
 むねいた=胃が痛むこと、胃ケイレン
※むねくそ=気分
※むゆか・むいか=六日
 むらくた=まだら、不揃い
 むりむくたい・むりむさん・むりむたん・むりむっちゃ=無理やり
※むろ=むろあじ(魚名)(例・セイメイはムロの親)

     め
※め・めー=重さ、量、(例・よーけメに、濃いメに)
 めー・めい=アラメ(海草名・食用や肥料にする昆布)、姪
※めエ=目、芽
※めエ=目(幼児語)
 めエかア・めめかー=幼児を怒る言葉(幼児語)
 めーがかたい=なかなか寝付かない
※めーかんでしね=目を噛んで死ね(冗談で「死ね」ということ)[甲]
※めーする・めをする=博打でねらい目がはずれる
※めーつぶる=目をつむる
※めーとるがあがる=盛り上がる、酒の酔いがまわる
 めーやく=迷惑[甲]
※めーをかう=台風の目が通過する
 めあか・あかめ=芽の赤い里芋(白い芽の里芋はシロメ)
※めおな=みょうな、変な
 めがかたい=なかなか眠らない
 めがつぶれる=眠たい限界になる、眠くて眼が閉じていく
 めかご=目の荒い竹籠または羊歯籠(洗った食器を入れる)
※めかんじ=眇(すがめ)、めっかち
 めぐ・めだく=壊す[徳島県・山]高知県はミダクと言う
※めげた・めげる=壊れた、壊れる[徳島県]
※めくさり・めくされ=目が健全でない人
 めくそおとし=宴会の翌朝に残り物で飲食する(同・まな板洗い、ザンをやる)
※めくそはなくそをわらう=目クソが鼻クソを笑う、自分と同じような欠点を笑う
 めくち・めエくち=めくばせ
 めくちする=片目を閉じて合図、指示、またはあざける態度を示すこと
 めぐら=周囲、近辺
 めげる・めげた=破損する、壊れる、破損した、壊れた
※めけんとう=見た目で見当をつける、目測
 めご=目の荒い籠、食器をいれる籠
 めこたま・めこんたま・めんたま=目の玉、眼球(海ではメックリタマとも言う)
 めじか=ソーダカツオ、マルソーダ(魚名)
 めじっくい=屋根瓦の要所要所を漆喰で補強すること
※めしふご=飯を保温するための藁で編んだふご[海]
 めじろ=ブリの小さいもの(モジャコ→ワカナ→ツバス→イナダ→ハマチ→メジロ→ブリ)
 めすり・めっすり=夢中、熱中
※めせき=一面に隙間もない状態(例・雑草がめせきに生えちょる)
 めだち=植物の新仔や新芽、タケノコやイタドリやタラなどは芽立ちを食用にする
※めちょちょ=眇(すがめ)、めっかち
※めっき・めっち=カイワリ(魚名)[高知県東部]
 めっそーな=①とんでもない、②たいへんな[和にも]
 めっそーもない・めっそもない=とんでもない(御礼言葉への返答)[和にも]
※めった=まいった、こまった[新]
※めったなこと=余計なこと
※めぬき・めぬけ=アコウダイ(魚名)[佐]
 めのしょーがつ・めェのしょーがつ=目の正月、買わずに見るだけで楽しむ
※めばち=めばちまぐろ(魚名)
 めばちこ・めぼ・めぼー・めいぼ=目にできる腫れ物、ものもらい
※めまんと=盤木、船を海へ降ろす通路の板敷き(船底にコロを敷き転ばす)[野]
※めめかー・めエかア・めんめー=幼児を叱る言葉(幼児語)
※めめず=ミミズ
 めめる=にらみつける
 める・めりこむ=こまる、滅入る、こまりはてる
 めん・めんた・めんつ=メス、(逆・オン、オンタ、オンツ)[和にも]
 めんたま=目の玉、眼球(海ではメックリタマとも言う)
※めんちょー=スジに沿ってハレモノができる病気
 めんどい・めんどしい=①面倒くさい、②恥ずかしい、③見苦しい[和にも]
 めんどり=うみひごい(魚名)ヒメジの通称でもあるがヒメジはヒメイチと言う
※めんぶし=魚を4枚におろしたときの腹の部分(背の部分はオンブシ)
 めんまつ=赤松(オンマツは黒松)
 めんめ=目(幼児語)[和にも]
 めんめー・めめかー=子供を叱る言葉(幼児語)
 めんめ・めんめん=面々、各自、おのおのがた、私共
 めんめに=人それぞれに、自分勝手に[和にも]
 めんめらー=お前達、我々

     も
※もー=水藻、海藻
 もー・もーもー=牛(幼児語)[和にも]
 もーか=木綿の織物
※もーけいる・もーけいっちょる=儲けている最中
※もーけすえる=たくさん儲ける[土]
※もーけはえる=たくさん儲ける[甲]
※もーじ=鰻捕りの竹筒[海]
※もーす=箸拳のとき「さあかかって来い」という後攻側の掛け声
※もーする=四つん這いになって子供を載せる(幼児遊び)[和にも]
※~もーた=~してしまった(例・やってモータ)
 もーた=もらった(隣からモータ)
※もーて=もらって
※もーで=ボウゼ・イボダイ(魚名)[佐]
 もーまー=もうすぐ、もう間もなく
 もーもー=牛(幼児語)
※もいっぺん・もっぺん=もう一遍、もう一度
 もえあがり=癇癪持ち、激情家
 もえくさし=燃えきってしないもの、燃えさし
 もがり・もがる=文句の多い人、反抗的な人・さからう、反抗する
 もぎたくる=果実などをもぎ取る(~タクルは強調の接尾語)
 もくい=髪の毛を髪飾りや櫛に巻き付けた結い方
 もくいつく・もくれつく=巻き付く
※もくさく=木酢、炭焼き窯の煙に混じる水蒸気を冷却液化させたもの
 もくせん=モクセイ(木の名)
※もさぶりつく・むさぶりつく=すがりつく
 もしゃくる・もじゃくる=握り丸める、もみくちゃにする
 もじゃこ=ブリの子(モジャコ→ワカナ→ツバス→イナダ→ハマチ→メジロ→ブリ)
     (モジャコは養殖ハマチの稚魚、成魚はオーイオと言う)
 もしゃぶりつく=果実がたくさんつく、もぶれつく
※~もたくれ・~もつくれ・~もつれ・~もぶれ=~だらけ(汚いもの等に使う言葉)
※~もたくれる・~もつくれる=~もぶれになる
※もち=小鳥を捕るトリモチ(モチノキ、ヤドリギ、ツチトリモチ等で作る)
※もちあけぶ・もちわけび・もっちゃけぶ=ムベ(つる性の野生果樹)
 もちおもり=持ち歩くうちにだんだん重くなる
 もちくれる・もちゃくれる=じゃれあう、つきまっとて離れない様子
※~もつう・~もつれる=手にあまる、収拾つかない
 もっけな=ふしぎな、おかしな、けげんな[和にも]
 もっそ・もっそー=桝、一斗枡、もっそー弁当
※もっそー=孟宗竹(植物名)[甲]
※もっそーべんとー=肉体労働のための大きな弁当(曲げ物細工の楕円形である)
※もっちゃけぶ・もちわけぶ=餅アケビ、ムベ(つる性の野生果樹)
※もっちょる=持っている(徳島県はモットル)
※もっちょっちゃる=持っておいてやる(徳島県はモットイタル)
 ~もって=~しながら(例・言いモッテ、走りモッテ)
※もっぺん・もいっぺん=もう一遍、もう一度
 ~もつれ・~もぶれ=~だらけ(汚いもの等に使う言葉)
 もてん=これ以上は無理、続けられない
 もときり=ヨトウムシ(害虫・夜盗蛾の幼虫)
※もどく=結んだものをほどく[和にも]
※もとづな・ともづな=艫(船の後尾)と港(陸地)を結ぶ綱
 もとどり=樹木の根元から切り倒す[甲・山]
※もとのもっこー=元の木阿弥、元にもどる[佐]
 もの=できもの、腫れ物
 もの=挨拶ことば(例・玄関先でものを言う、道で合うてものもいわん)
 ものき=物置[甲・宍・海]
※ものずえ=皿鉢料理を置いて座敷に出す1脚1人前の膳
 もぶり・もぶりめし=ごもく飯
 もぶり・もぶりずし=ごもく寿司
 ~もぶれ=~もつれ、~だらけ(汚いもの等に使う言葉)
 もぶれ・もぶれる=群がる、~まみれになる(例・柿の実がもぶれなっちょる)
 もぶれつく・もぶれなる=果実が群がりつく、群がって実がつく
 もま=ももんが、むささび(夜行性の小動物)
 もみだし=ぬか袋(石鹸のなかった時代のもの)
 もみぬか=もみがら
 もも=桃、山桃、果実全般にも使う[和にも]
※ももかー=お化け(幼児語)
 ももかい=腹の筋がさしこむ病気(婦人病)
 ももくる・ももじる=口の中でもぐもぐしゃべる
※もらいぶろ・もらいゆ=他家の風呂を使わせてもらうこと
 もりばんてん=子守用の半纏
 もりわけ=漁獲物を目分量で山分けすること
※もろた・もろーた・もーた=貰った
 もろぶた=浅くて長方形の木箱、何段にも重ねて使う[和にも]
※もりこ=子守り役の人、子守り奉公[和にも]
 もん・もん=者、物、(例・よそモン、はくらいモン)
※もん=紋
 もんさ=もぐさ、お灸
 もんた・もんてきた=戻った、戻ってきた
 もんて・もんてくる=戻って、戻ってくる
 もんもん=まだら模様、お灸(幼児語)

     や
 や・やー・やァ=矢、林業用のくさび、8つ
 ~や=~よ(例・置いちょってヤ)[土~新]
※~や~=~やら~、~とか~(例・なにヤかヤ)
※~やい=~競争、~くらべ、(例・早いヤイ、走りヤイ)
※~やいか・~やか・=~ではないか(疑問でなく断定)[高知県]
※~やか・~やかい・~やかし=~なんか、~などは[甲・徳島県]
※~やか・~やいか・~やかよ=~ではないか(疑問でなく断定)[甲・徳島県]
※~やが・~やがよ=~ではないが(疑問でなく断定)[高知県・徳島県]
※~やかい・~やかし=~だから・~なんかは[甲・徳島県]
※~やがえ?・~やがえー?=~だろう?
※~やかね=~ではありませんか(強調語)(例・そこにあるヤカネ)
※~やがね=~ですがね
※~やがねエ=~ですがね(野や佐や山はアクセントなし、他地域はエにアクセント)
※~やから・~やからに=~なんか、~などの
※~やかれ・~やわれ=~やかワレ、~だぞお前、強調の接尾語[甲・宍・海]
※~やきに・~やきん・~やけに・~やけん=~だから
※~やけ・~やんけ=~だろう、~だから(推定~断定)[徳島県]
※~やこい=~なんかは[甲]
※~やこし=~なんかは[宍]
※~やさかい=~だから[徳島県~大阪]
※~やて・~やって=~だって
※~やのって=~なので[徳島県]
※~やよって=~なので[徳島県~大阪]
※~やろげ=~でしょう[徳島県]
※~やわ・~やわい・~やわよ=~ですよ[甲・徳島県]
 やいと=お灸、やけど[和にも]
※やいよる・やいゆー=やりよる、やっている[野]
※やいよんな?=やっているのか?[野]
 やお=やろう、あげよう[土]
 やおい・やりこい・やわい=やわらかい[土・和にも]
※やかましー=騒々しい、世間の目が厳しい
 やきあと・やけやた・やっきゃた・やっきゃと=やけど
 やきやきする・やけやけする=腫れて熱をもち痛くなる
※やきぎり=魚を三枚おろしにして表面だけ半焼きにしたもの(調味料をたたきこみなが      ら作ればタタキとなる)磯魚などは皮の方だけを焼き切りにする
 やぎとー=神官を家に招いてお祓いしてもらうこと
 やく=①手間賃、日当、②手間、やっかい、苦労
 やくざな=いい加減な、無理無茶な
 やけあと・やっきゃた・やっきゃと=火傷、火傷の傷痕
 やけのかんぱち=やけくそ、やけのやんぱち
※やけもん=やけを言う人[甲]
※~やこい・~やこし=~だから、~なんかは[甲・宍]ゾイカイ弁の代表例
 やじ=屋敷地、屋敷
 やしめる・やしべる=いじめる、ばかにする、卑しめる
 やしゃご・やしゃまご=ひ孫の子、しゃしゃらまご
 やすかる・やすかる=助かる、助力によって楽になる
 やすける=やすめる、休ませる
 やすみよ・やすめよ=お休みよ、仕事を終れよ(別れの際の挨拶言葉)
 やせこつ=やせっぽち、ひどく痩せた人
 やぜん=昨夜[和にも]
※やだいこだい=あれやこれや[野]他地区にヤザイカザイがある
        芸西村西分堀切西側に「ヤンダイカンダイ様」という墓がありイボ取り        の神様とも言う。
※やだけ=矢の材料となる竹、節目が目立たず細く直っすぐで昔の城跡や屋敷跡に多い。
     野根の流鏑馬の矢に使う、メダケ
※やたけた=あれこれ、雑多な、無茶苦茶
 ~やち・~やっち=~であっても
※やちがない・やちもない=無茶で筋が通らない[新]
 やつ=午後(八つどき)のおやつ又は休憩、仕事途中の休憩
 やつおれ=板裏草履(戦前のふだん履き草履)
 やっくと=やっと、ようやく(海では「あいにく」の意味もある)
 やっきゃた・やっきゃと=やけど[岬陽]
 やつす=化粧する[岬陽・山]
※やっすい=安い、容易な、(強調する場合に使う)
※~やった・~じゃった・~ぢゃった=~だった
※やったもん=たいしたもの
※~やっちゃ=①~ですよ(例・出発は明日やっちゃ)、②~やつだ(悪いヤッチャ)
※やっちゃる=①してやる、②やっつけてやる(徳島県はヤッタル)
※やっちゃーる=してある、すでに済ましていること(徳島県はヤッタアル)
 やっちょる=よくやった(ほめ言葉)
※やっちょる・やっとる=やっている[高知県はヤッチョル、徳島県はヤットル]
※やってん・やってんさー・やってんだー=やってみなさい
※やっとー=剣道(幼児語)
※やっとー・やっとーさー=さしあげた[野]
※やっとー・やっとーさー=~だった[野]
※やっとーせ・やっておーせ=して下さい[野]
 やっぱー・やっぱし=やっぱり[和にも]
 やつめし=午後の間食
※~やて=~といっても、~だそうだ
 やで=上腕、上腕付近(例・ヤデが痛い)
※やでえび・やどえび=テナガエビ(川エビの名)
 やと=あいつ(例・いやなヤト=いやなやつ、ヤトラア=奴ら)
※やどーし・ねずみとり=アオダイショウ(家屋にも棲む大型の蛇の種類)
※やどえび・やでえび=テナガエビ(川エビの名)
※やとこ=家の敷地、宅地
 やどんびき=ガマガエル
※やなぎのむし=ネコヤナギなどの木の中に棲むカミキリムシノ幼虫、カンキの薬にする
 やね=やに(例・煙草のヤネが詰まる)
※~やね=~ですね(野や佐や山はアクセントなく言い切り、他地域はエをつけて延ばし、     「ネ」にアクセントあり)
※~やねエ=~ですね(上記以外は高知県も徳島県もネにアクセントあり)
 ~やの・~やのー=~だな・~だねえ
※~やのって・~やよって=~なのだから、~によって[徳島県]
※~やて=~ですって[大阪弁の影響か]
 やぶこぎ=山道でなく薮ごそ(薮の中)をかけ分けて進むこと
 やぶごそ=薮
※やぶちっち=スズメ(鳥の名)
※やぶちっちのきもばア=雀の肝ほど、小心者で肝が小さいこと[甲]
※やへいのぎおんまいり=祭りにいけば仕事は休みで買い物して上下の損失になる。
            野根の名大工港谷弥平が宍喰祇園祭行きを断った故事による。
※やま=①山、②左義長(ドンド焼き)で焼くもの、多くのスス竹などを縦に重ね正月飾    りや神仏に関するものをその中に押し込んだもの[甲・海]
 やま・やんま=凧糸、麻糸または太い目の綿糸(太めの糸)
※やまあて=海上から目印の岩や山を見通して位置を知る
※やまいき・やまにー=山仕事、山仕事の人
※やまいぬ=オオカミ、オオカミと犬の交雑した野生犬
 やまこ=詐欺師
 やまし=山仕事の人、樵人、山林業者、たくみな商売人
 やましー=病気がち、病弱
 やまぜ=西南風
 やまちち=山の妖怪、一足一眼の妖怪、人心を読む妖怪
 やまて=立ち木の状態で材木を買う値段(期限内の伐採が条件)
※やまとび・やまとべら=山にいる大きなミミズ[甲]
※やまいき=山仕事、山仕事に行くこと
※やまにー=海や街の事をあまり知らない山奥の世間知らず(海はヤマジンとも言う)
     (例・れきゃーしょーのやまにーやのーし=彼は本当に世間知らずだな)
※やまじん=山仕事の人(海の事をあまり知らない人)[海]
 やまのかみ=女房、恐妻
※やまばァある=山ほどたくさんある
 やまみ=山から海の魚群や鯨を見張る、海上から目印の岩や山を見通して位置を知る
     ヤマヲタテルとも言う
 やまめ=男やもめ、人を針で刺す泥田の虫
※やまもものよりぐい=ヤマモモを良い実から順番に食べること[野]
 やまめじゅく=婚礼を避ける暦の上の日
※やまやき=早春に萱山を焼き萱の生育を促進する(昔は地域共有の萱山があった)
※やまやき=左義長のヤマを焼く行事[甲]、ドンド焼きともいう
 やまり・やまる・やまった=終わり・終わる・終わった、絶える、絶えた
※やめちょく=やめておく(徳島県はヤメトク)
※やめったーす=やめてしまう(強調語)
 やや・ややこ=赤ん坊[高知・徳島・大・和・幼児語も]
 やら=理由、急所、原因(例・やらがわからん)
※やらいでか=やらずにおくものか[甲~徳島県](~デカ=~せずにおくものか)
※やらがわからん=わけがわからない
 やらこい=やわらかい
 ~やらこい=~など[ゾイカイ弁・幡多郡にも]
※やりかなつき=長い柄のついた金突き(槍投げの要領で魚を突いて捕る漁具)[野]
※やりぐい・いれぐい=次から次へ立て続けに釣れること
 やりこい=やわらかい
 やりこくる・やりそくる=やりそこなう
※やりこったーす=やってしまう(強調語)[甲]
※やりこむ=事業に失敗する、運転を誤まる[甲]
 やりしこる=熱中する
 やりすえられる=やっつけられてしまう[土]
 やりすえる=やっつけてしまう[土]
 やりそくる・やりこくる=やりそこなう
※やりたくる=やってしまう(強調語)
 やりて・やりや=うでたち、有能な事業家活動家
※やりまくる=懸命にやる(~マクルは強調の接尾語)
※やりよる=やりよる、やっている[土]
※やりよん?・やんよん?=やっているのか?[甲~徳島県]
※やりよんな?=やっているのか?[土]
※やれさせそれさせ=神輿を担ぐ時のはやし言葉[甲](野根はチョーサジャと言う)
 やれん=がまんできない、やってられない
※~やろ・~やろー・~じゃろ・~ぢゃろ=~だろう
※やろく=弥六、伝説上の義賊または盗人(高知県~徳島県東部に伝わる)
※やろくがよーな=弥六のような性悪人[野]
※~やろげ・~やんけ=~でしょう[徳島県]
※~やわ・~やわい・~やわよ=~だよ[甲~徳島県]
 やわい=やわらかい、なまぬるい[新・土]
※~やわれー=~だワレ(ワレはお前という接尾語、例・いやヤワレー)[海]
※~やんか・~やんけ=~ではないか(「か」は高知県、「け」は徳島県)
 やんがて=やがて
 やんだ=やたらに
※やんなおし・やんなおす=やり直し、やり直す
※やんばい=あんばい
※やんぴ=やめた(子供の流行語)
 やんま=ヤンマは昆虫のヤンマトンボ、ヤンマは太い糸
 やんめ=目ヤニの出る炎症、結膜炎
※やンよる・やンりょる=やっている(ンは阿波弁の大きな特徴とされる)

     ゆ
※ゆ=イをユと発音(当地方や大阪和歌山にもある)
※ゆー=言う、結う
※ゆウ=優、柚子、堰
※ゆウ=湯
※ゆーけんど=言うけれど
※ゆーたごし=言ったきり
※ゆーたち・ゆーたっち=言っても、言ったところで[土~新]
※ゆーたて・ゆーたって・ゆーたてて=言っても、言ったところで
※ゆーちゃる=言ってやる、言い上げてやる(徳島県ではユータル)
※ゆーねやが=言うのだが[宍]
 ゆーひく=湯ざめする、入浴して傷口が化膿する
※ゆーべ・ゆんべ・よんべ=昨夜
 ゆーれん=幽霊(海ではユーレンバナは彼岸花のこと)
 ゆい=手がえし、共同作業またはその共同組織
※ゆいたくる=言いまくる
※ゆいほーだい=言いたい放題
 ゆいよる=言っている
 ゆお・いお=魚
※ゆかん=死者を湯できれいにして葬式にそなえること(葬式用語)
 ゆき=蜜をかけたかき氷
 ゆきひら=病人のお粥を炊く土鍋[和にも]
 ゆくさ=いくさ、戦争
※ゆぐす=田の神[野](同・いぐし[阿]いげ[土])
※ゆくび・いくび=いくみ:生見(地名、イをユ、ミをビと発音する当地方の例)
※ゆこー=酢ミカン、柚子とは別種のもの
 ゆさくる・ゆすくる=揺さぶる
 ゆだん=ゆっくりすること
 ゆのす=ユズの酢
 ゆみ・ゆみがかり=忌み、忌みがかり、喪中のため祝事や神事を慎む
 ゆる=水門、用水が溜まった所
※ゆるぎ=いるぎ(入木=地名、イをユと発音)
 ゆるぐ=大騒ぎする
 ゆるり・ゆろり=いろり(「イ」を「ユ」と発音する例)[和にも]
 ゆわ・ゆわごっとー=岩、大岩
※ゆわい=祝い
 ゆわたり・いわたり=新築祝い、落成式
※ゆわれん=言われん、言ってはいけない
※ゆわん=言わない(例・ユータユワンで喧嘩になった)
 ゆんべ=昨夜

     よ
 よ・よー=暮らし向き、家計、家計を預かる主婦の座
 よー・よオ=4つ、四[和にも]
※~よ=~を(例・そこな箒ヨ取ってくれ)[野]
※~よ=~ですよ、~ますよ(接尾語)[和にも]
 よー~=できない事の接頭語(例・ヨー行かん、ヨーせん)[和にも]
※よー~=よく(例・ヨーあること、ヨーやった、ヨーしたもんよ)[和にも]
※よオ?=なんだ?(聞き返す時の言葉)
 よーけ・よけ=たくさん[和にも]
※よーさん=仰山、たくさん[甲・和にも]
 よーすする=格好つける
 よーすで=~のくせに
※よーた・よーちょる=酔った、酔っている
 よーだい=文句、不満
 よーたんぼ・よいたんぼ・よたんぼ=酔いどれ人、酩酊した人
 よーなかった=人が死ぬこと(〇〇さんがヨーナカッタってねー)
 よーべ・よんべ=昨夜
※よーもゆーた=よくも言った
※よーやっと=やっとのこと
 よーよのかい・よいよのかい=やっとのこと
※よいしょ・はいしょ=いいよ・はいよ(応諾語)[新]
※よいそ=夜の干潮時に磯で貝類を捕ること(貝類は夜行性が多い)
※よいたくれ=飲んだくれ、深酒飲みの酔っ払い
※よいよ・よいよのかい=やっと・やっとのこと
 よいよい=外へ出ること(幼児語)
※よいよのかい・よいよのかいろ・よーやっと=やっとのこと
※よがなかった・よーがなかった=主婦の座をつとめた期間が短かった
 よがなよっぴと・よがなよどーし=一晩中
※よかりそーな=よさそうな
※よくい=欲な、欲張りな
※よくたれ・よくちん=欲張り
 よくとしー・よくどしー=欲ったらしい
※よくのかー=欲の皮、欲張りの本心(例・ヨクノカーがつっぱる)
 よけ=①たくさん、②退け[和にも]
 よこ=ヨコワ(魚名)、マグロの幼魚
※よこくべ=原木を横向けに揃えて焼く方法(白炭や備長炭の製法)[炭焼き用語]
 よこし・よこちょ=横側
 よこった・よこっちょ=横、横のほう[和にも]
 よこったし=横側[岬陽]
※よこびき=横びきノコギリ(逆・タテビキは木目に沿ってひくノコギリ)
 よこぼ・よこぼー=①天秤棒の荷物を左右に担ぐ、②ボサを木馬道までかつぎ出す道
          ③水平な山道
 よごみ=よもぎ(植物名)ヨモギ餅やもぐさの材料
※よこり=春蘭(植物名)
※よごれくさる=ひどく汚れる
 よざき・よだき=夜間に篝火を焚いての漁法
※よさもと=夜分、夜更け[甲]
※よせる・よせて=仲間に加える、仲間に加えて下さい
※よそいき=あらたまった服装や身なり(逆=ふだんぎ)[和にも]
※よそもん=よそ者
※よそう=ご飯などを茶碗に入れる[和にも]
 よだき・よざき=夜間に篝火を焚いての漁法
 よだれくり=常にヨダレを垂らしている人
 よたんぼ・よいたんぼ・よーたんぼ=酔いどれ人、酩酊した人[和にも]
※よつ・よつびし=中型のキハダマグロ(魚名)[甲・室戸]
※よつぐわ・よつご=4ツ股に分かれた鍬(荒耕や砂礫畑に使用)
 よっころ・えっころ=よっぽど
 よっしゃ=いいよ(応諾語)
※よったり=四人
 よつつじ=よつかど
※~よって=~だから[徳島県](例・そやヨッテ、今行くヨッテ)
 よっぴて・よっぴと=夜通し、夜を徹して[和にも]
※よつべ・よつべはう=暗くなるまで働く[海]
※よづめる=片付ける、整理してスペースを作る
※よとぎ=①お通夜、②重症患者を徹夜で見守る(②は当地ではあまり使わない)
※よなおしよなおし=地震のときに唱える呪文[和にも]
※よなかさなか=夜中、真夜中(海ではヨナカソナカとも言う)
 よに・よーに=仕事帰りに持ち帰る荷物、帰途の収穫物
※よになる=主婦の座につく(例・ヨがなかった=主婦権を持つ年月が少なかった)
※~よの=~だ、~だよ[甲・宍](例・そうヨノ、今日は休みヨノ)
 よのみ=エノキ(樹木名)
 よばい=夜這い
※よばれ=宴会(高知県や徳島県では「おきゃく」が主体、東洋町ではヨバレという)
     ヨバレと言う地区は室戸岬以東の海岸線に多い、石川県にも用例がある
※よばれによばれたきによばれにいきゆう=宴会に招かれたので宴会に行っている
※よばれし=ヨバレと同じ宴会の意味[宍]
 よばれ=寝小便(例・ヨバレたれ)[和にも]
 よばれたれ=寝小便する子供(幼児語)[和にも]
 よばれる=①ごちそうになる、②招かれる
 よぼう=液体がたれ落ちる[甲]
 よぼくれる・よぼける=耄碌する、よぼよぼになる
 よます=穀物を水に浸して柔らかくする
 よみや=宵宮、祭りの前日または前日の行事
 よめかたぎ=略奪結婚の風習
 よめくばり=婚礼のあと花嫁が粗品を配って近所まわりをすること
 よめし=夕飯
 よめぜっく=8月1日の女節句、弁当持ちで海浜に遊ぶ甲浦や宍喰の風習[山も]
※よめのさら=磯の岩場にいる一枚貝の種類
※よよ=草履(幼児語)[佐]
※~よら・~よらい=しているよ[ヨライは甲ゾイカイ弁]
 より・よりやい=寄り合い、集会
 よりくち=最寄りの所(例・ヨリクチの家で尋ねなさい)
 ~よる=~て・いる(例・いま行きヨル、話しヨル最中よ)
※~よれ=~て・おれ(例・先に行きヨレ、そこで待ちヨレ)
 よろこび=祝い事
 よわくそ・よわみそ=弱いやつ(幼児語)
※よわたり=渡世
※よわっとった・よわっとる=難儀していた、難渋している[徳島県]
 よわる=①困る、②魚や肉が古くなる(食べられなくなる)
※~よん・~よんの=~している・~しているの[徳島県](例・呼びヨンでー)
 よんべ=昨夜[和にも]
 よんみょる=読んでいる[岬陽・徳島県]

     ら
※ら=だ(注・東洋町から海部灘沿岸はザ行ダ行ラ行の発音混用が多い)
 ~ら=~は(例・今度ラ成功するじゃろ)
 ~ら・らァ=①側(例・西ら、西つら、西うら)、②等、③達[和にも]
 ~ら・~らね・~らい・~らいね=肯定の接尾語[和にも]
 ~ら?=~なら?(疑問の接尾語)
※らくにせエ=座り方を楽にせよ、ひざを崩せ
※~らけんど=~だけれど(東洋町から海部灘沿岸はダ行をラ行に発音する事が多い)
※~らこい=~なんかは[ゾイカイ弁]
 らす=だす、カヤで編んだ炭俵
 ~らす=~させる
 らちこちあかん=らちがあかん、物事が進まない
 ~らった・~ざった=~しなかった
 ~られん=~してはいけない、~するな
 らん=寒蘭(本町は全国有数の寒蘭自生地で多くの家が寒蘭を鉢栽培していた)
 らんぽ=ランプ[岬陽・幡多郡]

     り
※りー=里(距離)、利益
 りぐり=りぐる人、格好つけたがる人、念入りな人
 りぐる=念を入れる、かっこうをつける、もったいをつける
 りこい=利口な、賢い
 りこーもん・りこもん=利口者
※~りゃ?・~りゃア?=~るのか?(例・あリャア、すリャ、なリャ、なリャア)
 りゅーきゅー=はすいも(野菜の種類)
※りょーほーえいのはほっかぶり(ほーかぶり)=両方良いのは頬被り
※りょーほーえいのはほっかぶり、うちだのおてらでりょーとくし
     =両方良いのは頬被り、内田のお寺で了徳寺(「両得し」の語呂合わせ)
      両方または両者とも良いの頬被りぐらいのもの、両得は内田の了徳寺
※りんき=やきもち、嫉妬
 りんぎ=木材や俵などを積む際の台敷きにする横木
※りんつく=腹が膨れる(健康な状態で張りがある)[甲]



     る
るい=一族、親族
るいぞく=親族

     れ
※れー=礼
※れき・でき=彼[野~海]
 れきれき=お歴々
※~れなんだ=~られなかった、~できなかった
※~れよ=~して下さいよ
 ~れる=可能だという意味の接尾語
 ~れん=~できない、~してはいけない(不可能~禁止)
 れんぎ=すりこぎ(スリバチに使う)[和にも]
※れんご=マアジ(魚名)[佐]
※れんだい=蓮台、葬式のとき棺桶を乗せて運ぶ台(現代なら霊柩車)
※れんちゃん=連続、連日(本来は麻雀用語だが、連日の酒宴や仕事にも用いる)
※れんぱ・れんわ=電波・電話(DがRに替わる海岸線に多い訛音の一例)

     ろ
※ろ=ぞ、ど(注・東洋町から海部灘沿岸はザ行ダ行ラ行の発音混用が多い)
 ~ろ・~ろー=~だろう、~でしょう
※ろー=炉、船を漕ぐ櫓
※ろー=労、ロウソク、牢屋
 ろーそく=めじかの仔魚(魚名)
※ろぐい=船の櫓の穴に差し込む杭(ロマクラは櫓の穴の周りの丸い輪)
※ろくいち=61歳、還暦、還暦の祝い
 ろくすっぽー・ろくたま=ろくに、十分でない、しょっちゅうの逆語[和にも]
 ろくたま・ろくった=ろくに、まともに
 ろくつな=ろくな、まともな
※ろくどー=六道、初七日から四十九日まで七日ごとの卒塔婆[葬式用語]
※ろくに=ちゃんとして、きちんと・充分に[甲・宍・海]
※ろくもんせん=寛永通宝六枚、サンヤブクロに入れてアノ世への経費とする
※ろくろ=轆轤、浜に置いて地引き網を巻き寄せるもので数人がかりで操る
※ろっかく=テングサの一種(海草名)
※ろっぷ=ロープ
 ろりろり=うろうろ、まごまご

     わ
 わ・わー=我が、私
 ~わ=~さ、~よ
※わーく・わんく=我の家
 わア=私、輪っか
 わーら・われらー=お前達、彼ら
※わい=私[和にも]
 ~わい・~わよ=接尾語、~です、~ます・~ですよ、~ますよ
 わいてくる・わく=心が高揚する、怒りがこみあげる
※~わえ・~わえー=接尾語、~したよ、~だったよ
※わえ・わえな・わえくた・わえくちゃ=駄目・目茶苦茶[甲]
※わかいし=若い衆、青年(例・祭りの若衆宿=わかいしやど)
※わかいしぐみ=若連中、青年団
 わかな=ブリの子(もじゃこ→わかな→つばす→はまち→めじろ→ぶり)
※わかなか=若中、若い衆が構成する祭組織で神輿巡幸などを担当する
※わかば・わかば=ユズリハ、ヒメユズリハ(植物名、正月飾りに使う)
 わがはしる=桶のたがが切れる
 わかもち=正月14日に搗く餅
※わがよ・わがよー=主婦の座に着く期間(あの人はわがよーがなかった)
※わがら・わがらー=われら、私たち[和にも]
 わかれ=分家
※わかれのちゃわん=葬式の出棺のとき玄関先で割る茶碗
※わき=①よそ、②そば
※わきかえる・わく=群れている
 わく・わいてくる=心が高揚する、怒りがこみあげる
 わげ=髷、結った髪
 わけち=わけ、理由[新](例・わけちがわからん)
※わけび・わけぶ=アケビ(果実の名)「もちわけび」は「ムベ」のこと
※わけぶそ=アケビ(果実の名)[佐]
※わける=①分配する、②購入する、(例・それをワケテくれ)
 わげる=曲げる、輪にする
 わさ=①鳥獣を獲るワナ、②輪っか
 わざ=いたずら、支障
 わざとごと=わかりきったこと、わざとらしい事
※わざやく=わざわざ
※わし=鷲(鳥の名)、和紙
※わし=私(ワシは高知県、ワシは徳島県)
 「私」の方言:高知県東部女性=アシ・アタシ・アテ・アテイ
 「私」の方言:高知県東部男性=アシ・アテ・オラ・ワイ・ワシ
 「私」の方言:徳島県南部女性=アシ・アタシ・アテ・アテイ・オタ・オタイ・ワテ
 「私」の方言:徳島県南部男性=アシ・オラ・オレ・ワイ・ワシ・ワテ
 わたい=私[和にも]
※わたいれ=どてら、どんざ
 わたくしあめ=他所は晴天なのに一部地域だけ雨が降る、私雨、村雨
       (私雨の例・室戸市佐喜浜、中村市九樹、土佐町樫山)
※わたりがに=ガザミ(蟹の名)
※わっしぇた・わっせた=忘れた[甲・海・阿]
 わや・わやくそ・わやくちゃ・わやくた=めちゃくちゃ、からかう[和にも]
 わやな・わやくな=駄目な、目茶苦茶な(海はワヤクナとも言う)
 わやくる=からかう、愚弄する
※~わよ=~だったよ、~だよ、[甲・海・阿]
 ~わら=集落(例・漁師ワラ)
 わらいいる・わらいいっちゅー=笑う(強調)
※わらいじょーぎ=笑い上戸
 わらう=編んだよりがもどる、縫い目がふどける
 わらくる・わらくったーす=壊す、壊してしまう
 わらくれる=壊れる
 わらぐろ・ぐろ=稲藁の束を塔状に積んだもの、頂上に水除けのスドを乗せる
※わらべ=ワラビ(山菜)[甲]
※わり=直径の大きい原木を四つ割りにして炭にしたもの[炭焼き用語]
 わりー=悪い
 わりかた・わりかし=割合に
 わりことし=悪童、いたずらっ子(幼児語も)
 わりゃー・わりゃーこらえ=お前は(相手を指しての接頭語)
 われ・われー=お前
※われがしゃれが=暴言の言い合い[野・甲・宍・海]
 われがよーな=お前のような(喧嘩言葉)
 われゆー=大騒ぎしている
※わん・わーん=私の(例・わんく、わんらァ、わーんこ)
 わんく・わーんく=私の家
※わんつく・わんついた=騒然となる、騒然となった
 わんらー=お前ら
※わンりャい=割合(「ン」や「ャ」は阿波弁の特徴である)[徳島県]
※わんわん=犬(幼児語)

     ん
 ん=が、の(例・私ンく、雨ン中)
※~ん=~ない、否定~禁止の接尾語(例・せられン、あられン)
※んー=うん(返事、肯定語)
※んー~=ウンと同じく強調の接頭語[海](ンーなぐる、ンーまがる)
 んーん・んンん=いいえ(返事、否定語)
 んーんー=うんこ、大便(幼児語)
※んーにゃ・んーにゃー=いいや(返事、否定語)
※~んか=~のか
※~んが・~んで=~のが・~ので
※~んかて=~しなくても[海・阿・大・和]
※~んけ?=~ですか?
※んごろもち=もぐら
 ~んす=~ます
 ~んせ=~なさい[例・行かンセ、くなンセ、見てみンセ]
※~んどる・~んにょる・~んりょる=~て・いる[徳島県](高知県では~ンジョル)
※~んな=~るな、禁止の接尾語(例・すンナ、さわンナ)
※~んにょる・~んりょる・~んどる=~て・いる[徳島県]
※んね・んねこ=姉さん(海ではンネサンとも言う)
 んま=馬(例・きんま、どんま)
 んまあい=ウマの合った相棒
※んまい=うまい、上手、美味しい
 んまえる=熱い湯に水をさしてぬるめる
※んまれる=生まれる
※んまみち=木馬の通る道(キンマミチ)
※んまんま・んま=食事(幼児語)
※んみ=海
 んめ=梅(果実名)
※んめる=うまえる、熱い湯に水を加えて温度を下げる、うすめる
 んめる=埋める
 んもる・んもれる=埋もれる
※~んりょる・~んにょる・~んどる=~て・いる[徳島県]