方言⇒標準語 順引き辞典:た行



※~た・~った=~づつ[野](例・ちっとった、ちっとばったー)
※~たー・~たア=~とは
※たア=田んぼ
※だ=ざ(注・東洋町から海部灘沿岸はザ行ダ行ラ行の発音混用が多い)
  だー・だア=①諾・接頭語、②哉・接尾語(例・①だーそーよ、②来いだー)
※だーけー=「だー」を念押しする強調語[野]
※たーす・たアす・たやす=しまうの強調語(例・すてったやす、はりまったーす)
※たーっしょけ・たやひちょけ=放っておけ、すてておけ
※~だアで=~程度で(例・酒の3合5合だアで酔うもんか)[甲]
  たアら=俵
※たアらご=海に棲むナマコ[甲]
※~たアる・~たアん=~してある[宍・海]
  だーるまさんがこーろんだ、わろたらまけよ=子供あやし歌
※だい・だいイ=だるい
※だい・だえ・だん=誰(例・だいなら、だんぞいにゃ[野])
※たいがい=①おおかた・大部分、②いい加減・そのへんで
  だいがら=踏み臼
※だいく=大工(例・ヤダイク=家大工、船大工、宮大工、センチ大工)
※だいこ=大根(野菜の名)(例・子守歌の歌詞「だいこ揃えて船に積む」)
※だいこくさん=イスズミ(魚名)[甲]
※だいさ・だいた・だひた=出した
※だいじがる=大切にする
※だいじもっこ=大切の強調語
※たいしょー=親分、親方、おだてて相手を呼ぶ時に用いる言葉
※だいせ・だいて・だひて=出して
※だいた・だひた=出した
  たいそ・たいそー・たいそい=大変、難儀、面倒くさい、病気が重い
  たいたい=同じ高さ、対々、対等
  たいちゃ・たいちゃー・たいっちゃ=たいそう、ずいぶん
  たいて・たいてエ・たいてい=①たいそう、ずいぶん、②いい加減・そのへんで
※だいな・だいなら=誰なら
※たいふーじり=台風の影響範囲
※だいぶ・だいぶか・だいぶんか=おおかた
※たいゆー・たゆー=神官、太夫
※だいよーしょく=山の幸海の幸(野根よもやま集に記載の代用食を別項で紹介)
※だえ=誰
※だえぞいや・だえぞいにゃ=誰だろう
  たかア!・たかで!=なんとまあ!・なんと!・まるで
※たかいたかい=幼児を高く差し上げて喜ばす
※たかな=タカノハダイ(魚名)[佐]
※たかみ=引き分け、勝負なし、(子供の遊び用語)
※たかみ=勝負から退いて高見見物の者、勝負が相討ちのとき高見の者が総取りする
  たかる=群がる(例・何人タカッテモ勝てない)
  たき・だき・たけ・だけ=山の断崖、絶壁
  たき=丈け、長さ
  だき・だきな=だらしない、物を粗末にする
※たきぐち=炭焼き窯の焚き口(炭焼き用語)
※たきまっこー=昔話の最後の言葉(例・昔まっこーたきまっこー、……さるまっこー)
  たきもん=薪、燃料にする木や柴[和にも]
  たく=炊く、煮る(例・イヨもナアもいっしょくたにタク)[和にも]
  たくばえ=たくわえる、貯金
※たぐら=農耕用の牛馬の背につける農具
※たくる=束ねる、引き寄せる
  ~たくる=行為を繰り返す(強調語)(例・けりたくる、ぬりたくる)
  たけ・だけ・たき・だき=山の断崖、絶壁(甲浦では「タテ」とも言う)
※だけ=きのこ
※たげた=田に入れたワラや堆肥を踏み込む下駄
  たけたけ=延々と、道々
※たけねこ=タケノコ[甲]
  たける=野菜等が収穫時期を過ぎる、とうがたつ(イタヅリがタケてハイタになった)
※たけんま=竹馬(子供の遊具)
  たご=桶、担うように手のついた桶(例・こえたご、うまたご)
※~だこい=~なんて[甲](同・だこし、じゃこい、じゃこし、やこい、やかい、らこい、
            らこし、らかい)[ゾイカイ弁の代表例]
  たこつられる・たこつる=厳しく説教される~する、問責される~する[和にも]
                      (明治時代の軍隊用語に由来する)
  たごる=咳をする、咳きこむ(海ではタグル)
※だし=木材などの搬出(例・林道に近うてダシが良い)
  だしお=巻き出し波、海岸線の対流現象で沖合へ引き込む流れ、ショージオと同じ
  たしない=大事な、数少ない
  だしまえ=負担金、割り勘
※たず=ニワトコ(植物名)通風に効く
※だす・らす=ダツ・オキサヨリ(魚名)、海岸近くの波間で投銛で獲る
  だす・らす=炭俵、茅を編んで円筒形に作った炭俵
  たすい・たすこい・たっすい=ゆるい、弱い、もろい、軽薄
※だすだす=締め方がゆるい、ゆるゆる(例・締め方がだすい、だすだすぢゃいか)
  たたえん=果てがない
※たたき=①土をたたきかためる棒、②掃除用具のハタキ、③土間、上がり口
  たたき=三枚おろしの魚の表面だけを半焼きにしてユズ酢ほか調味料をたたきこみ切り          揃えたもの、単なる「タタキ」は鰹のタタキ、それ以外は鯵のタタキとかウツ          ボのタタキと言う。半焼きにしただけのものは「焼きぎり」という
※たたく=耕土を耕やす(例・水田作業=起こす→たたく→かく+あぜかき~あぜぬり)
  だたくさ=ぞんざい、乱雑
※だだくさ=だらしない[海]
  たたくれる=何度も何度もぶつかりあってその部分がデコボコになった様子[野]
※ただまい・ただまえ=うるち米、吉米(キチマイ)とも言う
  ただもん=①ただの者、常人、②普通、③むやみやたら
  ~たち・~だち=~できたて、~したばかり
  ~たち・~たちち・~たっち・~たって=~しても、~しなくても
  ~だち・~だっち・~だって=~しても、~しなくても
※たちがわりー=性格が悪い、ずる賢い、治療が困難な病気
※たちきる=中断する
  たちょー=田丁、水田地帯、平野
  たちる・たちっちょる=立つ、立っている、座る(いざる)の反対語
※たちれ・たちっちょれ=立て、立っておれ
※たちわき=シイラ(魚名)[甲](他ではナタマメもタチワキという)
※たつ・たっていく=商売や経営がなりたつ
※たつ・たてる=山の斜面が急なこと
  たつくる・たつくりまーる=むやみに走り回る、動き回る
  たっすい・たすい・たすこい=ゆるい、弱い、もろい、軽薄
※~だった・~ざった・~らった=~しなかった、~でなかった
  たっち=立ち上がる(幼児語)(ハイハイ→タッチ→アンミ)
  ~たっち・~たって・~たち=~ても(例・言うタッチいかんチヤ)
  ~だっち・~だって・~だっても=~しなくても(例・せダッチ構わん)
※だっとさん=座頭さん(宍喰の名勝「座頭岩」)[宍]
※たっぱふく=泡を吹く(例・疲れ切ってタッパフク)[甲]
※たっぺつに=存分に[甲](例・昼はタッペツに食うていけ)
※たて=崖[甲]
  たてあげ=七歳の男子の鯉幟の上げじまい(八歳以降は鯉幟を上げない)
※たてくべ=備長炭の原木を立て揃えて焼く方式(炭焼き用語)
  だてこき=おしゃれ、格好つけだがり
※たてこんじょる・たてこんどる=家が密集している
※たてつけ=戸や障子の締め具合
※~たてて=~た・とて[甲・宍・海](例・言うたてて、行ったてて)
※~だてて=~だ・とて[甲・宍・海](例・飲んだてて、急いだてて)
※たてびき・たてびきのこ=木目に沿って引くノコギリ(対・ヨコビキ、ヨコビキノコ)
※たてまえ=新築祝い、棟上げ
※たてまた=縦くべの原木を立て揃える道具(炭焼き用語)
  たてり=物事の道理
  たてる・たつ=山の斜面が急なこと
  たてる=戸や障子を締める、ツメルとも言う
  たてる=群がる(例・大安売りにヒトがたてる、やじ馬がたてる)
※たとむ・たとんだ=たたむ、たたんだ(例・傘をタトム、布団をタトンダ)[和にも]
※たなおち=果樹や果物の収穫が遅れて味が落ちること
  たながえる・たながやる=植物の突然変異、先祖がえり、原種もどり
※たなぎょー=盆行、盆に仏壇で読経し供養する
※たにえび=渓水に棲むエビ、ヤマトヌマエビ
  たにごそ=木が覆いかぶさるような小さな谷
  たのき=タヌキ(動物名)[和にも]
※たのきつき=タヌキに取り憑かれる(同・犬神憑き、キツネ憑き)
  たのしゅむ=楽しむ
※たのまア=頼むわ、お願いします
  だば=山のゆるやかな場所、山仕事のできる平らな場所
※たびえび=ウチワエビ(海老の種類名)
※たべよん=食べている、食べているの?[宍・海]
  たぼこ=たばこ
  たま=柄のついた網、魚をすくう
  たまー・たまア=たまるか
  だまかす・だまくらかす=だます、ごまかす
※だまける・だまけん=だませる、だまされる・だませない、だまされない[宍]
  たまで=まるで、まったく
  たまるか・たまるもんか=堪えられるものか(強調語)
※たまるけ・たまるけまー=たまるか・これがたまるか[宍・海]
※ため=ため池
※たもご=たまご[甲]
  だや=牛馬の小屋(ウマダヤ、ウシダヤ)
  たやく=地域共同で水田や農道や水路の維持管理あるいはその作業のこと
  たやす・たアす・たやったーす=放りだす、~してしまう
※たやひちょけ・たーっしょけ=放っておけ、すてておけ
  たゆー・たいゆー=神官、太夫
※~たら=~とか(例・あータラこータラ言う、何タラ言いよった)
  ~たら?=~し・たか?
※たらえ=タライ、水を溜めて使う浅くて広い道具
  たらすけ=たらふく、たくさん(飲食)
※たらん=飽きがこない、満足しない、足りない
  たらん=頭が悪い、一人前でない
※たらんまえ=不足分(例・足らんまえはワシが払うちゃる)
  たる=飽きる、満足する、足りる
  だる・だるごえ=人肥
※~たる・~たるわ・~たるわい=~て・やる[宍・海・阿]
  だる・だるごえ=人糞肥料、くみ取り便所で自然にできるコエ
※だるい・だい・だいー=けだるい、しんどい
※たるばー=十分な、足るほど
※だるま=メダイ(魚名)[甲]
※たるみ=クロホシフエダイ(魚名)[県東部]
  だるめる=ゆるめる、締め過ぎた帯や紐などを緩める
※~たれ・~たる・~たろ=~て・やれ・~て・やる・~て・やろう[宍・海・阿]
  だれこける=疲れきる
  だれっちゃ=だれも(徳島県はレにアクセント)
  だれっちゃ・だれっちゃー=だれも(高知県はチャにアクセント)
※だれべー=だれそれ(名前をよばず誰それと言う)
  だれまーり=誰でもが(例・だれまーり出来る事やない)
  たれもつー・たれもたくる・たれもつれる=処理に困る、対応しきれない
  だれる・だれかやる・だれこける=疲れる
※~たろ?・~つろ?=だったろー?、~だろう?
※~だろ?=~でしょう?「ろ」にアクセント[海・阿]
  たろねこ=牡の猫(タローンタローンと鳴く猫)、野良猫
※~たん=したもの(例・鮎の焼いタン、言うタンは誰なら)
※~たん=~さん、~ちゃん(名前の末尾につける)
※だんじき=だんじり(神祭の山車)[甲]
※たんすのこえ=箪笥に死蔵する衣類
  たんた=田圃(幼児語)
  だんだんと=ぼつぼつ終わりませんか(さようならの代わりの挨拶)
  だんつける・だんつめる=追いつめる、やっつける、決着をつける
  だんつむ=行き詰まる
※たんとー=短刀、切り出しナイフ(子供の工作用具)
※だんない=かまわない[佐]
  たんねる=①探す、調査する、②質問する[和にも]
  ~たんびに=~ごとに
  たんぼ=①水田、②ぬかるみ、湿地、沼地
  たんぽ=ぬかるみ、湿地、沼地、磯の小さな入り江
  たんまに=たまに

            ち
  ~ち=~しても
※ちー=チーは血、チィは地位、チイは地
※ちーけー・ちーけーこらえ=否定語[野]「そちけー」の略語
※ちえとちんぽはこのよでつかえ=知恵や男根は生きている内に使え
※ちえる・つえる=崩壊する、腫れ物などが漬える
  ちか=近所、近辺
※ぢか=直接、直々に
  ちかまーり・ちかめぐら=近辺、近郷近在
※ちかよく=目先の欲、当座の欲
  ちぎ=計量する道具、主として竿ばかり
※ぢき・じき=すぐ、直接
  ぢく・じく=むくろじ、むくろじの実(果肉は洗濯用、果核は羽根つきの実にする)
  ちくと・ちっくと=ちょっと[新]
  ぢけ=あく、あく汁
  ちし=地代、加地子
  ちじかまる・ちじこまる=縮んで小さくなる、寒さで縮かむ[和にも]
※ちそ=しそ(赤紫蘇は梅を赤く染め漬け、青紫蘇はタタキその他の料理の香辛料)
  ちち=羽織の糸やワラジのヒモを通すところ
  ちちこ=①カツオの心臓(珍味)、②ハゼ(小さな川魚の名)野根ではチチボと言う
※ちちぶ・ちちぼ・ちちんぼ=ハゼ類の総称(川魚)、野根ではチチボと言う
※ちちぼ=ハゼ(川魚名)県内ではゴリ、チチコ、チチブと言う、ミミナシ(ボウズハゼ)
          ノボリコ(川尻から遡上するゴリ類の稚魚)なども同語に含む
  ちちやん=お乳(幼児語)[甲・幡多郡にも]
  ちっくと・ちくと=ちょっと[新]
※ちっこい・ちっこい[阿]・ちまい[新]・ちょんまい・ちんまい・ちんまい[土]=小さい
  ちったー・ちったア=ちょっとは、少しは
  ちっち=川面に石を投げて飛び飛びに飛ばすこと、ショーベンとも言う
  ちっち=ホオジロまたはセキレイ(鳥の名前)小鳥(幼児語)
※ちっちこーこえとーまーれ とまらんちっちはとんでいけー=幼児をあやす遊び
  ちっと・ちっと=ちょっと
※ちっとば・ちっとばー・ちっとこばア=すこしばかり
※ちっとばった・ちっとんたー=少しづつ[野]幡多郡はチートンツ
  ちぬ=黒鯛(磯魚の名)
  ちびくれる=ちびる、摩滅する、すり減る[宍]
  ちびっと=少し[和にも]
  ちびる=①摩滅する、②下痢の大便や小便をもらす[和にも]
※ぢべた・じべた=地面(他の地方はヂベッタ、ジベッタ)
  ちぼ=すり、きんちゃくきり
  ちまい[新]・ちんまい[土]・ちっこい・ちっこい[阿]=小さい
※ちもつれ・ちもどろ=血だらけ
  ちゃ・ちゃー・ちや=ですよ(新土佐弁「チヤ」は本町へあまり達していない)
※ちゃー・ちゃい・ちゃーする=棄てる、打つ(幼児語)[和にも]
  ちゃー・ちゃア=茶、一服、小休止
※ちゃーわー=ちがうわ[野]
  ちゃア・ちゃめし=午後三時のヤツメシ、おやつ
※ちやう・ちゃう=違う
※ちゃがちゃが=がらがら(玩具)[甲]
※ちゃがちゃが=手のひらを開閉する(幼児の遊び)
  ちゃがまる=頓挫する、参ってしまう、へたりこむ
※ちやす=つぶす、崩す、ふくらんだものの中身を抜いてへしゃげる
※ちゃだち=願いが叶うまでお茶を断つ[宍]
  ちゃっ!・ちゃー!=舌打ちする時の言葉!(ちゃっしもーた)
※ぢゃっ?・ぢゃー?=おや?(疑問語)
  ~ちや・~ちゃ・~っちゃ=①~です(接尾語)、②~するな(禁止の接尾語)
※ちゃちゃ=横槍、割り込み(例・ちゃちゃを入れる=割り込み文句言う)[和にも]
※ちゃちゃくられる=①からかわれる、②目茶苦茶にされる
※~ちゃちゃくる=行為を繰り返す強調語(切りちゃちゃくる、踏みちゃちゃくる)
※ちゃちゃぼちゃ=そっちこっち使ってしまう[佐]
※ちゃちゃむちゃ=めちゃめちゃ[海]
  ちゃっくり=ぴったり、いっさい(例・バクチをちゃっくりやめた)
  ちゃっちゃ=冬場の鴬(ホーホケキョでなくチャッチャッと鳴く)
※ちゃびつく・ちゃぶつく=液体が激しく揺れる、たぶつく
  ちゃぶちゃぶ=水、行水(幼児語)
  ちゃめし・ちゃー=午後三時のヤツメシ、おやつ
※~ちゃらー=~してやろう
※~ちゃアらア=~してありますよ
※ちゃらかす=おしゃれする[宍]
※ちゃらつかす・しゃらつかす=見せびらかす[甲]
  ~ちゃる・~ちゃアる=~してやる(阿波弁では「~たる」)
※~ちゃれ・~ちゃァれ=~してやれ(阿波弁では「~たれ」)
※ちやわー=違いますよ
※ちゃん=ゴムの反動で銛を撃つ魚突き道具、銛鉄砲(本業の大型から子供用の遊具まで)
※ちゃん・ちゃんちき=動物の足を挟む仕掛けのワナ、とらばさみ(海はチャンチュー)
※ちゃんと=きちんと、しっかりと
  ちゃんとしもーた=あっしまった、あー抜かっていた
※ちゅー=焼酎
  ~ちゅう=~している(甲浦は「~ちょう・~ちょる」阿波弁は「~とる」)
※~ぢゅー=~でいる(例・死んぢゅー生きちゅー)
※~ちゅーさかい=~というから[徳島県]「ち・ゆう=と・言う」から変化か
※ちゅーする=吐き出す(幼児語)
※~ちゅーんは=~というのは[徳島県]
※ちゅウぶる=中古品
※ちゅっちゅくまんじゅーだれがくた だーれもくわずにわしがくた=幼児をあやす遊び
  ~ちょう・~ちょる・~ちゅう=~している(阿波弁は「~とる」)
※ちょーかい=淡水魚のアユカケ、カジカ[野・甲]
※ちょーがろ=スジアラ、ホウセキハタ、ノミノクチなど(魚名)[佐]
              高知県ではキョーガラ、キョーガロが一般的
  ちょーさ・ちょーさい=①神輿、②神輿を担ぐ掛け声(最重量級の神輿の掛け声、軽い            神輿は「ワッショイ、セイヤ、ソーリャー」など様々な掛け声が使われる)
                 阿波言葉の辞典で「神輿渡御の輿丁の唱える呪言~囃言~掛声」とある
※ちょーかいぼー=ちょーさいぼーに同じ[甲]
  ちょーさいぼー=①愚弄、②わやくちゃ、③かつぐ~かつがれる[和にも]
  ちょーず・ちょーづ=便所
※ちょーちんにつりがね=釣り合いが取れていないこと
※ちょーな=大型のシイラ(魚名)[甲]
  ちょーなはじめ=手斧始め、起工式、仕事を開始すること
※ちょーば=地引き網の漁場の区画、一番良い丁場はオヤチョーバ[野]
※ちょーめん=学名エゴノキの四国方言、木色は白、木質は緻密で、織物の道具や、糸車、              和傘の芯などに使う。
※~ちょいちゃう・~ちょいちゃる=~しておいてやる
※ちょいちょい・ちょくちょく=ときどき
※~ちょいて=~ておいて(阿波弁では「~といて」例・やっちょいて、ほっちょいて)
  ちょく=さかずき、ちょこ:猪口(飲酒の容器)
  ~ちょく・~ちょる=~て・おく・~て・いる(阿波は~トク・~トル)
※ちょげす=ちょこまか者、こっけい者
※ちょける・ちょげる=ちょこまかする、こっけいなことをする、ふざける[和にも]
※ちょこちょこ=①ときどき、②ちょこまか
※ちょこまい・ちょんまい=小さい
※ちょちちょちあばば=幼児の両手を使ってあやす言葉
※ちょちょぎる・ちょちぎる=ずたずたに切る
  ちょっこり=①短時間、②簡単
※~ちょった=~ておいた(阿波弁では「~とった」例・やっちょった、ほっちょった)
※ちょびちょび・ちょぼちょぼ=少しづつ、時々(ちょいちょい)
※ちょぼ=目印の小さい点[和にも]
※ちょぼちょぼ=対等、合致、甲乙つけがたい[和にも]
※ちょぼひげ=ちょびひげ、小さな鼻髭
  ~ちょる・~ちょォる=~ている(阿波弁では「~とる」例・やっとる、ほっとる)
  ~ちょれ・~ちょォれ=~ておれ(阿波弁では「~とれ」例・やっとれ、ほっとれ)
※ちょろ=一本櫓の舟
※ちょろい・ちょろこい=とろい・とろこい[徳島県]
※ちょろまかす=ごまかす
  ちょんがり=浪曲、座敷芸の一つ
  ちょんこ節=ちょんこしてして・し死んだ人は・今に石碑が腰つかう・チョンコチョンコ
  ※野根ではオメコしてして・し死んだ奴はヨーソレソレ・今に石塔が腰つかうヨ・チョイナチョイナ
  ちょんまい・ちんまい・ちっこい=小さい
※ちょんまちこい=小さい
  ちりけ=背中のお灸のツボ(脊椎骨の三~四番目の間)
※ちりめんじゃこ=鰯の幼魚(ちりめん→かちり→かえり      こべら→ひらご      ほたれ)
※ちん=自転車のチェーン
  ちん・ちんちん=親しい
※ちん・おっちん=おすわり(幼児語)
  ちんこ・ちんち・ちんちん・ちんぽ=男根、陰茎
  ちんちこ=着物の丈が短い、チンチクリン
※ちんちん=たいへん仲が良い[和にも](海はチョンチョン)
  ちんちん=お金(幼児語)
  ちんと=きちんと(例・チント座っちょれ)
  ちんな=おかしな、へんな[新]
※ちんぴ=ユズの皮を干したもの[宍喰]
※ちんぴら・ちんぴらりん=シマサルナシ(キウイフルーツの野生種)[野]
※ちんぴろりん=シマサルナシ(キウイフルーツの野生種)[甲]
  ちんぼ・ちんぽ=男根
  ちんまい[土]・ちんまるこい[土]・ちまい[新]・ちっこい[阿]=小さい
※ちんもオなる=小さくなる

            つ
  つい=すぐ、ほんの(例・ツイさっきまで居った)
  ついでのもち=ついでにできること(ついでの餅に粉はいらん)
  つえ=崩壊
  つえる・ちえる=崩壊する、腫れ物などが漬える[和にも]
  つオい=強い、酒の度数が高い
  ~つか?・~つかえ?=~なのか?、~したか?(疑問語)
  ~つが=~ということだが
  つかえ=さしさわり、支障
  つかえる=さしさわる、支障ができる
  つかえる=肩が凝る、腹がむかつく、とどく(例・足がツカエルばあの深さの川)
  つかさい=ください
  つかしこむ=突っ込む、つき当てる
  つかす=行き当たる、支える
  づがに・ずがに=もくずがに
※つかはい・つかはれ=下さい(徳島県)
※づかれる=怒られる、小突かれる[新]
  つかんこと=つかぬこと、みょうなこと
  つき~=(強調語)(例・つき座る、つき返す)
  づきまアす・づきたくる=怒りまくる、小突きまわす[新]
※つきやい=担ぎ手を前後二組に分けて神輿を押し合う余興[野]
※つきやい=①付き合い、②押し合い
※つく=玄米を白米にとう精する、穀物を搗く
※つく=担い棒の両端の突起部分
  づく=怒る、小突く[新]
※~づく・~づつ=~しないで
  つくざる・つくなむ・つくばる・つくまむ=屈み込む、へたばる
  つくなる・つくなりこむ=屈み込む、疲れて座りこむ(海はツクダレコム)
※つくしんぼー=土筆(スギナの胞子嚢)
  つくばる=屈み込む、へたりこむ
※づくばる=駄々をこねる、反論する、居座る
※つぐめ=つぐみ(鳥の名)
  つくり=魚の刺し身[和にも]
※つくり=建物の外観、造作
※つけ=借金、請求書(掛け売り・盆と暮れに一括して支払ってもらう)
※つけもん=漬物、たくあん
  つし=屋根裏、屋根裏部屋
  つじおや=病弱な幼児を捨てて丈夫な人に拾ってもらい「辻親」になってもらう風習
※~つぞ=ということだ(強調語)ということか(疑問・強調語)
※つだる・てだる=連れだつ
※つちのこ・しくのこ=伝説の小人、カッパ、タヌキ
  つちのこ=むしろを編むときの重り
  つっ~=突く、突き(例・つったおす、つっこかったーす)ツッは強調語とも言える
  つづ=粒
  ~づつ=~で、~しないで(例・勉強せんヅツに遊びよる)
※つつ・つつんぼこ=ウナギなどを捕る竹筒
  つついっぱい=最大限、精一杯(海ではツツイチとも言う)
※つっかえぼー=つっかい棒[宍]
※つっかけ・つっかけぞーり=前半分に足を入れる履物
※つっかける=衝突する、突き当てる
  つつく=触る、いじる、建物などを修繕する
※つっこかす=突き倒す
  つっこける=つまづいて倒れる
※つっこみ=総合、全部(ツッコミでなんぼなら=全部で幾らですか)
※~っしゃげる=~する(ヤッツケルやイタメツケルの意味の接尾語)[甲・宍]
※~っしょる=~している(例・泣かッショル)[甲・宍]
※~ったーす・~ったやす=~してしまう(例・こきまッタース=こきまわす参照)
※~つった・~つんた=~づつ[野](例・ひとつった、ちっとった)
  つつっぽ・つつんぼ=筒
  づつない・ずつない=苦しい、しんどい(「術ない」が語源か)
※つっぱしる=全力で走る(ツッは強調の接頭語)
※つっぱりぼー=ツッパリ棒(上下開きの戸を開けた時の支え棒)
※つっぱる=支える、倒れたり下がったりするのを防ぐ
  つづる=虫が食う
  つづれ=虫が食った所に食べかすが綴れ残ったもの
※~っと=~ませんか(例・それをくれット)[野]
  ~っと=~をしないで(例・学校へ行かット遊びよる)[おもに岬陽地区]
※つねぎ=普段着、(逆・晴れ着、よそいき)
※つのまた・さくらのり=食べられる海草(和名カバノリ)
※つば=つわぶき(新芽は山菜・植物名)
  つば・つばき・つばけ=唾液
  つばかる=水に浸る、水や湯の中に入る(例・風呂につばかる)
  つばける=水に浸す、水や湯の中に入れる(例・洗濯物をつばける)
  つばす=ブリの小さいもの(モジャコ→ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ)
※つばべん=ホウセンカ(花の名)[佐]他地区にはツバベニ、ツバベリ、ツバメなど
※つぶし=ひざ、くるぶし
※つぶしがわらう=ひざがわらう
※つぶる=つむる(例・目をつぶる)
※つぶろじ=ちどめぐさ(植物名)
  つべ=尻
  つべかやり・つべかえり・つべがえり=逆立ち
  つべからげ=着物の下部をからげ上げる
  つべくりかえる・つべくりかやる=頭を下にひっくり返る
※つべたか・つむ=ベッコウカサガイ、ギンタカハマガイ(貝の名)キリとも言う
※つべたて=頭を畳にすりつけて拝むとき尻は逆に立っている様子[野]
※つべつる=すねる[佐]
※つぼむ=花がしぼむ
  つまえる・つまえこむ=物を元の場所に戻す、片付ける[和にも]
※つましー=質素
  つむ=摘む、積む、髪を散髪する
  つむ=①込み合う、②塞がる、③乗り物に載せる
※つむ・つべたか=ベッコウカサガイ、タカセガイ(貝の名)キリとも言う
  つめ・づめ=最奥、行き詰め
※つめ=栓、ふた
  つめきりそー・ほろびんそー=マツバボタン(海ではツミキリソー・チミキリソー)
※つめる=戸を閉める(タテルとも言う)[和にも]
  つやす=腫れ物などを潰す、潰して平らにする[和にも]
  ~つら=~していた、~だった
  つらくる・つりくる=吊るす[和にも]
※つりかぎ=炭窯の天井から吊り下げた鎖(長尺の道具を吊って作業する・炭焼き用語)
  つりぞオけ・めしぞオけ=飯を入れて涼しい所へ吊るす竹籠(夏季に用いる)
※つるべなわ=釣瓶につける縄、年一回の井戸替時に釣瓶縄も轆轤で編んで付け替える
※つるてん=はだか[海]
※つるむ=①昆虫などが交尾する、②人と人とが手を組む
※つるみ=交尾したトンボの雌雄
※つるんぼ=ヒガンバナ(花の名)[佐・興津にも]
  つれ=①同系統、同種類、②同伴者、同行者、友人、配偶者
  つれこる・つれこって=連れだつ・つれだって[甲・海・阿]
  つればり=連れ小便
  ~つろ?・~たろ?=だったろー?、~だったろう?[和にも]
※~づろ?・~だろ?=だろー?、~だろう?
※~つわえ=~ということだ、~だったのだ
※~つんた・~つった=~づつ[野漁](例・ひとつんた、ちっとんた)

            て
  て=人、者(例・えらいテ、もらいテ、)
※て=側(例・かみテ、よこテ)
  て・てー・てあい=このたぐい、同類(例・このてが安い、このてーを買うてこい)
※て・てー=手間、人手(例・テーが無い=腕HANDが無いのでなく人手が無い事)
  で=使用量や価値(例・使いでがあった、歩きでがあった)
※~で・~でよ=~ですよ[甲・海・阿](徳島県「でーけー弁」の代表例)
※~で?=~ですか?(疑問語)[甲・海・阿](例・あるでないで)
※て!・てー!・ていや!=おやまあ!(おどろいた時あきれた時の接頭語)[野]
※で!・でー!・でいや!=おやまあ!(おどろいた時あきれた時の接頭語)[野]
                        (同・おんでいや、じゃ、じゃー)
※てーがない=人手がない
  てーがはなれる=子育てで世話がいらなくなった
※てーたたく・てーたたく=合意する、契約する
※てーをきらう=人によりうまく出来ない・うまく育たない
※てーをくう=手間がかかる
  てーをはなれる=親の世話がいらなくなった(子供の成長)
※てーをみる=犯行現場を目撃すること(例・てーを見ちょらんきに犯人とは言えん)
※てエ=手
※てエたたく・てをたたく=合意する、契約する
※てエをみる=犯行現場を目撃すること(例・てーを見ちょらんきに犯人とは言えん)
※てあい・てやい=この類、この面々(例・このてあいがやった)
※てい!=こら!(子供を叱る言葉)
※ていほいする=怠けてぶらぶらする[甲]
※ていや!・でいや!=おやまあ!(おどろいた時あきれた時の接頭語)[野]
※ておけ=取っ手のついた桶
※~てか?・~てかい?=~なのか?、~したか?(疑問語)[甲・海・阿]
※~でか!=~でおくものか!(例・やらいデカ!、買わいデカ!)
  でがいぶね=直接に漁船から魚を買い付ける船、出買い船
  てがう=からかう[和にも]
  てかけ=妾
※てがまアる=手が後ろへ回る、逮捕される
※~てからに・~でからに=~のうえに、~に加えて
  てぎ=荷車などのかじ棒(海はテンギ)
※でき・れき=彼[海]
※~てくれまー=~て・下さいよ[甲・宍]
※~てけ=~と言うのかえ、~をするのかえ[宍・海]
※でける・でけん・でける・でけん=できる、できない[甲・宍・海・阿]
※でけとる・でけとらなんだんや=できている・できていなかったんだ[徳島県]
※てこ・てこない・てぼー=片手がない人、片手が不自由な人(障害者用語)
  でこ=でこ回しの人形、阿波浄瑠璃の人形
  でこまーし=門口に立って寿ぐ人形つかい
  てこまえ=石つき職人
  てこすにあわん・てこにあわん=手におえない
※でざと=出身地、実家
  てしお・てっしょ=小皿
  でしこし=弟子が師匠を越す、あべこべになる
  でしこし=ふくろう(鳥の名)(幼児歌・でしこし泣く子はとってかむぞ)
※でしな=でがけ(逆・いにしな)
※てす=てんす(魚名)
※てすき=手の空いた時、ひまな時
※~ですら・~ですらア=~です(丁寧語)
  てだる=連れ添う、連れだつ
※てっきゅー=魚や餅などを乗せて焼く金網
  てっしこ・でっしこ・てっしら・でっしら=どっさり
  てっしょー=小皿
  てつない・てつなう=手伝い、手伝う
※てっぽーながし=木材の川流しで水量が少ないとき堰留めてからいっきに流す方法
※てっぽーぜき=鉄砲流しのため特に設置した堰(土佐の河川では少ないらしい)
※~てて=~たとて(例・言うたテテいくけ)[甲・宍・海]
※~てで=~ていうことだ!、~ていうことか?[甲・宍・海]
※てて・おてて・てんて=手(幼児語)
※てにやわん=手に負えない(同・てこにあわん、てエにもシコにもあわん)
  てのぐい・てのごい=てぬぐい
※てべんとー=無報酬の仕事、無料の奉仕
  てぶら=何も持たない
※てぼー・てこ・てこない・てんぼー=片手がない人、片手が不自由な人(障害者用語)
  でぼちん=おでこ[和にも]
  てまがい・てまがえ=結い、労働交換
※てましごと=内職
  てみず=餅つきの時に杵どり役が使う水
※~てもろたる・~てもろたんは=~て・もらってやる・~て・もらったのは[徳島県]
※てやい・てあい=この類、この面々(例・このてやいがやった)
  でやく=出役、出夫、共同作業などに出仕すること
※~でよ=ですよ[甲・海・阿]、ですよ[標]ぜよ[新]どっせ[阪神]どすえ[京都]
        (徳島県「でーけー弁」の代表例)
※てらくさ=勉強ぎらい[佐]
※てれこ=あべこべ
※~てわ=~というのは[海]
※てをうつ・てエうつ=合意する、契約する
  てをくー・てをくう=手間がかかる
※てをたたく・てエたたく=合意する、契約する
  ~てん=~てみなさい(例・待っちょっテンだー)
※てんが=手鍬(片手で使う小さい鍬)
  てんかやみ=癲癇病み[和にも]
※てんかふ・てんかく=天花粉、夏に汗の出る部位に散布する粉、化粧にも使用
  てんぐす=てぐす(釣り糸)
※でんぐりがえす・でんぐりがやす=上下または裏表にひっくり返す[和にも]
  でんぐりがえる・でんぐりかやる=上下または裏表にひっくり返る[和にも]
※でんぐりそんぐり=出たり引っ込んだりで不揃い[佐]
  てんくろー=嘘つき、詐欺師
  てんごー・てんごのかー=余計なこと、いたずら、冗談、悪い遊び
  てんこす・てんこつ=てっぺん、頂上
  てんこもり=山盛りいっぱい[和にも]
※~てんさ・~てんさー・~てんだ・~てんだー=~してみなさい
※でんすけ・ばいすけ=石や土を運ぶ竹製のもっこ
※でんちゅー=ちゃんちゃんこ(綿入りで袖無しの着物)[甲・宍・海]
  でんつくでんつく・でんつけでんつけ=次から次へと
  てんて=手(幼児語)
※てんでに=めいめい勝手に[和にも]
  てんでやすーに=気安く(例・てんでやすーに引き受けられん)
  でんでんむし=カタツムリ(当地ではカタツムリと言わない)
※てんぷら=①油で揚げたおかず、②役立たず(例・くっつかないセロテープ)
  てんぼー・てんぽー=無鉄砲
※てんぽさく・てんぽーさく=うすらばか、風来坊[甲]
  てんぽーせん=知能が足らない(天保銭は80匁であり100に足りない)
  てんま=伝馬船、ハシケ、親船に対する子船のこと、親子連れの子供のこと
  てんや=小さな食堂や茶店あるいは雑貨食品店
※てんやもん=食堂からの出前食

            と
  と・とー・とオ=峠
※ど=ぞ(注・東洋町から海部灘沿岸はザ行ダ行ラ行の発音混用が多い)
※ど~=軽蔑の接頭語(例・ドけち、ドぬすっとー、ド百姓)[和にも]
  ~と=~せずに、~ということだ、~の口
  ~と・~っと・~んと=くれませんか(例・私にもくれっと、やっちょいてくれんと)
  とー=系統、一統、親戚、仲間
  とオ=一族一党(例・名留川は王子トー(王子の氏子)と余家トー(余家の氏子)がある)
  とオ=①早く、②すでに(例・とーから帰った、とーに済んだ)
※どーいた・どいた・どひた・どオひた=どうした
  どーいて・どオひて・どいて・どひて=どうして
※どーいたっち・どいたっち・どひたっち=どうしても
※どーがいった=猫背になった(身体の老化現象)
  とーから=早くから
  とーきび・きび=トウモロコシ
  とーけ・とオけ=およそ一斗の桶、一斗を計量する桶[和にも]
※どーこー=どうのこうの
  とーし・とオし=ふるい、網目で大小ふるい分ける道具[和にも]
※どーし=継続する状態(例・走りどーし)
※どーしょー=どうしましょう(同・どーしょーね・どーしょいな・どーしょかしらん)
  とーじん=馬鹿(例・とーじんなことを言う)海では言葉もわからぬ赤子のこと
※とーす=下痢する(例・はらをトーした=下痢した)
  とーす=トーシにかける、ふるい分ける
  ~とーせ・~どーせ=~て・下さい・~で・下さい
※どーぜ=どうですか(同・どーで、どーでよ、どーぜよ、どーぞね)
※どーぞい・どーぜー=どうだ?、どうです[甲・宍]
  どーぞこーぞ=なんとかかんとか(例・ドーゾコーゾ生きちょる)[和にも]
※どーで?・どーでよ?=どうですか?[甲・徳島県]
※どーどー=馬に対する止まれの号令(牛はホンホンの号令)
※とーとっとっと・とーいといとい=鶏を呼び寄せる言葉
※どーな?・どーなら?・どーならや?=どうですか?
※どーならい=どうにもならない[甲]
※どーならん・どもならん=どうにもならない[野]
※どーなりこーなり=なんとかかんとか(例・ドーナリコーナリ生きちょる)[和にも]
  どーなる・どーなりゃー=どうにもならない
  とーに=とっくに、早くに[和にも]
※どーねじ・どーねり=タブノキ(樹木名)
  どーのこーの=どうにかこうにか
※とーばー=ちょっとだけ[野]
※とーばった・とばった=ちょっとづつ[野]
※どーひさ・どオひた=どうした
※どーひたっち・どひたっち=どうしても
  どーひて・どいて・どひて=どうして
※とーやおくり=祭の若衆組から当家組に送る儀式[野]昔は35歳が若衆の定年だった
  とーやく=魚名、十百も群れる魚(同・くまびき、しいら、ねこまた、ねこまたぎ)
  どーやろこーやろ・どやろこやろ=なんとかかんとか
※どーらくな=いいかげんな[海]ドーラクは方々で使われる言葉
  とーり=通り、種類
  とオる=通る、通用する、合格する
※どーろぶち・みちぶち=道路沿い
※とオみ=遠くから見守る(例・赤ちゃんをトーミしよって、釜の火をトーミする)
※とい=遠い(例・といとっから来た=遠い所から来た)
※どいさって・どひさって=どうしても[野]
  どいた・どオいた・どひた・どーひた・どーひさ・どいたっちゃ=どうした?
※~といた=~ておいた(例・やっといた、ほっといた)[海・阿]
※どいたっち・どーいたっち・どひたっち・どーひたっち=どうしても
  どいて・どひて・どオいて・どオひて=どうして
※~といて=~ておいて(例・やっといて、ほっといて)[海・阿]
※といとっから=遠い所から[甲・海・阿]
※とうじんぶくろ=南京袋、麻袋[宍]
  とうやく・とうひゃく=シイラ(魚名)、くまびき、ねこまたぎとも言う
  とえる=叫ぶ、泣き叫ぶ、遠くから大声で言う[甲・海・阿]
  とおけ・とオけ=一斗桶、一斗を計る桶(馴らし棒をトカキと言う)
  とかき=升目を計るとき表面を平らにする棒(八十八歳の事を言う地区もある)
  とかき=手の平の天紋地紋が直列の手相(逆・くそかき=天紋と地紋が分離)
※どかべん=土方の弁当
※どかろ=どこやら(例・どかろい行きよった)
  とぎ・よとぎ=話し相手・お通夜
  どくけし=はぶ草、ドクダミ(いずれも薬草)
  とくまえる・とくまいる=捕まえる(海もトクマエルと言う)
  どくれ=ぐれる、どくれ者(例・どくれる、どくれもん)
※とぐわ=唐鍬(片方がハバセバで片方がツルハシとなっている鍬)[徳島県はトンガ]
※とこあげ=お産のあと産室から出て普通の育児生活にもどること
※どこい=どこへ
※とこせーおんど=海部地方の盆踊り(トコセーエエハリナヨイヨイの掛声が入る)
※とこせいえいのおどり=海部地方の盆踊り(野根浜でも踊られる)
※どこぞ=どこか[和にも]
  どこっちゃー=どこへも、どこにも(阿波はドコッチャー、ドコジャ)
  どこまーり=どこも、どこでも
  とこまえる・とこまいる=捕まえる(海はトクマエルとも言う)
※とさかにくる=アタマにくる、腹がたつ
※どさげる・どしゃげる=雨が土砂降りになる
※とさどーろー=初盆と二年目に使う灯籠(盆踊り会場に飾るため競って豪華になった)
  としいき・としばい=年長者
  としぞー=1~3月生まれ(数え年7歳で小学校に入る)
※どした・どしたんぞい・どしたんな=どうした?[甲・宍]
※どしたもんぞいな=どうしたものかなあ[甲・宍]
  としばい=年長者、高齢者[和にも]
  としび=生まれ年の干支と同じ干支の日
※どずく・どーずく・どつく=なぐる、打つ、怒鳴って怒る
※とせい=世渡り、日常の仕事
  とせいやま=地域の共有林、共有山
  とそんじょ・とそんど=軽率、不注意、間抜け
  どだい・どだいこだい=まるで
※どたま=頭
  どちこち=差がない、どちらもこちらも
※とちな=オトコエシ(植物名)食用や薬用にする
  どちみち=どちらにしても、結局は[和にも]
※どちらえか・どちらいか=どういたしまして・こちらこそ(挨拶語)
※どっから=どこから
※どっきゃら・どっきゃろ=どこか、どこやら、どこだろう
※どつく・どずく=なぐる、打つ、怒鳴って怒る[和にも]
※どっこいそっこい・どっこいどっこい=差がない、どちらもこちらも[海]
  どっしこ・どっしら=どっさり[佐・山]
※どっしょー=どうしましょう[野・海](同・どっしょいにゃ・どっしょかしらん)
  とっしょり=年寄り

※~とった・~とって・~とる=~していた・~して・~している[徳島県]
                            (高知県ではチョッタ・チョッテ・チョルとなる)
※~どった・~どって・~どる=~でおった・~でおって・~でいる[徳島県]
                            (高知県ではヂョッタ・ヂョッテ・ヂョルとなる)
※どっち・どっちゃ=どちら[和にも]
※とっちゃア・とっつも=ひとつも(例・とっちゃア残っちょらん)
  とっと=はるか遠い、ずっと昔、
  とっと=鳥(幼児語)
※とっとった=とっていた(例・機嫌をトットッタ)[徳島県]
  とっぱく=①うそ、ほら吹き、②とっぱくあじ(魚名)
※とっぱくれ=うそ[宍](海はトッパクロ)
  とっぱな・とばな=突端、海に突き出た岬(「ハナ」は岬の古語)[和にも]
※どてっぱら=腹、どてっとした腹
  とと・ととさん・ととやん=お父さん
※とど=滝、轟(特に神聖化された滝をトドサンと言う)
  どと=どいつ(例・どともことも=どいつもこいつも)
※どどこり=どんより沈殿したもの、沈殿物[甲]
※どともことも=どいつもこいつも
※ととる=どもる[甲]
  どない=どんなに(例・どないもこないも)[徳島県~大阪・和にも]
  どないか・どないぞ・どないに=なんとか、どうにか[徳島県~大阪・和にも]
※となり=お隣さんを呼ぶ言葉
  ~とに=~の上に、~に加えて(例・言わんトニ、知らんトニ)
  とのくち=戸口、入り口、直前
  どば=木場、木材の中間集積場
※~とばかす=~とばす(例・笑いとばかす)
※とばし=山間、谷川、斜面などをワイヤーロープで木材を空中運搬する
※とばった・とーばった=ちょっとづつ[野]
  とばとばする=落ち着かない様子
※とばな・とっぱな=突端、海に突き出た岬(「ハナ」は岬の古語)
※どはんな=どうしたんだ[野]
※どひた・どひたん・どーひた・どーいた・どいた=どうした
  とびつ=米びつ
※とびやがる=びっくりする
  どひん=土瓶[和にも]
※どびんご=生まれたての雛
  どぶ=どぶろく、どぶ酒(酒)
※とぶらい・とぶらう=弔い、弔う
  どべ=びり、最下位、ウナギやドジョウなどのぬめり、花札ばくち、頭部
※どべむし=ハナアブの幼虫(便壷に発生する)
  どべる・どべる=泥でぬかるむ
※とぼ=とんぼ(トンボをおびき寄せる言葉「トボコーヨ」)
※どぼくろ・どもくろ・どもん=ドンコ(魚名)[甲]
  とぼしあげ=3周忌後のお盆のあと灯籠をおさめる法事、2度目のお盆を済ますこと
          (盆灯籠は初盆と翌年トボシアゲの盆に飾ったのち廃棄する。昔はトボシアゲ            の盆灯籠の紙飾りでザイ踊りのザイを作ったという)
  とま・とまこ=いたち(動物名)
  どまくれる=まごつく、うろたえる
※とみかん=唐蜜柑(小さいミカンの一種、食用にする古い品種)[野]
※どむならん=どうにもならない[海]
  とめ=ご進物の返礼として入れてきた容器などにつけて返す粗品
※ども=どうにも(例・どもならん、どもこもできん)
※ども=肥え太ったジョロウグモ[佐]
※ともかく・ともまる=艫(船尾)による和船(トモカク)洋船(トモマル)の区分
  どやす=怒鳴る、なぐる[和にも]
※どやっしゃげる・どやったーす=ドヤスの強調語(海はドヤカスとも言う)
※どやって・どーやって=どのようにして
※とやとや=適当、いいかげん、とやとや[佐]
  どやらこやら・どやろこやろ=どうにかこうにか[和にも]
  とめくさ=田植え後に数回やる草取りの最後の草取り
※とよい=遠い
  とらまえる=つかまえる
※~とらん=~て・いない[徳島県]
※とりあう=相手にする
※とりあげる=お産を助けて出産させる(産婆~助産婦の仕事)
※とりかじ=左折(航海用語)(逆・右折=オモカジ)
※とりかじまわり=ツムブリ(魚名)[甲]
※とりこみ=家庭内の急用(例・親が死んでトリコミ中、トリコンぢょる)
※とりつき=きっかけ、とりかかり
  とりつけさでつけ=あれこれ理由をつける
※とりまた=先が二股になった炭焼き道具(炭焼き用語)
  とりめ=収穫高、収入高、取り分
※とりやま=魚群の上空の海鳥の群れ[宍]
  ~とる・~どる=~ている(例・やっとる、ほっとる)[海・阿]
※~とろ・~どろ=~ているだろう(例・走っトロ、休んドロ)[海・阿]
  とろ=トロッコ(例・トロ道はトロッコ線路を敷いた道筋)
  とろい・とろくさい・とろこい=愚鈍、鈍い[和にも]
  どろおとし・どろかき=田植え作業が済み地区ぐるみで行楽に出掛けること
  とろく・とろくそ=たくさん、十分、やたら
  どろすけ・ぞろすけ=ぞろぞろと沢山
※とろとろ=うとうと、眠りかける
※とろとろ=うろうろ、まごまご
※どろぼー=干したゆず皮を煮たおかず
※とろばこ=魚を入れる浅い木箱(近年は発泡スチロールの箱が主体)
※どろめ=生のままのイワシの稚魚、湯通しすればシラスになる
※~とん・~どん=~て・いる・~で・いる(肯定と疑問の両方に使われる)[徳島県]
  どん・どんな=鈍な、鈍感、動きが鈍い
※とんが=唐鍬、トグワ(片方がハバセバで片方がツルハシとなっている鍬)[徳島県]
※どんがら=図体、体格[野・甲・海]
※とんがらし=トウガラシ(香辛料)
※とんがる=尖る
  どんぐ=道具[甲・海・幡多郡も]
  どんくさい=にぶい、とろくさい[四国~関西]
※どんけつ・どんじり=最後尾、ビリ(「ドン」は強調の接頭語)[和にも]
※どんごろす=麻で編んだ袋、南京袋
  どんざ=綿入り半纏、どてら(漁師ことば)
  とんする=落ちる、こける(幼児語)
※どんずまり・どんづまり・どんづめ=行止まり、行詰まり(「ドン」は強調の接頭語)
※どんだけ・どえだけ=どれだけ[和にも]
※とんつ=凹凸、不揃い、差異(例・トンツがあって揃うちょらん)
  とんつく・とんついちょる=とびぬけている
  とんと=良家のお坊ちゃん
  どんど・どんど焼き=左義長、小正月頃に正月飾りや神仏のものを集めて燃やす行事
※どんどこ=舟の表面に出ている梁[海]
※~とんな・~どんな=~て・いるか?[徳島県]高知県では「~チョンナ」になる
  どんな=にぶい、のろい
※どんぴしゃ・どんぴしゃり=ぴしゃりの強調語、ぴたり合う
※とんぼく=てっぺん、頂上[佐](海はトントコ)
※とんぼちょー=セセリチョウ(トンボを捕るときオトリに使う小さな蝶々)
  どんま=胴馬、背中へ飛び乗る子供の遊び
※とんまえ・とんまえやい=捕らえる、鬼ごっこ遊び[海]
※とんまえる=捕まえる[宍・海]高知県では「トコマエル」